バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
ゲルソン・インスティテュートとゲルソン療法
映画上映の前に米国ゲルソン・インスティテュートのアニータ・ウィルソン代表から、映画についてのお話がありました。
司会をされているのは、ゲルソン療法のアンバサダーでもある、食生活・医学ジャーナリストの氏家京子氏です。
ゲルソン療法は、ゲルソン・インスティテュートの創設者マックス・ゲルソン医師が、結核の治療の研究をしていた際、偶然効果を示した食品の発見から始まります。
その後、様々な試行錯誤を経て、がん治療への適用が行われるに至った自然療法です。
また、何十年もその科学的裏付けを巡り、議論がなされている自然療法です。
日本で唯一のゲルソン療法認定医
こちらは、日本で唯一、ゲルソン療法の認定医をされている酒向 猛 (さこう・たけし)医師です。
ドキュメンタリー映画『The Food Cure』
今回の映画『The Food Cure(食事による治療/食事療法)』は、ゲルソン療法を選択した6名のがん患者達を5年間追跡取材したドキュメンタリー映画です。
このフィルムを製作した監督 サラ・マブロウ(Sarah Mabrour)氏は、中東などの戦場でノンフィクション映像を撮影するジャーナリスト監督です。そのため、マブロウ監督は、ゲルソン療法の宣伝のためにこの映画を作成したのではなく、自然療法の効果について、特に、自然療法の中でも成果を上げていると言われているゲルソン療法について、真実をあばく目的で撮影を行いました。
ゲルソン・インスティテュートとしては、隠すことは何ひとつないことから、真実を広く知っていただきたいという気持ちから、撮影に協力したそうです。
情報の独立性を保つために、5年間の追跡・密着取材の対象となる患者さん達の選別についても、ゲルソン・インスティテュートは一切関わっておらず、患者さん達には、「マブロウ監督がドキュメンタリー映画を作成したいという意向があるため、もし協力できるのであれば、直接、監督に連絡してください。」とだけお知らせをしたのだそうです。
対象となった6名の患者さん達
- 2名は米国人(ヒスパニック男児1人、白人女性1人)
- 2名はカナダ人(英語圏男性1人、仏語圏女性1人)
- 2名はヨーロッパ人(スイス・ドイツ語圏女性1人、仏人女性1人)
2週間のゲルソン・インスティテュートでの実践練習の後、各自、自宅へ戻り2年間、指導された食事法とエネマを続けることとなります。
時間の制約と経済的負担
ゲルソン療法は、非常に厳格な食事療法です。
1日の中で、約1-2時間おきに決められた食事をしなければなりません。大量のジュースを飲むことも求められます。それを作る食材も膨大な量になります。ひとつの食事が終わっても、次の1時間あるいは2時間後の食事に向けて、食材を決められた方法で処理していかなければなりません。
1日ただそれだけのために時間がとられます。とても仕事を持ちながら続けることはできません。
しかもゲルソン療法で使用しなくてはいならない食材は、全て、オーガニックあるいは自然栽培のものです。プラスして、特殊なサプリメントの摂取も求められます。
オーガニック食材が、米国やEUの比ではないくらいまだまだ高い日本で、箱一杯の自然栽培の人参やリンゴやその他の野菜だけを毎日毎日、1-2時間おきの食事に大量に使用する経済的な負担は図り知れません。
にも関わらず・・
自然療法は多くの国で医療保険の対象外
映画の中で問題提起されていたことのひとつとして、医療保険制度があります。
従来の抗がん剤による治療、あるいは病院で治療を受けることを選択した場合には、保険が適用されるのにも関わらず、ゲルソン療法などの自然療法を選択した場合、米国では(そして日本でも)保険の対象とならないということです。(EUでは自然療法も医療として認められているため保険が適用されます。)
抗がん剤や先端医療による治療にかかる費用に比べて、ゲルソン療法にかかる費用は食費がほとんどですから、ほんのわずかであるのにも関わらず、そして、国の医療費負担もかなり削減できるのにも関わらず、保険対象ではないのです。
繰り返しになりますが、仕事とゲルソン療法を両立させることは、ほぼ無理です。
ゲルソン療法を選択した途端に、収入源を失い、かつ、保険の対象とならないとなれば、がんで死ぬよりも先に生活苦で死んでしまってもおかしくない状況におかれることとなります。
今回映画で対象となった6名の内、5名は配偶者や家族から経済的な支援を受けていました。
家族の理解とサポートが不可欠
6名のうち、自然療法に対する理解やサポートを夫や家族から得られないまま離婚した女性(米国人白人)は、結果、ゲルソン療法を途中で続けられなくなり止めてしまい、他の自然療法を試すことを選択されました。
経済的な理由だけでなく、応援してくれる家族もなく、ひとりだけで続けることが如何に困難であるか、映画から伝わってきます。
1日中、毎日、2年間、食事のことだけで時間が過ぎていくのです。
食材の買い出しに行く以外に外出する時間も、誰かに会いに出かける時間も映画を観る時間もありません。
そんな生活を、ただひとりで続けていたら、心がつぶれてしまいます。
スイス人の女性は、夫の大きな理解とサポートを得て、車内でもゲルソン療法に則った調理ができるように車を改造して、決められた時間通りに決められた食事ができるよう、移動中の車内でも調理しながら、ご夫婦で旅行に出かけていらっしゃいました。そうした理解とサポートがなければ外出することもできません。
仏語圏のカナダ人の女性は、家族からの誘惑(ちょっとくらいならピッザを食べたって構わないんじゃない?というような)に負けて、また、ゲルソン療法を厳格に続けることへのご自身の心の疲れから、2年の間に次第にゲルソン療法が認めていない食事をするようになっていきました。
5年生存率は100%だったけれど
映画の対象となった6名の患者さん達の、がん宣告後、5年経った時の生存率は100%でした。6名全員ご存命でした。
しかし、映画が完成する時までにお二人亡くなられていました。
どなたが亡くなられたかと言うと、
離婚して家族からの支援が得られずゲルソン療法を途中で離れた米国白人女性と、厳格な食事を行うことを途中でやめてしまった仏語圏カナダ人の女性です。
2年間もの長い間、家族の理解とサポート、経済的な援助を受けて、厳格なゲルソン療法を完結させた残りの4名の方々は、なんと、がんが緩解(かんかい)していました。
ヒスパニック系米国人の男の子は、抗がん剤治療を受けた場合、腎臓と肝臓へのダメージが大きく、がんを克服できても、その後もずっと薬を飲み続けなければならない人生になると医師から説明を受けていました。しかし、そんな人生を息子に与えたくないという両親の強い信念からゲルソン療法が選択されたのです。
2年後、がんは緩解し、もちろん、腎臓も肝臓も元気なまま、何ひとつ彼は失うことなく成長していける人生を両親からもらったのです。
やるなら徹底的にやらなければ意味はない
今回の映画の6名の記録をもって、ゲルソン療法が全てのがんに効くと言い切ってしまうことは拙速であろうと思います。が、
少なくとも、ゲルソン療法を選択するのであれば、2年と言う長い間、ゲルソン療法の厳格な実践だけに人生を投げ打つ覚悟が必要だと感じました。
中途半端にやるのであれば、さっさと抗がん剤治療を受けた方が良いとさえ思えます。
どちらを選んでも、楽な道ではないことは確かです。
そして、EUのように、自然療法が医療として認められ、治療方針を患者が自由意思で選ぶことができ、それが保険対象となり、人生を犠牲にしなくても治療に専念できるような医療の仕組みが必要だと感じました。
氏家さん手作りのゲルソン・パウンドケーキ
こちらは、氏家さんが参加者全員に配ってくださった、手作りのパウンドケーキです。ゲルソン療法のルールに則り、小麦・塩・砂糖・オイルなど一切使わずに作られているものです。
翌日の朝食にいただきました。美味しかったです!
上映会の前にBlind Donkeyでディナー
上映会に、お友達も参加するとのことでしたので、上映会前に一緒にディナーをすることにしました。6月は彼女の誕生日でしたし、5月に希望の会社に転職成功したばかりでしたので。
Blind Donkey については『究極のオーガニックレストランBlind Donkey』をご参照ください。
ただ、今回私達は上映会というお尻が決まっていましたので、コースではなく、バーカウンターのみで提供されるアラカルト・メニューでの食事に留めました。
全て二人でシェアしました。
フェンネル・シードが入ったサラミ
とっても脂がさっぱりと軽い美味しいサラミでした。
バジルのつぼみが散らしてあるカプレーゼ
ズッキーニのつぼみのフリッター
カルパッチョ
古代黒米とフェンネルで香りづけされた豚肉
この後、ルバーブのパイを食べたかったのですが、上映会までの時間切れとなり、慌ただしくお店を後にしました。
いつもながら、どれもこれも美味しいお料理の数々。今度はもっとゆっくりとした時にちゃんと食べ直しに来よう!
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
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