リコピンは男性の強い味方らしい

2023/05/01/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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カロテノイドは、植物、藻類、光合成細菌などによって合成される750以上の天然色素です。私たちは、そのうちの40~50種類を野菜や果物から得ています。

食品から得られるカロテノイドの代表選手は次の6つです。

  1. α-カロテン
  2. β-カロテン
  3. β-クリプトキサンチン
  4. リコピン
  5. ルテイン
  6. ゼアキサンチン

ここでは、6つのカロテノイドのうち、リコピンについてお伝えしていきます。

カロテノイド全体としての機能については、『食卓を虹色にするだけで様々な病気を予防改善するカロテノイドの力』をご確認ください。

リコピンは、プロビタミンAカロテノイドではありません。

リコピンは、植物色素のひとつです。リコピンの色は赤色で、トマト、ピンクグレープフルーツ、スイカ、グアバなど、赤色の野菜や果物に含まれています。

食事からのリコピンの約80%がトマトとトマトから造られるケチャップやトマトソースによって供給されていると考えられています。

カロテノイドの中では、リコピンの抗酸力が最も高いことが示されています。また、試験管試験では特定条件下で、リコピンは脂質の酸化を阻害できることも示されています。

食事やサプリメントからのリコピン摂取量と血圧や血中脂質濃度との間に関係性をみつけることができませんでした。

8件のランダム化比較試験のメタ分析では、リコピン、トマト製品、トマト抽出物は、健康な人と高血圧の人の両方において、収縮期血圧と拡張期血圧のどちらにも響を及ぼさないことが明らかされています。

更に、リコピンのサプリメントの服用によっても、次の数値の改善効果は示されていません

  • 総コレステロール
  • LDLコレステロール
  • HDLコレステロール

総カロテノイドとしての関係については『カロテノイド|心臓血管疾患』をご確認ください。

米国の看護師健康調査 (NHS) や医療専門家追跡調査 (HPFS) を含むいくつかの大規模な前向きコホート研究のメタ分析では、食事からリコピンの摂取量が最も高いグループは最も低いグループと比較して、肺がんリスクが14%低下することが推定されています。

その他の複数の前向きコホート研究の分析では、血中のリコピン濃度が高い場合にのみ、肺がんリスクが29%低下することが報告されています。

総カロテノイドとしての関係については『カロテノイド|肺がん』をご確認ください。

データの一貫性を調整した、大規模な前向きコホート研究8件の統合分析では、リコピンの血中濃度が最も低いグループと比較して、最も高いグループでは、乳がんリスクが22%低いことが示されています。

総カロテノイドとしての関係については『カロテノイド|乳がん』をご確認ください。

いくつかの初期の前向きコホート研究では、リコピン豊富な食事が前立腺がん、特により悪性度の高い前立腺がんのリスクの大幅な減少と関連していることが示唆されました。

しかし、2015年の観察研究(症例コホート研究10件と前向きコホート研究2件)のメタ分析は次の結果を報告しています。

  • 食事からのリコピンの摂取量と前立腺がんとの関係性は見られなかった
  • 血中リコピン濃度が高いほど、前立腺がんリスクは低下した

15件の症例対照研究のメタ分析の結果は次の通りです。

  • 血中リコピン濃度が高くなるほど、進行期と進行性前立腺がんリスクは低下する
  • 血中リコピン濃度と非侵襲がんと局所がんリスクに関係性なし

2017年の観察研究のメタ分析の結果は次の通りです。

  • 食事からリコピンを多く摂るほど、前立腺がんリスクは低くなる(コホート/症例コホート6件、症例対照研究15件)
  • 血中リコピン濃度が高くなるほど、前立腺がんリスクは低くなる(コホート研究1件、症例対照研究4件、ケース対照研究12件)

両方の研究で、対照グループと比較して前立腺がんリスクが12%低下することが示されています。

食事から摂るリコピンが前立腺がんの予防に役立つ可能性については、科学的に大きな関心が寄せられています。しかし、食事から摂る研究では、トマトが用いられているため、リコピンそのものの効果なのか、トマトに含まれているその他の成分による効果なのか、その相乗効果なのかは、判明していません。

また、食事から摂るリコピンの血中濃度が高いほど予防効果は高くなるようですが、リコピンを豊富に含む食品を大量に食べたからといって、必ずしも血中濃度が高くなるわけではないようです。

前がん性前立腺病変(高悪性度前立腺上皮内腫瘍:HGPIN)と前立腺がんの患者を対象とした6か月間の小規模なランダム化対照研究2件では、トマト抽出物として1日30~35mgのリコピンのサプリメントを用いましたが、6か月後と37か月後においても、がんの進行率に変化はありませんでした。

さらに、限局性前立腺がんの男性を対象としたランダム化対照試験では、前立腺切除術までに15mg、30mg、45mgのリコピンのサプリメントを服用しましたが、次の変化や改善は起きませんでした。

  • 血中リコピン濃度の有意な増加
  • 血中ステロイドホルモンの比率
  • 増殖転移マーカーのプラセボとの比較(前立腺特異高原PSAとKi-67)

転移性前立腺がんの54人を、次の2つのグループに無作為に分け比較した研究では、

  • 精巣摘出術
  • 精巣摘出術と1日リコピン4mgの投与

治療に対する臨床反応(血清PSA、正常に戻った骨スキャン)と生存率は、リコピンのサプリメントを服用したグループで有意に高いことが明らかにされています。

非転移性前立腺がん患者を対象とした6件のランダム化対照試験のメタ分析では、1日に15~30mgのリコピンを3~24週間サプリメントで服用しても、血液中のPSA濃度が改善しないことが明らかにされています。しかし、研究開始時にPSAの濃度が6.5μg/L以上の患者では、PSAが減少することも明らかになりました。

15件の観察研究(11件の症例対照研究と4件の前向きコホート研究)のメタ分析は、リコピンの摂取量と大腸がんとの間には、関連性はないと報告しています。

総カロテノイドとしての関係については『カロテノイド|大腸がん』をご確認ください。

リコピンの摂取量が多いほど、リスクが低下する可能性が示唆されています。

「前向きフラミンガム骨粗鬆症研究」に参加した603人の4年間のデータを分析した結果、リコピンの食事からの摂取量が多いほど、次の傾向が示されています。

  • 男性の大腿骨近位部の骨密度が高くなること
  • 女性の腰椎の骨密度が高くなること

総カロテノイドとしての関係については『カロテノイド|骨粗鬆症』をご確認ください。

リコピンを豊富に含む食品を大量に食べたり、リコピンのサプリメントを大量に服用することで、「リコペノデルミア」として知られる皮膚の濃いオレンジ色への変色が起こります。

リコピンの色は、カロテンよりも濃いので、リコペノデルミアはカロテノデルミアよりも低用量で発生する可能性があります。

通常、ソフトジェルカプセルの形状で、次のいずれかを含んでいます。

  • 合成リコピン
  • 天然リコピン(主にトマト由来)

厚生労働省の食品成分表にリコピンの登録がないことから、海外の2件の研究を基に表を作成しています。

ゴーヤの仮種皮(かしゅひ)とは、ゴーヤが熟してオレンジ色になると、中の種の周りが赤く甘いゼラチン状になるのですが、そのことです。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

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参考文献

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング