バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
マインドフル・イーティングという言葉を聞いたことはありますか?
マインドフル・イーティングとは
- ながら食事をせず、ゆっくりと食べる
- 空腹のサインに耳を傾け、満腹になったら食べるのを止める
- 真の体の空腹と、心の空腹を区別する
- 色、香り、音、食感、味に意識を向ける
- 食べ物への罪の意識や不安に対処する
- 健康と幸福感を維持するために食べる
- 情緒や体への食べ物の影響に気づく
- 食べ物に感謝する
と、いうことを実践しながら食事をすることを意味します。
マインドフル・イーティングの具体的な方法については、『五感で食べるマインドフル・イーティング』をご覧ください。
そして、マインドフルの反対をマインドレス・イーティングと呼びます。
目の前の食事に特に意識を向けず、スマホしながら、テレビみながら、書類をみながら、機械的に食べていること、あるいは、取り巻く環境にコントロールされながら無意識に食べ物を口に運んでいることを意味します。
マインドレス・イーティングは、過食の原因になりますし、消化不良の原因にもなりします。
重要なことは意識して食べること・・でも
マインドレス・イーティングを防ぐひとつの方法は、「意識して食べる」ことですが、私達は、常に、意識して行動しているわけではありません。
自分で判断して決定したように思われる事柄も、実は、巧妙なCMの演出や、食事をしている環境によって、無意識のうちに行動させられてしまっていることも多いのです。
環境要因に影響されずに、マインドレス・イーティングを予防する方法、さらに、私達の脳の傾向を利用して、環境要因を科学的に味方につける方法を今回はお伝えします。
(裏付けとなる研究論文については、最後に参考文献として一覧にしています。)
1. 視覚効果を利用する
行動科学は、人々が食べ過ぎる原因は、空腹か満腹かの判断を外部要因に委ねているからだと言います。
ある調査研究では、スーパーボウル(アメフトの頂上決戦)をテレビ観戦しながら、チキンウィング(手羽)を制限なく食べてもらいました。半分の参加者のテーブルは、ウエイトレスが骨を直ぐさま片付け、テーブルは常にきれいな状態にしておきます。もう半分の参加者のテーブルは、骨を片付けず、お皿の上に積み上げておいてもらいます。
結果、骨を積み上げていた参加者たちは、そうでない参加者たちと比べ、34%(手羽約2個分)少ない量しか食べなかったとのことです。
他の調査研究では、参加者がスープを飲んでいる最中に、気づかれずに徐々にスープをお皿に注ぎ戻していくと、通常の1人前の量よりも73%(約3/4)も多く飲んでしまうことが報告されています。
興味深いのは、多くスープを飲んでいるのに、満腹感はいつもと同じだったということです。2人前弱飲んでいるのに、通常の1人前と同じ量を飲んだのと同じだけの満腹感しか感じていなかったのです。
この2つの調査研究は、私達が、骨の量や皿に残ったスープの量など、目で見えるものを、無意識のうちに、満腹なのか空腹なのかを判断する基準にしていることを示しています。
食事中、食器やグラスや瓶は片付けない
この人間の脳の傾向を味方につけるためには、食べた食器等を直ぐに片付けずにテーブルの上に残しておくことが良いと言えます。空瓶や空き缶、ビュッフェのお皿など、積み上げておくと食べ過ぎたり、飲み過ぎたりせずに済みそうです。
例えば、ビールもピッチャーで頼まず、一回一回ジョッキでもってきてもらい、空ジョッキをテーブルの上に残しておくと、飲みすぎなくてすむかもしれませんね。
2.パッケージは小分けに
視覚効果という意味では、パッケージの大きさも食べ過ぎに影響します。
大きな袋やパッケージのものを食べると、マインドレス・イーティングに陥ります。
ある研究者は、スパゲティ、ひき肉、トマトソースをそれぞれ量の多いパッケージと少ないパッケージにして参加者に提供し、調べています。
大きな量のパッケージを提供された参加者は、小さな量のパッケージを渡された参加者よりも、23%も多めに料理を作り、しかも、その結果、多く食べたそうです。
他の研究では、M&Mチョコレートを500g渡されたグループと250g渡されたグループを比較しています。500g渡されたグループの参加者は、平均して66個も多く食べたそうです。
しかしながら、途中で手を止めるキッカケがあると、この効果は失われます。
例えば、プリングルス(ポテトチップス)の7枚目と14枚目のチップスを赤く染色しておくと、通常のプリングルスを食べたグループと比較し、染色したチップスが入っているグループは、43-65%も少ないチップスしか食べなかったそうです。
同様に、M&M が200粒入った袋を一つ渡されたグループは、20粒入りの袋を10個渡されたグループと比較し、31個も多く食べたそうです。
猫の鳴き食いは正解
こうした私達の脳の傾向を利用するなら、おやつは大きな袋のまま保存するのではなく、小分けにしておくと良さそうです。また、一回の食事を2回に分けて食べたり、一日3食ではなく、少量を5食にしたりする(猫の鳴き食い)と良さそうですね。
3. 小さなお皿と細長いグラス
ヒトは、自分で取り分けた食事の92%を食べるという調査結果があります。つまり、食べ過ぎないことの一つの方法は、自分で食事を取り分けることです。
その際、お料理を乗せるお皿のサイズを小さくして、グラス/コップの丈を高くすると簡単です。
大きなお皿は、乗せたお料理が少なく見えてしまうので、知らない間に多く乗せすぎてしまいます。32cmのお皿の代りに24cmのお皿を使うだけで、27%も少ない量で満足することができるそうですよ。約1/3も減らせますね。
加えて、口の広い短い丈のグラスよりも、口の狭い丈の高い細長いグラスを使うと57%も少ない量で満足するそうです。半分以下ですね。
この傾向を利用するなら、食器は小さく、水は口の広い短い丈のグラスで、アルコールは細長いグラスで飲むようにすると良さそうですね。
4. 選択肢を減らす
選択肢が多いほど、23%も多く食べてしまうと報告されています。
同じ味のものばかり食べていると飽きますよね。それは私達の感覚が飽和することで起きます。でも、様々な味があると、なかなか私達の感覚は飽和状態になりません。
また、単に色が違うということだけでも、私達の脳は騙されます。
10色のM&Mを食べたグループは、7色のM&Mを食べたグループよりも、43個も多く食べるそうです。
お気に入りの料理2-3種だけ攻める
この脳の傾向を利用するなら、パーティやバフェット(ビュッフェ)では、オードブルを2種類に限定してお皿にとるとか、同じカクテルで一晩通すなどが効果的です。
5. 視界に入れない
“out of sight, out of mind(去る者日々に疎し)”という有名な英語の諺がありますが、直訳すれば、「視界から消えたものは、忘れてしまう」という意味です。これもマインドレス・イーティング予防に活用できます。
ある調査研究では、受付嬢たちに、ハーシーズのキスチョコを透明なふた付きボウルに入れて渡したグループと、中が見えない不透明なふた付きボウルに入れて渡したグループを比較しています。
透明なふた付きボウルを渡された受付嬢たちは、71%も多くキスチョコを食べたそうです。約2倍弱ですね。
科学者は、常に見える場所に食べ物がある状況は、私達に「食べるか食べないか」という判断を常につきつけている状況を作ることとなり、「食べる」という判断をしやすい環境であるため、結果、食べる量が増えてしまうのであろうと述べています。
ヘルシーなものだけ見える場所におく
この脳の傾向を利用するには、ジャンクフードは棚の中に、あるいは、そもそも買わない。果物やナッツ等は見える場所に置いておくと良いでしょう。
6. 不便にする
食べるために面倒があるほど食べなくなります。
この調査研究では、さきほどのハーシーズのキスチョコを全部透明なボウルに入れておきます。ボウルはオフィスの3か所に置きます。デスクの上、デスクの引き出しの中、デスクから2メートル離れた棚の上です。
受付嬢は、ボウルがデスクの上にある時、一日平均9個食べ、引出の中にある時は6個、2メートル離れた場所にある時は4個しか食べなかったそうです。
なぜ2メートル離れた場所にある時には、あまり食べなかったのかと質問した際、「仕事中に2メートル離れた場所まで、わざわざ取りに行くほど食べたいのかどうか」、考えたからだと述べています。
一旦、考える間(ま)があると、マインドレスイーティングが予防できそうですね。
不便にするには、お菓子類を高い棚の上に仕舞う様にするという方法もありますが、
食べる場所を限定する
「食べ物は食卓に座っている時にしか食べない」「食べ物はキッチンにしか置かない」というルールを作ることで、居間でテレビを見ながら無意識のまま食べ続けるということが無くなります。テレビを観ていて何か食べたくなったら、キッチンまで行って、テーブルで座って食べ、終わってから、居間に戻るということが必要となるので、好きなドラマの途中で中座してまで食べたいかどうか考える様になりますよね。
余談ですが、私の母はマインドフル・イーティングとは無関係に、単に居間を汚したくないという理由で、食べ物を居間で食べさせてはくれません。なので、居間のテーブルの上にスナック菓子など食べものが置かれていることはありません。食べるならキッチンテーブルで、です。
例外は、母が食後にフルーツを切ってくれる時。その時は、母がナイフとフルーツを居間まで持ってきて、切って配ってくれます。時々、父がお煎餅一枚もって居間に入ってくることがありますが、そうした時には、かならず、膝の上に紙などを広げて食べるように言われます(笑)
こうした躾け?のせいでしょうか、私はハンカチを常にもちあるいています。欧米ではレストランに入ると必ずナプキンがおいてありますが、日本では全ての外食店においてあるわけではないので、そうしたお店では、自分のハンカチを膝の上に広げて食べます(笑)三つ子の魂百まで?
>>『無意識に働きかけてマインドレス・イーティングを予防する12の方法(2)』
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参考文献:
- “Counting bones: environmental cues that decrease food intake”, Wansink B, Payne CR, Cornell University, Ithaca, NY, USA, Percept Mot Skills. 2007 Feb;104(1):273-6.
- “Bottomless bowls: why visual cues of portion size may influence intake”, Wansink B, Painter JE, North J, Applied Economics and Marketing, 110 Warren Hall, Cornell University, Ithaca, NY 14853-7801, USA. Obes Res. 2005 Jan;13(1):93-100.
- “Can package size accelerate usage volume?”, Wansink, Brian, Journal of Marketing, Vol 60(3), Jul 1996, 1-14. http://dx.doi.org/10.2307/1251838
- “Red potato chips: segmentation cues can substantially decrease food intake”, Geier A, Wansink B, Rozin P, Department of Psychology, Yale University, USA, Health Psychol. 2012 May;31(3):398-401. doi: 10.1037/a0027221. Epub 2012 Feb 6.
- “Can Package Size Accelerate Usage Volume”, Brian Wansink, Cornell University, September 30, 1995, Journal of Marketing, Vol. 60:3 (July 1996), 1-14
- “Super Bowls: Serving Bowl Size and Food Consumption”, Brian Wansink, PhD; Matthew M. Cheney, MS, JAMA. April 13, 2005, Vol 293, No. 14, 2005;293(14):1723-1728. doi:10.1001/jama.293.14.1727.
- “Bottoms Up! The Influence of Elongation on Pouring and Consumption Volume Restricted access”, Brian Wansink, Koert van Ittersum, DOI: http://dx.doi.org/10.1086/378621 455-463 First published online: 1 December 2003
- “Variety in a meal enhances food intake in man“, Barbara J. Rolls, E.A. Rowe, E.T. Rolls, Breda Kingston, Angela Megson, Rachel Gunary, Physiology & Behavior, Volume 26, Issue 2, February 1981, Pages 215–221
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- “The Influence of Assortment Structure on Perceived Variety and Consumption Quantities”, Barbara E. Kahn, University of Pennsylvania – Marketing Department; University of Miami, Journal of Consumer Research, March 2004
- “The office candy dish: proximity’s influence on estimated and actual consumption”, Wansink B, Painter JE, Lee YK, Cornell Food and Brand Laboratory, Cornell University, Ithaca, NY 14853, USA., Int J Obes (Lond). 2006 May;30(5):871-5.
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ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング