その不調もしかしたら甲状腺ホルモンのせいかもしれません

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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数年前に甲状腺機能低下症のための基本の食事についてシリーズを執筆した時に、甲状腺機能低下症は、誤診されやすい病気だと書きました。

甲状腺機能低下症が誤診されやすい病気には次のようなものがあります。

  • 糖尿病
  • うつ病
  • 副腎疲労
  • 慢性疲労症候群
  • 更年期症状
  • 多嚢胞性卵巣症候群

など

誤診を避けるためには、あなた自身がまず、その可能性について疑問をもっていなければなりません。

でなければ、お医者様に症状を伝える時に、無意識のうちに「これは、関係ないだろう」と勝手な自己判断で伝えない情報が出てきてしまう可能性があるからです。

例えば、「この状態は慢性疲労症候群ではないか」と思っている人は、それに関係する症状や情報に偏って医師に伝えるかもしれません。もちろん、医師は患者の言葉だけを鵜呑みにするわけではなく、ちゃんと検査をした上で判断をしますが、それでも患者の言葉は、原因をつきとめる重要な鍵となります。

ですから、誤診を避けるためには、あなたの予断をはさむことなく、無関係と思われるようなことでも気になることは、全て詳しく伝えることが重要です。

あなたの体の中で起こっていることを正しく理解してもらえなければ、関係のない病名がつけられ、必要もない薬を飲み続けることになりかねません。つまり、それは、その薬を過剰摂取していることになります。だって必要のないものを飲んでいるのですから、過剰としか言いようがありません。結果、症状が改善しないだけでなく、症状が改善しないために別の更に強いお薬が処方され、そのうちに肝臓を悪くしてしまう可能性だってあります。

そのことを心配して欲しいのです。

甲状腺ホルモンがバランスしていないサインには次のようなものがあります。

疲労感や無気力感で病院を受診すると、ストレス、慢性疲労症候群、あるいは、うつ病と診断されることが多いと言えます。年齢によっては、更年期症状のひとつと診断されるかもしれません。

でも、体のエネルギーの状態と甲状腺ホルモンとの間には、100%の相関関係があります甲状腺ホルモンは抗うつ剤と同じくらい、幸福感をもたらしてくれるホルモンです。

ですから、甲状腺機能の低下、甲状腺ホルモン不足も、疲労感や無気力感のひとつの可能性として、検査してもらう必要があります。甲状腺ホルモンの状態は、血液検査で調べることができます。

こちら『慢性疲労』もご確認ください。

体重増加は、甲状腺以外に、例えば、過食、極端な食事制限後のリバウンド、メタボ(生活習慣病)、肥満症、うつ病、更年期症状、初期の糖尿病などなど、さまざまな要因によって起こります。

ですから、体重が増えたことで甲状腺機能低下を疑う人は少ないかもしれません。でも、甲状腺ホルモンは、体温を維持したり、カロリーをどれだけ早く燃焼するかに影響をもっています

甲状腺の機能が低下して、甲状腺ホルモンが過剰になれば体重が急激に減少しますし、不足すれば体重が増加します。そして、橋本病などの自己免疫疾患の場合は、体重の変動が大きくなります。

重要なことは、甲状腺ホルモンが機能していない(例えば、分泌不足/過剰、生理活性不足、細胞への取り込み不足などの)場合にも、体重増加や減少が起こることをあなたが知っていることです。そして、体重変動が頻繁に起こるようなら、それは自己免疫が関係しているかもしれないということをあなたが知っていることが重要です。

そして、お医者様にひとつの可能性として、検査を相談してみてください。

意図しない体重減少については『カケクシア』もご参照ください。

抜け毛、お肌の乾燥、爪の変形や二枚爪など、髪やお肌や爪の状態に影響を与える要因も多数あります。

ミネラルやビタミンのバランスの崩れ(主に不足)や、腎機能の低下もあれば、使用しているシャンプーや洗顔料が原因していることや、ケアの方法が間違っていることもあります。女性ホルモンが減少する更年期にも起こります。

そして、甲状腺機能が低下しても、お肌が乾燥してかゆみを感じたり、髪が切れやすくなって枝毛になったり、爪が割れたりします。

また、眉毛の外側の端が抜けてなくなってしまうことは、甲状腺機能低下のサインとして良く知られている現象です。

うつ症状や不眠は、うつ病や不安症だけでなく、ストレスやさまざまな病気によって起こる症状です。更年期にも起こることがあり、そして、甲状腺機能の低下でも起こります。

でも、一部の医者は、うつ症状に対して、その原因に拠らず、一律的に抗うつ剤を処方して解決しようとすることがあります。でも、抗うつ剤の問題は、一度飲み始めると断薬が難しいことです。

心療内科や精神科の医師の全てが、甲状腺機能や他の疾患について詳しいわけではありません。ですから、うつ症状がある時には、うつ病以外が原因している可能性をまず、あなた自身が考えることが大切です。特に、甲状腺機能低下の可能性です。

うつ症状の改善については『うつ』や『幸福感を上げるフルーツ』や『季節性うつ』をご確認ください。また、不眠の改善には『不眠』や『睡眠』をご確認ください。

消化器官の不調は、運動不足やストレスでも起こります。過敏性腸症候群やピロリ菌によっても起こります。アレルギー薬や頭痛薬によっても起こります。

そして、市販の胃薬や鎮痛剤や便秘薬を服用することで、済ませてしまわれがちな症状です。それが日常的に、あるいは頻繁に薬の服用が必要な状態になっても、敢えて病院で検査をしてもらう人が少ない症状ではないでしょうか。

でも、胃もたれ、便秘や下痢は、加齢によっても、甲状腺機能低下によっても起こります。あまりに身近な不調なので、甲状腺機能の低下が見落とされやすい症状です。

便秘改善のためのナチュラルレメディについては『便秘』をご確認ください。

味覚障害/味覚低下が起こる原因には、次のようなさまざまな疾患が関係しています。

急性ウイルス性疾患、亜鉛欠乏症、肝疾患、アレルギー性鼻炎などです。脳の外傷でも起きます。また、医薬品の副作用として味覚異常が起こることがあります。

そして、甲状腺機能低下症でも味覚異常が起こります。

詳しくは『味覚異常』をご確認ください。

多嚢胞性卵巣症候群と自己免疫疾患性の甲状腺機能低下症には、共通した特徴、危険因子、そして、病態生理学的異常があることが明らかにされています。肥満、インスリン抵抗性、高レプチン血症、自己抗体が、両方の疾患に共通している病態(臨床的特徴)です。

なぜこの二つの疾患に共通した病態があるのかは、まだ判っていません。しかし、両方の疾患が相互に影響し合っていることは明らかにされています

そして、多嚢胞性卵巣は、甲状腺機能低下症の症状のひとつである可能性が判明しているため、多嚢胞性卵巣症候群と診断される前に、血液検査によって甲状腺機能低下症ではないことを確認する必要があります

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)のための食事については、『多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)』をご確認ください。

甲状腺機能に関する次の記事もご参照ください。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

甲状腺ホルモンが全ての細胞機能にとって重要な役割を果たしているからこそ、このホルモンが過剰になったり不足したりすると、さまざまな不調や疾患に似た症状が起こります。

表面的な症状や不調だけに囚われず、そのバックグラウンドに甲状腺機能が関わっているかもしれないことを考慮に入れて考えることで、誤診される可能性を低くできるかもしれません。

そして、もし甲状腺ホルモンのバランスが崩れているかもしれない兆候を感じたら、ご自宅でできることはたくさんあります。

治療のためのお薬を服用していてもいなくても、私たちは1日3食、食べるのですから、その食事があなたの症状を軽くさせ、甲状腺機能をサポートするものであることが重要です。

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