バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
脳科学の研究に基づく習慣
UCLA(カリフォルニア大学ロスアンジェルス校)の脳科学者アレックス・コーブ(Alex Korb)博士が、著書『The Upward Spiral(上昇スパイラル)』の中で、人生に上昇スパイラルを創り出す儀式(リチュアル/ルーティンについて紹介していましたので、和訳要約してお伝えしている第2回目です。
fMRI(機能的磁気共鳴画像法)を用いた脳科学の研究に基づいた、習慣化することで人生に幸せを呼ぶ行動と思考パターンです。
決断すると心配が減り問題が解決する?
何かを決めた途端に、心が落ち着いたように感じた経験はありませんか?
それは、偶然ではありません。
決断するためには、意図を明確にして、目標を立てることが含まれます。この3つ(意図 – 目標 – 決断)の行為は、全て、同じ脳神経回路で起きます。前頭前皮質をポジティブに刺激します。
脳科学は、決断が心配を減らすことを示しています。それだけでなく、決断は問題解決まで手助けしてくれます。具体的には、決断は線条体の活動を抑制し、大脳辺縁系を鎮静させることで、あなたの世界観を変容させることを手助けします。
決断することなく心配を抱えたままの状態は、脳の線条体活動を活性化し、ネガティブな衝動やネガティブな習慣にあなたを引き込むよう働きます。
とはいえ、決断することが簡単でない時もあります。では、どんな決断をしたら良いのでしょうか?
3. まあまあ良い決断も良い決断
脳科学の答えは、「Good Enough」「まあまあ良い決断をする」です。
つまり、完璧なパーフェクトな決断をしようとせずに、「まぁ、これで十分でしょう」的な決断をすることがベストなのです。
完璧主義はストレスを生みます。そして、脳科学もそのことを証明しています。
「完全無欠なベストな決断」をしようとすると、腹側内側の前部前頭葉の過活動を生みます。一方で、「“まあ十分良い”、“ほどほどに良い”決断も良い決断だ」と認識すると、背側外側の前部前頭葉が活性化します。
つまり脳は、状況をコントロールできているという感覚をもつのです。
「状況をコントロールできている」という感覚は脳のストレスを減少させます。(このことはマインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースで詳しく教えています。)
脳は自発的に選択したものを好きになる
積極的に何かを選択するという行為は、脳の意識注意回路に影響し、その行為に対する感情を変化させ、報酬のドーパミン活動を増加させます。ドーパミンは快楽を生むホルモンです。
同量のコカインを注射し依存症にした2匹のラットを用いた研究で、レバーを引かなければコカインが得られないラットAと、何もしなくてもコカインが得られるラットBの、脳に違いは生まれたでしょうか?
もちろん!ラットAの脳では、膨大な量のドーパミンが分泌されました。つまり、脳は
棚ボタを得るよりも、自分で目標を達成した時の方が気分が良い
と、いうことです。
例えば、ジムに行くのがなぜそんなに億劫なのかの答えもここにあります。
ジムに行かなければならない、行くべきだ、行った方が良いから行く。行きたいから行ったわけではない。だから、長続きしないのです。自発的に行きたいと思って行かなければ、あなたの脳の快楽中枢は刺激されません。それだけでなく、あなたはストレスも感じることになります。
私達の脳は、好きなものを選択するだけでなく、自発的に選択したものを好きになります。
では、もし自発的に選択したもの、こと、ひとに受け入れてもらえなかった時はどうしたら良いのでしょうか。
4. 身近にハグできる人はいるか?
私達ヒトは、他者から愛されている、受け入れられていると感じる必要がある生き物です。
心の痛みは肉体の痛み
もし愛されている、受け入れられていると感じることができなければ、痛みを感じます。この時に感じる「痛み」とは、心の痛みだけではなく、文字通り、物理的・肉体的な痛みです。
ある脳科学の実験では、被験者にボール投げのコンピューターゲームに参加してもらいます。バーチャルなボールを、画面の中のバーチャルな相手とやりとりするゲームです。しばらくの後、画面の中の相手の行動を操作しているのは、実は、他の被験者なのだと告げられます。すると、相手が意地悪をしたり、ボールを投げ返してくれなかったりした時、被験者の脳は肉体的な痛みを知覚したのと同様の反応を示すようになりました。
fMRIで観ると、仲間外れは、肉体的な痛みを司る脳と同じ部位を活性化していることが判ります。
つまり、拒否されるという体験は、心を痛めるだけでなく、脳にとっては、足を折ったのと同じような痛みとなるということです。
これを聞くと、就活で何十本もの「お祈りメール」をもらった学生が自殺したくなるという気持ちが理解できます。不合格通知は、足を折られるのと同じこと。何十回も折られ続けたら、それは、リンチあるいは拷問です。死にたくもなります。
また、イジメに遭っている子供が自殺してしまうのもきっと同じなのではないでしょうか。肉体的なイジメではなく、言葉や態度でのイジメであっても、いじめられている子供の脳では、肉体的な拷問が毎日起きているのと同じです。耐えられるわけがありません。(『逃げ場って必要だなと、あらためて』)
オキシトシンは痛みを和らげる
脳の痛みを減少させるためには、親しい人間関係が非常に重要な役割をもっています。
あるfMRIを使った研究では、既婚女性達に「これから弱い電気ショックを与えます」と伝え、脳をスキャンしました。痛みを伴うであろう電気ショックを待っている間、脳の前帯状回や前頭前野の、痛みや不安を司っている部分が予想通り反応を示しました。その後、女性達は、夫あるいは研究者に手を握ってもらいます。夫に手を握ってもらった女性の脳では、“痛み回路”の反応が低下を示しましたが、研究者では起こりませんでした。
スキンシップは脳内でオキシトシン(愛着ホルモン)の分泌を促します。 脳に刻まれた心の痛みをオキシトシンが癒します。大切な親しい人達とのスキンシップが痛みを減少させるのです。
関係の絆が強ければ強いほど、この効果は高まります。
オキシトシンを分泌させる行為
あなたのお子さん達を毎日ぎゅーーと長く抱きしめてあげてください。イジメに遭っていてもいなくても。そのことで救われる命があるかもしれません。就活中の学生さん達は、合間に、お互いをハグし合いましょう。
1日に5回のハグを4週間つづけると
幸福感が大きくなる
と、発表している研究もあります。
スキンシップは、上手に活用すれば、職場においても、信頼を得たり、チームを結束させることに役立ちます。スキンシップは子供の数学の成績を向上させたりもします。
あなたが考えるよりもずっとパワフルなツールです。
近年、職場のハラスメント基準が厳しくなっていますが、TPOによっては、握手や肩ぽんぽんもOKな場面もあるかもしれません。
マッサージに行く
ハグできるような人が周囲にいなくても大丈夫。マッサージに行きましょう!
マッサージには次のような効果があると言われています。
- セロトニン(幸福ホルモン)を30%増加
- コルチゾール(ストレスホルモン)を抑制
- ドーパミン(快楽ホルモン)の増加
- オキシトシン(愛着ホルモン)の増加
結果、睡眠の質が改善し、疲れがとれます。
家族や大切な人に会う
家族や大切な人達に会いにいったり、電話で話をしてみましょう!
面白いことに、メールには、何の効果もないようです。オキシトシンも増えないし、コルチゾールも減らないことが報告されています。
もちろん、会う約束をするためにメールを送るのはアリですけど。
布団を変える
そして、お布団を変えてみましょう!
どんなお布団に変えるとオキシトシンが分泌されるのかは、『甘いもの欲求抑える布団?』をご欄ください。
幸せを呼ぶ4つの思考ルーティン
全てはつながっています。
- 感謝の心と誰かを愛しむ行動は、心の痛みを減らし、睡眠の質を改善します。
- 心の痛みが軽くなれば、気分が改善し、心配ごとも減ります。
- 心配ごとが減れば、もっと大切なことに気持ちを集中させたり、計画することができるようになります。
- 集中と計画性は、決断することを助け、決断することで、更に心配ごとは減り、楽しみが増えます。
- 楽しみの増加は、感謝できることを増やします。
幸福の上昇スパイラルが完成します。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
統合食養学のヘルスコーチ養成専門学校のロゴもスパイラル
私が統合食養学(ホリスティック栄養学)のヘルスコーチとしての公認資格を取得した、NYCの学校(IIN: Institute for Integrative Nutrition)のロゴも、上昇スパイラルです。
偶然でしょうか?
いいえ、統合食養学(ホリスティック栄養学)は、ポジティブ心理学の上に成り立つ新しい栄養学です。
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
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新学期は、毎年3月と9月です。講座でお会いしましょう。
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参考文献:
- “New Neuroscience Reveals 4 Rituals That Will Make You Happy“
- “The Upward Spiral: Using Neuroscience to Reverse the Course of Depression, One Small Change at a Time“, March 1, 2015, Alex Korb PhD (Author), Daniel J. Siegel MD
- “Your Brain at Work: Strategies for Overcoming Distraction, Regaining Focus, and Working Smarter All Day Long“, David Rock
- “Putting feelings into words: affect labeling disrupts amygdala activity in response to affective stimuli“, Lieberman MD, Eisenberger NI, Crockett MJ, Tom SM, Pfeifer JH, Way BM, Psychol Sci. 2007 May;18(5):421-8.
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング