【ビタミンB12】ビタミンB12の作用と多く含む食品&サプリメントの選び方

2019/07/01/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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ビタミンB12の食事摂取基準(2020)

成人一日の摂取基準です。男女ともに同じです。

  • 必要量:2.0μg、推奨値:2.4μg

食事一回で2μg 以上のビタミンB12 を食べると、体内への吸収が飽和してしまいます。それ以上のビタミンB12 を食べても生理的には吸収されなくなります。そのため、限界量が定められていません。

ビタミンB12の性質

ビタミンB12は全てのビタミンの中で最も複雑な化学構造をしているビタミンです。

金属イオンのコバルトを含むため、ビタミンB12は、コバラミンと呼ばれます。ヒトの体内で活用されるビタミンB12の形態は、メチルコバラミン、または、5-デオキシアデノシルコバラミンです。

ビタミンB12は肝臓に貯蔵されます。

食品中のビタミンB12 の吸収率は、通常でも、およそ50% しかありません。

ビタミンB12の機能

エネルギー代謝を助ける

私達のエネルギーを造っているクエン酸回路の中間体(スクシニルCoA)の合成に不可欠な栄養素です。また、葉酸の代謝にも関わっています。

造血ビタミン

ビタミンB12は赤血球の生成や再生に関与しています。そのため、「造血ビタミン」とも呼ばれます。

毒性のあるアミノ酸ホモシステインの代謝

ビタミンB12は、毒性のあるアミノ酸ホモシステインを代謝する役割を担っています。

血中のホモシステイン濃度が高くなる高ホモシステイン血症は、次の疾患と関係しています。

  • 心疾患
  • 認知症/認知機能損傷
  • うつ病
  • 骨粗鬆症

神経細胞の保護

ビタミンB12は、神経細胞の周りのミエリン鞘の保持と神経伝達物質の合成に不可欠です。そのため、認知症だけでなく、神経変性疾患の予防にとっても重要です。

ビタミンB12欠乏症

ビタミンB12で心配しなくてはいけないのは、欠乏症です。

食物からビタミンB12を吸収するには、胃、すい臓、そして小腸が正常に機能していなければなりません。ビタミンB12の不足は、偏食よりも、主に腸による吸収不全によって起こります。

そのため、胃酸分泌阻害薬などの医薬品の長期間の服用は、ビタミンB12の吸収を低下させることがあるため、欠乏症になりやすいと言えます。

また、加齢による萎縮性胃炎によってもビタミンB12の吸収は低下します。萎縮性胃炎は60歳以上の人の10%~30%が発症していると考えられています。

加齢によるビタミンB12不足が起こる理由は次の通りです。

  • 体内ビタミンB12 の貯蔵量自体の減少
  • ビタミンB12 の吸収率の低下

その他、ビタミンB12は、主に動物性食品に含まれているため、ヴィーガンの人は不足しやすいと言えます。

巨赤芽球性貧血

ビタミンB12が欠乏すると、メチオニン合成酵素の活動が低下し、葉酸が体内で使用できない状態になってしまいます。血中の葉酸濃度が正常値なのに、葉酸欠乏症の症状が現れてきます

そのため、葉酸とビタミンB12のどちらが欠乏しても、葉酸がDNAの合成に利用できなくなります。骨髄の細胞は、他の細胞よりも細胞分裂が急速なので、最初に影響が現れ、大きく未熟でヘモグロビンの少ない赤血球を造ってしまいます。結果、起きる貧血が巨赤芽球性貧血です。

鉄分不足による貧血よりも深刻なので、悪性貧血と呼ばれます。

葉酸欠乏が原因なら葉酸を補給することで改善されますが、ビタミンB12欠乏が原因の場合、貧血は解消しても、症状が長く残ることがあります。そのため、巨赤芽球性貧血はその原因がわかるまで、葉酸での治療をすべきではありません。

神経疾患

ビタミンB12欠乏で起こる神経疾患の症状には、

  • 手足の痺れや痛み
  • 歩行困難
  • 記憶喪失
  • 意識障害
  • 認知症

などがあります。

ビタミンB12が欠乏すると、脳神経、脊髄神経、末梢神経を覆うミエリン鞘が損傷することが知られてます。しかし、ビタミンB12が欠乏するとなぜ神経損傷が起こるのかの、生化学的プロセスは解明されていません。

胃腸障害

ビタミンB12が欠乏すると、胃炎や胃の内膜の損傷が起きます。よく見られる症状は

  • 舌の痛み
  • 食欲喪失
  • 便秘

ですが、ビタミンB12欠乏との関連を示す具体的なメカニズムについては不明です。

ビタミンB12豊富な食品

画像の中で、「1個」とか「1切れ」など、吹き出しで記載されているのは、各食品が1日の推奨値を満たす量です。

ビタミンB12の体内吸収率は約50%なので、この量の2倍食べておくと安心です。

なお、ビタミンB12を含む藻類の中には、体内で活用できない疑似ビタミンB12を含んでいるものがあります。それについては『疑似ビタミンB12について』をご確認ください。

ヴィーガンの人へ

ビタミンB12を多く含む食品は、ほとんどが動物性食品です。そのため、動物性食品をあまり食べないベジタリアンやヴィーガンの方は、意識的に海苔などの海藻類を食べるようにすることが重要です。

最近では、純度の高いクロレラパウダーが購入できます。クロレラは、サプリメントの形態をしていることが多いのでサプリメントだと思っている人が多いですが、実は、藻類です。ホールフードなんです。そんため、お料理に使うことができます。クロレラについては『クロレラのすごい力』をご確認ください。

ビタミンB12のサプリメントの潜在毒性

上述した通り、私達の体内で機能するビタミンB12は、メチルコバラミン/5-デオキシアデノシルコバラミンです。しかし、ほとんどのサプリメント(栄養補助食品)や栄養強化食品で使用されるビタミンB12は、シアノコバラミンという化合物です。

シアノコバラミンは、体内で青酸化合物コバラミンに分解され、コバラミンはメチル化されて、メチルコバラミンとなり、私達の体が活用できる状態になります。

もうひとつの副産物の青酸化合物は、ご存知、毒物です。

もちろん、致死量がサプリメントに入っているわけではありませんが、微量であっても、青酸化合物を発生させるようなものを、私は体内に入れたいとは思いません。

安全なビタミンB12のサプリメント成分

もし、悪性貧血などの治療目的で、ビタミンB12を摂取するのであれば、

  • メチルコバラミン
  • ヒドロキシコバラミン
  • アデノシルコバラミン

の、いずれかの記載のあるものを購入するようにしてください。

これらは体内で青酸化合物を発生させません。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

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