なぜ責任感がある人ほどセルフケアが苦手なのでしょうか?

2018/10/09/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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一日が台風のように過ぎ去っていく

忙しくて、息をつく間もないくらい、次から次へと様々なことが起こって一日が終わっていくなんて経験ありませんか?

投資銀行で働いていた時、朝出社してから、ランチ時間も忘れて仕事に没頭し、気がついて顔をあげたら、夜8時になっていたなんてこともありました。

また、午後3時ころに低血糖状態(冷や汗手の震えなど)が表れてきて「はっ!」と、お昼を食べていないことに気がついて、慌ててサンドイッチを口に押し込むなんてことは、しょっちゅうでした。

実は、ヘルスコーチの資格を取得した後もその習慣がなかなか抜けていなかったことを最近フェイスブックのお節介機能で思い出しました。

いくらなんでも、これほどひどい状態の人は多くはないと思いますが、それでも、なんだかんだと忙しくストレスフルに仕事や家事をしているのではないでしょうか?

最悪なのは、こうした状態が「普通」だと思ってしまっていることです。

私にとって、低血糖状態が午後表れることは、「またか」というくらい「日常」的で、「普通」のことでした。それが大きな健康問題の入口だという認識は、1ミリももっていませんでした。

私達人間は、そう長い間、健康や幸福感を犠牲にすることなく、ノンストップで働き続けることはできません。

セルフケアが必要です。自分を労わることが大切になります。

セルフケアはホリスティック

セルフケアは、肉体的精神的感情的なニーズを自ら意図的に満たすことを意味します。

あなたの存在全てに対して、栄養素与える行為です。

私が実践している統合食養学(ホリスティック栄養学)は、心と体の栄養を包括する新しい栄養学です。体だけでなく、あなたの心にも栄養を与えることが重要だと考えます。

セルフケアはもともと医療用語

癒しを必要としているあなたの全て

  • 肉体
  • 精神
  • 感情
  • 情緒

をケアすることで、健康と幸せを取り戻すことを意味します。

セルフケアとは、体の疲れだけでなく、心の疲れを癒すこと、ケアする行為です。

セルフケアは「意図的」な行為

セルフケアは意図して、自分の健康と幸せに対して責任を持ち、その責任を果たすための行為です。セルフケアは、あなたの心と体が必要としているものを認めそれを与えることを許す行為です。

でも、セルフケアを実行することは、自己犠牲を美徳とする価値観や文化にとって、相反する行為のように思われがちです。

だから、責任感の強い人ほど、セルフケアを行うことを躊躇してしまいます。

セルフケアには意識のパラダイムシフトが必要

永遠に自分の心と体をないがしろにし続けることは不可能です。遅かれ早かれ、私達は苦しむことになります。

「自分のためだけに使う時間は悪だ」「セルフケアする時間があるのは無能の証拠」と、いう価値観を変えない限り、セルフケアが、優先順位の1位になることはありません。

セルフケアは身勝手な行為ではない

セルフケアは、自分勝手でもワガママでも、ナルシストでもありません。

例えば、飛行機に搭乗した際、緊急時にはまず自分の酸素マスクを装着し、その後で、他者(お子さんなど)の装着を手助けする様にとCAさんから説明されます。それと同じです。

本当の意味で、他者を助けるためには、あなたの意識がまずしっかりしていなければなりません。あなたを犠牲にすることが他者を助けるということではありません。まずあなた自身を助けることで、周りの多くの人を助けることができるようになります。

成功を得るために必要なのは長時間労働ではなく賢く働くこと

より長く、より速く、より一生懸命に働く」と、いう価値観は、私達を「より不健康に、より不幸にする」と、いうことに気がつく必要があります。

従来の「成功を得るには長時間働く必要がある」という価値観から、離れる必要があります。

成功を得るために必要なのは、長時間労働ではなく、賢く働くことです。「Work smart (スマートに働け)」と、いう言葉を聞いたことはありませんか?

忙しさは有能の証ではなく無能者のブラフ

「忙しい」ことが有能な証拠だという認識も改める必要があります。

本当に有能な人は忙しくありません。有能なので余裕で様々なことをこなすからです。そして、本当に忙しい人は、忙しいとは言いません。そんなことを言っている暇もないほど忙しいからです。

「忙しい、忙しい」と、言って周囲に言いふらしている人ほど、大抵は、ブラフです。言いふらして歩けるくらい暇なんです。

セルフケアは健康と幸せを獲得する先手攻撃

アーユルベーダや東洋医学などの、西洋医学ではない医療、つまり代替医療や統合医療の共通項は、セルフケアは、健康と幸せを得るための先手攻撃となるアプローチだということです。

多くの人は不調が起こってから、休息をとったり、食事を見直したり、運動を始めます。後手なんです。

でも、セルフケアは先手です。予防です。今の健康と幸せの防衛です。病気になる前に、自らの心と体を労わり、自らの健康と幸せに対して責任を果たす行為です。

また、セルフケアは、怪我や病気や過労などからの回復の役に立ちます。健康と幸せを取り戻すために必要な癒しを、あなたが、あなた自身に対して提供することを意味します。

セルフケアは自己管理能力とスキル

セルフケアは、自分を甘やかしている行為だと感じるかもしれません。でも実は、セルフケアを実践するためには、かなりの自己管理力が必要です

忙しい毎日の中で、自分をケアするための時間を捻出し、確実に実行する能力です。優先順位の一番最初に「セルフケア」を置くために、その他の様々なことを処理・管理・排除することのできるスキルです。

セルフケアは自己肯定感を高める

自らに癒しを与える行為、セルフケアは、従来の価値観の中にはありません。

自らの幸せために、わざわざ時間を割くことに違和感を覚える人もいるでしょう。でもそれは、幸せになろうとするご自分を否定するようなものです。自己否定です。

セルフケアは、あなた自身をまず大切にすること優しくすることです。それはすなわち、あなたの存在を自ら肯定する行為です。

自分自身をちゃんと大切にする行為は、自己肯定感を高めます。自分のことが好きになれます。

ありのままの自分を認め、受け入れられるようになるために、セルフケアはとても有効な方法です。

セルフケアの方法

従来の価値観から一旦距離をおき、自らに癒しを与えることに慣れるためには、セルフケアを繰り返し行うことが大切です。

セルフケアを実践する方法は、いくつかありますが、今回は、6つご紹介します。

1. 十分な睡眠時間を確保する

十分な休息と癒しの時間を持つことは、セルフケアの基本です。

物事が素早く動いている社会において、

  • スローダウンすること
  • アンプラグ(オフラインに)すること(SNSから離れること)
  • 十分な睡眠をとること

は、心と体にエネルギーを取り戻し、幸福感を維持するために不可欠です。

睡眠負債という言葉が、しばらく前に話題となりましたが、現代人の私達は、慢性的に睡眠不足状態です。

私達の体と心は、睡眠中に修復されたりデトックスされたりします。ですから、「十分な睡眠をとる」それだけでも、様々な不調や病気の予防となります。これも立派なセルフケアです。

また、睡眠だけでなく、覚醒している時間にも瞑想という形で心と体に休息を与えることができます。瞑想には睡眠のリズムを正常に保つ効果がありますから、良い循環を生むことになります。

睡眠の効果については『幸せは眠る人が好き~寝起きの白雪姫がプロポーズされた理由』をご参照ください。

2. ストレスと仲良くなる

慢性的なストレスは、心と体の健康を保つ上で、とてつもない障害となります。軽視してはいけません。

現代の社会でストレスを完全にゼロにすることはほぼ不可能なのですから、ストレスを排除するのではなく、ストレスと上手に付き合っていく方法を学ぶことが重要となります。

ストレス・マネジメントの方法は世の中にたくさん紹介されていますが、セルフケアとして、例えば、マッサージ、や鍼灸、整体、タッピングなど、体の痛みだけでなく、心の痛みもとってくれる方法が選択肢となるのではないでしょうか。

スキンシップと心の痛みの関係については『脳科学者が教える人生に上昇スパイラルを生み幸せを呼ぶ4つの思考スーティン』をご参照ください。

その他、ストレスと仲良くなれる食事とライフスタイルについて、マインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースで学ぶことができます。特殊な呼吸法もお伝えしています。

3. ワークライフリズム

セルフケアにとって、鍵となる要素は、ワーク(仕事)とライフ(パーソナル時間)のリズムを作ることです。

ワークとライフをバランスさせることではありません

統合食養学では、ワークとライフはバランスではなく、リズムだと考えます。

私達は、バランスという言葉を聞くと、その両方を均等に配分しなければいけないと無意識のうちに思い込んでしまいます。私達の人生には山も谷もあります。そんな時、ワークとライフを均等に配分しようとすることは、新たなストレスを生むだけです。

バランスさせるのではなく、リズムなのだと気がつけば、もっと人生は楽になります。

それに、ワークとライフを明確に区別することは、簡単なことではありません

テクノロジーが進み、モバイル環境が整い、いつでもどこでも四六時中つながることができるようになってしまった今、また、在宅勤務ができる環境も整いつつある今、仕事は、家庭の中に入り込んでいます

テクノロジーが進む前の時代よりも、私達は、ずっと意図的に仕事と家庭を切り離す努力をしなければならなくなりました。(参考:『在宅勤務の落とし穴に堕ちずに生産性を維持してハッピーに成功させる秘訣』)

長時間、睡眠も休息も削って仕事を進めたら、今のプロジェクトを早く終わらせることができると感じるかもしれません。でも、睡眠不足は集中力の散漫を招きます。判断のスピードが落ちます。ミスが多発するかもしれません

ミスを修正している時間を考えたら、しっかりと定期的に休息をとって、ちゃんと眠ることでミスが減り、結果として、一番効率的な近道となります。

ワークライフリズムについては『傲慢にならずに自己中になろう|ワークライフ・バランスの呪縛から解き放たれるには』をご参照ください。

4. 栄養補給

セルフケアは、心にも体にも必要な栄養を与える行為です。そして、統合食養学は、心と体の栄養素を包括する栄養学です。

私達は、

  • 心が枯渇したり
  • 心が疲れたり
  • 心に罪悪感自己嫌悪があったり

すると、不思議なことに、体にとっては必要のない食べ物や飲み物で、

  • 心を埋めようとしたり
  • 心を癒そうとしたり
  • 心を修復しようとしたり
  • 心の不安を取り除いて、安心を得ようとしたり
  • 無意識のままに自分に罰を与えようとすら

してしまうことがあります。

セルフケアによって、心を満たすことができれば、私達は必要もないものを食べたり飲んだりしてしまわずに済みます。健康な心と体のためには、良質で充分な栄養があなたの体に与えましょう。

5. 運動

私達の体は、動くようにプログラムされています

私達の祖先は、洞窟の中で、一日中じっと座っているようなことはしなかったはずです。狩りに出かけたり、木の実を集めたり、あるいは畑を耕したり、家畜を移動させたり、また、住みやすい場所を求めて、長い距離の移動を繰り返していたかもしれません。

健康と幸せを生むためには、体を動かすことが必要です。

あなたの体は動きたがっています。

体の強靭さや平衡感覚や柔軟性や活力を維持するために運動をすることもセルフケアです。もちろん、そこには、運動後の回復のための十分な休息も含まれます。

筋肉は使わなければ、失われていきます。骨もそうです。骨をひっぱる筋肉が弱くなれば、骨は強くいる必要がなくなるので、次第にスカスカになっていきます。

6. エネルギーマネジメント

あなたの心と体のエネルギーの流れを意識してください。

どのような状況であなたはエネルギーに満ち、どんな状況でエネルギーを枯渇してしまうのか。

あなたの心を弾ませてくれるような人や物事と過ごす時間を増やすこと、これもセルフケアです。

そんなことを意識しながら、日々の行動を考えてみましょう。

セルフケアは、自己管理であり、自らの人生に対する責任です。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

もしおひとりで取り組むことに不安や難しさを感じるのでしたら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

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新学期は、毎年3月と9月です。講座でお会いしましょう。

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