
バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
原因不明の慢性疲労はありませんか?
慢性疲労は、現代人にとっては馴染みのある不調ですよね。
- なんとなく朝、疲れが抜けていない。
- お昼過ぎると疲労感で集中力が激減して仕事にならない。
- 最近、物忘れが多くなったような気がする。
そんな感覚ありませんか?
慢性疲労の検査

慢性疲労で病院に行くと、大抵、副腎や甲状腺の機能の検査が行われます。
稀に、血中のビタミンB群の値が調べられたりします。
副腎疲労や甲状腺機能低下、そしてビタミンB群欠乏の全てが慢性疲労と関係しているからです。
でも、逆に、それ以上の検査が行われることもあまりありません。
それぞれの症状と検査については、次の記事をご参照ください。
通常の検査をしても原因が分からなかったら
もし上記した検査でも慢性疲労の原因がわからなかったら、コリン(ホスファチジルコリン)の値を調べてみてもらってはいかがでしょうか。
何をしてもとれない慢性的な疲労は、コリンから造られるホスファチジルコリンと呼ばれる脂質の低下あるいは不足が原因していることがあるんです。
コリンは、記憶やエネルギーに関係している神経伝達物質アセチルコリンの材料です。
なお、裏付けとなる研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています。
ホスファチジルコリンとは

体内で、脂肪がエネルギーとして利用されたり貯蔵されるためには、脂肪はタンパク質と結びつく必要があります。
この時、脂肪とタンパク質を結び付けているのがホスファチジルコリンです。
人体に必要な脂肪です。脳、腎臓、肝臓の健康な細胞の中に多く存在しています。
コリンと脂肪酸
ホスファチジルコリンは、親水性の頭部と疎水性の尾部を持っている特殊なリン脂質です。
親水部にコリンが、疎水部に2つの脂肪酸が結合した構造をしています。
《親水部》+コリン
+ 《疎水部》+2つの脂肪酸
疎水部に結合する脂肪酸には、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸などがあり、その組み合わせによって、さまざまな種類のホスファチジルコリンが存在しています。
PEMT遺伝子

コリンは、PEMT (ホスファチジルエタノールアミン-N-メチル基転移酵素)という酵素の働きによって、肝臓でホスファチジルコリンになります。
PEMT酵素の働きには、PEMT遺伝子が関係しています。もちろん、この遺伝子だけが関与しているわけではありませんが、重要な役割を担っています。
このPEMT遺伝子に変異(SNP:スニップ)があると、次の不具合が発生し細胞膜の修復が遅れ疲労感に影響が現れます。
- コリンが脳に到達できない
- ホスファチジルコリンの産生が遅くなる
慢性疲労や認知症の原因が、SNPだと気づかれないまま、何年も誤った治療が行われてしまうケースもあるようです。もしやと思ったら遺伝子検査も必要かもしれません。
SNP(スニップ)|DNAの塩基配列(A、T、G、Cの4種類の並び)のうち、1個の塩基が他の塩基に置き換わっているものを指します。ヒトの塩基配列は99.9%同じですが、0.1%に差異が存在していて、この差異が私達一人一人の姿形や能力の違いとなって表れます。このうち1塩基の違いが、疾患へのかかりやすさや、薬への応答性に関係していることが分かってきています。
ホスファチジルコリンが不足すると

体内のホスファチジルコリンが不足すると、次の様な症状/不調が現れます。
- 細胞膜の正常な働きの喪失
- 血管内の脂質プラークの沈着
- 動脈硬化
- 悪玉コレステロールの沈着
- 疲労
- 免疫力低下
- 不眠
- 糖尿病
- 神経変性疾患
- など
もともとのコリンが不足すると・・
コリンを十分に含む食事をしていない人は、臓器機能不全を発症する可能性があります。
低コリン食を食べ続けた57人の被験者は、最大42日で臓器機能不全が起こったことが報告されています。1か月半、コリンが不足しただけで臓器が機能しなくなるとは、恐ろしいですね。
コリン不足は、起立性調節障害も引き起こします。
詳細は、以前『IN YOU』に提供した記事『POTS(起立性頻脈症候群)』をご参照ください。
ホスファチジルコリンの作用
ホスファチジルコリンには、次のような様々な作用があります。
乳化作用

乳化とは、水と油を結合させることです。
ホスファチジルコリンには、乳化作用があり、その乳化作用はさまざまな場面で活用されています。
1. 洗剤/石鹸
乳化作用を利用している身近なものと言えば、洗剤です。
肉料理をした後の脂でギトギトになったフライパンに少し水を注いで、そこに洗剤を1~2滴垂らすと、脂がすーーーと、洗剤から遠のいていくように見えます。洗剤は、水と脂を結合させて、乳白色の泡となって綺麗に脂を洗い流してくれます。それが乳化です。
2. 食品添加物の乳化剤
加工食品に用いられている食品添加物の中に「乳化剤(レシチン)」という記載を目にしたことはありませんか?
「卵黄レシチン」や「大豆レシチン」と記載されているものもあります。
食品中の油分と液体が時間と共に分離しないように添加されています。アイスクリームやサラダドレッシング、マヨネーズなどによく使われています。

最近では、和菓子の大福などに用いられているのも見かけます。お餅に油と乳化剤を混ぜることで、固くなってしまうことを防ぎ、柔らかい状態を長持ちさせるためではないかと思います。
余談ですが、マヨネーズはそもそも卵黄を使って作るのですから、わざわざ更に乳化剤を添加しなくてもいいのにと、統合食養のヘルスコーチとしては思うんですけどね・・
3. 美容整形のリポリーシス
美容整形では、脂肪溶解剤として使用されています。皮下脂肪を除去する施術で「注入脂肪分解・リポリーシス」と呼ばれる施術で用いられています。
体の特定部位の脂肪にホスファチジルコリンを注射することで、そこの脂肪を溶かして消すのです。
コレステロールの正常化

ホスファチジルコリンは、血液中のコレステロール値を正常化すると考えられています。中性脂肪値を安定させたという報告もあります。
ホスファチジルコリンは、美容整形で皮下脂肪を溶かすために用いられるくらいですから、食べても高脂血症(血液中のコレステロールが高濃度の状態)を改善することには納得感があります。
また、高コレステロールの食事にホスファチジルコリンを加えると、次のタンパク質のいずれも変化しなかったことが報告されています。
- アポリポタンパク質A・・・動脈硬化と関係
- アポリポタンパク質E・・・アルツハイマー病と関係
- アポリポタンパク質B・・・免疫機能と関係
善玉と悪玉コレステロールの比率にも変化が見られなかったことが示されています。
記憶力の改善
前述した通り、ホスファチジルコリンは、神経伝達物質アセチルコリンの材料です。
アセチルコリンは、神経細胞の外側を潤滑にし、神経細胞間/シナップス間の神経信号の移動をスムーズにする役割をもっています。
脳内のアセチルコリンの不足は、記憶喪失につながる他、アルツハイマー病との関係が示唆されています。
双極性障害の改善

双極性障害の人の脳内で、アセチルコリンが不足すると躁状態が起こることが示唆されています。
被験者が少ない研究ですが、1日15mgから30mgのホスファチジルコリンの摂取によって、躁状態の発生頻度を減少できたことが報告されています。
ホスファチジルコリンが不足する理由
ホスファチジルコリンが不足する原因には、次の様な事柄が考えられます。
- コリン不足(偏食など)
- 良質な脂質不足(パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸など)
- 肝機能が弱っている
- SNP(遺伝子変異)がある
ホスファチジルコリンの源

ホスファチジルコリンは、コリンと脂肪酸でできていますから、不足させないためには、ホスファチジルコリン自体を含む食品を食べる以外には、コリンを多く含む食品と脂肪酸を多く含む食品を食べることが基本になります。
1. ホスファチジルコリンを含む食品
ホスファチジルコリンなんて、聞き慣れない言葉ですから馴染みのない物質のように感じるかもしれません。でも、ホスファチジルコリンは、案外、あなたの身近に存在しています。
例えば、レシチンです。
昔は、ホスファチジルコリンとレシチンは同じものとして扱われていました。レシチンは、たくさんあるホスファチジルコリンのひとつです。

レシチンは卵黄を意味するギリシャ語に由来している名称です。ですから当然、食品では、卵黄に多く含まれています。
次の食品にも比較的多く含まれています。
- 大豆
- 芥子
- とうもろこし
- ひまわりの種
- など
2. コリンを多く含む食品
ホスファチジルコリンの元となるコリンは、体内で造ることができません。食事からしか得ることはできません。
文部科学省の食品成分表にコリンの登録がないため、145品目の食品のコリン含有量を調べた海外の研究論文のデータを参考に表を作成しました。

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コリンは水溶性の栄養素です。ビタミンB群と同じ様に考えられることの多い栄養素ですが、正式にはまだビタミンB群の仲間入りはしていません。
レシチンを含む食品とかぶる食品がありますね。
パルミチン酸/オレイン酸/リノール酸を含む食品

ホスファチジルコリンの疎水部と結合する脂肪酸には次のようなものがあり、その脂肪酸を主に含む食品には次のようなものです。
- パルミチン酸(飽和脂肪酸)・・・肉類(牛、豚、鶏など)の脂
- オレイン酸(オメガ9一価不飽和脂肪酸)・・・種油(ごま・ブドウ・オリーブ・アボカド)や牛の脂
- リノール酸(オメガ6多価不飽和脂肪酸)・・・ナッツ油・種油、ナッツ、シーズ(種)などの油
ホスファチジルコリンのサプリメント

ホスファチジルコリンを直接摂取しても慢性疲労が改善することが報告されています。
『栄養ジャーナル(the Nutritional Journal)』に掲載された、ホスファチジルコリンが中年女性の疲労感を改善するかを検証した研究で、大豆レシチンのサプリメントが用いられました。
それぞれライフスタイル、循環器の状態、精神状態等が異なる、疲労感を訴えている閉経後の40歳から60歳の女性96名が被験者となりました。
女性達は、次の3つのグループに分けられ、2か月間の観察が行われました。
- グループ1:1,200mgのホスファチジルコリン入りの錠剤を毎日摂取(32名)
- グループ2:600mgのホスファチジルコリン入りの錠剤を毎日摂取(32名)
- グループ3:プラセボ(疑似薬)を毎日摂取(32名)
実験後の疲労感の検証には、運動検査は行われず、質問票に回答する形式が採られています。
サプリメントを飲んだ2つのグループ共に、実験開始時と比較して疲労感が改善していました。
容量の多いサプリメントを飲んだグループの結果が最もよく、単に元気になったというだけでなく、下の血圧と心臓足首血管指数が改善したことが報告されています。
サプリメントを購入する際の注意点

ホスファチジルコリンは、サプリメントとして購入することができます。
でも、サプリメントになっているレシチン/ホスファチジルコリンは、遺伝子組換えされた大豆から抽出したレシチンを使用しているものがほとんどだと聞きます。
ひまわりの種から抽出したレシチンを使っているものもありますが、遺伝子組換えされていないことを確かめてから購入する必要があります。日本の食品表示規制の下では、原料の形が残っていない場合にはそれを表示する義務がないことから、ひまわりの種から抽出したレシチンが遺伝子組換えか否かを知るには、メーカーに問い合わせる必要があります。
ホスファチジルコリンはほどほどに
ここまで、ホスファチジルコリンの良い作用について記載してきましたが、体内でホスファチジルコリンが過剰になると、それもまた大きな問題を起こすことが知られています。
動脈硬化を悪化
腸内細菌の中には、コリン/ホスファチジルコリンを、動脈硬化を悪化させる物質に変換するものがあることが発見されています。
そのため、必要な成分ではありますが、多ければ多いほど良いわけではないことも知っておいてくださいね。
腸内細菌へダメージ
レシチンは、乳化剤であることをお忘れなく。
レシチン/ホスファチジルコリンの過剰摂取による腸内細菌への悪影響も報告されていますので、むやみにサプリメントで摂取することはやはりお勧めしません。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

最近のあなたに次の様な心配があるのなら、まずは、ちゃんと病院で検査を受けてください。
- 慢性疲労がある
- 物忘れが多くなった
- 甲状腺機能低下ではないか心配
- 副腎疲労ではないか心配
甲状腺機能低下症や副腎疲労でないことを確かめることが重要です。
症状が似ていても、原因が異なれば、改善のための食事療法は異なります。
もしコリン不足が原因なのであれば、日々の食事にバランスよく、良質な油と、大豆や卵などを取り入れてください。
カロリーのこと、油のこと、健康的な体重管理の方法など、科学に裏付けされた体と食品機能の仕組みについてしっかりと学びたい人は、マインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースへお申し込みください。
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参考文献:
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- 「リン脂質(りんししつ)」、e-ヘルスネット、厚生労働省
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ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング