
バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
げっぷは、するのもされるのも嫌なものです
もちろん、病気が原因で起こる心配なげっぷもありますが、げっぷが出るだけで病気とは限りません。健康な人もげっぷをします。
だから、たまに出てしまうげっぷは生理現象ですから仕方がないとしても、頻繁に出るげっぷは何とかしたいものです。
ところで、げっぷとおならは同じ?
げっぷもおならも、あまり芳しくない臭いがしますから、上から出ているか、下から出ているかの違いだけで、同じものではないかと思う人もいるかもしれませんね。
確かに、げっぷとおならは、親戚のようなものです。
でも同じではありません。
げっぷは胃が余分な空気/ガスを口から排出する仕組みです。おならは腸が余分な空気/ガスを下の口から排出する仕組みです。
げっぷがたくさん出るからと言って、おならが多く発生するわけではありませんし、おならが多く発生するからと言って、げっぷがたくさん出るわけでもありません。
今回は、げっぷを起こす代表的な原因とそのナチュラルな解決方法をお伝えします。
1. 空気を飲み込みすぎている(空気嚥下症)

無意識のうちに空気を飲み込んでしまうことがあります。
例えば、次のようなケースでよく起こります。
(1)空気が取り込まれる原因
- 食べる速度が速すぎる
- 話しながら食べている
- 飲み物をストローで飲むことが多い
- ガムを噛む習慣がある
- 炭酸飲料を飲んでいる
- など
その他にも、不安になったり、緊張した時に口呼吸になり、また、頻繁に唾を飲み込んだりする習慣があると、空気を胃に送り込みやすくなります。
(2)空気を飲み込まないためには
もし上記した食事傾向があって、げっぷがよく出るのなら、食事の時は次のことを意識してはいかがでしょうか
- ゆっくりとよく噛んで食べる
- 腹八分目に食べる
- 口に食べものが入っている時はしゃべらない、口の中の食べものを飲み込んでから話す
- ガムを噛むのを止めてみる
- 炭酸飲料を止めてみる
- ストローを止めてみる
- など
2. 炭酸飲料を飲んでいる

炭酸飲料には、発酵飲料も含まれます。次のような飲料は胃に余分なガスを入り込むため、すぐにげっぷが出ます。
(1)炭酸を含む飲料を控える
- 炭酸水
- ソーダ
- スパークリングウォーター
- ビール
- 紅茶キノコ
- など
健康的な飲み物かどうかは関係ありません。炭酸を含んでいる、あるいは、炭酸を発生させる飲料は、げっぷの原因となりえます。
上記の飲料を日常的に飲んでいる人で、げっぷが気になる人は、炭酸を含んでいない飲み物に変更することをお勧めします。
3. 人工甘味料を飲食している

多くの加工食品、特に、「ヘルシー」だと宣伝している食品に使用されていることが多い、次の人工甘味料は、腸内で発酵してガスを発生させます。げっぷだけでなく、おならの原因にもなりえます。
(1)糖アルコールの人工甘味料を避ける
糖アルコールと呼ばれる種類の次の人工甘味料の多くは、「シュガーフリー」とか「無糖」あるいは「低カロリー」と書かれた製品に使用されています。
- ソルビトール
- キシリトール
- マルチトール
- など
人工甘味料を用いた加工食品や飲料を飲食することが多い人で、げっぷが気になる人は、人工甘味料が使用されていない食品に変更してみましょう。
4. 逆流性食道炎/胃食道逆流症がある

胃と食道を隔てている下部食道括約筋という弁がしっかりと閉じないことが原因で、逆流性食道炎/胃食道逆流症になっている人や食道裂孔ヘルニアがある人は、胃酸だけでなく、空気(ガス)も胃から逆流します。
逆流性食道炎/胃食道逆流症の詳しい改善方法については『逆流性食道炎/胃食道逆流症』をご参照ください。
5. 胃の働きが遅い
胃で食べ物を消化して、腸に送る速度が遅いと、ガスが胃の中に長時間留まることとなり、げっぷとして口から排出される原因となります。
(1)胃の働きが鈍くなる原因
胃の消化物を小腸に送るために胃の筋肉を収縮させる働きをしている迷走神経の働きが衰えていると、直ぐに満腹感が起きたり、吐き気やげっぷなどが起きます。
満腹感をもたらす作用のある糖尿病の薬や抗うつ剤や一部の「やせ薬」などによっても、胃の働きが遅くなり、げっぷが起こりやすくなります。
(2)胃の働きを助けるナチュラルレメディ

腹式呼吸を習慣にしましょう。
意識して腹式呼吸をすることで、横隔膜が強化され、迷走神経をリセットする効果があり、胃のガスの自然な流れを促します。
また、次の食品が胃の働きを助けることが示されています。
大豆以降の食品に多く含まれている不可欠アミノ酸のトリプトファンは、胃の内容物の排出を促進します。詳しいトリプトファンの機能については『トリプトファン』をご確認ください。
その他、胃の不調の改善に効果のある食品については、『胃』をご確認ください。
6. SIBO(小腸内細菌異常増殖)がある

げっぷが小腸から始まることもあります。
小腸で細菌が過剰に増殖すると、細菌が食べものを発酵させガスを発生させます。それが、胃や食道に上がり、げっぷとなって排出されます。
あなたのげっぷがSIBOによるものなのかは、呼気検査で確認できます。
そして、呼気に含まれるガスの成分によって、SIBOは次の2つのタイプに分類されます。
- 水素(H2-SIBO)タイプ
- メタン(CH4-SIBO)タイプ
抗生物質による治療と低FODMAPs食にハーブ療法とプロバイオティクスを組み合わせた治療に効果を示したのは、メタンタイプのSIBOでした。水素タイプのSIBOには、ハーブ療法とプロバイオティクスの効果はなかったことが報告されています。
ちなみに、ハーブ療法に用いられたのは、次のハーブのエッセンシャルオイルです。
その他げっぷに効く方法
1. 活性炭
活性炭は、消化管内の余分なガスや毒素を吸収するので、胃の膨満感やげっぷが改善するという人もいます。あなたに合うか試してみても良いでしょう。
次の量を1日1回を目安に飲んでください。
- 炭パウダー・・・小さじ1杯
- 水・・・コップ1杯
ただし、逆流性食道炎や胃食道逆流症の人はNGです。症状を悪化させるとの報告があります。
2. 発酵食品

発酵食品に含まれているさまざまな善玉菌(プロバイオティクス)が健康に良いことが多くの研究によって明らかにされていますが、すべての善玉菌がげっぷに効果があるわけではありません。
善玉菌の一部には、ヒスタミンを増加させ、ガスの発生を促すものがあります。もちろん、ガスの蓄積を減らす働きをもつ菌もいます。
げっぷの緩和に効果のある善玉菌は次の通りです。
- ビフィズス菌インファンティス| 消化を改善し、腸の炎症を鎮めることにより、ガス、膨満感、腹部の不快感を軽減
- ビフィズス菌ブレーベ| 腸の炎症を鎮め、腹部膨満感と下部消化管のガス圧を軽減
- 乳酸菌プランタラム(一部の亜種のみ)| ガスと腹部膨満感を軽減し、腸のバリア機能をサポートし、炎症を軽減(効果は特定の亜種によって異なる)
ビフィズス菌属はほとんどの発酵食品に含まれています。一方で、乳酸菌プランタラムは、野菜(植物性)の発酵食品にしか含まれていません。そのため、牛乳のヨーグルトにはいません。
げっぷを増加させる可能性のある菌は次の通りです。げっぷが気になる人は避けた方が良いでしょう。
- 乳酸菌カゼイ
- 乳酸菌ブルガリクス
- 乳酸菌ロイテリ
- など
ヨーグルトやプロバイオティクスのサプリメントを選ぶ際には、気を付けたいですね。
3. 腹式呼吸

あなたは、自分でも気がつかないうちに1日の間に頻繁に息を止めています。
意識して腹式呼吸をすることで、横隔膜が強化され、胃のガスの自然な流れを促します。
赤ちゃんとげっぷ
生後3~4ヶ月頃までは、ミルクを飲むときに空気も一緒に飲み込んでしまうため、わたしが若い頃には、赤ちゃんを授乳した後は、背中を優しくたたいてげっぷをさせて、胃の中にたまった空気を排出する必要があるのだと教えられました。
でも、2人の児童心理学者が書いた2024年の論文によると、赤ちゃんにげっぷをさせる必要はないようです。

71組の母親と赤ちゃんを次の2つのグループに分け経過を観察しています。
- 授乳のたびに赤ちゃんにげっぷをさせるよう指導されたグループ
- げっぷさせるよう指導されなかったグループ
3か月の観察の間、げっぷをさせた赤ちゃんもさせなかった赤ちゃんも特に泣く頻度に差はなく、げっぷをさせた赤ちゃんが吐き戻した回数は、平均して週に8回。一方で、げっぷをさせなかった赤ちゃんでは平均3.7回でした。
ミルクを飲んだ後で赤ちゃんが少し吐き出す「吐き戻し」は、生まれたばかりの赤ちゃんの胃の上部の筋肉が完全に成熟していないために起こります。ちゃんとミルクが下に落ちていかないからです。なので、授乳後に赤ちゃんをまっすぐな立ち姿勢にしておくと吐き戻しは少なくなるようです。
研究者によれは、授乳後に赤ちゃんにげっぷをさせるかさせないかは、あなたが決めて良いそうです。毎回げっぷをさせることがあなたにとってストレスになるのであれば無理にそうする必要はないそうですよ。
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参考文献
- “The importance of food quality, gut motility, and microbiome in SIBO development and treatment.”, Knez E, Kadac-Czapska K, Grembecka M., Nutrition. 2024 Aug;124:112464. doi: 10.1016/j.nut.2024.112464. Epub 2024 Apr 5. PMID: 38657418.
- “Do Herbal Supplements and Probiotics Complement Antibiotics and Diet in the Management of SIBO? A Randomized Clinical Trial.”, Redondo-Cuevas L, Belloch L, Martín-Carbonell V, Nicolás A, Alexandra I, Sanchis L, Ynfante M, Colmenares M, Mora M, Liebana AR, Antequera B, Grau F, Molés JR, Cuesta R, Díaz S, Sancho N, Tomás H, Gonzalvo J, Jaén M, Sánchez E, Garayoa A, Moreno N, Gallén A, Cortés-Castell E, Cortés-Rizo X., Nutrients. 2024 Apr 7;16(7):1083. doi: 10.3390/nu16071083. PMID: 38613116; PMCID: PMC11013329.
- “The treatment of small intestinal bacterial overgrowth with enteric-coated peppermint oil: a case report.”, Logan AC, Beaulne TM., Altern Med Rev. 2002 Oct;7(5):410-7. PMID: 12410625.
- “A randomized controlled trial of burping for the prevention of colic and regurgitation in healthy infants”, R. Kaur, B. Bharti, S. K. Saini, Volume41, Issue1, January 2015, Pages 52-56, https://doi.org/10.1111/cch.12166
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング