


バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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この季節になるとシナモンが恋しくなります。
米国やドイツで暮らしていた時には、この時期になると様々なところから、シナモンの香が感じられました。



ホット・アップルサイダーの中のシナモンスティックだったり、シナモンロールだったり。
お店で購入できるシナモンには、2種類あるって知っていましたか?
セイロンニッケイと呼ばれるものとカッシアと呼ばれるものです。
カッシアは、スーパーマーケットなどで広く売られているタイプのもので、シナモンを使った臨床研究(人体実験)では、大抵、このタイプのシナモンが使われます。
セイロンニッケイは、スパイス専門店などで売られているもので、風味が良いと言われています。
シナモンは、聖書の中にもしばしば登場するスパイスです。
例えば、出エジプト記では、必ず携えておくものの中にシナモンが数えられています。(出エジプト記30:23)
エビデンス(証拠)に裏付けられたシナモンの効能とは?
2014年に専門誌『エビデンスに裏付けられた代替医療(Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine)』は、シナモン抽出液やシナモン精油に含まれる、
- 桂皮アルデヒド
- 桂皮酸
- 桂皮酸エステル
などの成分の効能について、今まで実施され報告されてきた多くの研究論文の内容をまとめて掲載していました。
そこに掲載されていた科学的に検証されているシナモンの効能を紹介します。



『エビデンスに裏付けられた代替医療』の論文は、最後に参考文献として掲載していますので、裏付けとなっている元々の多数の論文にご興味のある方はご参照ください。
抗炎症作用/炎症性疾患の改善・予防/がん予防
カッシアの皮(シナモン)から抽出した2’-ヒドロキシケイ皮酸アルデヒドが、核内因子κB (NF-κB) を不活性化することで、一酸化窒素の産生を抑制したことが報告されています。
これは、シナモンの成分に、抗酸化作用があることを意味します。
NF-κBは、ストレスや紫外線等の刺激によって活性化される因子です。NF-κBの活性状態は、
- クローン病や関節リウマチなどの炎症性疾患
- 敗血症性ショックなどの原因
- 癌や多くの悪性腫瘍
- サイトメガロウイルス (CMV) やヒト免疫不全ウイルス (HIV) の増殖
に、関与しています。
(1)関節リウマチの改善
シナモン・カッシアのエタノール抽出物が、脾臓チロシンキナーゼを不活性化することが観察されています。
脾臓チロシンキナーゼは、免疫シグナル伝達の重要な調節物質で、不活性化させることで関節リウマチの改善が期待される物質です。
更に、シナモンの水性抽出物が、リポ多糖類によって発症した腫瘍壊死因子αの血中濃度を減少させたことも報告されています。
腫瘍壊死因子αは、マクロファージ(免疫細胞)により産生され、固形がんに対して出血性の壊死を生じさせるサイトカインですが、過剰になると、関節リウマチ、乾癬などの発症を誘発する物質でもあります。
抗がん作用(血管新生の抑制)
シナモンの水性抽出液とシナモンのプロシアニジンが、血管内皮の成長因子サブタイプ2キナーゼを不活性化させ、がんに伴う血管新生を抑制したことが報告されています。このことから、シナモンががん予防になるのではないかと期待されています。
シナモンの桂皮アルデヒドの血管新生抑制効果については、多くの検証がなされています。
桂皮アルデヒドを化学合成した物質が、試験管試験と動物実験の両方で、腫瘍の成長を抑制したことも報告されています。
(1)大腸がん
スイスで行われたマウスの実験で、大腸がんに対するシナモンとカルダモンの効果を調べています。
シナモンとカルダモンの抽出物を与えると、
- 抗酸化酵素であるグルタチオンS-転移酵素の活性が高まり、また、
- 過酸化脂質が減少した
ことが報告されています。
(2)メラノーマ
シナモン・カッシアの精油(エッセンシャルオイル)が、
- メラニンの生成を抑制し、
- 結果、メラノーマ細胞の酸化ストレスを抑制したことが報告されています。
脳神経障害/認知症予防・改善
シナモンの成分が、脳を保護することが報告されています。
シナモン・カッシアの多くの成分が、中枢神経系において
- 一酸化窒素合成物(iNOS)
- 酸素添加酵素(COX-2)
- 一酸化窒素(NO)
の産生を抑制したことが報告されています。
そのことから神経変性疾患の治療に効果があるのではないかと期待されています。
(1)グルタミン酸中毒予防
シナモンの水性抽出物であるプロシアニジンであるタイプAトリマー1(トリマー1)と呼ばれる物質に、グルタミン酸ナトリウムの摂取によって発生する興奮物質から脳神経を保護する作用があることが報告されています。
(2)パーキンソン病予防・改善
シナモンの代謝物が、
- パーキンソン病の初期段階で劣性となってしまう常染色体型DJ-1を増加させることが報告されている他、
- 脳由来向神経性因子(BDNF)や
- 神経栄養作用をもつニュートロフィンと呼ばれるタンパク質の一群(NT-3)
を増加させることが報告されています。
これは、シナモンの成分がパーキンソン病を予防・改善できる可能性を意味します。
(3)アルツハイマー病予防
動物実験ですが、シナモン抽出成分が、
- アミロイドβ寡量体の産生と
- ニューロン褐色細胞腫(PC12)細胞の毒性
を抑制したこと、並びに、
- タウ・タンパク質の蓄積とフィラメント・タウの形成を抑制したこと
なども報告されていいます。
これは、アルツハイマー病の予防・改善に対しても期待できることを意味します。
糖尿病予防と改善
マウスを使った実験ですが、シナモンから抽出された成分が、糖尿病予防(インシュリン感受性の改善)効果を示したことから、インシュリン保護因子(IPF)と命名されています。
他のスパイスにもIPFは含まれているのですが、シナモンには、他のスパイスの20倍以上のIPFが含まれているとのことです。
(1)シナモンに含まれている多くのIPF
シナモンに含まれている数種類のポリフェノール、例えば、ルチン、カテキン、ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチンなどの中にインシュリンのような挙動を示すものがあることが報告されています。
シンナムタンニンB1:
シナモンの抗酸化成分カルコンノイドの一種であるメチルヒドロキシカルコンが、糖尿病患者のインシュリン感受性を改善させるインシュリン模倣成分(IPF)ではないかと考えられてきましたが、カルコンノイドではなく、フラボノイドの一種シンナムタンニンB1が、IPFであることが判明しています。
ポリフェノール・タイプAポリマー:
シナモンから抽出されたポリマーでインシュリンのような挙動を示すことが発見されています。
ナフタレンメチル・エステル:
ヒドロキシケイ皮酸から派生した新しい化合物で、血糖値を下げることが観察されています。
(2)糖新生の低下
マウスを使った動物実験ですが、
シナモンの水性抽出物が、アラニンの腸内吸収を有意に低下させたことが観察されています。
アラニンは、肝臓でピルビン酸に還元され糖新生において重要な役割を果たしている成分です。糖新生は、糖以外の物質をブドウ糖に作り変えてしまう体内の仕組みです。
また、複数の研究が、シナモンが血糖値を下げるだけでなく、コレステロール値も低下させることを報告しています。
毎日6gで糖尿病患者のコレステロールと血圧管理
Ⅱ型糖尿病の患者にシナモンを4週間から8週間、1日120mgから6g摂取してもらったところ、
- 総コレステロール値
- 悪玉コレステロール値、そして、
- 中性脂肪
を減少させ、
- 善玉コレステロール値を上昇させた
ことが報告されています。
ただ、残念なことに、糖尿病のマーカーであるHA1cの値には変化がみられなかったそうです。
また、短期的な摂取においても、上と下の両方の血圧を下げる効果があったそうです。
毎日6gでコレステロールと中性脂肪低下
マウスにシナモンを与えると、悪玉コレステロールと血中の中性脂肪が減少し、体脂肪の状態に改善がみられるようになります。
実験では、餌の15%をシナモン・カッシアの粉末にして、35日間与えると、
- 総コレステロール値
- 中性脂肪
- 悪玉コレステロール値
が減少したことが報告されています。
とはいえ、私達が、食事の15%をシナモンにするのは現実的に大変ですし、飽きそうです(笑)
ヒトを対象とした研究では、1日に6gのシナモンを食べた場合に、
- 血糖値
- 中性脂肪
- 総コレステロール
- 悪玉コレステロール
が減少したことを報告している研究がありました。
毎日6gでも大変ですよね。
また、シナモン精油を与えられたブロイラーの鶏のコレステロール値が減少したことも報告されています。つまり、まったく運動をしなくても、シナモン・オイルを食べるだけで、鶏は、痩せたということです。
ヒトはどうなんでしょうね?(笑)
運動しなくても、ただ大量にシナモンを食べるだけで痩せられるのなら、本当に魔法の粉ですね。
心疾患予防
多くの研究が、シナモン・カッシアの
- 桂皮アルデヒドと
- 桂皮酸が、
心筋虚血症などの循環器系疾患の予防効果について報告しています。
また、シンナモフィリンは、シナモンから抽出されるリグナンのひとつですが、
トロンボキサンA2受容体をブロックすることが、マウスとピッグを使った実験で、確認されています。
トロンボキサンA2(TXA2)は、様々な免疫・炎症反応に関与する代謝産物のひとつです。TXA2は血小板表面に結合し血小板凝集を誘導するため、TXA2の産生を抑制したり、TXA2受容体をブロック(阻害)することが、血栓症を予防することになるのです。
そのため、シンナモフィリンは、
- トロンボキサン合成酵素抑制剤として、また、
- TXA2受容体阻害剤として
の役割が期待されており、
TXA2受容体の不全が関係している病気の治療に並行して取り入れることで治療効果を高めるのではないかと期待されています。
更に、シンナモフィリンは、動脈硬化を予防することが観察されています。
抗菌作用
シナモン精油が、
- 様々なバクテリアやカビ(リステリア菌、フェカリス菌、黄色ブドウ球菌、セレウス菌、サルモネラなどのグラム球菌、E.Coli大腸菌、肺炎球菌、腸炎エルシニア菌)、
- 酵母(トルラ酵母、分裂酵母、カンジダ、パン酵母)
に対して、抗菌作用を示したことが報告されています。
老化予防 / 最終糖化産物 (AGEs)形成の抑制
AGEは、タンパク質の糖化反応(メイラード反応)によって作られる生成物の総称で、私達の体の老化に関与している物質と言われています。
現在判っているだけでも、数十種類あると言われています。
なお、2018年4月にIN YOUに寄稿した記事『衝撃ニュース!米国カリフォルニア州の高等裁判所がコーヒーショップに「発がん物質使用の警告文」の掲載を命令。その真相は?!』では、アクリルアミドについて記載しています。
AGEsは
- 糖尿病や糖尿病の合併症の原因
- アテローム性動脈硬化症
- 慢性腎不全
- アルツハイマー病などの変性疾患
を悪化させると言われる物質です。
シナモンから抽出される様々なフェノール類とフラボノイド、例えば、
- エピカテキン
- カテキン
- プロシアニジンB2など
が、AGE形成における中間反応物質であるメチルグリオキサール(MGO)などを除去することに関与し、AGEの形成を阻害する可能性が示唆されています。
美味しくて、こんな効能が期待できるスパイスを使わない理由はないですよね。
レシピ:
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参考文献:
- “Cinnamon use in type 2 diabetes: an updated systematic review and meta-analysis”, Allen RW, Schwartzman E, Baker WL, Coleman CI, Phung OJ, Ann Fam Med. 2013 Sep-Oct;11(5):452-9. doi: 10.1370/afm.1517.
- “Effect of short-term administration of cinnamon on blood pressure in patients with prediabetes and type 2 diabetes”, Akilen R, Pimlott Z, Tsiami A, Robinson N, Nutrition. 2013 Oct;29(10):1192-6. doi: 10.1016/j.nut.2013.03.007. Epub 2013 Jul 16.
- “Cinnamon: A Multifaceted Medicinal Plant”, Pasupuleti Visweswara Rao and Siew Hua Gan, Volume 2014, Article ID 642942, 12 pages, Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine, http://dx.doi.org/10.1155/2014/642942