バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
神話を読み解くユング心理学
知り合いのブログを読んでいて、ふと、私が行動科学の学生だった20代の頃に読んだ本のことを思い出し、読み返してみました。
この本は、『SHE: Understanding Feminine Psychology(邦題:神話に学ぶ女の生き方)』と、いうユング心理学者の ロバートAジョンソン博士が40年くらい前に書かれたものです。
ギリシャ神話のプシュケとキューピッド(エロスとかアモールなどとも呼ばれます)の神話に沿って、女性の精神的な成長について書かれています。
この本の中のプシュケとアフロディテの戦い?の場面だけ今回お伝えします。
プシュケを葬り去ろうとするアフロディテ
アフロディテ(ヴィーナス)は、人間の娘プシュケの美貌に嫉妬し、プシュケを葬り去ろうと手をつくします。
最初は、死神と結婚させようとし、それが失敗すると、その後は、できなければ即、死に至るという、4つの無理難題を投げかけます。
ジョンソン博士に言わせれば、
「プシュケは苦しまなければならない。
苦しみのあまりに早い段階で、その苦しみから彼女を引き離す権利は
いかなる者にもない。」
いったいどういうことなのでしょうか。
母親は娘に対して大抵アフロディテになる
母親との関係に悩む女性はとても多いです。
私もその一人でした。
しかしそれは特別な事ではなく、ギリシャ神話の時代から、神代からあった、そしてこれからもきっと永遠に繰り返されるであろう、ほぼ普遍的な母と娘の確執だとユング心理学は説きます。
だから、あなたの、そして私の母親が、特別なのではなく、母親というものは、大概、娘に対して、アフロディテ的になるものだということをジョンソン博士の本は教えてくれています。
アフロディテとプシュケの性質の違い
アフロディテは海
アフロディテは、ボッチチェリの『ヴィーナス誕生』でも描かれている通り、海から生まれました。
海は、無意識を意味します。
ジョンソン博士によれば、アフロディテは、原始的な愛、そして、海のような女性性の象徴です。
彼女の情緒は海の様に波があり、気まぐれです。
繁殖力の源であり、津波のような荒々しさを有しているものです。
非常に嫉妬深く、他の競争者を許しません。そして全ての者が自分にひれふし、自分の繁殖に協力するまで戦いを止めません。
プシュケは地
一方、プシュケは、地面に落ちた空からの露の一滴から生まれます。
アフロディテが海であることに対し、プシュケは地の存在です。
地は顕在意識を意味します。
アフロディテが課した4つの課題の意味
アフロディテがプシュケに与えた4つの難題には、それぞれ神話に隠された意味があるとジョンソン博士は言います。
- ひとつめの難題は、秩序
- ふたつめの難題は、しなやかな勇敢さ
- みっつめの難題は、ひとつに集中し、それを丁寧に行う(全てを一度にやろうとしない、ひとつに絞る)
- よっつめの難題は、伝統の知恵を尊重すること、そして優先順位をつけ、必要ならば「NO」と言える強さ
どれもこれも、アフロディテに象徴される女性性が強すぎる女性に足りない傾向がある性質だとジョンソン博士は説明します。
そうしたものを獲得することでプシュケは、アフロディテの呪縛から逃れ、独立した個、大人の女性として生きる強さを獲得するのだと言います。
母親からの仕打ちは女性の心の発達に不可欠
しかもユング心理学的には、神話の世界で描かれているように、女性の心の発達にとって母親からの仕打ちは、必要不可欠な障害なのだと博士は言います。
女性の精神の成長にとって必要かつ不可欠な重要な要素だと言われると、私を含めた多くの女性が傷つき嘆き悲しみ絶望すら感じる母親との関係の景色が少し違って見えてきます。
私は既に母と和平協定を結ぶことに成功しましたので、客観的に「違った景色に見える」と言えるのかもしれません。今まさにその真っただ中に心をおいている人にとっては、とても心穏やかに考えられるものではないのかもしれませんが・・。
母娘の争いには男性家族の助けが必要?
面白いと思ったのは、これらの難題を前にして、その度に、プシュケは絶望して自殺を考えるものの、様々な助けを得て全ての課題をクリアしていくのです。
そうなんです。プシュケはひとりでは解決しないのです。
みっつめの難題なんて、ほとんど全部、鷲がやってくれた様なものです。
鷲は、ゼウスに仕えています。
これって、母親からの難題に耐え、生き延びるためには、男性家族からの間接的な支援(助言や仲介)が必要だということではないかと、本の中ではこの点についてふれられていませんが、ふと、思ったのでした。
アフロディテとプシュケは全ての女性の中にいる
このアフロディテとプシュケの確執は、母と娘の関係だけでなく、一人の女性の中にあるアフロディテ的側面とプシュケ的側面を象徴しています。
アフロディテのような母に苦しめられた知り合いの女性が、自分の中にあるアフロディテ的要素に気づき、ぞっとすることがあると言っていましたが、それは、自然なことなのです。
どの女性の中にもアフロディテとプシュケが棲んでいます。でなければ、プシュケだったはずの女性が、自分の娘をもった途端にアフロディテになったりはしません。
私達は両方の側面をもっています。
どんな女性も、アフロディテ的素質をもっているのです。
アフロディテ的側面が強くでてしまうと
女性は、
- 傲慢で
- 嫉妬深く
- 嫉みやすく
- 他の女性に意地悪したり
- マウントをとろうとしたり
する言動が増えます。
プシュケ的側面が強くでてしまうと
- 他者からの依頼に嫌と言えない
- 自分の意思をもって行動することができない
- 全てをひとりで抱え込んでしまう
- 悲観的な感情に支配される
と、いった行動が強くでてしまいます。
プシュケとアフロディテを上手にバランスさせるには
上で紹介した4つの強さを獲得することで、プシュケを成長させることができ、そのことで、アフロディテを上手に抑えることができるようになると、ジョンソン博士は説明しています。
アフロディテを消し去ることはできません。
だからこそ、自分の中のプシュケを成長させることが大切なのです。アフロディテを消し去ることよりも、プシュケを成長させる方が、ずっと前向きで確実なように感じます。
私は、このジョンソン博士の本を読むことで、「あの経験には、意味があったんだ」と知ることができ、少し、救われたような気持ちになったことは確かです。あの経験が単に辛いだけのものであったら、なんとも悲しくむなしいです。
世の中には、こうした親子の確執について「毒親」というような表現があります。そして、確かに「毒」としか表現できない親もいることは確かでしょう。でも、親が単に毒であるだけだったら、本当にやり切れません。せめて、その毒が私達の成長の糧になっていてくれたら少しは救われるような気持ちがします。
人生の最後に、「母親からの仕打ちは、私の心の発達にとっての恵みだった」と、心から思えたら、きっと幸せなんでしょうね。
ジョンソン博士のその他の本
原著は非常に平易な英語の文章で、とても読みやすいです。逆に翻訳の日本語が難解だという意見があります。英語で大丈夫な人は原著を読まれることをお勧めします。薄くて直ぐ読めちゃう本です。
『SHE』では、プシュケとキューピッドが正式に結婚するまでの神話の謎解きをしています。アフロディテとプシュケの関係だけでなく、キューピッドとの関係性についても心理学的な解説がなされていて、おもしろいですよ。
先日、調度、グループ・ヘルスコーチングで、クライアントさん達の心の栄養(プライマリーフード)状態の確認をしたセッションでも、こんな話になり、この本をご紹介したところでした。
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