バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
アロニアってご存知ですか?
アロニアは、英語では、ブラック・チョークベリーと呼ばれる赤黒い色をした木の実(ベリー)です。
原産は北アメリカですが、ロシアや東欧などの寒い地域で一般的に食べられているベリーです。日本では北海道の一部地域で栽培されているようです。
実は、わたしは、アロニアというベリーを知りませんでした。
アメリカのしかも雪深いコロラドやシカゴの近くで12年以上暮らしていましたが、また、北欧のエストニア(旧ソ)で半年ほど暮らしましたが、見た記憶がありません。知らぬ間に食べていたかもしれませんね。当時のわたしは食事にまったく興味がありませんでしたから(笑)
アロニアを知ったきっかけは、ケフィア菌をいつも購入している中垣技術士事務所の社長さんが、御礼にと、やはり彼の会社が扱っているアロニアの果汁を送って下さったことです。
アロニアの抗酸化力は断トツ
中垣社長からの贈物の中に、上のグラフが入っていました。アロニアのポリフェノール量、むちゃくちゃすごいですね。
ポリフェノールは渋い
ところで、ポリフェノールの味ってご存知ですか?
ポリフェノールの味は渋味です。苦いのではなく渋いのです。
そのため、これほど多量のポリフェノールを含んでいるアロニアは、かなり渋いです。
しかし、その強い渋味のお陰で、アロニアは虫や鳥などによる被害を受けにくく、鳥除けネットも殺虫剤も必要とせず、無農薬で育てられます。
アロニアは体内でも機能する
アロニアは、メディカルフルーツと呼ばれるほど、科学的な研究論文が多く発表されています。
通常、抗酸化力の高いポリフェノールは、試験管試験で効果を示しても、ヒトの体内で効果が確認できないほど激減してしまうものが多いのですが、アロニアのポリフェノールは、試験管試験、動物試験(前臨床試験)だけでなく、ヒトを対象とする臨床試験においても、非常に優れた効果を示すことが多く研究によって明らかにされています。
しかもアロニア果汁は過剰摂取しても副作用は生じないことも確認されています。(ただ、個人的な経験では、アロニアは非常に渋いので、一気に大量に飲むと喉がイガイガしてあまり良い気分ではなくなります、笑)
現在までに発表されているアロニア果汁の機能についてお伝えします。
アロニア果汁の健康効果
裏付けとなる研究論文を最後に参考文献として一覧にしています。
1. 抗腫瘍作用、抗がん作用
アロニアのポリフェノールのひとつエラグ酸は、人体内で次の役割を担っています。
- 活性酸素と窒素化合物の抑制
- 酸化促進酵素の抑制
- 抗酸化酵素の復元
- 抗酸化物質と抗酸化酵素の濃度を調整するための細胞間シグナルなど
また、エラグ酸が様々ながん細胞の増殖を抑制することも報告されています。
- 卵巣がん細胞ES2の増殖を抑制し、細胞のアポトーシス(細胞死)因子を活性
- 前立腺がん細胞の浸潤および遊走を抑制
- ヒト口腔がん細胞、大腸がん細胞HT-29細胞、前立腺がん細胞のアポトーシス(細胞死)を促し、増殖を抑制
また、がんを抑制する作用をもつカロテノイドの「β-クリプトキサンチン」が、アロニアに含まれているとする報告もあります。βクリプトキサンチンの詳しい機能については『βクリプトキサンチン』をご確認ください。
更に、発がん物質ニトロソアミンの体内生成を抑制することが報告されています。(ニトロソアミンについては『WHOによる赤肉と加工肉への評価について』 をご参照ください。)
2. 糖尿病予防・生活習慣病予防
アロニアに含まれているポリフェノールのアントシアニンとプロアントシアニジンが、血糖値を低下させたことが、報告されています。
それだけでなく、次の物質の発現を抑制したことも報告されており、生活習慣病予防効果が期待されています。
- 活性酸素のジフェニルピクリルヒドラジル(DPPH)
- 酸化酵素リポキシゲナーゼ(15-LO)
- キサンチン酸化酵素(尿酸の発生やプリン体異常の原因物質)
- α‐グルコシダーゼ(糖尿病と深く関係)
また、アロニア果汁をご紹介くださった中垣社長と北海道大学の山根博士が、アロニアに含まれるシアニジンと3,5-ジグルコシドが、糖尿病患者の体内のインスリン分泌を阻害する酵素(ジペプチジルペプチダーゼIV )を阻害することをつきとめられ、アロニア果汁が血糖値を有意に低減させることを報告しています。
ジペプチジルペプチダーゼIVを阻害するということは、糖尿病治療薬と同じ効果があるということを意味します。結果として、インスリン抵抗性が改善されたことも報告されています。
3. 動脈硬化予防・改善、心疾患予防
アロニアが血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減らしたという報告があります。
アロニアが、生活習慣病を発症している患者の次の数値のうち尿酸以外の全てを改善させたことが報告されています。
- 血中脂肪
- 血圧
- エンドセリン(肺高血圧、心不全、腎不全などと関係が深い消化酵素)
- 赤血球膜コレステロール
- 尿酸
アロニア果汁の脂質低下作用は、血中悪玉コレステロールの排出を促すだけでなく、食物脂肪を運搬する腸内のカイミクロンを減少させることで起きていることが判明し、長寿遺伝子サーチュインが関与している可能性が示唆されています。
また、アテローム動脈硬化症のラットにアロニアの果汁を摂取させたところ、総コレステロールと悪玉コレステロールが16.5%減少したと報告されています。
アテローム性動脈硬化症|高血圧や高血糖などで血管内膜が傷つくと、その傷口からコレステロールが血管内膜の下に入り込みます。すると、白血球の一種で免疫細胞のマクロファージがそのコレステロールを排除しようと、食べてくれるのですが、食べると死んでしまいます。そのマクロファージの死骸が溜まり、やがてアテローム状(粥状の塊)になって、血管内を詰まらせる動脈硬化です。
さきほどご紹介した中垣社長と北海道大学の山根博士の研究も、アロニアが白色脂肪細胞を有意に減少させたと報告しています。
4. 抗インフルエンザ・ウィルス
インフルエンザなどのウィルスに対し、抗ウィルス作用があることも報告されています。
特に、A型インフルエンザ・ウイルスを不活性化させたと報告されている他、タミフル(オセルタミビル)耐性の(タミフルが効かない)インフルエンザ・ウィルス等、様々な亜種のインウルエンザ・ウィルスに対しても抗ウィルス作用を示したことが報告されています。
アロニアに含まれているエラグ酸とミリセチン(フラボノイド)による効果であると結論づけられています。
このことから、八角の成分からタミフルが創薬されたように、アロニアから新しいインフルエンザ治療薬が創薬できるのではないかと研究が進められています。
コロナウイルスに対するアロニア果汁の効果については『アロニア果汁が新型コロナウイルスを97%不活化|飲めるうがい薬』をご参照ください。
5. 抗菌作用・食中毒予防・改善
アロニアのポリフェノール(アントシアニン)が、次の病原菌に対し、抗菌作用を示したと報告されていることから、食中毒予防や症状の緩和に効果があるのではと期待されています。
- 黄色ブドウ球菌
- E.Coli大腸菌
6. 炎症性腸疾患(IBS)の改善
アロニアに含まれているポリフェノール(エラグ酸)がTh17細胞分化とサイトカインの分泌を抑制することによって、炎症性腸疾患(IBS)の症状を弱めたと報告されています。
TH17細胞|白血球の一種ヘルパーT細胞(Th細胞)のひとつで、近年新たに発見されたものです。インターロイキン(IL)-17というサイトカインを作る能力を有していることから、Th17細胞と呼ばれています。Th17細胞は自己免疫疾患と密接に関与していると考えられています。
サイトカイン|免疫細胞から情報伝達のために分泌されるタンパク質です。多くの種類がありますが、特に免疫や炎症に関係したものが多く、細胞の増殖、分化、細胞死、創傷、治癒などに関係しています。
Th17細胞が関与していると考えられている疾患
炎症性腸疾患だけでなく、これらのTh17細胞が関与していると考えられている病気の改善・予防にも効くのではないかと期待されています。
- 関節リウマチ
- 炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)
- 多発性硬化症
- 乾癬
7. 重金デトックス作用・肝機能保護
アロニアが肝臓に蓄積したカドミウムの排出を促したと報告されています。
8. 眼精疲労改善
アロニアには、ポリフェノール(アントシアニン)が、ブルーベリーの2倍以上含まれていることが示されています。
アントシアニンには、ロドプシンという成分の合成を助ける働きがあり、次の不調を改善する効果があると言われています。
- 目のかすみやぼやけ
- 眼精疲労
9. 美肌効果、日焼け・シミ予防
アロニアに含まれるアントシアニンは、抗酸化作用が非常に強く、βカロテンやコラーゲンの生成に関与しています。
そのため、次の効果があると考えられています。
- 皮膚の乾燥予防
- 肌荒れを予防
さらに、アロニアにはビタミンCも含まれているため、若々しく健康な肌を保ちたい方は積極的に取り入れるようにするとよいでしょう。
酸化酵素チロシナーゼが活性化すると、アミノ酸チロシンが黒色メラニンに変化し日焼けが起こります。エラグ酸には、チロシナーゼの働きを抑制する作用があることが判明しています。
10. 便秘の解消
アロニアは、バナナの6倍以上の食物繊維が含まれていると言われています。
アロニアの食べ方
ジャム
ロシアや東欧では、アロニアの実をジャムにして食べることが多いようです。
そのポリフェノールの濃さから、とても渋味が強いので、確かにそのまま食べるよりも、ジャムに煮たり、そのジャムを使ってお菓子やパンを焼いた方が美味しく食べられそうです。
ジュース
- 果汁を絞ってそのまま飲む
- あるいは、他の食品といっしょに食べる
写真は、私が購入している100%オーガニックのアロニア果汁と、それを豆乳ケフィアにかけた様子です。
豆乳のまろやかさでアロニアの渋味がまったく感じなくなります。
その他にも『なんちゃってグリューワインで免疫力アップ作戦』なんてことをしてアロニア果汁を楽しんでいます。
天然の着色料として
色がとても美しいので、クリームやクッキーなど、お菓子やケーキ作りの時の天然の着色料として使えます。
アロニア果汁の購入先
1.私が購入しているアロニアの果汁は、こちらで購入可能です。
酸化防止剤や香料や甘味料などいっさい何も添加されていないストレートな果汁です。しかもドイツと日本でオーガニック認証を得た栽培法が採用され、低温圧搾されているので安心です。
一部の成城石井でも扱っています。
2. ジュリエ・ファーム(北海道伊達市): 北海道でアロニアの自然栽培(無化学肥料・無農薬)をされていて、地元のファーマーズマーケットなどに時々出店していらっしゃるようです。ホームページなどは無いようです。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
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参考文献:
- 『血管新生とマトリックスメタロプロテアーゼ』、杉田 憲治、塩野義製薬株式 会社診断薬部部長、第120回日本医学会シンポジウム、2001年12月13日
- “Bioavailability and Antioxidant Activity of Black Chokeberry (Aronia melanocarpa) Polyphenols: in vitro and in vivo Evidences and Possible Mechanisms of Action: A Review”, Petko N. Denev, Christo G. Kratchanov, Milan Ciz, Antonin Lojek, and Maria G. Kratchanova, Comprehensive Reviews in Food Science and Food Safety, Volume 11, Issue 5, Article first published online: 24 AUG 2012
- “The inhibitory effect of ellagic Acid on cell growth of ovarian carcinoma cells.”, Chung YC, Lu LC, Tsai MH, Chen YJ, Chen YY, Yao SP, Hsu CP. (2013), Evid Based Complement Alternat Med. 2013;2013:306705. doi: 10.1155/2013/306705. Epub 2013 Jun 16.
- “Ellagic Acid inhibits migration and invasion by prostate cancer cell lines”, Pitchakarn P, Chewonarin T, Ogawa K, Suzuki S, Asamoto M, Takahashi S, Shirai T, Limtrakul P, (2013) Asian Pac J Cancer Prev. 2013;14(5):2859-63.
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- “Extracts, Anthocyanins and Procyanidins from Aronia melanocarpa as Radical Scavengers and Enzyme Inhibitors”, Marie Bräunlich, Rune Slimestad, Helle Wangensteen, Cato Brede, Karl E. Malterud, and Hilde Barsett, Nutrients. 2013 Mar; 5(3): 663–678, Published online 2013 Mar 4. doi: 10.3390/nu5030663, PMCID: PMC3705312
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- “Current knowledge of Aronia melanocarpa as a medicinal plant”, Valcheva-Kuzmanova SV, Belcheva A, Folia Med (Plovdiv). 2006;48(2):11-7.
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- 「ジペプチジルペプチダーゼIVとα-グルコシダーゼ阻害によるアロニア果汁摂取マウスにおける血糖値と肥満の改善」、北海道大学大学院薬学研究院特任講師 医学博士 山根拓也(Journal of Nutritional Biochemistry 31 (2016) 106-112に掲載された論文の和訳)
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング