私たちが手にできる最も万能薬に近い特効薬は何だと思いますか?

2020/09/22/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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東京に住んでいると、案外、歩きます。

そもそも車を所有していない人が多いです(私もそのひとりです)

渋滞があるので都内の移動は車よりも電車や地下鉄の方が、確実で便利です。結果、駅から目的地まで歩くことになります。また、乗り換えも意外に距離を歩かされます。

しかし、コロナウイルを経験した今は、自家用車の利用を優先する人も増えているようです。また在宅勤務が進み、自宅にいる時間が長くなったことで体を動かす機会が減っているかもしれません。

地方にお住まいの場合は、コロナウイルスに関係なく、自家用車で移動する方が普通ですね。ちょっとそこまでのコンビニにも車で行ったりします。

当然、運動不足が心配になりますが、何よりも歩かないことは、非常にもったいないのです。

新型コロナウイルスの報道で耳にすることが多くなった米国の疾病予防管理センター(CDC: the Centers for Disease Control and Prevention)の、前センター長のトーマス・フリーデン医師は、次のように述べています。

「歩くことは、私達が今手にできる、最も万能薬に近い特効薬だ」

運動が健康にとって良いことは、もう耳にタコができるくらい、聞かされてきました。

でも、歩くことが具体的にどのように健康に良いのかを知っている人は多くないように思います。

今回は、歩くことがなぜ万能薬に近い特効薬なのか、意外なものも含め理由をお伝えします。

なお、裏付けとなる研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています。

歩くことが万能薬に近い理由

1. 体重を増加させる遺伝子の働きを抑える

ハーバード大学の研究者が、12,000人の被験者の、肥満と関係する遺伝子を調査しています。

ヒトの遺伝子の32個が、肥満を促進する働きをすることが判っています。研究者は、これらの遺伝子が、実際にどれくらい体重に影響をもっているのかを調査しました。すると、

1日に1時間、毎日歩く被験者では、
これらの遺伝子の働きが、約半分に抑制されていた

とのことです。

つまり、肥満症の遺伝子をもっていたとしても、毎日1時間歩くだけで、肥満遺伝子のスイッチを入れずに済むということです。

毎日1時間歩いたら、単なるカロリー消費だけでなく、遺伝子の発現まで変えられるというのは素晴らしいですね。

あなたの運命は遺伝子だけでは決まらず、あなたは、ライフスタイルによって運命を変えることができるということではないでしょうか。

ただ、毎日1時間歩くのは、なかなかハードルが高いと感じます。

通勤時に行きに30分、帰りに30分、東京なら2駅分くらいの距離でしょうか。冬ならまだしも、猛暑下では工夫が必要ですね。

2. 甘いもの欲求を抑える

エクセター大学(the University of Exeter)による研究では、次のことが報告されています。

毎日15分間歩くだけで、チョコレートへの欲求が減り、
落ち込んだ時でもチョコレートを食べる量が減る

また、最新の研究では、チョコレートだけでなく、砂糖を用いたお菓子全般への欲求を抑える効果があることが報告されています。

チョコレート欲求の原因のひとつに、愛着ホルモンのオキシトシン不足があります。歩くことによって、オキシトシンと同じグループに属する、ドーパミン(快びのホルモン)やセロトニン(幸せホルモン)が増えるため、きっとそうしたことからも、甘いもの欲求が治まるのかもしれませんね。

オキシトシンと甘いもの欲求との関係については『甘いもの欲求を科学的に抑える布団ってどんな布団?』をご確認ください。

3. 乳がんの発症リスクを抑える

どんな運動であれ、身体運動が乳がんリスクを抑制することが様々な研究によって報告されています。

特に、アメリカがん協会(American Cancer Society)による研究は、次のように報告しています。

1週間に3時間以下しか歩かない女性と比較して、
1週間に7時間以上歩く女性は、
乳がん発症リスクが約14%低くなる

更に、乳がん発症リスクが高いと言われている肥満やホルモン充填剤を使用している女性においても、歩くことが、リスク抑制要因として働くことも報告されています。

1週間に7時間ということは、平均すると1日1時間。ここでも1日1時間という結論ですね。

詳しくは『スポーツで乳がん予防ができる!?』をご確認ください。

4. 関節痛を和らげる

複数の研究が、歩くと関節痛が和らぐと、報告しています。

1週間に約10km歩くと関節痛を予防できる

ウォーキングは、関節を潤し、筋力をつけることで、特に、骨関節炎になりやすい膝と腰を守ります。

ご参考まで『ランニングをすると関節炎になるって本当?』もご覧ください。

5. 免疫機能を向上させる

ウォーキングは、風邪とインフルエンザの季節に私達を守ってくれます。

男女1,000人の被験者を対象とした調査では、次の発見が報告されています。

1週間に1回以下運動するだけの人と比較して、
1週間に少なくとも5日、1日に20分以上歩く人では、
風邪をひいた人が約43%少なく
風邪をひいた場合にも、短期間に回復し症状も軽かった

コロナだけでなく、風邪やインフルエンザの季節への準備として、様々な予防法に歩くことを加えてみてはどうでしょうか。

ヒトは歩くようにできている

1歳になる頃から私達がやっている、足を右・左と交互に前に出すだけの動作に、こんなに多くの役割があるなんて、驚いてしまいます。

二足歩行を始めたヒトが腰痛になりやすいことなど、二足歩行の弊害については、時々耳にすることがありますが、二足歩行することが私達の健康とって、これほどまでに良い働きをしていることについては、あまり耳にしないのは残念なことです。

私達ヒトのご先祖が、二足歩行を選択してから、何万年が経ち、とうとう歩くことは、もはや私達にとって選択ではなく、不可欠な行為になったように思います。

腰痛予防のためにも、歩く時は姿勢に注意を払って歩きましょう。

正しく歩くことで、筋肉が正しい位置につけば、体型も美しくなりますし、膝や腰に不自然な負担がかからなければ痛めることもありません。

(参考:『歩き方を変えて、心とホルモンをバランス』)

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

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参考文献:

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング