ランニングをすると関節炎になるって本当?

2023/10/03/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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ランニングは関節炎を起こすのか

ランニングに限らず適度な運動が心と体の健康にとって効果的だということは、多くの研究が証明していることです。でも、時々、

「ランニングをすると膝の軟骨がすり減って
関節炎になるからやらない」

と、いう人がいます。

本当でしょうか。

ランニングは、本当に膝関節を摩耗するのでしょうか。

その摩耗が関節炎を起こすのでしょうか。

あるいは、既にある関節炎は、ランニングによって悪化するのでしょうか。

ランニングによる関節への影響

何年にも渡って舗装された道路や地面を蹴り続けることによって、関節が摩耗していくのは事実です。車のタイヤと同じです。長年に渡って長い距離を走り続ければタイヤは摩耗します。

では、その摩耗は、関節炎の原因になるのでしょうか。

医学的な答えは、まだ、完全には判っていません。ただ、現在までの多くの研究によって、軟骨の摩耗によって関節炎が起こるわけではないことを示す証拠が積み上がっています。

もちろん、関節炎を発症しやすい遺伝子をもっている人がランニングをすれば、摩耗が発症の引き金となり、発症を早めてしまう可能性はあります。でも、変形性関節炎だけでなく、どんな関節炎であっても、ランニングがその原因になることはないと言えそうです。

裏付けとなる研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています。

趣味のランナーの関節炎の発症率

2017年に発表された研究は、競技ランナーとランニングをしない人と比較し、趣味のランナーは、股関節炎と膝の変形性関節炎の発症率が低いことを示しています。

それぞれの変形性関節炎の発症率は次の通りです。

  • ランニングをしない人・・・10.2%
  • 競技ランナー・・・13.3%
  • 趣味のランナー・・・3.5%

更に、まったく走らない人と比較して、ランニング歴が15年以内の趣味のランナーの股関節炎と膝の変形性関節炎の発症リスクが、最も低かったことが示されています。

確かに、競技ランナーのように膝や股関節を酷使すれば、関節炎の発症率は上昇するようです。でも、まったく走らないよりも、趣味程度に走る方が、関節炎の予防になるということですね。

マラソンと関節炎の関係

2018年の研究によれば、675人のマラソンランナーの股関節炎と変形性関節炎の発症率は、米国の一般人口の発症率の約半分であったことを報告しています。

具体的には、対象となったマラソンランナーの47%(ほぼ2人にひとり)に関節痛はあったものの、関節炎になったことがあったのは、8.9%でした。これは米国一般人口の発症率17.9%と比較すると、約半分です。

つまり、マラソンと関節炎の発症とは、ほぼ、無関係と言えます。

関節炎の発症リスクを高める要因

この研究によって明らかになった、ランニングによって関節炎の発症リスクが高くなる人には、次の特徴がありました。

  • 加齢
  • 膝の手術歴
  • 家族の既往歴

つまり、年齢が高くなるにつれてランニングによる摩耗が関節炎の原因になる可能性が高まること、そして、既に関節炎を起こしたことがある人は、ランニングによって再発率が高まるということ、そして、関節炎の発症には遺伝的な要因が関係している可能性があるということです。

関節炎とは無関係だった要因

また、関節炎の発症と無関係だった要因も明らかにされています。

  • ランニング時間の長さ
  • 強度
  • 距離
  • マラソンを完走した回数

つまり、高齢ではない、関節炎になったことのない、あるいは、家族に関節炎の人がいない場合には、趣味程度に走ることで、関節炎になることを心配する必要はないと言えそうです。

1回のランニングで起こる軟骨へのダメージ

2022年の研究は、ランニング直後(48時間以内)のMRIによって、ランニングによって股関節と膝の軟骨組織に重篤なダメージが起こるかどうかを調査しています。

結果、ランニングが、股関節蓋大腿軟骨と脛骨大腿軟骨の厚さ、体積、弛緩時間を減少させるという確証は得られませんでした。膝関節の軟骨への変化は小さく、一時的なものであることが示されています。

走った後のケアと休息が大切

つまり、ランニングをした後の軟骨へのダメージが一時的だということは、軟骨は素早く修復されるということです。と、いうことは、走った後、軟骨修復を促すよう適切なケアをして、十分な休息をとることによって、ランニングによる軟骨への一時的なダメージを、関節痛や関節炎にまで発展させることを予防できるということではないでしょうか。

運動によって関節を傷めないために、次の記事もご参照いただくことをお勧めします。

ランニングをする人としない人の違い

ただ、ランニングをする人としない人には、ランニングとは無関係な、次の要因に違いがある可能性があります。

  • 食事内容
  • ライフスタイル
  • 健康状態
  • 遺伝子

例えば、ランニングをしない人と比べて、ランニングをする人はより健康的な食事をして、メタボでもなく、タバコを吸わない等健康的なライフスタイルをもっている可能性が高いです。または、関節のつながりや、じん帯の強さ、筋骨格の発達を決める遺伝子などが異なっている可能性もあります。

だから、趣味のランナーが関節炎になりにくいのは、ランニングに予防効果があるからではなく、ランナーの食事とライフスタイルやランニングを好む遺伝的な要因が理由である可能性があるのです。その可能性は排除できません。

ランニングで健康を害する人もいる

それに、趣味程度のランニングでも、例えば、肥満症の人が頻繁にランニングをすれば、過体重による股関節や膝への負荷が大きいため、返って関節炎を発症しやすくなる可能性もあります。

つまり、ランニングをする人の健康状態によっても、ランニングの効果は変わります

統合食養学では、バイオ個性と呼びますが、あなたのバイオ個性に沿って、ランニングをする・しないを判断することが重要ですね。

ただ、関節を故障する、関節炎になる、という思い込みでランニングを避ける必要はなさそうです。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

ちなみに私はランニングをしません。走るのは嫌いです(笑)

子供の頃は鬼ごっこをしたりするのは嫌いじゃありませんでしたが、中学生頃から持久走が辛くなり始め、高校生の時には持久走の1kmも走り切れませんでした。ただ、日常生活で困ったことはなかったので深く考えたことはありませんでした。

社会人になってから受けた健康診断で、なぜ私が走ることが好きでも得意でもないのか腑に落ちました。心臓が通常よりも中心寄りにあり、少しねじれているんだそうです。病気というほどのことではないが注意が必要と、お医者様から説明され、なんとなく腑に落ちました。

その後、統合食養学を学び、更に、多くの事象が意味をもって理解できました。例えば、私は母の背に負ぶわれているくらい小さな時からピーマンが大好きで、しかも生のまま丸かじりしていました。セリやパセリも大好きでした。子供が嫌うお野菜ばかりが大好きでした(笑)。今でも好きです。セロリも好きです。これらの野菜に共通しているのは、心臓に課題のある人が好む「苦味」です。体は正直ですね。本能的に欲していたのでしょう。

他にもありますが、今回のテーマとは違うのでここまでにしておきます。

だからやっぱり運動も、ひとりひとりのバイオ個性にあわせて、体の声を聴きながらやることが大切です。

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

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参考文献:

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング