
バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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ブルーベリーは、健康への様々な効果が報告されているスーパーフルーツです。
ブルーベリーがスーパーフルーツと呼ばれてきた理由のひとつは、ブルーベリーに豊富に含まれている抗酸化物質による体への良い効果です。
更に、2015年の研究によって、ブルーベリーが体内のセロトニンを増やし心の状態にも良い効果を示すことなどが報告されました。
そして今回、そのことによって新型コロナウイルス感染による重篤化の予防にも効くかもしれないと期待できる研究報告があったことから、2015年7月に執筆したこの記事に加筆修正することにしました。
(裏付けとなる研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています。)
新型うつをご存知ですか?

最近、若い人達に多く発症し、問題になっている新型うつと呼ばれるうつ病の一種です。
従来のうつ病
何らかの原因で、脳内の
- アドレナリン(やる気のホルモン)
- セロトニン(幸せホルモン)
- ドーパミン(快楽ホルモン)
の全てが減少してしまったことで、やる気や興味を失い、ネガティブ思考に陥り、喜びや楽しみを感じられなくなってしまった心の状態です。
自殺に至ることもある心の病気です。
新型うつ
新型うつの患者さんの脳内では、PTSDの患者さんと同様に、アドレナリンは分泌されているのに、セロトニンだけが不足していることが判明しています。
そのため、好きなことは積極的に楽しくできるのに、そうでない物事に接すると、ひきこもったり、逆切れて攻撃的になってしまうのが特徴です。
必ずしも従来型のうつ病の様に、元気がないわけでも、やる気を失っているわけでもないため、怠けているのではないかとか、性格が悪いのではないかとの誤解を受けやすい病気でもあります。
新型うつ病の原因はPTSDと考えられている

もちろん、新型うつの原因と考えられているPTSDは、戦争体験や犯罪・災害被害のようなものではありません。
両親から溺愛されて育てられたことによって、家庭の外における“普通”の困難な出来事に対して必要以上に傷ついてしまうことによることが多いと言われています。
例えば、上司からミスを指摘され厳しく指導されるといった出来事や、同期が褒められた時に自分は褒められなかったというような、“普通”の出来事が、トラウマになってしまうのです。
アドラー心理学では、こうした状態を「褒めて育てる」ことの弊害と言います。
過度に褒めて育てると、「褒められるはず」と思ってやったことを褒められないと、機嫌を損ねたり、逆ギレしたりするようになり、それがエスカレートするとその出来事がPTSDとなり、新型うつの発症につながると考えられています。
ブルーベリーによる新型うつとPTSDの改善に期待

従来からうつ病の治療には、SSRIs(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)と呼ばれる薬が使われてきました。
SSRIsは、セロトニン(幸福ホルモン)とノルアドレナリン(やる気ホルモン)の両方を増加させる薬です。
そのため、その両方が不足している従来のうつ病の患者さんには効くものの、セロトニンだけが不足しているPTSDや新型うつの患者さんには、アドレナリンが過剰になり過ぎて、攻撃性を高めてしまうという副作用が問題視されてきました。
新型うつやPTDSの患者さんには、セロトニンだけを上昇させる薬が必要なのですが、そうした薬がないことから、一様にSSRIsが用いられていることが問題でした。
ブルーベリーは幸せホルモンのセロトニンだけを増加

ブルーベリーが、脳内のセロトニンだけを増やし、ノルアドレナリンを増やさないという発見が、2015年3月30日、米国心理学学会(APA)によって発表されました。
PTSD(心的外傷後ストレス症候群)を発症させたマウスを使った実験です。
PTSDマウスに、ブルーベリーを与えたところ、脳内のノルアドレナリンの濃度が上昇しないまま、セロトニンの濃度だけが上昇したことを報告しています。
そして、ヒトにおいても同様の効果となる可能性を研究者は述べています。
それによって、PTSDや新型うつの改善には、今まで使用されてきた抗うつ薬(SSRIs)よりも、ブルーベリーを食べる方が効果的なのではないかと、期待されています。
なぜブルーベリーがセロトニンを上昇させるのかは不明

セロトニン(幸福ホルモン)の上昇に効果のある食品は、セロトニンの主原料であるトリプトファン(必須アミノ酸のひとつ)を多く含む食品であると考えられてきました。
例えば、豆類や鶏肉・豚肉などです。(セロトニンの90%は腸内で造られるので、腸内環境の改善も必須です。)
参考:『幸福ホルモン”セロトニン”を造るアミノ酸 – トリプトファン』
しかし、ブルーベリーには、アミノ酸が含まれていません。
そのため、ブルーベリーの何らかの栄養素が、セロトニンの分泌を刺激するのではないかと考えられていますが、なぜブルーベリーがセロトニン値を上昇させることができるのかについての、明確なメカニズムはまだ解明されていません。
新型コロナウイルス感染後の重篤化も予防できるかも?
2020年11月、ワシントン大学が、新型コロナウイルス感染症患者152名を対象に行った研究で、SSRIsのフルボキサミンが重症化を抑制する可能性を報告しています。
と、いうことは、もしかしたら、ブルーベリーにも重篤化を抑制してくれる可能性があるかもしれない?と個人的には期待してしまいました。
しかし、フルボキサミンの重篤化抑制の効果は、シグマ1受容体の作用によるもので、直接的なセロトニンによる作用ではないという他の報告も目にしましたので、あくまでも個人的な期待としてこちらに記載することにしました(笑
生活習慣病予防と抗がん作用

1. 乳がん幹細胞を死滅、乳がんの増殖を阻止
ブルーベリーに含まれているプロスチルベンと呼ばれるポリフェノール(抗酸化物質)が、乳がんの幹細胞(ER+ (MCF-7) とER- (MDA-MB-231)の乳がん)を有意に抑制させたことが報告されています。
がんの幹細胞は、化学療法にも放射線療法にも強く、なかなか根治させることが難しい細胞で、増殖力も高いことで知られています。
プロスチルベンは、レスベラトールに類似したポリフェノールですが、レスベラトールよりも体内吸収率が高く、血中滞留時間が長いことが判明しており、脂質代謝や抗菌効果が高いと言われる成分です。
今回、プロスチルベンが、私達の免疫細胞の機能を向上させ、より正確に腫瘍や癌細胞の転移を阻止することが確認されました。
レスベラトールよりも強力なプロスチルベン。すごいですね。
2. 乳がん発症率を低下
75,000人の女性看護師を対象とした米国の調査では、1週間に一食分(80g、約1/2カップ)以上のブルーベリーを食べている閉経後の女性は、そうでない女性と比較して、31%もER-型の乳がんの発症率が低いことが報告されています。
3. 生活習慣病予防と改善
生活習慣病への効果については、それぞれ別の記事にまとめていますのでご参照ください。
- 糖尿病治療|インシュリン抵抗性の解消『糖尿病の予防と改善に良い食品と食事法についての最新情報 – コレステロール低下薬は要注意』
- 心疾患予防|『体脂肪を真剣に落としたい人のための真面目なフルーツ』
- 適正体重の維持|『体重をコントロールするフラボノイド』
がん予防やアンチエイジングをしてくれるだけでなく、私達を幸せにしてくれるブルーベリー、そして新型コロナウイルス感染症の重篤化予防も期待できるなんて、食が体と心をつなぐことを実証してくれているフルーツです。
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参考文献:
- “Blueberries Show Promise as Treatment for Post-Traumatic Stress Disorder“, The American Physiological Society Press Release
- “Pterostilbene, a bioactive component of blueberries, suppresses the generation of breast cancer stem cells within tumor microenvironment and metastasis via modulating NF-κB/microRNA 448 circuit“, Mak KK, Wu AT, Lee WH, Chang TC, Chiou JF, Wang LS, Wu CH, Huang CY, Shieh YS, Chao TY, Ho CT, Yen GC, Yeh CT, Mo Nutr Food Res. 2013 Jul;57(7):1123-34. doi: 10.1002/mnfr.201200549. Epub 2013 Mar 15.
- “Fluvoxamine vs Placebo and Clinical Deterioration in Outpatients With Symptomatic COVID-19: A Randomized Clinical Trial“, Eric J Lenze, Caline Mattar, Charles F Zorumski, Angela Stevens, Julie Schweiger, Ginger E Nicol, J Philip Miller, Lei Yang, Michael Yingling, Michael S Avidan, Angela M Reiersen, JAMA, 2020 Nov 12;e2022760. doi: 10.1001/jama.2020.22760, PMID: 33180097, PMCID: PMC7662481
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