野菜果物とサプリメントどっちが効く?|様々な病気を予防改善するカロテノイドの力

2024/05/21/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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カロテノイドは、植物、藻類、光合成細菌などによって合成される750以上の天然色素です。私たちは、そのうちの40~50種類を野菜や果物から得ています。

食品から得られるカロテノイドの代表選手は次の6つです。

  1. α-カロテン
  2. β-カロテン
  3. β-クリプトキサンチン
  4. リコピン
  5. ルテイン
  6. ゼアキサンチン

ニンジンやカボチャなど、オレンジ色や黄色の野菜や果物にα-カロテンとβ-カロテンは豊富に含まれています。

なお、ほうれん草にもβ-カロテンが豊富に含まれていますが、ほうれん草の緑色の色素クロロフィルによって、黄色とオレンジ色が隠されてしまっているだけです。

赤色やオレンジ色の野菜や果物に多く含まれています。

トマト、ピンクグレープフルーツ、スイカ、グアバなど、赤色の野菜や果物に含まれています。

食事からのリコピンの約80%がトマトとトマトから造られるケチャップやトマトソースによって供給されていると考えられています。

ほうれん草やケールなど濃い緑色の葉物野菜に多く含まれています。

黄色のトウモロコシ、卵黄などに多く含まれています。

カロテノイドは当初、受動的に吸収されていると考えられていましたが、様々なトランスポータータンパク質によって積極的にも吸収されていることが明らかにされています。

ただし、血液中のカロテノイドの量には個人差があり、遺伝子の差異に起因すると考えられています。

消化分解によって食品から遊離したカロテノイドは、数種類の脂質などの混合物と共にミセルという構造になり小腸で吸収されます。そのため、カロテノイドの吸収には食事に油が含まれていなければなりません

吸収に必要な脂質の量と質(脂肪酸のバランス)は、カロテノイドの種類ごとに異なるようですが、どのカロテノイドもわずか3~5gの脂質があれば確実に吸収されると考えられています。また、食事中の水溶性食物繊維の量もカロテノイドの吸収に影響を与えると考えられています。

ちなみに、サプリメントから摂るカロテノイドは、消化によって食品から遊離させる必要がなく、また、オイルと共にカプセルになっているため、わざわざ油と一緒に摂る必要もなく、食品中のカロテノイドよりも吸収率が高くなります。

では、カロテノイドは、サプリメントから摂った方が、タイパもコスパもよいのでしょうか?

その答えは、カロテノイドの種類によっても、あなたの今の体の状態やライフスタイルによっても大きく異なります

カロテノイドを腸で吸収したとしても、私たちヒトは動物なので、植物性のカロテノイドをそのままの形でビタミンとして活用することができません。そのため、体内でレチノールやその他のレチノイドに変換して活用しています。

レチノールは、ビタミンAのことです。国際基準では、ビタミンAの活性は、レチノール活性当量(RAE)で表すことになっています。詳しいビタミンA(レチノール)の機能については『ビタミンA』をご確認ください。

でも、カロテノイドの全てがレチノールに変換されるわけではありません。

プロビタミンA(ビタミンA前駆体)カロテノイドと呼ばれる、体内でレチノールに変換することができるカロテノイドは、全カロテノイドの約10%です。代表的なものは、α-カロテン、β-カロテン、β-クリプトキサンチンです。

ルテイン、ゼアキサンチン、リコピンは、レチノールに変換できません。これらは、プロビタミンAカロテノイドと呼ばれ、ビタミンとしてではなく、抗酸化物質として体内で働いています。

プロビタミンAカロテノイド(α-カロテン、β-カロテン、β-クリプトキサンチン)は、リポタンパク質(コレステロール)によって肝臓に運ばれ、レチノールに変換されます。

レチノールへの変換率は、体内に貯蔵されているビタミンAの量によって肝臓が調整しています。貯蔵量が多ければ、カロテノイドの吸収とレチノールへの変換の両方が阻害され、不足時には、吸収と変換の両方が促進されます。

食品から吸収したプロビタミンAカロテノイドの体内での変換率は、便宜上一律に次のように定められています。

  • β-カロテン・・・12μg
  • α-カロテン・・・24μg
  • β-クリプトキサンチン・・・24μg

ただし、プロビタミンAカロテノイドのレチノールへの変換効率は、次の要因によって大きく異なることも分かっています。

  • 食品(例えば、どの野菜に含まれているβカロテンかによって変換率は異なる)
  • 調理の下準備の有無と調理法(生・茹で・焼きなどや切り方などで異なる)
  • 個人の消化吸収能力(遺伝的要因)
  • 個人の消化吸収能力(生活スタイル・食事習慣による影響)

など

ちなみに、β-カロテンはサプリメントで摂る場合には、2μgでレチノール1μgになることが確認されています。

なお、裏付けとなる研究論文などは最後に参考文献として一覧にしています。

植物は、光合成の過程で発生する一重項酸素(ヒトにとっての活性酸素のようなもの)を不活化するためにカロテノイドを作ります。

カロテノイドの中では、リコピンの抗酸力が最も高いことが示されています。また、試験管試験では特定条件下で、リコピンは脂質の酸化を阻害できることも示されています。

試験管試験によって、カロテノイドが次の作用に関与している遺伝子を活性化させることで、抗酸化作用を起こすことが確認されています。

  • 抗酸化作用
  • 解毒酵素の分泌
  • グルタチオンの増加
  • 炎症性反応の抑制
  • 細胞間接着の強化

可視光線の中から目の視覚構造にまで達する短い波長の光(特にブルーライト)を減らすことができれば、酸化による視覚機能の損傷から目を守ることができると考えられています。

すべてのカロテノイドは、可視光線の全スペクトルを吸収できます

ルテインとゼアキサンチンは、特にブルーライトをよく吸収します。詳しくは『ルテインとゼアキサンチン』をご覧ください。

細胞膜に小さな穴をあけ、細胞同士が小分子を交換することでコミュニケーションをとることを可能にするコネキシンと呼ばれるタンパク質の合成をカロテノイドは促進させます。この細胞間のコミュニケーションは、細胞が分化(専門的な機能に特化)した状態を維持するために必要です。

カロテノイドは、コネキシン・タンパク質を造る遺伝子の発現を増加させることで細胞間コミュニケーションを促進しています。

いくつかの臨床試験で、プロビタミンAカロテノイドが免疫機能のいくつかのバイオマーカーを改善することが明らかにされています。しかし、プロビタミンAカロテノイドの免疫機能への効果が、ビタミンA(レチノール)としての効果なのか、カロテノイドとしての効果なのかは判別されていません。

また、非プロビタミンAカロテノイドのリコピンとルテインの摂取量を増やしても、免疫機能のバイオマーカーは改善しないことが示されています。

ここからは、総カロテノイドとの関係が研究・調査されている疾患についてのみお伝えします。個々のカロテノイドと疾患との関係については、個々のカロテノイドのページをご確認ください。

また、上で記載した通り、カロテノイドの吸収率にはさまざまな要因が関与しているため、食べる量と血中濃度は、必ずしも正相関の関係にはありません(多く食べれば食べるほど、血中濃度が同じように高くなるとは限らない)

そのため、多くの研究が次の要因と疾患との関係をそれぞれ区別して報告しています。そのため、ここでも2つを区別して記載することにしました。

  1. カロテノイドの摂取量(食事やサプリメントなどから口から取り入れる量)
  2. カロテノイドの血中濃度

また、摂取量に関しても、それが食事からなのか、サプリメントからなのかを区別して報告されているものについては、それも明記しています。

カロテノイドと肺がんとの関係について、米国の看護師健康調査 (NHS) や医療専門家追跡調査 (HPFS) を含むいくつかの大規模な前向きコホート研究が行われました。

これらの研究のメタ分析では、食事からの総カロテノイド摂取量が最も低いグループと比較して、最も高いグループで肺がんリスクが21%低いことが判明し、これは統計的に有意な減少でした。

個々のカロテノイドについての分析では、β-カロテン、α-カロテン、ルテイン、ゼアキサンチンの食事からの摂取量に、肺がんリスクの低下と有意な関連性は見られませんでした。しかし、β-クリプトキサンチンとリコピンには肺がん予防効果があることが示されています。詳しくは『βクリプトキサンチン』または『リコピン』をご確認ください。

また、喫煙者を含む高リスク集団がβ-カロテンのサプリメントを服用すると、肺がんリスクが上昇することが確認されています。なぜ、β-カロテンのサプリメントの摂取で肺がんリスクが上昇するのかの理由はまだ明らかではありませんが、米国予防サービス特別委員会は、喫煙者やその他の高リスク集団が、サプリメントでβ-カロテンを摂取することを推奨していません。詳しくは、『β-カロテン』をご確認ください。

12件の前向きコホート研究のメタ分析では、総カロテノイドと他の個別のカロテノイドの摂取量と乳がんリスクとの間には関連性はみられませんでした。しかし、β-カロテンの摂取量が1日5mg増えるごとに乳がんリスクが5%減少することが示唆されています。

詳しくは『β-カロテン』をご参照ください。

14件の症例対照研究と1件の臨床試験の追跡研究を統合した解析では、総カロテノイドの血中濃度が高いと乳がんリスクが26%低下することが示されています。

データの一貫性を調整した、大規模な前向きコホート研究8件の統合分析では、総カロテノイドの血中濃度が最も低いグループと比較して、最も高いグループでは、乳がんリスクが21%低いことが示されています。

看護師健康調査(NHS)と看護師健康調査2(NHSII)の症例対照研究では、次のことが示されています。

  • 血中総カロテノイド値が最も高い人(142.1μg/dL以上)は、最も低い人( <84.6 µg/dL)と比較して、乳がんリスクが20%低い
  • そして、この傾向は、乳がんリスクが高いと推定される人々で最も強くなる
  • 血中カロテノイド濃度が高くなるほど、エストロゲン受容体陽性(ER+)乳がんリスクが低くなる
  • 血中カロテノイド濃度とエストロゲン受容体陰性(ER-)乳がんとは相関なし

乳がんとの関係では、特に『α-カロテン』、『リコピン』、『ルテインとゼアキサンチン』もご参照ください。

「欧州がんと栄養に関する前向き調査(EPIC)」研究の症例対照研究では、β-カロテン以外のカロテノイドや総カロテノイドと大腸がんリスクとの関連性は示されませんでした。

22件の観察研究のメタ分析も、総カロテノイドの摂取量と大腸がんとの関連性をみつけられませんでした。

βカロテンとの詳しい関係については『β-カロテン』をご参照ください。

α-カロテン、β-カロテン、ルテイン、ゼアキサンチンの血中濃度が高いほど、膀胱がんリスクが低下することが示唆されています。

カロテノイド豊富な果物や野菜を食べることが多い人に心血管疾患リスクが低いことを示す研究は多いです。

2007年~2014年に行われた全国「国民健康栄養検査調査(NHANES)」は、食事からのカロテノイドの総摂取量が多いほど、高血圧リスクが低下することを明らかにしています。

心臓血管疾患と食事量との関係については、『β-カロテン』と『リコピン』もご確認ください。

頸動脈の内膜と中膜の厚さを測定することで、アテローム性動脈硬化症の度合いを測ることができると考えられていますが、多くの症例対照研究と横断研究は、カロテノイドの血中濃度が高いほど、頸動脈内膜中膜の厚さが著しく低いことを明らかにしています。

また、いくつかの前向きコホート研究が、血中カロテノイド濃度が心血管疾患リスクの有意な減少と関連していることをしています。

米国で2003年~2006年に行われた全国調査「国民健康栄養検査調査(NHANES)」は、血中総カロテノイド濃度が高くなるほど、次の2つの心血管危険因子が改善することを報告しています。

  • C反応性タンパク質
  • 血中総ホモシステイン濃度

心臓血管疾患と血中濃度との関係については、『α-カロテン』、『βクリプトキサンチン』、『ルテインとゼアキサンチン』もご確認ください。

「前向きフラミンガム骨粗鬆症研究」に参加した603人の4年間のデータを分析した結果、総カロテノイドの摂取量が多いほど、男性の大腿骨近位部の骨密度が高くなることが示されています。ただし、女性では関連性はみられませんでした。

「フラミンガム骨粗鬆症研究」の参加者946人を17年間追跡調査した研究では、総カロテノイド摂取量が最も低いグループ(摂取量中央値: 7.3 mg/日)と比較して、最も多いグループ(摂取量中央値:23.7mg/日)は、股関節骨折のリスクが51%も低いことが示されています。

一方で、「ヨーロッパのがんと栄養に関する前向き調査 – ノーフォークコホート」の横断分析は、食事からのカロテノイドの摂取量と男性のかかとの骨密度との関連性は見出されませんでした。

ここで紹介した骨粗鬆症や骨折の予防との関係を発見した研究は、食事からのカロテノイドの摂取量を調査したものです。そのため、サプリメントからカロテノイドを摂取した場合にも高齢者の骨量減少を防止し、骨粗鬆症リスクを低下させるかは、現時点では不明です。

また、サプリメントによる高用量のビタミンA(レチノール)の摂取が骨の健康へ悪影響となることが明らかにされていることに注意する必要があります。

骨粗鬆症と食事量との関係については、『α-カロテン』、『β-カロテン』、『βクリプトキサンチン』、『リコピン』、『ルテインとゼアキサンチン』もご確認ください。

「ヨーロッパのがんと栄養に関する前向き調査 – ノーフォークコホート」の横断分析は、男女両方で、カロテノイドの血中濃度とかかとの骨密度との関連性はみられませんでした。

ただし、成人457人を対象とした日本の4年間の前向きコホート研究は、血中β-クリプトキサンチン濃度が最も低いグループと比較して、最も高い閉経後の女性グループでは、骨粗鬆症リスクがかなり低いことを報告しています。詳しくは『β-クリプトキサンチン』をご確認ください。

早産は網膜の血管の正常な発達を停止させます。網膜の血管の成長が不十分で未熟なので、早産児は、高酸素症になりやすく未熟児網膜症(ROP)のリスクをもっています。

203人の早産児を対象とした多施設ランダム化比較試験では、カロテノイド(ルテイン、ゼアキサンチン、リコピン、β-カロテン)を含む粉ミルクを投与しましたが、ROPの発生率は変化しませんでした。

しかし、軽度のROPを持つ乳児では、カロテノイドを含まないミルクを与えられた早産児と比較し、カロテノイドを含むミルクを与えられた早産児の症状の進行が抑制されたことが報告されています。

また、カロテノイドを含まないミルクを与えられた早産児と比較して、カロテノイドを含むミルクを与えられたROPではない早産児血中カロテノイド濃度が有意に増加したこと、カロテノイド濃度の増加と光受容体の感受性の向上には相関関係が見られたことも報告されています。

詳しくは『ルテインとゼアキサンチン』をご確認ください。

総カロテノイドとしての研究があまりなく、詳しくは『β-カロテン』、『ルテインとゼアキサンチン』をご確認ください。

総カロテノイドとしての研究があまりなく、詳しくは『リコピン』をご確認ください。

総カロテノイドとしての研究はあまりなく、詳しくは、『ルテインとゼアキサンチン』をご確認ください。

妊娠中や授乳中のカロテノイドのサプリメントの安全性は確立されていません

そのため、妊娠中と授乳中は、サプリメントからではなく、食品からカロテノイドを摂取しましょう。妊娠中にカロテノイド豊富な果物や野菜を食べることを制限する理由はありません。

ビタミンA(レチノール)の摂取基準は設定されていますが、個々のカロテノイドについては、科学的な裏付けが不足していることから、現在までに世界的にも摂取基準は確立されていません。

また、ビタミンA(レチノール)豊富な食事をしている場合、植物性のカロテノイドが不足していても、明らかな欠乏症の症状がいまだ報告されていないことも、摂取基準が設けられていない一つの理由です。

カロテノイドだけでなく脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)の腸での吸収を低下させる可能性のある医薬品は、次の通りです。

  • コレステロール低下剤|コレスチラミン(クエストトラン)、コレスチポール(コレスチド)
  • ミネラルオイル
  • 肥満治療薬|オルリスタット(ゼニカル)
  • 痛風治療薬|コルヒチン・・・ただし、1日1~2mgであれば血中β-カロテン濃度には影響しないこと報告している研究が1つあります。
  • プロトンポンプ阻害剤|オメプラゾール、ランソプラゾール・・・可能性は低いものの、β-カロテンの吸収が低下する可能性があることが報告されています。

冠状動脈性心疾患または糖尿病をもつ男女2万人以上を対象に行われた大規模なランダム化対照試験では、シンバスタチンと次のビタミンを毎日5年間服用しても、心臓保護効果が失われないことが報告されています。

  • RRR-α-トコフェロール(天然ビタミンE)・・・297mg
  • ビタミンC・・・250mg
  • β-カロテン・・・20mg

冠状動脈性心疾患がありHDL(善玉)コレステロール濃度が低い160人の患者を対象とした3年間のランダム化対照試験では、シンバスタチンと一緒にナイアシン(ビタミンB5)を服用すると、善玉コレステロールを増やし、冠状動脈狭窄の進行を抑制し、心筋梗塞や脳卒中などが起こる頻度が減少することが示されています。

しかし、シンバスタチンとナイアシンの組み合わせと一緒に、次のビタミンを毎日服用すると、効果が消滅することが報告されています。

  • ビタミンC・・・1,000mg
  • RRR-α-トコフェロール(天然ビタミンE)・・・536mg
  • セレン・・・100μg
  • β-カロテン・・・25mg

ただし、この4つのビタミンとミネラルの個別の影響については検証されていないため、β-カロテンがどこまで効果消失に関与しているのかは不明です。

また、個々のビタミンとナイアシンとの相互作用についての検証もなされていません。

以上のことから、スタチン系の医薬品、特に、シンバスタチンと抗酸化作用のあるビタミンとの飲み合わせには注意が必要です。

コレステロール低下薬を服用している人は、医師または薬剤師さんに必ず相談の上、サプリメントを飲むようにしてくださいね。

厚生労働省の食品成分データベースには、プロビタミンAカロテノイドの含有量のみ登録されています。そのため下の表は、総プロビタミンAカロテノイド(α-カロテン、β-カロテン、β-クリプトキサンチン)のレチノール活性当量のみで作成したものです。

非プロビタミンAカロテノイド(リコピン、ゼアキサンチン、ルテインなど)を含め、個々のカロテノイドを多く含む食品については、後述する各カロテノイドのページにてご確認ください。

食品に含まれているカロテノイドのほとんどは、オールトランス型、つまり活性型(生理活性した状態)で存在しています。

なのに、サプリメントと比較して体内での利用可能性が低くなってしまうのは、カロテノイドが植物の細胞壁タンパク質と結びついていることが理由のひとつです。

だから、お野菜や果物からカロテノイドを効率よく摂取して、体内吸収率や利用可能性を向上させるためには、次のような調理方法が適しています。

  • 細かく切る
  • 生よりも加熱調理
  • 油と一緒に調理

いくつかの研究で、植物ステロールを含む食品(スプレッドやマヨネーズなど)を定期的に使用すると、カロテノイドの一部、特に、α-カロテン、β-カロテン、リコピンの血中濃度が10%~20%減少することが明らかにされています。

植物性ステロールについては『植物ステロールとスタノール』をご参照ください。

つまり、野菜を植物ステロールを含むマヨネーズなどと一緒に食べると、せっかくたべたお野菜のカロテノイドが血液の中にまで吸収されていかないということですね。健康に良いと思って使った植物ステロールのマヨネーズも食べ合わせを知らなければ、野菜の健康効果を損ねてしまうだけのもの。

オレストラは、P&Gによって開発されたカロリーをもたず体内にも吸収されない人工脂質で食品添加物として利用されている物質です。

オレストラを他の食品とともに摂取すると、脂溶性ビタミンのビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKと、カロテノイドの吸収を阻害し、また、分解してしまうことが分かっています。

ヒトを被験者とした摂食研究では、オレストラを1日あたり18g摂取すると、3週間後には、血中カロテノイド濃度が27%減少することが示されています。

また、オレストラを用いたスナック菓子が市場で発売される前と比較して、少なくとも1日に2gのオレストラを摂取した人の血中総カロテノイド濃度が15%減少したことが報告されています。

更に、成人を対象とした研究では、オレストラ製品を食べていない人に比べて、オレストラ製品からオレストラを週に4.4g(1日0.6g)以上食べていた人は、血中総カロテノイド濃度が9.7%減少していたことが報告されています。

「カロリーゼロの油」というのは魅力的な言葉かもしれませんが、決して健康的なオイルではないということの代表的な人工オイルですね。

ひとつひとつのカロテノイドの詳しい機能と多く含む食品については、下のリンクからご確認ください。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

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新学期は、毎年3月と9月です。講座でお会いしましょう。

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参考文献

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング