
バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
朝食シリアル派ですか?
実は、わたしはあまりシリアルが好きではありません。
わたしとシリアルとの出会いは、子供の頃のコーンフレークです。今でも牛乳が大っ嫌いなので、当然、牛乳をかけて食べるコーンフレークを美味しいと思ったことはありません(笑)
シリアル大国アメリカに留学をした際にも食べませんでした(笑)
とはいえ、健康的なイメージで宣伝され、牛乳をかけるだけの食べものは、忙しい毎日の簡単な朝食として、多くの人にとって魅力的なものであることは理解できます。
朝食シリアルは本当にヘルシーなのか?
でも、朝食シリアルは、本当にどれくらい健康的なのでしょうか?
なお、裏付けとなる研究論文などは、最後に参考文献として一覧にしています。

1. 米国のシリアルのリアル
2025年5月に発表された米国製のシリアルと米国人たちを対象とした研究では、有名ブランドのほとんどは、砂糖を大量に使用し、ミルクを加える前のタンパク質はごくわずかで、添加物が山ほど入っているだけで、食物繊維さえほとんど含まれていない製品があったことが示されていました。
2. 1食分の量とは?
また、箱に記載されている一食分の量よりも、平均して人は多く(約2倍)を食べていることも明らかにされました。
ちなみに、メーカーによる「1食分」とは、3/4カップ~1カップ程度の量です。朝食を食べる際に用いる器の容量よりずっと少ないんですよ。
3. 宣伝文句と栄養価
「低カロリー」「低糖質」「ビタミン豊富」「オールナチュラル」「健康的な朝食の一部」といった、目を引くメッセージも、残念ながら全体的な栄養成分との間に、ほとんど関連性を見出せず、多くのシリアルの栄養価の大部分はミルクに依存していたことが明らかにされていました。
日本のシリアルは大丈夫?
では、日本のシリアルはどうなんだろうかという疑問がわきます。

日本で販売されているさまざまな種類の朝食用シリアルの中で、消費されているほとんどがカルビー株式会社の製品だという調査を踏まえ、カルビーのホームページから、人気のある次の5種類のシリアルを選び内容を確認してみることにしました。
- フルグラ
- フルグラ(糖質オフ)
- フルグラ(食後の血糖値ケア、機能性表示食品)
- マイグラ(プロテイン)
- ベイクドオーツ(ナッツ&シード)
カルビーの主力商品は、「フルグラシリーズ」です。日本で最も多く食べられているシリアルも「フルグラシリーズ」です。
そのため、「フルグラシリーズ」の中からは、オリジナルの「フルグラ」と、そして、多くの人の関心が高いと思われる「糖質オフ」と「血糖値ケア」を選びました。「マイグラシリーズ」からは、オリジナルではなく、最近注目されているタンパク質に着目した「プロテイン」を選びました。そして、わたしはオーツが好きなので、「ベイクドオーツシリーズ」から、より健康そうな商品名の「ナッツ&シード」を選びました。
1食分の栄養成分バランス比較
1食分としてホームページに表示されている栄養成分のバランスを比較しました。

各種類の1食分の重量を円グラフの中心に記載しておきましたが、種類によって1食分の重量が異なるんですね・・・使用されている材料が異なるので同じ体積(1カップ)でも重量が異なるのは当たり前のことなんですが、なんとなく同じ重さというイメージをもっていたので(笑)
もしあなたが朝食シリアル派なら、明日の朝食時に計量カップを用いて量を測ってみてはいかがでしょうか。3/4カップ~1カップ分の量は、あなたがいつも食べている量よりも少ないことに驚くかもしれません。
製品名のイメージと栄養バランス
「フルグラ(糖質オフ)」は、確かに糖分の量が通常の「フルグラ」よりも少ないです。でも、その分、脂質の量が増えているので、カロリーは、「フルグラ」よりも高くなっています。
「糖質オフ」という言葉の印象から、カロリーも低いように思ってしまいがちですが、そうではないんですね・・

「フルグラ(食後血糖値ケア)」も通常の「フルグラ」よりも糖分が少なくなっています。その分、脂質ではなく食物繊維を増やしているため、カロリーが低く抑えられています。これは、商品名からわたしが受ける印象と合っています。
「マイグラ(プロテイン)」は、確かにタンパク質の量が他の製品の3~4倍に増量されています。その結果、「フルグラ(食後血糖値ケア)」よりも糖質が少ないことにちょっとビックリ。一方で、脂質も増えていることから、この5つの製品の中では、最も1食分のカロリーが高くなっています。これも商品名からわたしが受ける印象とは異なりますが、朝から運動をする人向けだと考えれば納得です。言い換えれば、あまり朝から体を動かさない人には必要ないかもしれませんね。
「ベイクドオーツ(ナッツ&シード)」は、5つの製品の中で最もカロリーが低い商品ですが、商品名からわたしがイメージするよりも糖質が多く、タンパク質が少ないことに驚きました。
こうしてたった5つの製品を見ただけでも、商品名から受けるイメージと、実際の栄養成分のバランスやカロリー量との間には、ギャップがあることが分ります。
ひとつの言葉から連想するイメージは、人によって異なることを考えると、やはり、商品名や商品パッケージの言葉だけで製品を選ぶのではなく、しっかりと原材料リストや栄養成分表を確認した上で、あなたが求める効果が期待できる商品を購入することが大切ですね。
ヘルシーなシリアルを選ぶ基準
ハーバード大学医学部のロバート・シュマーリング医師によれば、ヘルシーなシリアルを選ぶ際の基準は次のとおりです。
- 1食あたり2.5g以上の食物繊維を含んでいる(5g以上が理想的)
- 原材料リストは食品として認識できるもののみ(食品添加物なし)
- 主原料が全粒穀物
- 1食あたり150カロリー以下(通常2食分くらい食べるので)
- 砂糖と食塩は無添加または最小限
この基準に照らしてみると・・・
1. 1食あたり2.5g以上の食物繊維を含んでいる(5g以上が理想的)
これは、5つの製品全てが基準をクリアしています。

しかも「フルグラ」と「ベイクドオーツ」以外は、5g以上を含んでいます。更に、機能性が報告されている特殊な食物繊維も添加されています。
2. 原材料リストは食品として認識できるもののみ(食品添加物なし)
5つ全ての製品に食品添加物が使われています。
しかし、ビタミンの添加を除けば、添加物は、香料、酸化防止剤、Ph調整剤など、おおむね5つ以内に収まっていて、長々とよく分からない名前の添加物はありませんでした。
3. 主原料が全粒穀類

ホームページに掲載されている情報からは、使用されている穀類が精白されたものなのか全粒なのかの判別はできませんでしたが、ただ、例えば、小麦を全粒で用いていたら全粒粉、米粉も玄米を用いていれば玄米粉と記載するであろうと考えたら、たぶん、かなり確実に、これらの製品に使用されている穀類は、精白されたものと考えて良いのではないでしょうか。
個人的には、「ベイクドオーツ(ナッツ&シード)」のナッツ&シードが、アーモンドとかぼちゃの種だけだったことにがっかりしました。もっと多様なナッツとシードをミックスしているのかとイメージしていたので、「え、一種類ずつだけ!?」というのがわたしのリアクションです。これも言葉から受けるイメージと現実のギャップですね。
4. 1食あたり150カロリー以下
残念なことにこの基準を満たすものは、ありませんでした。
唯一200kcalを下回っているのは「ベイクドオーツ(ナッツ&シード)」ですが、それでも150kcal以内ではありません。
5. 砂糖と食塩は無添加または最小限
シュマーリング先生がいう「最小限」がいったい何グラムのことなのかわかりませんので、なんとも言えませんが、無添加か否かで判断すると、5つの製品すべてに砂糖と食塩が使用されています。

(1)砂糖
原材料リストは、多い順に記載することが法で定められているため、それに沿って多い順にトップ10原材料を並べてみると、「フルグラ」と「フルグラ(血糖値ケア)」では、砂糖は3番目に多く使われています。「マイグラ(プロテイン)」では4番目、「フルグラ(糖質オフ)」では5番目に多く入っています。
白砂糖は小さじ1杯で3グラムです。各製品に含まれている糖質がそのまま砂糖の量だとすると、あなたは毎食こんなに多くの砂糖を食べていることになります。
- 「フルグラ」・・・小さじ10杯半
- 「フルグラ(糖質オフ)」・・・小さじ6杯強
- 「フルグラ(血糖値ケア)」・・・小さじ9.7杯、
- 「マイグラ(プロテイン)」・・・小さじ7.7杯
- 「ベイクドオーツ(ナッツ&シード)」・・・小さじ7杯
これはあくまでも「1食分」の量ですから、もしあなたがメーカーの「1食分」の量よりも多く食べているとしたら、例えば、2倍?だとすると、「フルグラ」なら、小さじ20杯の砂糖!を毎朝食べていることになります。
グラノラという食べもの自体が、砂糖を使って作られるものなので、フルグラとかマイグラとか、「グラ」と名前がついた製品に砂糖が入っているのは仕方がないことですが、それにしても、「糖質オフ」「血糖値ケア」という言葉が使われている製品に、まさか、小さじ6~10杯の砂糖が入っているなんて思いませんよね。
(2)塩
食塩は、「フルグラシリーズ」と「マイグラ」には1食分0.2グラム入っています。「ベイクドオーツ」の原材料は種類が少ないので、食塩が8番目に入っていますが、0.08グラムです。

WHOは1日の食塩摂取量を3グラム以内としているので、単純に1食1グラム以内です。
なので、この製品以外に食塩を使った朝食を食べなければ、少なくともこの5つの製品に使用されている食塩の量は問題なさそうです。
とはいえ、本来、シリアルに食塩は必要ありません。
ヘルシーで簡単な朝食シリアルを作る

今回は日本で一番人気のメーカーの朝食シリアル5製品だけを見てきましたが、なかなか医師が考える「ヘルシー」なものはなさそうです。でも、シュマーリング先生が推奨する基準を満たす簡単な方法があります。
朝食で食べるシリアルを、グラノラではなく、ミューズリにすればよいのです。
ミューズリは、ドイツなどヨーロッパ大陸で好まれているシリアル(雑穀類)です。オーツ麦やライ麦とさまざまなナッツとシーズをミックスしただけのものです。
グラノラのように砂糖を使って作られているものではありませんし、塩も入っていません。
だから、ミューズリにするだけで、大量の砂糖と塩を避けられます。
1. ミューズリの作り方
オートミールを中心に様々な穀類とナッツとシーズを混ぜ合わせたものなので、お好きなものを選んで、お好きな配合で混ぜるだけです。正解はあなたの好みです。
お好きな季節のフルーツやドライフルーツを加えても良いです。
わたしはその日の気分でボウルに入れる種類や量を変えるのが楽しいと感じますが、いちいち毎朝混ぜるのが面倒という人は、すでにミックスされたさまざまなタイプの「ミューズリ」を購入することもできます。
オーガニックの食材を購入すれば、食品添加物も避けられます。特に、ミックスされているドライフルーツの添加物に注意してくださいね。
2. 食べ方
他のシリアルと同じように牛乳を注いで食べることができます。
牛乳だけでなく、スムージーやアサイーや、植物性ミルクやヨーグルトなどと一緒に食べても構いません。というか、冒頭でお伝えしたようにわたしは牛乳が嫌いなので、ケフィアや植物性ミルクと一緒に食べることが多いです。アサイーも好きです。
甘味が欲しければ、メープルシロップやはちみつなどを加えましょう。白砂糖を使うよりもずっと血糖値に影響しません。
それに例え、白砂糖を入れたとしても、自分で小さじ10杯も入れませんよね?自分で甘味を追加するれば、量を適切に管理できるので、それだけでヘルシーです。知らずに食べさせられているというのは怖いことです。
ただし、人工甘味料を使うのはお勧めしません。
また、ミューズリを使って、エナジーバーやクッキーも簡単に作れます。

シリアルに用いる食材に関する情報
ご紹介した健康的な食材の健康機能について、以前執筆した記事は次のとおりです。併せてご覧ください。
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参考文献
- “Is your breakfast cereal healthy?”, Robert H. Shmerling, September 8, 2025, Harvard Health Publishing; Editorial Advisory Board Member, Harvard Health Publishing
- “Healthy Through Presence or Absence, Nature or Science?: A Framework for Understanding Front-of-Package Food Claims.”, André, Q., Chandon, P., & Haws, K., 2019, Journal of Public Policy & Marketing, 38(2), 172-191. https://doi.org/10.1177/0743915618824332
- 「シリアル食品人気ランキング2019年夏!シリアル食品の購入に関する実態調査」、2019年7月19日、消費者インサイト研究所
- 「シリアル」、カルビー株式会社
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