バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
ご褒美チョコレートが増えている
チョコレート大好き!と、いう人は多いですね。
この季節になると、たくさんの美味しそうな新作チョコレートが発表され、私達の興味をそそります。
また、義理チョコが例年よりも減っている一方で、自分へのご褒美チョコや家族や親しい人達へじっくりと吟味した良質なチョコレートを選ぶ人が増えています。
そこで今回は、美味しいだけじゃなくて、健康にとって本当に良いチョコレートの選び方についてお伝えします。
ダークチョコレートとは
チョコレートの中でもダークチョコレートは、ここ数年、スーパーフードとして注目を集めています。
チョコレートは、ココアパウダーにお砂糖と脂肪を加えて作ります。
加えるお砂糖の量の違いで、ビターになったり、マイルドになったりします。
ダークチョコレートと呼ばれるものは、ココア成分が全体の70%以上あるものです。そして、ミルク成分はほとんど、あるいは、まったく入っていません。
ダークチョコレートの抗酸化力
(裏付けとなっている研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています)
カカオに含まれている抗酸化成分は、フルーツよりも多いと報告されています。しかも、ココアパウダーやダークチョコレートに加工されていても、ほとんどのフルーツよりも高い抗酸化成分を含んでいて、ブルーベリーやアサイーよりも高いと言われています。
この抗酸化成分が、遺伝子発現のオンオフや免疫反応に関係している酸化還元反応に変化を促すことや紫外線から肌を守ることに期待されています。
1. 心疾患予防、動脈硬化予防、高血圧予防
ココアは、特に、カテキン、エピカテキン、プロシアニジンというポリフェノールを多く含んでいます。これらの成分は、活性酸素のハンターとして働くことが判っています。
特に、エピカテキンは、一酸化窒素を上方制御することで血管内皮に良い影響をもたらし、抗炎症作用を通して循環器系の機能を改善すると考えられているほか、動脈硬化を予防し、高血圧を改善したことも報告されています。
また、ココアのテオブロミンと呼ばれる成分にも、血管拡張作用があります。
2. 糖尿病リスクの低減
ココアのエピカテキンの抗酸化作用は、インシュリン抵抗性の緩和にも効果があると考えられ、糖尿病リスクの低減につながると期待されています。
また、BMIの改善(肥満改善)に効果を示したと言う報告もあります。
3. 認知機能の改善
150mgのココア・フラボノール(flavan-3-ol)を5日間食べたグループの認知機能が、fMRIの検査において向上していることが観察されています。
心拍数には変化がなく、大脳辺縁系と灰白質への血流が増加していることが観察されたそうです。
また、メチルキサンチンと呼ばれる成分には、精神薬理学的な作用がありますが、ココアには、テオブロミンとカフェインの組み合わせによってメチルキサンチンが含まれています。
テオブロミンには、血管拡張薬、中枢神経刺激薬、利尿薬としての作用もあります。
チョコレート中毒の原因物質
いわゆる「チョコレート中毒」を引き起こす主成分は、テオブロミンだと、現在では考えられています。
テオブロミンには、上記したような認知機能を改善する作用もあるけれども、脳を刺激する物質であるだけに、食べ過ぎたら依存を引き起こしてしまうということですね。
ダークチョコレートは全部同じではない
チョコレートがスーパーフードと言われることに納得できる抗酸化作用をお伝えしましたが、ダークチョコレートと呼ばれるものなら何でも良いわけではありません。
原材料の質や製造過程が異なると健康への効果も異なります。
自分へのご褒美チョコレートを選ぶ際、本当の意味でご褒美になるチョコレートを選びたいですね。特別な人に贈る際にも、その人の健康にとって害になるようなチョコレートは贈りたくないものです。
では、どんなダークチョコレートを選んだら良いのでしょうか。
まずは、チョコレートについて基本的なところを抑えておきましょう。
ココアとカカオの違いを知っていますか?
カカオ
カカオ豆を発酵、乾燥させたものがカカオです。
加熱も焙煎もしていない、生の状態のものがカカオです。発酵乾燥させただけの生のカカオ豆から、次の食品ができます。
- カカオパウダー: カカオ豆を粉末状にしたもの
- カカオバター: カカオ豆の中の白い脂肪層
- カカオニブ: カカオ豆を小さく切り刻んだもの
加熱しないので、焙煎過程で失われてしまう栄養素が維持されています。
ココア
発酵・乾燥させたカカオ豆を加熱焙煎し粉砕したものが、ココアパウダーです。
100%のココアパウダーには、次のような栄養素が含まれています。
- マグネシウムや鉄分などのミネラル
- 焙煎後に残存する抗酸化物質(ポリフェノールやフラボノール)
- 食物繊維
- 良質な脂質
ココアパウダーに、砂糖や脂肪分や牛乳製品を追加してチョコレートは作られます。
ココアパウダーの製造方法をチェックする
ココアパウダーの製造方法には、2つあります。
1. ブロマ製法
- カカオマスを油圧圧搾してココアパウダーを作ります。
- この方法で作られたココアパウダーは、通常のチョコレート色よりも赤みがかっていて、苦味や酸味があります。
- ブロマ製法のココアパウダー|弱酸性(pH5.3 – 5.8)
2. ダッチ(アルカリ化)製法
- アルカリで中和しながらココアパウダーを作ります。
- この方法で作られたココアパウダーは、通常のチョコレート色で、苦味が丸くなっています。カカオの苦味を消すために、この製法が用いられることが多いです。
- ダッチ(アルカリ化)製法のココアパウダー|中性~強アルカリ性
アルカリ化製法のチョコレートはポリフェノールが少ない
アルカリ化の度合いが高まるにつれて、抗酸化物質の含有量が、直線的に減少することが観察されており、ダッチ製法のココアパウダーでは、抗酸化物質が激減しているとする研究報告が複数あります。
カカオ豆の加工過程における抗酸化物質(カテキンとエピカテキン)の含有量の変化を調べた研究があります。
ブロマ製法のココア
ブロマ製法で、70℃以上に加熱するとエピカテキンの多くは失われるが、逆にカテキンが7.5倍に増加することから、全体としての抗酸化物質の量に大きな変化は生じなかったことが報告されています。
ダッチ製法のココア
ダッチ製法では、エピカテキンが98%減少しただけでなく、カテキンも80%減少したことが示されています。
アルカリ化製法のチョコレートを避ける
原材料表から、ココアパウダーの製法を知ることは難しいのです。そこまで記載しているものは少ないです。
でも、もし「アルカリ加工」といった記載あったら、それは、ダッチ製法を意味します。期待通りのポリフェノール(抗酸化物質)が残っていない可能性が高いと言えます。
できれば、伝統的なブロマ製法のココアを使ったチョコレートを選びたいですね。
チョコレートの原材料をチェックする
健康効果のあるチョコレートを選ぶためには、チョコレートのパッケージの表のキャッチコピーではなく、裏の原材料表を見る必要があります。
通常、原材料表は、含有量の多い成分から順に左から記載されていますので、一番最初に書かれている材料が一番多く入っていることを意味します。
ベストなダークチョコレートの原材料表は、ほんの2~3つの材料しか記載されていません。次の言葉が、一番最初に記載されていることを確認してください。
- ココア
- ココアパウダー
- ココアニブ
- ココアバター
- チョコレートリカー
特に次に紹介する原材料には要注意
チョコレートには、ココア成分だけでなく、長期間の保存を可能にするためだったり、風味を加えるためだったりの理由で、様々なものが添加されています。
1. 砂糖
大抵、カカオの苦味を緩和するために、お砂糖が入っています。お砂糖が入っていないチョコレートをみつける方が難しいと思います。
そのため確認する時のポイントは、原材料表の一番最初に「砂糖」と書かれていないことです。
また、甘味として白砂糖ではなく、ブラウンシュガーや甜菜糖などが使われていたらベストです。
2. 乳化剤
乳化剤は、油分と水分を融和(乳化)させ、他の材料と良く混ざり合うようにするために入れます。チョコレートの場合、ココアパウダーとココアバターが分離しないように入れます。
でも、何度もこのブログで紹介している通り、乳化剤は食べる石鹸ですから、ヒトに直ちに影響はなくても、腸内細菌にはダメージを与えます。
それに乳化剤は無くてもチョコレートは作れます。
- ベストなチョコレートは、乳化剤が入っていないものです。
- 次に容認できるものとしては、乳化剤として大豆レシチンが使用されているものです。
3. ミルク(乳脂肪)
チョコレートを柔らかい食感にしたり風味をつけるために乳脂肪を添加します。
しかし、ダークチョコレートに、乳脂肪(ミルク成分)は必要ありません。入っていないものを選びましょう。
参考:『牛乳アレルギーがある人とヴィーガンは米国製ダークチョコレートに要注意』
4. 香料
ダークチョコレートには、様々な香りやフレーバーが着けられているものがあります。一番多く使われているのが、バニラでしょうか。香りやフレーバーをつけることには何の問題もありません。
ただし、「香料」としか記載のない場合には、大抵、合成香料(化学物質)が使用されていますので、避けることが賢明です。
しかし、原材料表を観ただけでは、その香料が天然か化合物なのかの判別がつかないことが多いのも事実です。
最近では、有機バニラとか、有機レモン油などと記載してくれているものもありますので、天然のスパイスや抽出液(エッセンス)やオイル(精油)などで、香りやフレーバーを作っているものを探しましょう。
もしフレーバーつきのダークチョコレートをお求めなら、オーガニック(有機)認定されているものを選ぶと安心です。
5. 植物油脂、ショートニング、マーガリン
植物油脂、ショートニング、マーガリンなどは、トランス脂肪酸の含有量が非常に多い油脂です。
トランス脂肪酸は、動脈硬化を引き起こし、心疾患や脳卒中を起こす原因物質であることから欧米では「No longer safe」(もはや安全ではない)という基準に分類されている危険物質で、その含有量の多い加工油は食べ物として、もはや扱われていません。
欧米の商品には、トランス脂肪酸の含有量が必ず記載されています。そのため、欧米からの輸入チョコレートであれば、トランス脂肪酸と記載されているものを購入しなければ良いので、トランス脂肪酸を避けることが容易です。
しかし、日本にはそうした規制も表示義務もありません。消費者がそれを知り、避ける行動をしなければなりません。
植物油脂、マーガリン、ショートニングと記載のあるチョコレートは避けましょう。
トランス脂肪酸については『マーガリンや植物油脂ってそんなに体に悪いの?』をご参照ください。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
美味しそうなチョコレートがたくさん売り出されるこの季節に、良質で健康に良い、本物のチョコレートを選んでくださいね。
本物のチョコレートと言えば、『Bean to Bar のチョコレートってご存知ですか?』もご参照ください。お店リスト載せています。
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