
バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
高脂肪食品は大抵悪者
健康に関する文脈の中では、高脂肪食品は大抵、悪者です。
避けるべきもの、できるだけ少なく食べる方が健康に良いというニュアンスで語られることの多い食品です。
でも、2025年12月に発表された、スウェーデンのマルメ市の住民約28,000人を対象に25年超追跡調査した研究では、面白い結果が報告されています。
この研究では、高脂肪チーズ&クリームと次の認知機能疾患との関係を解析しています。
- 認知症
- アルツハイマー病
- 血管性認知症
更に、アルツハイマー病の発症リスクを高める遺伝タイプである「APOE-e4」の有無による影響についても解析しています。
なお、裏付けとなる研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています。
高脂肪チーズ

高脂肪のチーズとは、脂肪分を20%以上含むチーズを指します。
モツァレラ、リコッタ、カテージチーズなどを除く、ほぼ全てのナチュラルチーズ(エダム、チェダー、ブリー、カマンベール、パルメザンなど)がこれに該当します。
1日15g未満 vs 50g以上
高脂肪チーズを1日に15g未満しか食べない人と比較して、1日に50g以上食べる人には次の傾向がありました。
- 全原因認知症リスク・・・13%低下(0.87倍)
- 血管性認知症リスク・・・29%低下(0.71倍)
- APOE-e4 非 保因者・・・アルツハイマー病リスクと逆相関(食べる量が多いほどリスクが低下)
高脂肪のチーズを食べる方が認知症予防になることが示されたんです!
高脂肪クリーム

高脂肪クリームとは、脂肪分を30%超含むクリームを指します。
食べない vs 1日20g以上
高脂肪のクリームをまったく食べない人と比較して、1日に20g以上食べる習慣のある人には、次の傾向がありました。
- 全原因認知症リスク・・・16%低下(0.84倍)
- アルツハイマー病&血管性認知症リスク・・・逆相関(食べる量が多いほどリスク低下)
クリームも、高脂肪のクリームを食べる方が認知症予防になることが示されました。
認知症と関連がなかった乳製品
次の乳製品と、全原因認知症のリスクとの間に有意な関連性は確認できませんでした。
- 低脂肪チーズ
- 低脂肪クリーム
- 牛乳(高脂肪および低脂肪)
- 発酵乳/ヨーグルト(高脂肪および低脂肪)
- バター
発酵乳(ヨーグルト)とバターに関連性が確認されなかったのは意外です。
1. 理想的な脂肪分の比率
この結果を解釈すると、高脂肪の牛乳の脂肪分は約4%程度ですから、その程度の脂肪量には効果がないことになります。
一方、バターのように脂肪分が80%以上になっても効果がないとなると、
認知症予防に最適な乳脂肪の割合は
20%~80%
と、いえそうです。
2. 乳酸菌は関係ない?
また、発酵に関しても、ヨーグルトは乳酸菌やビフィズス菌で発酵させますが、チーズは乳酸菌とレンネット(酵素)で固めて熟成させます。
乳酸菌で発酵して水切りをしないヨーグルトよりも、乳酸菌とレンネット(酵素)で固めて水切りをするチーズ(そのため脂肪分はチーズの方が凝縮される)に効果があるということは、認知症予防には、乳酸菌は関係ないということなのでしょうか・・?
乳酸菌よりも高脂肪であることの方が認知症予防に効果があるということなのかもしれませんね。
簡単じゃない日本の事情

研究者は、「因果関係があるというのには限界がある」と断った上で次の傾向があることは確かであると述べています。
「高脂肪チーズと高脂肪クリームの摂取量が多いほど、
全原因認知症のリスクが低下する」
では、今回のスウェーデンの調査結果を日本に住む人にそのまま当てはめられるかといえば、ソフィアウッズの見解としては「NO」です。
現状の日本で、
「高脂肪のチーズやクリームが認知症予防になるからたくさん食べましょう」
とは、決して言えません。
なぜなら・・・
乳製品の質と安全性の違い
今回調査の対象となったスウェーデンの人たちが日々口にしている乳製品は、日本の一般的な乳製品とは多方面に異なるからです。
1. ほぼ牧草飼育

スウェーデンは、動物福祉法によって、6か月齢以上の牛と全ての乳牛は、夏の間の約2~4か月間、野外で放牧することが義務付けられている世界で唯一の国です。
この法律によって、飼料の大部分(75%以上)が牧草とサイレージ(刈り取ったばかりの牧草や作物をサイロなどで密封して乳酸発酵させたもの)で占められています。
牛が本来食べてこなかった大豆やトウモロコシなどは限定的です。
2. 抗菌剤・ホルモン剤不使用

また、スウェーデンは、1986年に世界で初めて、成長目的での抗菌剤(抗生物質)の使用を全面禁止した国です。そのため、獣医師による病気治療目的の処方によってのみ抗菌剤の使用が認められています。
また、EU法と国内法によって、乳牛へのホルモン剤の使用も全面的に禁止されています。
つまり、牧草よりも遺伝子組み換えされたトウモロコシや大豆などを多く与えられ、また、抗菌剤やホルモン剤まで与えられ、放牧ではなく工場のような狭い牛舎で不自然に育つ日本の乳牛とは、食事も育ちも質も異なるのです。
あなたの体が食べたものでできているように、乳牛だって食べさせられたもの、投与されたものでできています。
そして母親が食べたものが母乳に混入してしまうように、乳牛に食べさせたものは牛乳に混入してしまうのです。
日本人コホートでは真逆の結果
65歳以上の障害のない日本人高齢者11,637人を対象に最大5.7年間(平均5.0年間)追跡調査したコホート研究を解析した東北大学の研究は、スウェーデンの研究とはまったく逆の結果を報告しています。
1. 乳製品全般
牛乳、ヨーグルト、チーズなど乳製品全般において、食べる量が最も低い下位20%のグループと比較して、上位40%のグループでは、認知症リスクは、わずかにしか低下しませんでした。
2. 牛乳

- 牛乳を飲まないグループと比較して、月1~2回飲むグループの認知症リスクが24%低下(0.76倍)
3. ヨーグルト
- ヨーグルトを食べないグループと比較して、毎日食べるグループの認知症リスクが11%低下(0.89倍)
- ヨーグルト摂取は認知症リスクと逆相関する可能性(食べる量が多いほどリスクが低下)
4. チーズ
- チーズを食べない人と比較して、毎日食べる人の認知症リスクが28%上昇(1.28倍)
なぜ真逆の結果なのか
スウェーデンの調査では、牛乳やヨーグルトには認知症予防効果が認められませんでしたが、日本の調査では効果が認められました。
スウェーデンの調査では認知症予防効果が認められたチーズは、日本の調査ではリスクを上昇させてしまいました。
この矛盾した結果をどう解釈したら良いのでしょうか・・。
スウェーデン人と日本人の遺伝的な違いでしょうか。
日本の研究では高齢者だけが対象でしたが、スウェーデンの研究ではマルメ市の住民が対象でした。そうした年齢や加齢による基礎疾患の有無による影響でしょうか。
明確なことは検証研究が存在しないので分かりません。しかし・・
1. 脳神経細胞には脂肪が必要

ただ、科学的・医学的な事実から言えば、脳神経細胞にはコレステロールが必要です。良質なコレステロールの不足は、神経変性疾患リスクを高めます。
詳しくは『脳機能とコレステロール』をご参照ください。
その視点で考えると、良質な高脂肪乳製品に認知症予防効果が認められたことや、チーズやクリームと比較して、脂肪分が少ない牛乳そのものやヨーグルトに効果が低いことを示したスウェーデンの研究には、納得感があります。
2. 有害物質の蓄積先

また、体内で有害物質が蓄積される場所は脂肪です。
濃縮された脂肪=濃縮された有害物質
その視点で考えると、生育過程で汚染された乳牛のミルクで作る日本製のチーズが認知症リスクを悪化させる可能性にも納得感があります。
3. 乳酸菌?
ただ、スウェーデンの研究では効果がなかったヨーグルトが、日本では効果が認められた理由については、よく分かりません。
システマティックレビューとメタアナリシスによって、乳酸菌とビフィズス菌のサプリメントには認知症改善効果はなかったと報告している海外の研究があり、スウェーデンの研究結果を間接的に裏付けています。
乳酸菌とビフィズス菌の中にはサイコバイオティクスと呼ばれ、あなたの情緒や精神疾患と深く結びついているものがいます。しかし、認知機能との関係が報告されている腸内細菌は、A.ムシニフィラ菌と呼ばれるグループです。そして、この菌たちは牛乳を食べません。ヨーグルトの中には存在しないのです。
なお、A.ムシニフィラ菌の増やし方など詳細については『A.ムシニフィラ菌』をご確認ください。
以上のことから、ヨーグルトが日本人の認知機能予防に効果があるという報告については、現時点では「とても不思議」という感想しかありません。
ヘルスコーチのわたしの選択
どちらにしてもヘルスコーチのわたしとしては、認知症予防のためだけでなくすべての病気予防のために、日本の一般的な乳製品を積極的に口にしたいとは思いません。
そもそもわたしは牛乳自体が嫌いなので、乳製品を積極的に購入することはありません。ヨーグルトは牛乳ではなく豆乳を自宅で発酵させて作っています。
バターやチーズは嫌いではありませんので、積極的には購入しないものの、必要な時はグラスフェッドを購入します。それ以外の時は、ヴィーガンのバターやチーズを購入したり、自分で作ったりしています。
また、外食時やいただき物に乳製品が使用されている時には気にせずに食べます。食事は一口ではなく、毎日の積み重ねが効果を生むと考えていますので、たまに少量食べることに大騒ぎはしません。
脳神経細胞に必要な良質な脂質やコレステロールは、乳製品以外の食品からも摂れますが、今回のスウェーデンの研究をふまえて、これからはグラスフェッドのチーズをもう少し日常に加えてみようかなと考えています。
さて、あなたはどうしますか?
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

もしおひとりで取り組むことに不安や難しさを感じるのでしたら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?
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参考文献
- “High- and Low-Fat Dairy Consumption and Long-Term Risk of Dementia: Evidence From a 25-Year Prospective Cohort Study.”, Du Y, Borné Y, Samuelsson J, Glans I, Hu X, Nägga K, Palmqvist S, Hansson O, Sonestedt E., Neurology. 2026 Jan 27;106(2):e214343. doi: 10.1212/WNL.0000000000214343. Epub 2025 Dec 17. PMID: 41406402; PMCID: PMC12720290.
- “Association between dairy intake and risk of incident dementia: the Ohsaki Cohort 2006 Study.”, Lu Y, Sugawara Y, Tsuji I., Eur J Nutr. 2023 Oct;62(7):2751-2761. doi: 10.1007/s00394-023-03189-7. Epub 2023 Jun 19. PMID: 37335358.
- “Probiotics for dementia: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials.”, Krüger JF, Hillesheim E, Pereira ACSN, Camargo CQ, Rabito EI., Nutr Rev. 2021 Jan 9;79(2):160-170. doi: 10.1093/nutrit/nuaa037. PMID: 32556236.
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング


