
バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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2014年11月17日
寝ている間は本当に何もしていないのか?
発明王のエジソンは
「睡眠は犯罪に等しい時間の無駄使いだ」
と言いました。鉄の女と言われたイギリスのマーガレット・サッチャー元首相は
「睡眠は弱い人間のためにある」
と言いました。
私達は、まるで眠気を病気であるかのように扱い、眠気覚ましの方法を試したり、コーヒーを飲んだり、ガムを噛んだり、眠気を消すことばかりを考えています。
なぜでしょうか。
寝ている時には、何もできないからですよね。食べたり飲んだりもできませんし、ましてや、仕事を片付けたり、趣味に没頭することもできません。でも、本当に、寝ている間、私達は何もしていないのでしょうか。そんなに無駄な、生産性に乏しい機能を、なぜ、私達人間は、進化の過程で失うことができなかったのでしょうか。
例えば、イルカは、片方の脳ずつ眠ることができるそうです。右脳が寝ている間は、左脳が働き、左脳が寝ている間は右脳が働く。ちなみに脳をまったく休ませないで活動を続けられる動物は、今のところ、地球上には発見されていないようです。地球上で脳をもって生活するには、脳の休息は不可欠のようですね。
でも、せめて、なぜ人間もイルカのように脳を片方ずつ休ませられるように進化しなかったのでしょうか。そうすれば、片方の脳が休んでいる時に、もう一方の脳で、仕事を片付けたり、本を読んだり、ゲームをしたりできたはずです。
実は人間の脳も、私達が寝ている間、完全にシャットダウン、ブラックアウトしているわけではないんです。脳の一部は、起きている時よりも活発に動いています。イルカが右脳と左脳を使い分けているように、私達人間は、覚醒時の脳と睡眠時の脳を使い分けているのです。
体内時計の仕組み
私達の脳や細胞の中には体内時計が組み込まれています。1日25時間のサイクルで動いています。脳の体内時計は朝日を浴びることでリセットされて、24時間サイクルに毎朝修正されます。その他の細胞の中にある体内時計は、朝食を摂ることでリセットされます。そして両方の時計は互いに影響しあって体内サイクルを正常に維持しています。
そうしたサイクルのひとつが、脳の活動サイクルで、約90分です。学校の授業などが90分を1時限単位に設定されているのは、このためです。これより長いと集中力が散漫になりがちです。ちなみにエネルギー代謝のサイクルも90分です。私達は、90分ごとに軽い空腹を感じます。睡眠時の脳も、90分サイクルなんですよ。90分サイクルが一晩に5回ほど繰り返されて7~8時間の睡眠となります。
この90分サイクルは、ウルトラディアンリズムと呼ばれます。これを目安に様々な活動をスケジュールすると、体内時計とシンクロするのでいろいろ楽ですよ。ただ、毎朝、朝日と朝食で主時計のリセットが正しく行われないと、こうした末端リズムも狂ってきますから、ご注意くださいね。
さて、眠りに落ちると、最初の90分サイクルの前半に、大脳皮質が活動を休止します。私達の理性や知性や感情をコントロールしている部分です。この時、自律神経のうち副交感神経が優勢となり、体の筋肉が弛緩し、深い眠りが起こります。これがノンレム睡眠と呼ばれる眠りです。90分サイクルの後半には、次第に眠りが浅くなり、レム睡眠と呼ばれる睡眠に入ります。大脳は活動を取り戻し、自律神経も交感神経が優勢となり、心拍数も血圧も上がり、私達は夢を見ます。この時、目をつむったまま眼球が活発に動くので、Rapid Eye Movement(早い目の動き)の頭文字をとってREM(レム)睡眠と呼ばれるようになりました。そして、再び、新たな90分サイクルへと入っていきます。
最も深い睡眠が起こるのは、最初の90分です。その後のサイクルでは次第にノンレム(深い)睡眠の時間は短くなり、レム(浅い)睡眠の時間が長くなっていきます。
パワーナップと呼ばれる昼寝が10~20分と言われているのは、眠ってから20分くらいまでは、深い眠りが起こらないので、寝起きが辛くないからです。でも、本当の意味で大脳を休ませるのであれば、90分を1クールとした昼寝が必要です。
睡眠時の脳は何をしているのか
では、睡眠時、脳はそんなに活発に動いて何をしているのでしょうか。
これには諸説あって、未だに、科学は統一見解を出せていませんが、有力だと言われている説をご紹介します。
修復説
昼間の活動で消費した様々な体内機能(ホルモンや酵素や骨や筋肉)を、夜のうちに、修復したり、入れ替えたり、作り直したりしているという説です。この説は、2300年前のアリストテレスまでさかのぼって唱えられてきたものです。最近の遺伝子研究によって、確かに修復や代謝に関係の深い多くの遺伝子のスイッチが寝ている間にオンになることが確認されていますし、成長ホルモンや基礎代謝に関係しているホルモンもノンレム睡眠中に分泌されることが観察されています。
また、ノンレム睡眠中に活発になる副交感神経は、筋肉の緊張をゆるめ、心拍数や血圧を下げ、その代わりに血管を拡張させ、内臓を活発に動かします。内臓が活発になるので、栄養素の消化や吸収、老廃物の代謝や排出・浄化が進みます。そして、筋肉が緩んで血管も広がっているので、そうした栄養素を体全体に隅々まで運搬したり、リンパにのせて老廃物を搬出したりがスムーズに行われます。つまり、体の修復・回復が効率よく行われていることを裏付けています。
スポーツ選手や成長期の子供にとって睡眠がとても大切な理由がわかりますよね。アンチエイジングしたい女子にとってもお肌修復が行われるのは寝ている間ですから、睡眠はとっても大切です。ビューティ・スリープ(美しさを保つための睡眠)という言葉も嘘ではないってことですね。
データ処理と記憶の統合と集約説
起きている時の体験や経験、新しい学習や訓練を記憶するための神経回路が、眠っている間に創られると考えられています。ノンレム睡眠中、大脳皮質が休んでいる間に、海馬が脳内のシナプス(神経回路の連携点)を点検し、重要な記憶との連携点や神経ネットワークを強化し、もうあまり重要ではなくなった記憶への連携を細くするなど、昼間の情報処理が効率よく行われるよう、保守点検・整備をしていると言われています。
実際、単に何かを記憶して思い出すということだけでなく、新しいアイデアを閃いたり、複雑な問題の解決方法を見つけたりする能力が睡眠によって3倍にもなるという報告があります。また、睡眠不足になると、学習能力が低下することも報告されています。
睡眠を否定したエジソンは、実は発明の天才ではなく、部下の発明を盗む天才だったとも言われていますしね。
寝不足の危険性
私達は、寝ている間、何もしていないわけではありません。 機能の修復やデータのアップデート、保守点検整備が行われています。つまり、十分な睡眠をとっていない人は、保守点検整備が行われていない飛行機と同じで、飛んではいけない人なんです。
十分な睡眠をとっていないと、次のようなことが起こるリスクが高まります。
1. 事故・けが
慢性的な睡眠不足に陥っている人の脳は、強制的にシャットダウンするようにできています。“覚醒脳”が気がつかないうちに、“睡眠脳”が起動してしまうのです。それを「マイクロ(ミクロ)スリープ」と呼びます。ほんの数秒から数分のできごとですが、突然、何の前触れもなく起こります。
居眠り運転の3割は、このマイクロスリープが原因と言われ、産業事故のリスクを約8倍高めるとも言われています。
2. 判断力の低下
スリーマイル島原子力発電所事故(1979)やスペースシャトル・チャレンジャー号事故(1986)などは、睡眠不足が、重大な判断ミスを誘発する原因となった可能性が指摘されています。
ハフィントンポスト誌の創設者で編集者であるアリアナ・ハフィントン氏は、もし「リーマン・ブラザース」が「リーマン・ブラザース&シスターズ」だったら、ブラザースが睡眠を削って24時間世界中の金融市場の動きを睨み付けている時、ビューティスリープをしっかりとった集中力万全なシスターズが、きっとサブプライムローンの欠点に素早く気づき、世界中を恐怖に陥れる前に、適切な判断を下していたに違いないと言います。そして、
「女が成功するために必要な武器は
寝ること」
80年代、社会進出を始めた女性に対して陰で言われていた言葉の意味を、まったく違う意味に替えて伝えています。
成功するために必要なこと
それに、サッチャー元首相がちゃんと寝ていたら、フォークランドの領有権問題は、紛争(1982)にならなかったのかもしれませんね。「睡眠は弱い人間のためにある」のではなく、「睡眠は賢い成功者のためにある」のだと、現代科学は言っています。
成功するために必要なものは、能力だけではありません。能力があっても適切な判断ができないのでは、役には立ちません。能力は人並みでも十分な睡眠をとって適切な判断が下せる人が必要とされ、成功するのです。必要なのは、睡眠不足の天才ではなく、熟睡した凡人です。もちろん天才が熟睡したら無敵ですけどね。
また、睡眠不足は、多くの健康上の問題を引き起こします。
- 肥満: 食欲増進ホルモンのグレリンの分泌。食欲抑制ホルモンのレプチン不足。代謝サイクルの短縮化によるプチ空腹感増
- 女性ホルモンの異常: 乳がん・子宮体がんなど
- 糖尿病: インシュリン抵抗性の発症
- 脳内神経の異常: うつ症状・不安・パニック症状・認知症
- 循環器の異常: 不整脈・高血圧・心疾患・脳梗塞
- ストレス: ストレスホルモンのコルチゾールの分泌
起きている間、フルスロットルで仕事をこなし、目いっぱい遊びに没頭したいのなら、夜ちゃんと眠ることです。
仕事で大きな失敗や判断ミスをすることを回避して、確実に成功したいのなら、夜ちゃんと眠ることです。
体型を維持して、若さを保ちたいなら、睡眠を削ってお肌のお手入れをするよりも、夜ちゃんと眠ることです。
白雪姫も爆睡したから、十分なお肌修復が行われ、肥満にもならず、女性ホルモンが十分に分泌され、寝起き顔でも、王子様がプロポーズしたくなるほど美しかったのではないかと思いませんか?
寝ている間、私達は何もできないのではありません。起きている時に“できる女”になれるよう準備しているのです。
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【参考文献】
- “Why do we sleep?”, Russell Foster, June 2013, TEDGlobal 2013
- “How to succeed? Get more sleep”, Arianna Huffington, Journalist, December 2010 at TEDWomen 2010,
- “健康づくりのための睡眠指針 2014”, 平成 26 年 3 月, 厚生労働省健康局
- “眠りのメカニズム”, e-ヘルスネット, 厚生労働省
- “National Commission on Sleep Disorders Research. Wake up America: a national sleep alert”, Washington DC: U.S., Department of Health and Human Services, 1993
- “時間栄養学 – 時計遺伝子と食事のリズム”, 日本栄養・食糧学会 監修, 香川靖男 編著, 女子栄養大学出版



ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング