バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
医薬品中の食品由来タンパク質
唐突ですが、製薬会社は、医薬品に食品由来のタンパク質を使っていることがあります。
麻酔薬、ホルモン充填剤の中に、アレルギー性の食物タンパク質が含まれているものがあることを知っていますか?
PMSや生理痛、更年期症状の緩和のために処方されているホルモン充填剤によって食物アレルギーが起こるなんて、誰も想像しませんよね。
それに食物アレルギーと言うと、ほとんどの人は、皮膚の発疹や、腹痛、喉のイガイガ感を思い浮かべます。
でも、食物アレルギーの症状は様々で幅があり、誰かがある食品で、どんなアレルギー反応を示すのかを予測するのはとても難しいことなんです。
典型的なアレルギーの症状
- 発疹
- じんましん
- かゆみ
- 口の中の違和感
- 唇や舌の腫れ
- 腹痛
- 喉や声帯の腫
です。
でも、次に記載する症状も食物アレルギーによっても起こります。ただ、ほとんどの人が、こうした症状があっても、それを食物アレルギーと結び付けて考えることがありません。
食物アレルギーと気づかれ難い症状
- 頬の赤らみ
- 下痢
- 吐き気(嘔吐)
- 咳
- くしゃみ
- 呼吸困難、呼吸が苦しい
- 頭痛
- 関節痛
- めまい
- 立ちくらみ
- 気絶
頬の赤らみは、単なる肌荒れとか、そういう体質なのかと思われがちですし、下痢や吐き気・嘔吐は、胃腸の病気か食中毒と思われがちです。咳やくしゃみや呼吸困難も風邪や感染症と思われがちですし、頭痛はストレス、関節痛は運動や加齢が原因と思われがちです。めまいや立ちくらみや気絶は、もっと重篤な病気が疑われるのではないでしょうか。
それが、実は、全部、食品で起きている可能性があるのです。
こうした症状が現れたら、まずは、医療機関を受診して、アレルギーである可能性も含めて検査してもらう必要があるように思います。
抗ヒスタミン剤を飲めば、治ってしまうかもしれないのです。
もちろん、アレルギーの度合いによっては、吸入器やエピペンやステロイドが必要な場合もありますが、少なくとも別の誤った重篤な病名がつけれたり、必要もない薬を処方されることを避けられるかもしれません。
アレルギーを引き起こしている食品を避けたら良いだけなのですから、どの食品が原因しているのかを知るだけで、私達は様々な不調から解放されます。
しかし、問題はそう簡単ではないかもしれないということを今回お伝えしたくて、次の食品成分が使用されてい食品添加物や医薬品についてご紹介します。
意外なところに隠れていることの多いアレルゲン食品
- ピーナッツ
- 卵
- 魚介類(魚卵、甲殻類、貝)
- 小麦
- 牛乳
- 大豆
ピーナッツ|医薬品と解毒剤
ピーナッツは、非常にアレルギー性が強く、日本では、7大アレルゲン(特定原材料)のひとつに指定されている食品です。
そのため数年前から、JALとANAグループは、国際線・国内線全便の機内食および国内・海外自営ラウンジで提供している飲食メニューからピーナッツおよびピーナッツオイルを排除しています。昔は、飛行機に乗ると必ずピーナッツが、ウェルカムスナックとして配られていたのですけどね。
でも、海外航空会社とのコードシェア便については、この限りではないようですから、海外旅行されたり、外国の航空会社を利用する際には、機内食について事前の確認が必要ですね。(コロナが落ち着いてからの話ですが・・)
ピーナッツは、それそのものとしてだけでなく、キャンディーやマジパン、ヌガーに含まれていることがあります。
医薬品の中のピーナッツ
医薬品のプロメトリウム(プロゲステロン製剤)、デパケン(抗てんかん薬)には、ピーナッツオイルが使用されています。
アレルギーは、原則、食物タンパク質に対する免疫反応なので、ピーナッツオイル(脂質)では起こらないとする免疫学者もいますが、関係するという学者もいます。
そのため、ピーナッツにアレルギーがあるのでしたら、あなたのピーナッツアレルギーが、オイルにも反応するタイプなのか否か、医師に相談して検査してもらった方が良いですね。
ピーナッツの解毒剤が米国で上市
米国では、2020年1月に、FDA(米国食品医薬品局)が、最初のピーナッツ解毒剤を承認しました。パルフォルジアと呼ばれる薬です。今後、日本で承認されるのかどうか分かりませんが、ピーナッツアレルギーをもっているご家族にとっては朗報ではないでしょうか。
卵|食品添加物と医薬品
卵も、日本では、7大アレルゲンに指定されている食品のひとつですが、多くの加工食品に使用されています。
クッキーやケーキなどの焼き菓子、マヨネーズ、ハンバーグなど、卵そのものが使用されているケースもあれば、
魚のすり身、ケーキのフロスティング、コーヒーの上の泡にメレンゲとして卵白が使用されているケースもあります。魚のすり身が使われている加工品には、かまぼこやカニカマ等も含まれます。
卵黄よりも卵白の方がアレルギー性は強いんですよ。
食品添加物の中の卵
天然ではない香料(化学香料)の一部にも、卵から抽出した成分が含まれています。
また、缶詰やレトルトのスープ、マシュマロ、アイスクリームなどに、乳化剤として、卵黄レシチン(タンパク質)が使用されていることがあります。
医薬品の中の卵
卵黄レシチンは、医薬品やサプリメントにも使用されます。
例えば、プロポフォールと呼ばれる、手術時に使用される麻酔薬には、卵由来のタンパク質とその他の卵由来の成分が使用されています。インフルエンザ・ワクチンにも卵由来のタンパク質が使用されています。もしかしたら、これから開発されるコロナウイルスのワクチンにも使用されている可能性もあります。
魚介類|調味料とハウスダスト
魚アレルギー
魚アレルギーの人は、日本人にはあまり多くいらっしゃいませんが、サーモン、マグロ、タラ、鯛が魚アレルギーの代表的な魚です。
喘息のような症状を引き起こし、重篤な症状となることもあります。
これらの魚にアレルギーがある場合、魚全般を避けた方が良いと言われています。そのため、魚由来のオイル(EPAやDHA)や魚卵についても確認しておく必要があります。ちなみに魚卵のイクラは、日本人のアレルゲンとなる「特定原料に準ずる20品目」に含まれています。
また、魚に多く含まれているヨウ素が魚アレルギーの原因物質だと言う人いますが、それは迷信です。魚アレルギーとヨウ素は関係がありません。
魚介類由来の食品には、ウスターソース、シーザードレッシングなどがあります。
甲殻類(エビ・カニ)アレルギー
エビとカニ(甲殻類)は、日本人の7大アレルゲン食品のうちの2つです。
甲殻類の何かひとつにアレルギーを発症したら、例えばエビ、その他の甲殻類(例えばカニ)に対してもアレルギーを起こす可能性が高くなると言われています。
なお、サプリメントとして販売されているグルコサミンは、甲殻類由来です。
貝アレルギー
貝類アレルギーは、何歳になっても発症する可能性のあるものです。
ゴキブリがもっているトロポマイシンという神経毒が貝にもあり、それが貝アレルギーの最も一般的な原因物質です。貝類の養殖や漁の仕方、収穫後の処理の仕方によって、その神経毒が脳神経の疾患を引き起こすと考えられています。
ふらつきやめまいが起きたり、気を失ったり、思考をぼんやりさせます。
このアレルギーを持っている人は、ダニやホコリなどのハウスダストのアレルギーももっていることが多いそうです。
小麦|調味料、食品添加物と医薬品
小麦も日本では7大アレルゲンのひとつに指定されている特定原料です。
なお、小麦由来の病気セリアック病やグルテン不耐症はアレルギーではありませんから、今回は言及しません。
醤油、ハンバーグ、ステーキソース、グラノーラバーなどには、小麦が直接使用されています。
食品添加物の中の小麦
小麦のタンパク質成分のグルテンが添加物として使用されている食品もあります。
例えば、サラダドレッシングや味つきポテトチップス、缶詰やレトルトのスープなどです。
医薬品の中の小麦
サプリメントなどの添加物として使用されているデキストリンの中には、小麦由来のものがあったり、医薬品やサプリメントの充填剤として小麦が使用されているケースがあります。
牛乳|加工食品、乳代替品と医薬品
牛乳も日本人の7大アレルゲンのひとつです。
牛乳アレルギーは、「カゼイン」と呼ばれる乳タンパク質が関係しています。
乳糖による反応はアレルギーではない
ちなみに、「牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする」という人がいますが、日本人の場合、それは、アレルギーでないことが多いです。牛乳に含まれている糖分(乳糖)を消化する酵素をもっていない人が、かなりの割合で日本人にいるために起こる現象です。その場合は消化分解の問題で、アレルギー等の免疫反応ではありません。
牛乳の代替品に注意
怖いことに、牛乳の代替品の中には、牛乳由来のホエイプロテインが含まれていることがあります。牛乳の代替品だからと安心してはいけません。ちゃんと原材料表を確認しましょう。
豆乳、オートミールミルク、アーモンドミルク、ココナッツミルク、フラックスシードミルクなどに牛乳由来のタンパク質が含まれていることがあるのです。
ちなみに、ラクダのミルクには、カゼインは含まれていません。
羊とヤギのミルクには、若干カゼインが含まれています。
ステーキソース、グラノラ、キャンディバー、揚げ物、タイ料理/インド料理、衣がついている料理、焼き菓子(マフィン、クッキー、ケーキ、パンなど)には、大抵、牛乳が使用されています。
医薬品の中の牛乳
- アドベア(喘息治療薬合剤)
- フルナーゼ(糖質コルチコイド製剤)
- アズマネックスツイストヘラー(副腎皮質ステロイド吸入剤)
- エントコート(糖質コルチコイド徐放剤)等
呼吸改善薬や吸入器の一部には、乳タンパク質を含むラクトース 一水和物が使われているものがあります。
便秘薬にも乳タンパク質を含むものがあります。
ダークチョコレート
以前、『ヴィーガンと牛乳アレルギーがある人は米国産ダークチョコレートに要注意!!』で、ダークチョコレートと表記しておきながら、乳製品を混ぜていた商品があることをご紹介しました。日本のメーカーのことは信じたいですが、自分の目で原材料表示を確認することはとても大切だと思います。
大豆|肉代替品、加工食品、調味料、化粧品、食品添加物と医薬品
大豆も日本人の7大アレルゲン食品に指定されている特定原料のひとつです。
日本人の食生活の中には、大豆が非常に多くのものに含まれているため、避けるのはとても大変です。また、ヴィーガン用の肉やチーズ、アイスクリームの代替品は、ほぼ大豆でできています。
パン粉やシリアル、クラッカー、調味料、ブイヨン、粉ミルク、化粧品、さらには食事の代用品(カロリーメイトのようなもの、エナジーバーやドリンク)にも含まれています。
食品添加物の中の大豆
大豆は多くの食品添加物としても使用されます。例えば
- 加水分解植物性タンパク質(HPP)
- 加水分解大豆タンパク質(HSP)
- 植物性タンパク質の加水分解物(HVP)
- 大豆レシチン(乳化剤)
などの形で、加工食品に入っています。
医薬品の中の大豆
大豆レシチンは、医薬品やサプリメントにもよく使われる添加物のひとつです。
特に、アトロベント(気管支喘息治療薬)やコンビベント(気管支拡張薬合剤)のような呼吸器疾患のための薬に入っていることが多いです。大豆アレルギーがある場合には、別の吸引器にしてもらえるよう薬剤師に相談してくださいね。
また、大豆油は、病院の点滴用の栄養剤に入っています。
では私達はどうすればよいのでしょうか
原材料表を読む
まずは、食品の裏の原材料表を読むことを習慣にすることです。
そして、
成分について調べる
原材料が分からないものは、調べてから購入するようにしてください。
調べる方法としては、まず、メーカーのホームページで、商品紹介のページでその食品の原材料を確認することができます。
ただ、メーカーによっては、強調したい主成分のことしか記載のない場合もありますので、そうした際には、恥ずかしがらずにメーカーに電話するか、ホームページのお問い合わせフォームから原材料を知りたい旨、問い合わせしてください。
私は、私のクライアントさん達が口にしているサプリメントや加工食品について、必ず、その原材料を確認し、判らないことはメーカーに直接問い合わせ、クライアントさん達が引き続きそれを摂取し続けても大丈夫なものかどうかの確認をしています。
今まで問い合わせをした企業の多くは、快く原材料や詳しい成分を教えてくださいましたよ。
余談:私の奮闘記
もちろん中には、「炭素と酸素と水素でできたものです」という人を小ばかにしたような返答を送って来た会社もあります。地球上のほぼ全ての有機物は、炭素と酸素と水素でできています。この返答は、何も回答していないのと同じであるだけでなく、一般消費者に元素の名前を出せば、「どうせ判らないから黙らせられる」とでも考えていることが見え見えの不遜な態度です。こんな回答を送って来るような会社の商品は信用なりませんから、即刻、クライアントさんにはその商品の使用をやめていただきました。
あるいは、「企業秘密だから原材料を教えられない」という会社もありました。だったら特許取得してくださいよと思いました(笑)し、クライアントさんには使用を止めていただきました。何が入っているか解らないようなものは食べて欲しくないですからね。
また逆に、「特許を取得しているから教えられない」という会社もありました。これはまったくの間違いです。特許は、製法を公開しなくては取得できません。製法を公開することで、同じ製法を使って、他社が許可なく類似品を製造販売することができないようにするのが特許です。だから、特許を取得したなら、情報は既に公開されているのです。教えられないということはあり得ません。特許番号を教えてくれるだけでいいのです。特許庁のホームページに特許番号を入力すれば、その製品に関する全ての情報を読むことができます。
ちなみにこの会社は特許番号を教えてくれませんでした。特許庁で社名検索しても良かったのですが、そんなことをするまでもなく、この会社は信用できないと思い、その商品を購入することをクライアントさんに止めさせました。
食事記録をつける
最近では、食事の写真を撮ってSNSでシェアする人多いですよね。
それを映える食事の時だけでなく、普通の毎食の写真も撮っておくだけで十分です。
何か体の不調が起きた時に、記録を遡って、そこにパターンが無いか確認することが大切です。
何か特定のものを食べた後に必ず起きている症状なら、食物アレルギーを疑って良いと思います。添加物に反応している可能性もあります。そしてしばらくその食品を避けて生活し、体調に変化が起こるか観察してください。
外食時に恥ずかしがらない
アレルギーがある人は、レストランでは、あなたのアレルゲンについて、はっきりと伝え、ちゃんと確認してくれるよう要求してください。
アレルギーについて正しい理解をもっていないウェイター/ウェイトレスさんもいます。また、そのお店で提供されている食材の全てをウェイター/ウェイトレスさんが把握していないケースも多いです。
例えば、そのお店で使っているシーザードレッシングに何が入っていのるかとか。アンチョビを隠し味にシェフが入れているかもしれないのです。
ですから、ウェイター/ウェイトレスさんに、調味料を含め、あなたのアレルゲンが使用されていない料理がどれなのか、シェフ/調理人に確認してもらう必要があります。もし事前にどのお店に行くのか分かっていれば、予め電話で確認しておいても良いですよね。
私はアレルギーをもっていませんが、食品添加物が気になるので、個人で経営されているパン屋さんでも有名ブランド店のパン屋さんでも原材料表が貼っていない場合には、「マーガリンやショートニングを使用していないパンはどれですか?」と必ず訊きます。和菓子屋さんでも、使用されている食品添加物の一覧を見せていただきます。大抵のお店はリストをもっていますよ。
訊くは一時の恥。訊かぬは一生の恥。
確認してもらわなかったために、アナフィラキシーになって救急搬送されてしまうよりも、勇気をもって確認してもらう方がマシです。
ちなみに、平成28年の厚生労働省の調査によれば、日本ではアレルギー疾患をもっている人が述べ25万人もいるそうです。うち、アナフィラキシー・ショックによる死亡例は、年間0人~6人に留まっているとのことです。年間3万人が食物性アナフィラキシー・ショックで救急救命を受ける米国と比較したら、かなり優秀な国民だと言えますね。でも、気を抜いたらいけません(笑)
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参考文献:
- “Hidden Food Allergies“, Susie Cohen
- 「よくわかる食物アレルギー」、著者:栗原 和幸、監修:西間 三馨、雪下 國雄、公益財団法人日本アレルギー協会、平成27年(2015年)2月10日 改訂
- 「アレルギー疾患の現状等」、厚生労働省、健康局 がん・疾病対策課、平成28年2月3日
- “PALFORZIA“, Vaccines, Blood & Biologics, Allergenics, US FOOD & DRUG Administration
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング