バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
加齢はどんな脳にも影響する
どんな脳も、誰の脳も、加齢によって影響を受けます。
加齢による認知機能の低下は、多くの人が年を取ることに対して不安に感じることのひとつです。
ハーバード大学付属マクリーン病院の記憶障害評価クリニックの臨床ディレクターであるジュリー・ブロディ・マジッド博士は次の様に述べています。
「認知機能の衰退が現れた時に
薬はその進行を遅らせられるかもしれません。しかし、認知症や記憶障害の
発症自体を遅らせることができる
確実な医療ツールはありません」
認知症になった後なら、その進行を遅らせる薬はあるけれども、認知症になる前に認知症を予防する薬は、今のところ、ありません。
とは言え、認知機能の低下は、必ずしも避けられないものではありません。90歳以上になっても、しっかりしている高齢者はたくさんいらっしゃいます。
脳を若く保つ方法は、大きく次の3つと言えます。
- 脳を刺激する
- 食事を改善する
- 運動する
今回は、この3つについて、具体的に何をしたら良いのかお伝えします。
脳機能を刺激する
多くの研究が、脳を刺激する活動が、神経細胞同士の新しいネットワークの構築を促し、新しい神経細胞の増殖を助けることを報告しています。その結果、脳神経機能に柔軟性/適応力が生まれ、将来の神経細胞の減少に対する備蓄的な役割を果たすことが判っています。
脳を刺激する活動であれば何でも脳神経を増やします。
読書、パズルや数学を解くこと以外でも、手先と脳を使う作業、例えば、絵を描く、工作、編み物、刺繍などもお勧めです。
こちら『アルツハイマー病と認知症(4)予防と改善のライフスタイル』もご参照ください。
食事を改善する
脳にとっての栄養は、糖分だと聞いたことがあると思います。しかし、糖分不足どころか、糖分過多になっていることの多い現代人は、次のようなリスクを抱えています。
糖尿病は認知症リスクを高める
糖尿病(高血糖)は、認知機能低下の重要なリスク要因です。
高血圧は認知機能を低下させる
中年期に高血圧が続くと、高齢期に認知機能の低下が早くなることが判っています。
高コレステロール値は認知機能を低下させる
LDL(悪玉)コレステロールの値が高いと認知機能が低下するリスクが高まることが判っています。
認知症予防の食事とライフスタイル
そのため、脳のために糖分を摂ることよりも、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質の多い野菜や果物、そして、脳の約8%を占めるオメガ3不飽和脂肪酸のひとつDHAを多く含む魚や、その材料となるナッツやシーズをたくさん食べることが必要です。
詳しいアルツハイマー病/認知症予防の食事とライフスタイルについては『アルツハイマー病と認知症|食事法』をご参照ください。
セルフドクターコースでも詳しく教えています。
有酸素運動をする
多くの研究が筋肉を使うことで、脳が鍛えられることを示しています。
マジッド博士は次の様に述べています。
「有酸素運動は、脳を認知機能の低下から守るだけでなく、
認知機能を改善することが一貫して証明されています。」
有酸素運動によって、心臓が活発に働き、筋肉が鍛えられ、汗をかいて老廃物がデトックスされることから、運動が健康にとって最も有効な予防薬であることは、もうかなり前から証明されている事実ですが、脳にも良いのはなぜでしょうか。
なぜ有酸素運動が脳を活性化するのか
有酸素運動が、どのように脳を活性化するのかについては、次の様な多くの仮説や説明が存在しています。
- 心臓が鍛えられ脳を含む全身の血行が改善することで、脳への血流不足によって起こる血管性認知症が予防される
- 血流によって脳から毒素が取り除かれることで、脳内の炎症が予防される
- 脳細胞を修復したり新しい脳細胞を造る働きのある脳由来神経栄養因子(BDNF)を増加する
- BDNFによって新しい脳細胞の成長が促される
BDNFは、記憶を保存したり検索したりする脳領域の海馬と関係があると考えられています。BDNFとなる成分を多く含む食品については、マインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースで教えています。
脳を守るホルモンが筋肉から分泌される
上記した有酸素運動による脳機能への効果にプラスして、2021年8月に科学専門誌『ネイチャー』の『メタボリズム(Metabolism、代謝)』のオンラインで公開された研究は、イリシンというホルモンが運動によって筋肉で造られ、脳を炎症から守っていることを発見したと伝えています。
研究者は、イリシンがアルツハイマー病を予防できる可能性についても示唆しています。
この研究はマウスを用いた動物実験でしたが、研究者は以前の研究結果を踏まえ、この効果がヒトにも有効である可能性が高いと述べています。
既に記憶に問題があっても有酸素運動は役に立つ
記憶喪失の初期の兆候が見られたとしても、脳を守るために運動を始めるのに遅すぎることはないと、マジッド博士おっしゃっています。
2021年3月の『アルツハイマー病ジャーナル(Journal of Alzheimer’s Disease)』 誌に掲載された研究は、ストレッチだけを行った人と比較して、中度~高度な有酸素運動を1年間続けた人の認知テストの点数が有意に高かったことを報告しています。
特に、計画性と意思決定などの遂行に必要な機能性スキルが向上していました。
被験者は、早歩き、水泳、サイクリング、社交ダンスなど運動を自由に選び、最初の半年間は1回30分の運動を週3日間続け、後半の半年間は週5回にして続けています。
脳に必要な1回の運動時間はどれくらいか
様々な研究者がこの答えを探しています。
ただ、1回に何分くらい運動をすればよいかは、あなたが普段どれくらい運動をしているのかによります。
マジッド博士によれば、普段あまり運動をしない人は、1回20分間の運動習慣をもつことで、認知力が大きく向上することが研究によって判明しているとのことです。一方で、トライアスロンなどを好んで行っている、普段から激しい運動をしている人は、1回45分の運動が理想的とのことです。
ただ、医師から運動について指導や注意を受けている人は、その指示にしたがってくださいね。
認知機能に良い運動の長さについては『アルツハイマー病と認知症|有酸素運動』もご参照ください。
どんな有酸素運動が良いのか
脳にとって最適となる特定の有酸素運動はありません。有酸素運動なら何でも良いのです。
とはいえ、次のような運動をマジッド博士は勧めています。
脳が飽きない運動
脳が飽きないように様々な運動を取り入れるのが良いそうです。
「いつも同じトレーニングをしていると、
体が順応して強くならないのと同じように、
脳も同じ運動を繰り返すと慣れすぎてしまうことがあります」
脳と体の両方が鍛えられる運動
また、身体活動と脳機能が一緒に鍛えられる運動、例えば、相手の反応に合わせて瞬時に判断して動かなければならない次のようなスポーツを勧めています。
- ボクシング
- テニス
- 卓球
など
どんな運動も動かないよりはまし
「脳に関して言えば、どんな動きも何もしないよりはましです。
ジュリー・ブロディ・マジッド博士
体を動かせば動かすほど、脳が強化され守られます」
運動と認知機能についての参考記事
現在までにソフィアウッズ・インスティテュートが認知機能や運動について執筆した記事です。こちらも参考になりますよ。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
脳、特に認知機能を若く保つためには、アルコールを控えて禁煙することも重要です。
また、社会的なつながりを保つことも認知機能の低下を遅らせることが判っています。お住まいのコミュニティとのつながりや、親しいお友達・ご家族とのつながりがとても大切になります。
もし、ひとりで取り組むことに不安や難しさを感じるのなら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
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脳機能を高める食事とライフスタイルについても教えていますよ。
新学期は、毎年3月と9月です。講座でお会いしましょう。
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参考文献
- “Working out your brain”, Matthew Solan, Executive Editor, Harvard Men’s Health Watch, December 1, 2021
- “12 ways to keep your brain young“, Harvard Health Publishing, May 13, 2022
- “Exercise hormone irisin is a critical regulator of cognitive function”, Islam, M.R., Valaris, S., Young, M.F. et al, Nature Metabolism, volume 3, pages1058–1070 (2021), https://doi.org/10.1038/s42255-021-00438-z
- “Cognitive Effects of Aerobic Exercise in Alzheimer’s Disease: A Pilot Randomized Controlled Trial”, Yu Fang, Vock David, Zhang Lin, Salisbury Dereck, Nelson Nathaniel, Chow Lisa, Smith Glenn, Barclay Terry, Dysken Maurice, Wyman Jean, Journal of Alzheimer’s Disease, vol. 80, no. 1, pp. 233-244, 2021, DOI: 10.3233/JAD-201100
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング