バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
音楽は聴覚だけでなく多くの脳機能を刺激
あなたを元気づけてくれる音楽は何ですか?
私の場合、80年代や90年代の、私が10代~30代だった頃の音楽でしょうか。楽しい、明るい歌よりも、怒りや悲しみを吐き出すような歌を、よく聴いて歌っていたように思います。
アラニス・モリセットとか、シニアッド・オコーナーとか(笑)
トレイシー・チャップマンやメリッサ・エスリッジ、クランベリーズも好きです。
知っている人は同世代ですね。
音楽は、聴覚に関係しているだけでなく、多くの脳機能に関係しています。
例えば、次の様な能力に関係しています。
- 動作
- 言語
- 集中力
- 記憶力、そして
- 感情
「音楽ほど、私たちの脳の広い領域を
同時に刺激するものは、地球上にはない」
と、ハーバード大学系列のスポールディング・リハビリテーション病院の公認脳神経音楽セラピスト、ブライアン・ハリス氏は言います。
音楽に耳を傾ける時、楽器を演奏する時、そして、歌う時、脳全体が活性します。
車から流れてくる音楽でも、シャワーを浴びながら聞いている音楽でも同じなんだそうです。
音楽がかかっていないスポーツジムはありえない
ハリス氏は、音楽がかかっていないスポーツジムはあり得ないと、言います。
心機能に良い効果
音楽は、脳内の化学反応も変えてしまいます。
そして、その変化は、循環器系(心臓・血管系)に良い結果をもたらします。
ランニングマシーンやバイクマシーンで心臓へストレスをかける実験を行った際、音楽を流しながら行うと、次の様な効果が現れたことが報告されています。
- より長く運動を続けることが可能になる
- 動脈を柔軟にし、血液循環機能が向上する
- 運動後に血圧と脈拍が正常に戻る時間が短くなる
- 心臓発作経験者の不安を軽減させる
- 心臓手術を受けた人の痛みと不安を軽減する
動脈硬化を緩和
動脈の柔軟性を検証した研究では、クラシック音楽とロック・ミュージックの両方が使われました。
結果、次のような傾向が観察されています。
- クラシック音楽を好む人は、クラシック音楽をかけた時
- ロック・ミュージックを好む人は、ロックをかけた時
に、改善度合いが高かったそうです。
どんな音楽でも、自分が好きな音楽なら何でも良いということですね!
好きな音楽がリラックス効果を生む
音は、心拍数や呼吸をコントロールする、脳幹で処理されます。だから音楽が心拍数や呼吸数や血圧を抑え、痛みやストレスや不安を緩和するのかもしれません。
でも、やっぱり、好みは重要なようです。
例えば、オペラ音楽が
- 好きな人は、オペラを聴いていると、リラックス状態になる
- 嫌いな人は、オペラを聴くと、逆効果になる
とのことです。
研究では、医療関係者が選んだ音楽よりも、患者さん達が自分で選んだ音楽の方が効果が大きかったと報告しています。
音楽を聴くと、他の嬉しい行為と同様に、ドーパミンの分泌が促されます。ドーパミンは、私達を夢中にさせたり、やる気を起こさせたりする脳内ホルモンです。
米国ミュージック・セラピー協会(the American Music Therapy Association)によれば、
「音楽は、
知っているかどうか、
予想できるかどうか、そして、
安心を感じているかどうかによって、反応を起こす」
とのことです。
どんな音楽があなたと共鳴しますか?
音楽をかけながら運動すると認知機能が改善する
音楽を聴いたり、演奏することで、
- 記憶
- 論理的思考
- 言語
- 感情
- 報酬
に関係する脳の領域が活性します。
日本の研究者が、軽度から中度の認知症患者を対象に行った研究では、音楽をかけながら行う運動が認知機能を改善することが示されています。
研究者は、1週間に1回40分間、6か月間
- 音楽をかけながら運動を行ったグループ
- 間違い探しや計算やパズルなどの脳トレを行ったグループ
の、どちらが日々の生活に必要な活動機能が向上するかを比較しています。
両方のグループで視空間機能が向上
両方のグループ共に視空間機能が向上したそうです。
- 音楽をかけながら運動したグループでは、特に思考力や決断力といった精神運動機能のスピードがアップし、
- 脳トレを行ったグループでは特に記憶力が向上したそうです。
音楽をかけて運動を行ったグループだけ生活機能が向上
しかし、アルツハイマー病のための脳の部位別測定値と通常の生活に必要な機能の改善においては、
- 音楽をかけながら運動をしたグループで改善が見られた一方で、
- 脳トレだけを行ったグループでは、悪化したことが報告されています。
研究者は、認知症の改善のためには、音楽をかけながらの運動と脳トレの両方を行うことが最善だと結論づけています。
歌を歌うと言語能力がアップする
ハーバード大学系列のベス・イスラエル・ディーコネス医療センター(Beth Israel Deaconess Medical Center)の音楽・脳神経映像化ラボの研究者は、歌を歌うことは、脳卒中やケガなどによって左脳に障害を負った人の言語能力の回復に特に効果があると、述べています。
歌を歌う能力は、もともと右脳にあります。
機能を失っていない右脳を使って歌を歌うことで、左脳の思考を言葉として発する能力が回復していき、次第にメロディを必要としなくなる(右脳の助けを必要としなくなる)とのことです。
銃弾を受けて脳に障害を負い発語能力を失ったガブリエラ・ギッフォード(Gabrielle Giffords)元下院議員は、このリハビリ治療を受け、2年後には下院議員議会の証言台に立ち、証言できるまでに回復したそうです。
歌の健康効果については『芸術の秋の健康効果|創作活動が脳に変化をもたらす』もご覧ください。
歌は単語や表現を学ぶための役に立つ
歌うことは、健常者にとっても単語や表現を学ぶための役に立つとのことです。
確かにそうかもしれません。
米国の大学進学前に通っていたロスアンジェルスにある外国人のための語学学校では、ビートルズの歌を先生のギター伴走に併せて歌わされたことを思い出しました。その後も、単語やそのフレーズや発音の多くを歌から学んだように思います。
統合食養学にとって音楽は心の栄養素
音楽ってすごいですね。
ただ好きなジャンルの音楽を聴くだけで、心臓が健康になったり、リラックスできるだけでなく、一緒に運動したら認知症予防にも改善にもなるし、歌ったら表現力アップになるなんて。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
私はフルートを吹きます。
フルートは吹奏楽器なので、歌と同じく腹式呼吸です。もしかしたら、だからフルートを吹くと私はリラックスできるのかもしれません。そのことは、『芸術の秋の健康効果|創作活動が脳に変化をもたらす』にも書いています。
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参考文献
- “Music and heart health”, Julie CorlissJulie Corliss, Executive Editor, Harvard Heart Letter, JUNE 07, 2018
- “Music can boost memory and mood” Dr. Anne Fabiny, Editor in Chief, Harvard Women’s Health Watch, February, 2015
- “Physical Exercise with Music Maintains Activities of Daily Living in Patients with Dementia: Mihama-Kiho Project Part 21”, Satoh M, Ogawa JI, Tokita T, Nakaguchi N, Nakao K, Kida H, Tomimoto H, J Alzheimers Dis. 2017;57(1):85-96. doi: 10.3233/JAD-161217
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング