バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
あなたのバスルームにはいくつの製品がありますか?
女性は平均して12種類のビューティ・プロダクト(美容製品)を使っていると言われています。
洗顔料、基礎化粧品、化粧品、シャンプー、コンディショナー、カラー剤、香水、マニキュア、口紅などなど、ちょっと数えただけでもかなりの数になります。
成分表を確認して購入していますか?
バスルームにある製品のどれかひとつで良いので、裏の成分表を見てみてください。
良くわからない化学薬品の名前がずらりと並んでいませんか?
そうした成分の安全性や危険性について考えたことはありますか?
「ない」
「成分表なんて確認したこともない」
と、いう人が圧倒的に多いように思います。
安全だから入っている?
使用されている成分は、長期間使用し続けても問題ないから入っているのだと、国が安全性を管理してくれているはずだと、疑うこともなく思っていませんか?
でも、残念なことに、その思い込みは間違っています。
長期間使用し続けても問題ないから入っているというのは、危険な思い込みです。
少なくとも政府内のどこにも、あなたが顔や髪に使っている製品のヒトへの永久的な安全性を確認している部署はないんです。
お肌や髪につかうパーソナルケア製品は、急性毒でないことの確認は動物を使って検証されます。しかし、ヒトが長期に渡って使用を続けても健康に問題を起こさないかの検証はなされません。
強いて言えばゲームやアプリやソフト開発時のバグのようなものです。見てすぐ判るようなバグは取り除かれてから発売されますが、それ以外はそのまま発売され、発売後に多くの人が多くの時間をかけて使用した後で初めてバグがあることが判るものもあります。
消費者被害が起きてから調べる
パーソナルケア製品も同じです。発売された後に、実際に使用を続けた消費者からの健康被害やクレームが多く寄せられた場合にのみ、消費者庁や国民生活センターがその安全性/危険性の確認や検証を行います。
パーソナルケア製品の安全性は、企業側の倫理観にのみに託されているのです。
お店の棚で売られているからと言って、安全とは限らないんです。
乳がんとの関係が示唆された美容
裏付けとなる研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています。
ハーバード大学チャン公衆衛生校環境生殖および周産期疫学部のタマラ・ジェームズトッド助教授によれば、一部のヘアケア製品には、人体のホルモンバランスを乱すものや動物実験で既に発がん性が確認されているものまで、5,000を超える化学物質が使用されています。
年に1回以上のサロンカラー
1. 姉妹に乳がん罹患者がいる女性の追跡調査
2019年12月3日に『がん国際ジャーナル(the International Journal of Cancer)』に掲載されたカラー剤(染毛剤)と乳がんとの関係を調べた研究は、35歳から74歳までの女性のうち、乳がんを発症したことのある姉妹をもつ健康な女性 約5万人を対象に、2003年から2009年まで、3年ごとのアンケート調査の形式で平均8年間追跡調査を行っています。
アンケートには、次の質問が含まれていました。
- カラーをする頻度
- 色
- 染毛剤の種類(永久染毛剤か半永久染毛剤か)
- 使用しているヘアケア商品の成分
- 髪をストレートにするために用いている商品(縮毛矯正剤)
註:永久染毛剤:1回のシャンプーでは色落ちせず、色が2か月以上保たれる染毛剤
1年にサロンで1回もカラーをしない女性と比較し、1年に少なくとも1回以上サロンでカラーをしている(永久染毛剤を使用している)女性は、乳がん発症リスクが平均して約9%高いことが示されました。
ただし、リスクの上昇には人種差が大きく、白人女性では7%、黒人女性では40%もカラーによってリスクが上昇することが示されています。
なお、カラー剤には様々な薬剤が使用されるため、どのメーカーのどの製品で実験を行ったかによってがんを発症するリスクは異なるとのことです。
2. 健康な女性看護師の追跡調査
米国の前向きコホート研究「看護師健康研究」に参加している 117,200人の女性看護師の中から、追跡開始時点でがんを発症していない女性を36年間に追跡調査し、サロンカラーの使用に関する情報を含めた解析結果をハーバード大学が2020年7月に発表しています。
サロンカラーの使用と、多くの種類のがんとの間に、正の相関関係は見られませんでしたが、次のがんの発症リスクを増加させることが確認されています。
- 基底細胞がん
- 乳がん (エストロゲン受容体陰性、プロゲステロン受容体陰性、ホルモン受容体陰性)
- 卵巣がん
ほとんどのがんの発症リスクと関係ないから心配する必要はないという論調の記事を目にしますが、リスクが上昇する可能性のあるがんがひとつでもあるのは、わたしにとっては、嬉しくない情報です。実際、一つ以上ですし、しかも婦人科系のがんです。心配する必要がないとはとても思えません。
あなたはどう思われますか?
ストレートパーマ
今回のデータ分析によって、カラー剤だけでなく、髪をストレートにする縮毛矯正に用いられる薬剤/製品が、乳がん発症リスクを上昇させることが報告されています。
アンケート調査日から遡って1年以内にストパをかけた、あるいは髪をストレートに保つ製品を使用した等、縮毛矯正に関する薬剤に触れた女性は、そうではない女性と比較して、乳がん発症リスクが約18%も高いことが報告されています。
リスクは、使えば使うほど高くなり、5~8週間ごとにストパをかけている女性の乳がん発症リスクは約31%も高いことが示されています。
市販のカラー剤
半永久的な染料(市販されているカラー剤)を使用している場合には、乳がんの発症リスクに上昇は見られませんでした。
しかし、家庭で市販のカラー剤を使用している場合でも、次のケースでは、乳がん発症リスクがサロンのカラーと同様に上昇することが示されています。
- 皮膚への染料の沈着
- 換気の悪い場所での染料の使用
上記のようなケースでは、薬剤を吸収したり吸い込んでしまったりしていることが、乳がんリスク上昇の原因であろうと研究者は述べています。
つまりサロンでカラーしなければ安心ということではなく、家庭でカラーをする場合でも、市販のカラー剤に記載してある仕様の通り、手に染料が直接ふれないように薄いビニールの手袋を必ず使用して、窓を開けた状態でカラーをすることが乳がんリスクを高めないために重要だということです。
網膜剥離を起こす美容
市販のカラー剤を使用している女性が漿液性網膜剥離を起こした事例が、ここ数年の間に欧米で数件の報告があります。
漿液性網膜剥離とは、網膜の下に水分が溜まる病気です。網膜の中心部分の黄斑で網膜剥離が発生し、視力低下や次のような症状が起こる障害です。
- 歪んで見える
- 中心が見づらい
- ものが小さく見える
- 近くのものが見えにくい
- など
芳香族アミン
原因は、カラー剤に使用されている「芳香族アミン」に属する薬品(例えば、パラフェニレンジアミンなど)だと考えられています。芳香族アミンが、網膜色素上皮細胞と呼ばれる細胞の健康に不可欠な神経化学経路を破壊することで、網膜症が引き起こされたと考えられています。
芳香族アミン系の薬剤を含まないカラー剤に変更することで、症状が改善することも報告されています。
いっそサロンカラーは止めるべきなのか
タマラ・ジェームストッド先生は、この研究の対象者は、乳がんを発症したことのある姉妹をもつ健康な女性、つまり、親族に乳がん経験者のいない女性と比較して、元々、乳がんを発症するリスクが高い女性達だったことを忘れないようにともおっしゃっています。
ただ、ハーバード大学医学部婦人健康学科の准教授で主任のキャスリンM.レックスロード医師は、次のように述べています。
「この研究結果を以って、
ヘアカラーを禁止しろと言うことは拙速だと思います。
しかし、報告された乳がん発症リスクの上昇は
無視できるものではありません。
注意すべき問題であることは確かです。」
統合食養学のヘルスコーチとしては、あなたの姉妹や母親が乳がんを経験している場合には、真剣に、サロンカラーを止めることを検討すべきだと思います。そうではない人も、サロンでカラーをする頻度を少なくすることを検討するのは良いことだと考えます。
「美」に対する価値観を見直す
タマラ・ジェームストッド先生は、次のようにもお話されています。
「白髪とシワを受け入れることは簡単ではないかもしれませんが、
女性は美の基準について考えるべき時が来たのではないでしょうか。美しさとは、健康でいることです。
社会的な美の基準に挑戦しなくてはいけません。
基準を変え、加齢による変化を受け入れるべきです。そして、私たち女性は、次の世代を担う子供たちに、
人生の段階や年齢による変化に抗うのではなく、
愛しむことを教えていかなくてはなりません。」
日本でもナチュラルなグレイヘアがしばらく前から人気になってきていますね。上のダヴィンチニュースだけでなく、ヴォーグ・ジャパンも『グレイヘアは美しい』という特集を組んだりしました。
私はといえば、コロナウイルスによるステイホームの間に伸びた白髪をいっそそのまま放置してしまおうかと一度は考えはしましたが、まだ白髪交じりの状態を放置する勇気がもてないでいます。
有害な化学物質との接触を減らす方法
ジェームストッド先生とレックスロード医師が、パーソナルケア製品に関連する潜在的なリスクを軽減するための方法についてお話されているので、ご紹介します。
そこへ日本で実行する上での情報も追加しましたので、参考になれば嬉しいです。
(1)成分表を確認して調べる
まずやるべきことは、製品の成分表を見てどのような化学物質が含まれているかを確認し、使用しても良いものかどうかを判断することです。
「使用しているものは、できる限り調べてください」
と、ジェームズトッド先生は言います。
「女性は使用する製品について慎重に考えるべきです。
そして、製品の安全に関する情報を
もっとメーカーに要求するべきです。」
米国のNPO環境ワーキンググループ(EWG)は、多くの製品を分析し、安全と思われるものから、安全性が危惧されるものまで、10段階で評価し、情報を提供しています。
製品に使用されている成分の中でも既に科学によって問題があることが報告されている、あるいは、日本以外の国で規制されている成分などについては、ソフィアウッズ・インスティテュートのマインド・ボディ・メディシン講座セルフドクター・コースの中でお伝えしています。
また、『あなたの石鹸・シャンプー・化粧品は大丈夫?かなり怖いパーソナルケア商品の成分』も参考にしてくださいね。
(2)比較的安全な代替品を見つける
現在使用している製品に潜在的に有害な化学物質が含まれていたら、より安全な製品に切り替えてください。
厚生労働省が支援している日本化粧品協会が無料で配布している「エレメンツ」というスマホアプリがあります。
商品のバーコードを読み取らせるだけで成分を評価してくれます。
20万個の製品と1.6万種の成分が登録されています。登録のない製品については、そのまま写真撮影して送ると調べてくれます。
ただし厚労省が安全と評価している成分は「安全」という結果になるということを理解しておく必要があります。
また、Peche Inc(ペッシェ株式会社)が開発した敏感肌やアレルギー肌の人のための「ポーテ」というアプリでも同様の検索ができます。こちらは独立企業です。
英語で書かれている製品については、Silent Spring InstituteというNPOが開発した「Detox Me」というアプリで、バーコードをスキャンするだけで成分の安全性を評価ができます。
(3)製品の表の顔を信用しない
メーカーの多くは、安全な製品の開発に合法的に取り組んでいると思いますが、中には誇張した表現や疑わしい効果を謳っているものもあります。
特に、女性にとって魅力的な言葉を表に書き並べているのが普通です。
だから、製品の表に大きく書かれている文字ではなく、裏の成分表を確認することが重要です。
例えば、フタル酸エステルなど、ヒトの体内でホルモン様の挙動をしたり、ホルモンの働きを抑制してしまう物質など、人体に有害であることが問題視されている化学物質を使用していないと謳っているメーカーもあります。
しかし、それは単にまだ広く認知されていない別の有害物質に置き換えているだけであることも少なくありません。場合によっては、元の成分よりも毒性が強い可能性だってあります。
だから、(1)に戻ってちゃんと調べることが重要です。
(4)廃棄する
バスルームの棚に華やかな、あるいは可愛らしいボトルの、新製品のローションやシャンプーを並べると気分があがるかもしれません。でも、製品の見かけやブランドではなく、製品の成分で選ぶ方が賢明です。
頻繁に必ず使う製品だけは成分を限定して選ぶようにするだけでも、有害な物質との接触を大きく減らすことができます。
例えば、私は、もう香水を何年も使っていません。香りが欲しい時は、オーガニックの精油を使うようにしています。またボトルに入った液状の石鹸は使用しません。液体の製品には、人体に有害な成分を含む防腐剤が使用されていることが多いため、固形石鹸を使います。お洗濯も同じです。ポンッ!とジェルボールを入れるだけ、ワンプッシュするだけは簡単かもしれませんが、私は重曹を使用します。
(5)ナチュラル指向に転換する
多くのパーソナルケア商品は、キッチンで作ることができます。
ネットでスキンケアやヘアケアのレシピを検索したらたくさん出てきますよ。ソフィアウッズ・インスティテュートのブログでも『手作りスキンケア/化粧品簡単レシピ』でいくつかご紹介している他、セルフドクター・コースではレシピも配布しています。
ただし、「ナチュラル」「天然」「オーガニック」と宣伝している製品も、ちゃんと裏の成分表を確認することが大切です。こうした言葉には定義も使用の制限もがありませんから、有害な化学物質が入っていても「ナチュラル」と記載している製品があります。
「オーガニック」という言葉も、オーガニック認証がなされていない限り、オーガニックではないことの方が一般的です。特に「オーガニック成分配合」と書かれているものは、オーガニックではありません。
香水やフレグランスの代わりなら精油(エッセンシャルオイル)を推奨します。
しかし、本物の精油は、強い薬効成分を含んでいますから、その性質を知らずに、香だけでむやみに使用すると思わぬ影響が現れてしまうことがあります。自然は必ずしも安全であるとは限りませんから、それぞれの性質をよく理解して使う必要があります。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
この記事を読み終わったら、さぁ、バスルームに直行して、棚の製品の成分を調べてください。
ソフィアウッズ・インスティテュートのマインド・ボディ・メディシン講座セルフドクター・コースでは、乳がん発症リスクとなる要因のリストをお渡ししています。
その中には、例えば、月経開始年齢や家族の既往歴など、私達の努力ではもはや変えることのできない要因もあります。でも、次のことは今からでもあなたが決めることができます。
- どんな成分で造られている製品を使うか
- その製品をどれだけ頻繁に使用するか
- 染めるのか染めないのか
- サロンで染めるのか、自分で染めるのか
サロンのカラーを完全に止めなくても、どんなカラー剤を使用しているサロンなのかを調べて選んだり、カラーしてもらう頻度を減らすことはできます。それに、サロンカラーとサロンカラーの間を自宅でのカラーでつなぐことも選択肢になるかもしれません。もちろん、手袋と換気を必ずして。
ソフィアウッズ・インスティテュートのマインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースでは、ナチュラルなスキンケアについても教えています。
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セルフドクターコースでは、あなたが食を通してご自身の主治医(セルフドクター)になるために、必要な知識とスキルを12のテーマに沿って教えています。
新学期は、毎年3月と9月です。講座でお会いしましょう。
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公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
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参考文献:
- “Toxic beauty – Are your personal care products putting your health at risk?”, April, 2020, Harvard Women’s Health Watch
- “Hair dye and chemical straightener use and breast cancer risk in a large US population of black and white women”, Eberle CE, Sandler DP, Taylor KW, White AJ, Int J Cancer. 2019 Dec 3. doi: 10.1002/ijc.32738
- “Personal use of permanent hair dyes and cancer risk and mortality in US women: prospective cohort study”, Yin Zhang, Brenda M Birmann, Jiali Han, Edward L Giovannucci, Frank E Speizer, Meir J Stampfer, Bernard A Rosner, Eva S Schernhammer, BMJ 2020; 370 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.m294
- 「永久染毛剤 -パーマネントヘアカラー」、日本ヘアカラー工業会
- “Retinopathy Associated With Hair Dye. JAMA Ophthalmol.”, Chirpaz N, Bricout M, Elbany S, et al., Published online September 12, 2024. doi:10.1001/jamaophthalmol.2024.3453
- “Effects of essential oil exposure on salivary estrogen concentration in perimenopausal women”, Shinohara K, Doi H, Kumagai C, Sawano E, Tarumi W, Neuro Endocrinol Lett. 2017 Jan;37(8):567-572
- 「グレイヘアの美しい人」ダヴィンチニュース、主婦の友社
- 「グレイヘアは美しい」ヴォーグジャパン、コンデナスト・ジャパン
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング