あなたのその耳鳴りは心配した方がいいのでしょうか|耳鳴りの統合食養学的タイプ別対処法

2022/04/05/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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耳鳴りは誰にでも起こるもの

誰にも聞こえないけれどもあなたにだけ繰り返し聞こえる音・・・耳鳴り・・・外で音がしている分けではないのに音が聞こえるミステリー

「耳鳴り」は、外部に音がない状況で聞こえる音やノイズを指す一般的な用語です。約15%の人に発生すると考えられている非常に一般的な現象です

あなたも耳鳴りに悩んでいるおひとりかもしれませんね。

それに時々、誰もが幻聴を経験します。

もしそれが数秒または数分間だけのことなら、心配する必要はありません。耳鳴りは、ほとんどの場合、深刻な病気と関係していることは稀です。

でも継続して聞こえる「音」で、生活が混乱したり、ものすごく不安になってしまう人もいます。

耳鳴りが起きた時に不必要にパニックになったり不安にならないために、心配する必要のない耳鳴りと、病院での検査を必要とする耳鳴りの違いについて知っておいても悪くはありませんね。

耳鳴りとは?

耳鳴りは、片方の耳だけでも、両方の耳でも、どちらでも発生します。

「頭の中から聞こえる」と説明する人が多い現象です。

高音の鈴の様な音が聞こえるという人が多いですが、中には、次のように聞こえると報告する人もいます。

  • ヒューヒューという風の鳴る音
  • ブーンという虫の羽音
  • シューシューというやかんが湧く音
  • ハミングの様な音
  • うなる様な音
  • 悲鳴の様な音

など

継続的に聞こえるものもあれば、断続的に聞こえるものもあります。

リズムの無い一定の音が聞こえることもあれば、波打つように聞こえることもあります。

聞こえ方は人によって様々です。

耳鳴りはなぜ起こるのでしょうか

耳鳴りには多くの原因が考えられます。

  • 長時間に渡る大音量の空間にいた
  • 中耳の問題|感染症、耳の神経を刺激する腫瘍や嚢胞、耳垢の蓄積
  • 内耳の問題|メニエール病など内耳機能のバランスの不調など
  • 老化|加齢による耳と脳をつなぐ聴覚神経の減少

などです。

また、耳鳴りは耳の問題だと思っている人が多いですが、音の原因が脳にあることもあると、いくつかの研究が報告をしています。

耳鳴りには大きく2つのタイプがある

耳鳴りは、大きく次の2つのタイプに分類できます。

  • 拍動性
  • 非拍動性

です。

1. 拍動性耳鳴り

拍動性耳鳴りは、鼓動のように聞こえる耳鳴りです。頭の中で心臓の鼓動が聞こえると説明する人が多いです。心臓の鼓動の様に聞こえる耳鳴りは、耳の近くを通っている血管の血流が聞こえている可能性があります。

このタイプの耳鳴りは、様々な疾患が潜んでいる可能性があるものです

拍動性耳鳴りの原因と考えられる代表的なもの

  • 血流音(問題がない場合もあります)
  • 脳や耳の血管の異常
  • 中耳の成長または腫瘍(稀)
  • 脳内圧の上昇(稀)

※ 可能性のある原因はこれだけに留まりません。

耳鳴りが心臓の鼓動と同じ様に聞こえるようなら、必ず医師の診断を受けてください

2. 非拍動性耳鳴り

一般的な耳鳴りはこのタイプです。

非拍動性耳鳴りの原因と考えられる代表的なもの

  • 難聴
  • 耳の中に水
  • メニエール病
  • 聴神経腫(稀)

※ 可能性のある原因はこれだけに留まりません。

このタイプの耳鳴りは難聴と関係していることがほとんどです。

加齢による聴覚神経の減少によって難聴が起こると、残っている聴覚神経が感度を上げて数を補おうとします。そのことによって耳鳴りが起こることがあると、ハーバード大学提携ローアー耳鳴り研究センター長のダニエル・ポーリー医師は述べています。

スピーカーの近くにマイクを近づけると「キーーーン」というハーレーション音が発生するのと同じだとのことです。

でも、耳鳴りは、難聴のない人にも起こります

そのため、このタイプの耳鳴りの原因を特定することは実は困難なんです。原因の可能性として考えられる事柄はいくつかあるものの、実際には原因を特定できない耳鳴りがほとんどです。でも、原因が特定された場合でも、このタイプの耳鳴りは大抵は良性で命の危険が及ぶようなものではないので過度に心配する必要はありません

ただし、非拍動性の耳鳴りでも次の症状がある場合には、耳を含む頭頸部の専門医によって検査・診断を受けることをお勧めします

  • 片耳のみの耳鳴り
  • 無視できないほどの耳鳴り
  • めまいを伴う耳鳴り
  • 突然の聴覚の変化を伴う耳鳴り

耳鳴りが気になる人が最初にやるべきこと

耳鳴りの多くは、時間が経つと気にならなくなることがほとんどです。稀に起こるそうした短時間の耳鳴りはそれほど心配するものではありません。

しかし耳鳴りが生活に支障をきたすようであれば、まずは医師の診断を受けることが重要です。

耳鳴りは、直接客観的に計測することができないため、医師にとって耳鳴りは診断が難しい症状です。 ですから、耳鳴りを改善するために最初にやるべき重要なことは、医者に詳しく話をすることです。自分ではささいな事だと思う様なことも、実は重要な手掛かりになることがあります。気になることは全部お医者様に伝えることが大切です。

まずは原因を調べてもらうところからです。

また、これをやったら全ての耳鳴りに効くという魔法の治療法はありません

特に非拍動性の耳鳴りの症状は客観的な診断が難しいため、一般的には、ひとつひとつ過去に効果のあった方法を試し、その人に合った方法を見つけていく「試行錯誤」が、耳鳴りを改善するアプローチとして執られます。

東洋医学による耳鳴りの原因別食養生法

原因の特定できない非拍動性の耳鳴りの場合、東洋医学のアプローチが役に立つかもしれません。

東洋医学では、耳鳴りは次の3つの原因によって起こると考えます。

  • 「腎」の機能の不調
  • 「気」が滞っている(気滞)
  • 「水」の巡りが滞っている(水滞)

「腎虚」の耳鳴り

「腎」機能が弱くなって起こる耳鳴りの特徴は「ジーーー」という蝉の鳴き声のような耳鳴りです。

加齢によって「腎」が衰えると同様の耳鳴りが起こります。また、難聴も東洋医学では「腎」の弱りから起こると考えられています。

加齢や「腎」の弱りから難聴や耳鳴りが起きていると考えられる人は、東洋医学の薬膳で「腎」を強くすると言われる「黒い食品」例えば、玄米、小豆、黒豆、黒ゴマ、ヒジキなど、そして、「ヌメリのある食品」例えば、海藻類、キノコ類などを食事に多く加えてみてはいかがでしょうか。塩分を控えめにすることも大切です。

「気滞」の耳鳴り

体内の「気」が滞って起こる耳鳴りの特徴は、「キーーーン」という金属音のような耳鳴りです。

「気」の巡りは、加齢だけでなくストレスによっても起こります。不安症やうつ症状、ネガティブ思考などとなって表れます。

気の巡りが悪いことで耳鳴りが起きていると考えらえる人は、香のあるお野菜やハーブなどを食事に加えつつ、ストレス解消や気分転換になることを生活の中に取り入れることも大切です。

「水滞」の耳鳴り

体内の「水」の巡りが滞ることで起こる耳鳴りには、めまいが伴うことが多いです。内耳のムクミはメニエール病の原因のひとつとして考えられているものです。

体内の「水」の巡りが悪いことで、余分な水分が体の中に溜まり、それがムクミやめまいを伴う耳鳴りの原因になっていると考えれらる人は、塩分の多い食事を避け、体内の利水作用を高める冬瓜や貝類、ハト麦などを食事に加えてみてはどうでしょうか。足を使う運動も効果的です。

難聴やメニエール病の改善については『難聴の原因と統合食養学によるアプローチ』も参考にしてくださいね。

2つのサウンドセラピー

外部ノイズを用いて、あなたの音の認知の仕方や耳鳴りへの反応を変更する方法です。この方法によって耳鳴りを効果的に抑制できたとする人もいます。

サウンドセラピーには2種類あります。マスキングと習慣化です。

マスキング

マスキングは、ホワイトノイズや自然界の音、周囲の音など、バックグラウンドノイズを流すことによって、耳鳴りを覆い隠したり、耳鳴りから注意をそらせる方法です。

ちなみに、ホワイトノイズとは、様々な周波数の音を同じ強さで発生させた時に出る音です。ラジオの雑音のような音です。近年、睡眠導入に効果があることに注目が集まっています。

そうした音や音楽をヘッドホン等を介して聴くことによって、耳鳴りを一時的に忘れることが可能になります。扇風機、ラジオ、テレビなどの家電も役に立つそうです。

難聴によって耳鳴りが起こっている場合には、補聴器の感度を高く設定することで、周囲の音で耳鳴りをかき消すことができる場合があります。難聴と耳鳴りが同じ周波数の範囲内で発生している場合には、特に効果的だとのことです。

習慣化

耳鳴り再訓練療法」とも呼ばれます。これは、耳鳴りに慣れるよう脳を訓練する方法です。

具体的には、ひとりひとりの耳鳴りに似た音を長時間聞き続けます。最終的に、あなたの脳はその音を無視するようになり、耳鳴りが聞こえなくなります。

例えば、眼鏡をかけている人が、鼻の上の眼鏡の存在が気にならなくなるようなものです。これは、専門家の指導の下で行われ、期間は人によって異なりますが、1年から2年かかることが普通です。

その他のアプローチ

耳鳴りの原因に関する診断によりますが、次のような方法が役に立つこともあります。

筋骨格の調整

食いしばり、歯ぎしり、過去の怪我、首のコリなどによって、耳鳴りが大きくなることがあります。

骨格や筋肉のコリが関係して起きている耳鳴りの場合には、マッサージや整体などが役に立つことがあります。またストレスによってそうした行為が起こっているのであれば、上手なストレス解消も役に立ちます。

精神疾患の改善

うつ病、不安症、不眠症などによって、耳鳴りが起きることもあります。

精神疾患を改善させることで、耳鳴りが改善する可能性があります。

ネガティブ思考の改善

否定的な思考、ネガティブ思考、特に耳鳴りに対する自己嫌悪などの気持ちを解消することで、耳鳴りの症状が和らぐことがあります。

医薬品の変更

耳鳴りが、医薬品の副作用によって起こっていることもあります。

例えば、アスピリンや、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs:イブプロフェンなど)や抗うつ剤などは、多量に服用すると耳鳴りが起こることがあります。薬の量を減らすことで耳鳴りが治まります。

医師から処方されている場合には医師や薬剤師に相談してください。ご自分の判断で服用している場合には量を減らしてみてはいかがでしょうか。

耳垢の除去

耳垢が蓄積し過ぎて耳鳴りが起きていることもあるそうです。そうであれば耳垢を掃除することで解決できます。

耳垢の掃除方法

耳垢は、耳を安全で健康に保つ上で重要な役割を果たしています。ですから、むやみに無理に全部除去してしまわない様に気をつけましょう。

耳垢は、外耳道の小さな腺によって作られる粘着性のある物質です。その粘着性でホコリや小さなゴミをくっつけて、ホコリなどが鼓膜に到達して鼓膜を傷つけないようにしてくれているんです。

耳垢は乾くと、自然に耳の中から出ていきます

ただ、蓄積してしまう耳垢もあります。

綿棒は耳垢の掃除には向いていないため、綿棒で耳垢をとろうとすると、返って、蓄積させてしまうことがあります。綿棒は耳の中の水分や湿気を取り除くために使いましょう

次の薬あるいはオイルを綿棒で耳の中に溜まった耳垢に塗布して柔らかくして取り除くと安心です。

  • 市販の点耳薬
  • 過酸化水素(オキシドール)
  • ベビーオイル
  • ミネラルオイル
  • エッセンシャルオイル(精油)

など

過酸化水素は泡立った後、水に変わります。そのままにしておくと耳の中が濡れたままの状態になって細菌の増殖などを招く可能性がありますので、エタノール(消毒用アルコール)で耳の中を拭いてください。すると水分が取り除かれ耳の中が乾きます。

耳垢のお掃除中に痛みを感じる場合には、直ぐに止めて病院で診てもらってくださいね。何か病気があるかもしれませんし、鼓膜に傷をつけてしまったかもしれません。

また、耳の中に感染症(炎症)があったり、鼓膜に穴があいていたり、耳の手術を受けたばかりの時には、耳の掃除はしないでくださいね。

実験的治療には要注意

過敏あるいは過活動になっている脳細胞を鎮静化するために、脳に電流を流す方法が試されています。

  • 反復経頭蓋磁気刺激法(rTMS:repetitive transcranial magnetic stimulation)
  • 経頭蓋直流刺激法(tDCS:transcranial direct current stimulation)

などと呼ばれる方法で、頭皮に電磁パルスを送ります。

しかし脳に電流を流すことで耳鳴りがなくなるという科学的な証拠はありません。耳鳴りを悪化させる可能性もあると、専門家は警鐘を鳴らしています。

ソフィアウッズの統合食養学的アプローチ

統合食養学(ホリスティック栄養学)の公認ヘルスコーチの私が、非拍動性で深刻ではない耳鳴りの人にお勧めすることは、西洋医学が勧める様々な物理的な方法(サウンドセラピー、整体、お薬の見直し、心の状態の改善、耳のお掃除など)に加えて、東洋医学が勧める食養を同時に行うことです。

心の状態で耳鳴りが起きているのでしたら、『沈んだ心を楽にして落ち込みにくい心を造る方法と幸せを奪う医薬品』や『サイコビオティクスと呼ばれる腸内細菌は私達の気分を説明できるのか?』も参考になるかもしれません。

おひとりで試行錯誤するよりも、公認ヘルスコーチと一緒に取り組むことで不安や心配が解消されるはずです。

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参考文献

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング