
バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
ビタミンEの食品摂取基準
厚生労働省は、ビタミンEの摂取基準を、αトコフェロールのみ発表しているので、ここでも、その値を掲載します。
成人女性: 推奨値: 6.5mg/日、限界値:700mg/日
成人男性: 推奨値: 7.0mg/日、限界値:800mg/日
ビタミンEの機能

アンチエイジングのビタミンとして有名なビタミンE。最近の研究では、脳の健康にも良いことが報告され、更に注目が集まっているビタミンです。
抗酸化作用
がん予防&老化予防
食事から摂った脂肪が体内で酸化して、過酸化脂質になってしまうことを抑制します。
過酸化脂質は、細胞死を早めたり、細胞を殺したり、異常細胞(癌や腫瘍)を作ったりするものなので、それを抑制してくれるビタミンEは、がん予防や老化防止(アンチエイジング)になると考えられています。
また、野菜の細胞壁に含まれている不飽和脂肪酸(オメガ3や6)が酸化して過酸化脂質になることも阻止してくれるので、サラダを食べる時には、ビタミンE豊富なオリーブ油やナッツ類と一緒に食べるといいですよ。
心疾患・脳卒中予防
ビタミンEは、悪玉コレステロールの酸化も抑制してくれるんですよ。
動脈硬化は、悪玉コレステロールが酸化されて起こります。そのため、心疾患や脳卒中の予防になります。
血管拡張作用
血管を収縮させてしまう神経伝達物質の生成を抑制します。
そのため、毛細血管が拡張されて、血行がよくなり、冷えを解消してくれます。
生殖機能維持
1922年にマウスの妊娠に必要な食事因子として発見されたのがビタミンEです。そのため、ビタミンEの成分のトコフェロールのトコ(Tocos)は、ギリシャ語で「子供を産む」、フェロ(Phero)は「力を与える」、つまり、トコフェロールは「子供を産む力を与える」という意味です。
ヒトにおいても性ホルモン(男性ホルモンや女性ホルモン)の合成や分泌に関与しているため、健康的な生殖機能の維持に貢献していると考えられています。
不足すると、不妊症や流産の原因になります。
ビタミンEの効果の真偽
実は、ビタミンEには効果がなかった、あるいは悪影響があったとする研究報告があります。ビタミンEに関しては、情報が錯そうしているのも事実です。
なぜ情報が錯そうすることとなったのか、近年、栄養素について詳細な分析がなされたことで、ビタミンEについて判明したことについてお伝えします。
自然のビタミンEには8つの同族体がある

同族体というのは、同数&同種の原子をもっていて組成式は同じであるものの、構造が異なる物質のことです。
ビタミンEの8つの同族体
- アルファ(α)
- ベータ(β)
- ガンマ(γ)
- デルタ(δ)
の4つのトコフェロールと、同じく4つのトコトリエノールです。
この8つがあってコンプリート(完全)なビタミンEです。しかし、通常市販されているビタミンEのサプリメントには、αトコフェロールしか入っていません。
アルファ(α)、ベータ(β)、ガンマ(γ)、デルタ(δ)の違いによって、それぞれ異なる作用があることも判ってきました。
例えば、ビタミンEの抗ガン作用は、主に、γ(ガンマ)トコフェロールの作用によることが判明していて、特に、乳房細胞の保護作用を持っていることも判っています。つまり、がん予防には、α(アルファ)トコフェロールしか含んでいない通常のビタミンEのサプリメントでは効果が期待できないということになります。
トコフェロールとトコトリエノール

トコトリエノール
トコトリエノールは、高い抗酸化力をもっていて、トコフェロールよりも50%から70%も強力に脳や肝臓の細胞に浸透し、細胞内のミトコンドリアを守っていることが最近の研究で判ってきました。
また、アルツハイマー病の改善に効果を示すことも報告されています。(参考:『アルツハイマー病・認知症(2)予防と改善の食事(つづき)』)
トコトリエノールは、次のような食品に多く含まれています。
- パーム油や大豆油、米ぬかオイル
- グレープフルーツシードオイル、フラックスシードオイル(亜麻仁油)、ポピーシードオイル等のシードオイル(種油)
- 胡桃やヘーゼルナッツなどのナッツ類
トコフェロール
サプリメントとして売られているビタミンEに含まれているのは、このトコフェロールですが、それもアルファ(α)だけです。8つある同族体の1つだけです。
理由は、昔、人体に必要な栄養素を研究した研究で、血液中や細胞組織中に存在するビタミンE の大部分がαトコフェロールだということが発見されたことに由来します。そのため、当時「8つ全部そろえなくても大丈夫」と判断され、その基準が見直されることなく今でも使用されているからです。
厚生労働省が公表している食品成分表を見ても、4つのトコフェロールの含有量は掲載されていますが、トコトリエノールについての記載はどこにもありません。
天然ビタミンEと合成ビタミンE
ビタミンEのサプリメントの問題点は、αトコフェロールしか含んでいないということに留まりません。
自然に存在する αトコフェロールは
- d-αトコフェロール、あるいは、
- RRR-αトコフェロール
と表記されます。
サプリメントの αトコフェロールの99%は、dl-αトコフェロールと、いう化学物質です。
dl-αトコフェロールは体に吸収されない

dl-がついたビタミンE、つまり、化学合成されたビタミンEは、それが α であっても γ であっても、細胞が栄養素として認識せず、吸収されることなく体外に他の化学物質といっしょに排出されてしまうことが判明しています。
ビタミンEのサプリメントの99%は、単に肝臓に負担をかけているだけで、体にとって何のメリットも生んでいないということになります。
ビタミンEの効果に否定的な結果を(ビタミンEには効果がないと)報告している臨床研究は、天然のビタミンEではなく、サプリメントのビタミンE、つまり dl-αトコフェロールを用いていたことが報告されています。
天然の d-αトコフェロールならいいのか?
天然のビタミンEのサプリメント、つまり、d-αトコフェロールを用いた臨床研究は、ビタミンEが健康にとって悪影響を生んだと報告しています。
天然なのに?なぜ?と思いますよね?当然、d-αトコフェロールは天然なので、体内には吸収されます。
しかし、8つあるべきビタミンEの1つでしかないことから、d-αトコフェロールばかりをサプリメントで摂り続けることで、体内のビタミンEのバランスが崩れ、体は残りの7つの同族体が不足していると判断し、欠乏症の症状を表してしまうのだそうです。
ビタミンEは食品から摂らなければ効果がない
ビタミンEの抗酸化効果などを十分に活用するためには、人工か天然かに依らずサプリメントからではなく、食品からコンプリートな状態で摂ることが不可欠です。
ですから、γトコフェロールに抗がん作用があるからといって、それだけをサプリメントとして摂ればいいというものでは、決してないということも覚えておいてくださいね。
ビタミンEの多い食品
と、言っても厚生労働省の食品成分表にはトコフェロールの含有量しか記載がありませんから、その合算値でのランキングです。
グループ分けするとこんな感じです。
ビタミンEの多い果物
参考:
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参考文献:
- “The Truth About Natural Vitamin E (as opposed to other kinds)”, Suzy Cohen, June 6, 2015
- “Vitamin E Isoform γ-Tocotrienol Downregulates House Dust Mite-Induced Asthma”, Peh HY, Ho WE, Cheng C, Chan TK, Seow AC, Lim AY, Fong CW, Seng KY, Ong CN, Wong WS, J Immunol. 2015 Jun 3. pii: 1500362.
- “γ-Tocotrienol reduces human airway smooth muscle cell proliferation and migration”, Harada T, Yamasaki A, Chikumi H, Hashimoto K, Okazaki R, Takata M, Fukushima T, Watanabe M, Kurai J, Halayko AJ, Shimizu E, Pulm Pharmacol Ther. 2015 Jun;32:45-52. doi: 10.1016/j.pupt.2015.04.003. Epub 2015 May 6.
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング