
バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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新しい研究成果が続々と・・
キウイフルーツについては、2015年2月に初めてブログに執筆しました。その後も次々と研究成果の報告があり、その都度、加筆修正しています。
また、数年前からキウイフルーツの宣伝をよくテレビで観るようになりましたね。
キウイフルーツは、ニュージーランド産が有名です。でも、実は、原産地は中国中部なんですよ。
元々は、チャイニーズ・グズベリー(中国スグリの実)と呼ばれていたところ、ニュージーランド固有種のダチョウの仲間キウイに姿が似ていることから、ニュージーランド政府による国策で「キウイフルーツ」と命名され、その名前が広まったんです。
キウイフルーツは3月がお手頃

2018年4月に外資系企業で「日本人の長寿の秘訣」について講演をさせていただいた際に、次のようにお伝えしました。
「日本では季節ごとに市場に出回っている食品が変わるので、
1年を通してみると、意識しなくても、季節ごとのとても多様な食品、
つまりとても多様な栄養素を体に摂りいれている。」
すると、次のようなコメントがありました。
「1年を通して、同じ食品が購入できないのは不便だろう。
それなら、季節が反対のオーストラリアから食品を輸入したら良いのではないか」
考え方の相違ですね(笑)
1. 1年中あるフルーツ

1年中ある南半球から届く食品という意味では、ニュージーランドから輸入されるキウイは、まさしく日本にほぼ1年中あるフルーツです。
国産のキウイフルーツの旬は、冬から春先(11月~2月)で、3月頃まで出回ります。
輸入ものの旬は、春から初夏(3月~5月)で、10月頃まで出回っています。
2. 国産と輸入品が重なる季節
つまり、3月は、国産と輸入ものが市場に出回っているので、キウイフルーツがお手頃価格になります。
3月に、国産の無農薬・無化学肥料・無成長ホルモン剤のキウイフルーツを4つ¥248という驚異の安値で購入したことがありますよ。
キウイフルーツの健康機能

キウイフルーツは、医療としても効果が期待されている多くの素晴らしい成分を含んでいます。
キウイフルーツの機能と、お料理に使う際の注意点、また、キウイフルーツを食べると危険かもしれない人についてお伝えします。
なお、裏付けとなる研究論文は、参考文献として最後に一覧にしています。
1. 遺伝子を酸化ダメージから保護
ファイトニュートリエント(植物栄養素)の研究分野では、キウイフルーツが細胞酸化からDNAを保護することに注目が集まっています。
キウイフルーツのどの成分の効果なのかは、まだ研究途上です。
しかし、キウイフルーツに豊富に含まれているビタミンCやβカロテンだけの効果ではなさそうだと、どの研究も結論づけています。
キウイフルーツには、バラエティ豊富なフラボノイドとカロテノイドが含まれています。それらがDNA保護に関与していると考えられています。
2. 遺伝子のダメージ修復

一日1個のキウイフルーツが、遺伝子に起こったダメージを修復することが報告されています。
下のグラフは、キウイフルーツを食べた時(薄い棒)の細胞修復の度合いと、同じ人が食べるのを止めた時(濃い棒)の修復度合いを、キウイフルーツの個数を1個、2個、3個と増やしていった時の変化をまとめたものです。(値が低い方が良い)

食べない時と比較すると、キウイフルーツを食べると確実に細胞が修復されていますが、ただだからと言って、個数を増やしても修復される度合いにあまり変化がないことが判ります。
1日1個でも効果があるというのは嬉しいですね。
3. 過敏性大腸症候群 (IBS)

細胞免疫学の研究によって、キウイフルーツには医療的にも腸の抗炎症機能として働く作用があると期待が集まっています。
インターロイキン10(IL-10)と呼ばれる、免疫のバランスを調整し、過剰な免疫反応を抑える重要な役割を担い、アレルギーや自己免疫疾患などに関わっているサイトカインの産生に関わる遺伝子をオフにした、IBSを発症したマウスを用いた研究では、キウイフルーツの抽出液を与えると次の変化が生じたことを報告しています。
- 炎症性サイトカインが抑制
- 一酸化窒素の発生が減少
この効果において、ゴールデン・キウイとグリーン・キウイに違いは無かったことも示されています。
炎症性物質の産生を抑制する遺伝子をオフにしても、キウイフルーツによって炎症性物質の産生が抑制されたことに驚きます。
これはマウスを用いた研究の結果ですが、キウイフルーツには、ヒトにおいても腸の内壁の炎症を鎮める効果があると期待されています。
4. 便秘予防と改善
英国のキングス・カレッジ・ロンドン(KCL)による研究を基に英国栄養士会(BDA)が新たに慢性便秘に関する包括的な食事ガイドラインを2025年10月に発表しました。
その新ガイドラインには、毎日3個(皮付きまたは皮なし)のキウイフルーツを食べると便通が改善するとする推奨事項が追加されました。
これは、慢性便秘への食事介入効果を検討した75件のランダム化比較試験(RCT)を対象に、4件のシステマティックレビューとメタアナリシスを行い、その結果に基づいて、GRADEアプローチ(エビデンスの確実性と推奨の強さを評価する手法)に沿って作成させたガイドラインです。
5. 血糖値の安定化(糖尿病予防)

キウイフルーツには、食物繊維のペクチンが豊富です。
キウイフルーツに含まれている種類の食物繊維には、様々な機能があることが明らかにされています。
食物繊維には、体内の糖の吸収を調節し、血糖値を正常化・安定化させる役割があります。
6. 心疾患予防、脳卒中予防(循環器の健康維持)
キウイフルーツをまったく食べない人と比較し、1日に2個~3個のキウイフルーツを28日間食べ続けたボランティア被験者で、次の変化が観察されました。
- 血栓形成・・・18%低下
- 中性脂肪・・・15%減少
キウイフルーツに含まれている次の栄養素の相互作用による効果だと考えられています。
- 食物繊維・・・悪玉コレステロールを減少、血糖値を安定化
- オメガ3不飽和脂肪酸(小さな黒い種)・・・中性脂肪を減少
キウイフルーツは、副作用もなく血栓を予防してくれます。
7. 高血圧予防

キウイフルーツにはミネラルも多く含まれており、特に、カリウムが豊富です。
高血圧の原因となるナトリウムを体外に排出する体内の生理機能を助けます。
カリウムの詳しい機能については『カリウム』をご参照ください。
8. 喘息予防、気管支の健康強化
キウイフルーツに含まれるビタミンCが、気管支の健康維持に重要な役割をもっていると考えられています。
ビタミンCは、コラーゲンの産生に不可欠なビタミンです。コラーゲンと聞くとお肌のハリをイメージする人が多いと思いますが、コラーゲンは、肺の機能を構築する細胞の結合にとって必要な成分なんです。
中央と北イタリアの6歳から7歳の18,000人の子供を対象に行われた調査では、キウイフルーツを食べない子供と比較して、キウイフルーツを毎日数個以上食べている子供ほど、次の特徴があることが報告されています。
- 気管支関連疾患リスク・・・44%低
- 息切れ・・・32%低
- 夜間喘息・・・27%低
- 慢性咳・・・25%低
- 鼻水・・・28%低
喘息を既に発症している子供において、キウイフルーツの効果が顕著に表れました。
まったく食べない子供と比較すると、1週間に1個か2個しか食べない子供においても改善がみられましたので、気管支が弱いお子さんにはキウイフルーツを食べさせたいですね。
また、別の研究では、キウイフルーツが喉の上気道の炎症を有意に減少させたことを報告しています。
9. 美肌効果

豊富なビタミンCが肌の美容に効果的です。
シミ、ソバカスなどの予防となります。
また、食物繊維による腸内環境の改善も美肌効果を生みます。
ビタミンCの詳しい機能については『ビタミンC』をご確認ください。
10. 睡眠の質の向上
被験者24名(男性2名、女性22名、年齢20歳~55歳)が、就寝の1時間前にキウイフルーツを毎日2個、4週間食べ続けた結果、次の効果が示されました。
- 睡眠の質・・・42.4%向上
- 睡眠導入から目覚めまでの時間・・・28.9%短縮
- 就寝から睡眠導入までの時間・・・35.4%短縮
- 実質睡眠時間・・・13.4%延長
- 睡眠効率・・・5.41%向上
被験者数が少ないものの、睡眠の質や睡眠導入に課題がある人は、試してみてはいかがでしょうか。
11. 疲労回復、風邪予防
ビタミンCは、疲労回復や、風邪予防など、免疫力の向上に効果があります。
ビタミンCの詳しい機能については『ビタミンC』をご確認ください。
12. 白内障予防
1日にキウイフルーツを1個半未満しか食べない人と比べて、1日に3個以上のキウイフルーツを食べている人は、加齢による白内障リスクが36%低下することが示されています。
この調査には、11万人の男女が参加し、女性は18年間、男性は12年間の追跡調査が行われています。
一方で、βカロテンやビタミンAをサプリメント錠で摂取した場合と、野菜を食べた場合においても加齢による白内障の予防効果はあまり強くはありませんでした。
しかし、フルーツを食べた場合にのみ、白内障予防として有意な効果が認められました。
面白いですね。やっぱり栄養素は単体(サプリメント)で摂るのではなく、ホールフードを食べることに意味があるのだと確信する結果です。
キウイをお料理に使う際の注意点

キウイフルーツには、タンパク質分解酵素のアクチニジンが含まれています。
1. タンパク質分解酵素アクチニジン
アクチニジンは食物酵素です。
(1)酸に弱い
アクチニジンは、酸にとても弱い酵素です。胃液(胃酸)で分解されてしまいます。
つまりキウイフルーツとお肉を一緒に食べても胃の中でお肉の消化を助けることはありません。
ちなみに食物酵素は、アクチニジンに限らずいずれも胃の消化酵素によって消化分解されます。そのため、そのままの形で体内で働くことはありません。
(2)熱に弱い
アクチニジンは熱にも弱いです。
そのため、キウイフルーツと一緒にお肉を炒めてもお肉の分解が促されることはありません。
2. キウイフルーツをお料理に活用する方法

アクチニジンのタンパク質分解作用を活かすのなら、次の方法でお料理に活用しましょう。
(1)お肉を柔らかくするなら
お肉などを柔らかくするのであれば、調理する前のお肉を次の方法で下準備しておきましょう。
- 生のキウイフルーツのスライスを上に載せておく
- キウイフルーツの搾り汁にお肉を2~3時間浸けておく
- など
生のキウイフルーツを加熱調理前にお肉と一緒にしておく必要があります。
(2)ジャムを作るなら
キウイフルーツのジャムを作るのであれば、通常のジャムのように熱を加えて煮てしまうのではなく、キウイフルーツを生のままフードプロセッサーでペースト状にするだけにしましょう。
(3)ゼラチンではなく寒天を使う
ゼリー系のデザートを作るのなら、ゼラチンではなく寒天を使いましょう。
ゼラチンはタンパク質なので、キウイフルーツのアクチニジン(タンパク質分解酵素)によって、分解されてしまい、固まりません。
そのため、海藻の食物繊維でできている寒天を使うと溶けることなく固まります。
キウイフルーツを食べてはいけない人

ご覧いただいてきたとおり、とても素晴らしい機能をもったキウイフルーツですが、食べてはいけない人もいます。
1. 結石
キウイフルーツは、シュウ酸塩を含む数少ないフルーツのひとつです。シュウ酸は体内で蓄積され過ぎると、結石することが判っています。
健康な人は、あまり気にする必要はありませんが、既に結石をもっている人や結石を治療したことがある人、腎臓が弱い人や腎臓病をもっている方は、キウイフルーツを避けることが大切です。
2. カルシウム吸収の阻害
シュウ酸には、カルシウムの体内吸収を妨げる作用があります。
ただ、この効果はあまり強くないので、胃腸が健康でちゃんと噛んで食べる習慣がある人は、あまり気にする必要はありませんが、胃腸が弱い人はあまり食べ過ぎない方が良いかもしれません。
3. ラテックス(化成ゴム)アレルギー
アボカドやバナナと同様にキウイフルーツにも化成ゴムアレルギーを引き起こす成分が含まれています。
既に化成ゴムにアレルギーのある方は、キウイフルーツを食べてはいけません。
4. ピーナッツ・アレルギー
ピーナッツ・アレルギーがある人は、キウイフルーツに対してもアレルギー反応を示す確率が高いことが報告されています。
そのため、ピーナッツ・アレルギーがある人もキウイフルーツを食べる際には、注意してくださいね。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

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参考文献:
- “Kiwifruit“, World’s Healthiest Foods
- “Kiwifruit and DNA Repair“, Nutrition Facts Org
- “Nutritional Modulation of DNA Repair in a Human Intervention Study”, Collins AR, Harrington V, Drew J, Melvin R, Carcinogenesis. 2003 Mar;24(3):511-5.
- “Kiwifruit protects against oxidative DNA damage in human cells and in vitro”, Collins BH, Horska A, Hotten PM, et al. Nutr Cancer 2001;39(1):148-53. 2001. PMID:13330.
- “Effects of kiwi fruit consumption on platelet aggregation and plasma lipids in healthy human volunteers”, Duttaroy A, Jørgensen A. Platelets 2004 Aug;15(5):287-292. 2004. PMID:15370099.
- “Plasma vitamin C modifies the association between hypertension and risk of stroke”, Kurl S, Tuomainen TP, Laukkanen JA et al. Stroke 2002 Jun;33(6):1568-73. 2002.
- “Consumption of fresh fruit rich in vitamin C and wheezing symptoms in children”, SIDRIA Collaborative Group, Italy (Italian Studies on Respiratory Disorders in Children and the Environment), Forastiere F, Pistelli R, Sestini P, et al. Thorax 2000 Apr;55(4):283-8. 2000. PMID:13360.
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- “Effect of kiwifruit consumption on sleep quality in adults with sleep problems”, Lin HH1, Tsai PS, Fang SC, Liu JF, Asia Pac J Clin Nutr. 2011;20(2):169-74
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ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング


