【限定公開】体重や血糖値が気になる人もジャガイモはこうして食べれば大丈夫

2025/11/04/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生学、疫学、栄養学のウォルター・ウィレット教授が主導した、ジャガイモの糖尿病リスクとの関連性を調査した研究が2025年7月に、世界的に有名な医学誌BMJ(ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル)に掲載されました。

ウィレット教授は、わたしが公認ヘルスコーチの資格を取得した統合食養学専門学校(IIN)の講師のおひとりです。統合食養学の食事バランスは、ウィレット教授の研究チームが開発したものがベースとなっています。

さて、この研究では、30年以上にわたる看護師健康調査(1984~2020年)、看護師健康調査II(1991~2021年)、および医療専門家追跡調査(1986~2018年)の参加者データを基に、研究開始時点で糖尿病、心血管疾患、がんの既往歴のない男女205,107人の食事を調査しています。

ジャガイモを食べる量が1週間に3食増加するごとに、II型糖尿病を発症するリスクは、調理法によって次のとおり異なりました。

  • ジャガイモ全般・・・5%(2%~8%)上昇
  • フライドポテト・・・20%(12%~28%)上昇
  • ベイクドポテト、ボイルドポテト、マッシュポテト・・・0%(-2%~5%)

同じジャガイモでも、焼く・茹でる・蒸すなどして食べれば、リスクはほぼ上昇しないことが分ります。一方で、フライドポテトやポテトチップスなど、油で揚げてしまうとリスクが大きく上昇してしまうのです。

参加者587,081人の13件のコホートのメタ解析でも、同様の結果が示されています。

  • ジャガイモ全般・・・3%(2%~8%)上昇
  • フライドポテト・・・16%(9%~23%)上昇

ジャガイモは、油を使わずに調理すれば、太ることを心配したり、血糖値を上昇させたりせずに済みます。

では、白米との比較ではどうなんでしょうか。

白米を食べるのとジャガイモを食べるのとでは、どちらの方が健康的なんでしょう。

週3食分のジャガイモを白米に置き換えると、II型糖尿病の発症リスクは次のとおりになりました。

  • ジャガイモ全般を白米に置き換えると・・・15%(10%~20%)上昇
  • ベイクドポテト、ボイルドポテト、マッシュポテトを白米に置き換えると・・・19%(14%~25%)上昇
  • フライドポテトを白米に置き換えると・・・ 1%(-7%~7%)低下

白米を食べるよりもジャガイモを食べる方が糖尿病リスクが低下することが示されています。

でも、フライドポテトと白米の糖尿病リスクは、ほぼ同じくらい高いと言えます。

少なくとも油を使わずに調理したジャガイモは、白米よりも健康的です。

では、玄米などの全粒穀類との比較ではどうでしょうか。

週3食分のジャガイモを玄米などの全粒穀類に置き換えると、II型糖尿病リスクは次の通りでした。

  • ジャガイモ全般を玄米に置き換えると・・・8%(5%~11%)低下
  • ベイクドポテト、ボイルドポテト、マッシュポテトを玄米に置き換えると・・・4%(1%~8%)低下
  • フライドポテトを玄米に置き換えると・・・19%(14%~25%)低下

参加者587,081人の13件のコホートのメタ解析でも、同様の結果が示されています。

  • ジャガイモ全般を玄米に置き換えると・・・7%(5%~9%)低下
  • ベイクドポテト、ボイルドポテト、マッシュポテトを玄米に置き換えると・・・5%(3%~7%)低下
  • フライドポテトを玄米に置き換えると・・・17%(12%~22%)低下

ベイクドポテト、ボイルドポテト、マッシュポテトも悪くはないけれども、それを全粒穀類に置き換えると更に、糖尿病予防になるということです。

全粒穀類には、玄米だけでなく、全粒粉のパスタや十割蕎麦なども含まれます。

以上の結果を踏まえて、糖尿病になりやすさで比較すると次の順になります。

フライドポテト > 白米 > 
ベイクドポテト、ボイルドポテト、マッシュポテト > 玄米(全粒穀類)

血糖値を指摘されたことがある人は、まずは、白米を玄米に替えてみてはいかがでしょうか。そして、もし玄米が苦手ならば、ジャガイモの活用を検討してみてくださいね。

蒸しジャガイモ、茹でジャガイモ、フライドポテト、玄米ごはん、白米ごはんのそれぞれ100gを従来のビタミンとミネラルの含有量で比較すると、フライドポテトは必ずしも栄養価が低いわけではないことに驚きます。

米国FDA(食品医薬品局)は、ある栄養素を豊富に含んでいると表現できる基準として、可食部100g中に1日の必要量の10%以上を含んでいる場合としています。その基準に則って、各食品が、各栄養素を1日の必要量に対して何%含んでいるかをグラフにしました。

この中では、玄米のミネラルバランスが最も優秀なことが分ります。

ご飯類には、モリブデンが超豊富に含まれています。モリブデンは尿酸の分解に必要なミネラルです。でも、白米にはモリブデンと銅以外のミネラルが全般的に少ないことが分ります。

調理済みジャガイモには、カリウムが豊富に含まれています。

調理後においてもジャガイモには豊富なビタミンCが含まれていることに驚きます。

ビタミンCは、加熱調理に弱く、水に溶けてしまう水溶性です。なのに、ジャガイモのビタミンCは蒸しても茹でても揚げてもこんなにたくさん残っているなんて、なんて素敵なんでしょう。

一方で、穀類(ご飯)には、ビタミンCは含まれていません。

でも、玄米には、糖・脂質・タンパク質の代謝にとって重要な作用をもつビタミンB群が豊富に含まれています。ただし、白米には、ビタミンが乏しいことが分ります。

驚くのは、糖尿病リスクを大きく上昇させるフライドポテトに多くのビタミンが豊富に含まれていることです。

タンパク質・脂質・炭水化物で比較すると、茹でジャガイモと蒸しジャガイモは、ほとんど同じです。また、玄米と白米もほぼ同じだと分ります。

カロリー源となるタンパク質・脂質・炭水化物のバランスが、玄米と白米でほぼ同じなのに、糖尿病リスクは天と地です。

また、ジャガイモよりも糖尿病リスクが低い玄米には、ジャガイモよりも炭水化物の割合が多いことも分ります。

それは、玄米に含まれている豊富なミネラルやビタミンや抗酸化物質のお陰です。

食品に含まれているタンパク質・脂質・炭水化物の量、つまり、カロリーの高さで、その食品が太りやすいのか、糖尿病リスクが高いのかを判断することはできません。

では、ミネラルやビタミンを豊富に含んでいるのに、フライドポテトが糖尿病リスクを上昇させてしまうのはなぜなんでしょうか?

フライドポテトだけが多くの脂質を含んでいることが分ります。まぁ、フライドポテトは、揚げているので当然と言えば当然ですが、この油が糖尿病リスクを上昇させる原因のひとつである可能性は高いです。

一般的にフライドポテトには、飽和脂肪酸やオメガ6を多く含む油が用いられることが多いので、そのことが今回の結果に部分的にも反映されていると考えられます。

この研究では、フライドポテトを揚げる際に用いる油の質や種類による区分はなされていないため、例えば、オリーブオイルなどヘルシーなオイルで揚げた場合にも糖尿病リスクが上昇するのかは分かりません。

ただ、家庭でフライドポテトやポテトチップスを作る場合、食品添加物を使用することはほぼありません。良質な油を使用して、化学調味料(うま味調味料)や過剰な塩の使用を避ければ、もしかしたら、今回の結果とは異なる結果になるのかもしれません。

マイケル・ポーランは次のように語っています。

「好きなだけジャンクフードを食べて構わない
そのジャンクフードが手作りなら」

もちろん、フライドポテトやポテトチップスを食べるよりも玄米を食べる方が、糖尿病予防になることに変わりはありません。

でも、もしどうしてもジャンクフードが食べたくなったのなら、自分で作りましょう。

最後にウォルター・ウィレット教授の言葉をご紹介します。

「この研究による公衆衛生上のシンプルかつ強力なメッセージは、
日々の食生活における小さな変化が、
2型糖尿病のリスクに大きな影響を与える可能性があるということです。

炭水化物の全てが同じではありません。
ジャガイモでさえ全てが同じではありません

この区別は非常に重要です。」

統合食養学は、カロリーではなく、「機能」に着目して食品を選ぶことを勧めます。食品のもつ機能によって食品を選び、調理法のもつ機能によって調理法を選ぶこと、それがヘルシーに食べるための基本です。

ジャガイモは決して不健康な食べものではありません。

調理法次第で健康にも不健康にもなるのです。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

以前執筆した『専門家が消えて欲しいと願う食事に関する10の迷信』でも、ジャガイモについてご紹介しました。詳しくは『ジャガイモ』をご確認ください。

もしおひとりで取り組むことに不安や難しさを感じるのでしたら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

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参考文献

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング