食品保存料が糖尿病とがんリスクを上昇させる|フランスの大規模調査結果をヘルスコーチが解説

2026/03/03/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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保存料は、工場生産された加工食品の賞味期限を延ばすために広く使用されている食品添加物(化合物)です。超加工食品に含まれている添加物の中で、保存料の割合は34.6%を占めます。

超加工食品とは、伝統的な必要最小限の加工を超えて、塩・甘味料・脂質・食品添加物などが多用されている加工食品を指します。通常のコンビニやスーパーで販売されているほぼ全ての加工食品が超加工食品です。

そこで、2009年から開始されたフランスの大規模なインターネットベースの栄養・健康調査コホートのニュリネット・サンテ(NutriNet-Santé)の2009年から2023年までのデータを用いて、食品に添加されている17種類の保存料の健康への影響を解析した研究結果が2つ、2026年1月に発表されました。

ひとつは、糖尿病リスクとの関係、もうひとつは、がんリスクとの関係についてです。

これらの論文に記載されていた調査結果などを和訳要約してお伝えします。

なお、裏付けとなる研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています。

過去の研究では、化合物の保存料が代謝に悪影響を及ぼす可能性があることが示唆されていました。

フランスのニュリネット・サンテに2009年~2023年に参加していた成人108,723人(平均年齢42.5歳、女性79.2%)の食事記録データを用いた大規模な前向きコホート研究では、保存料と2型糖尿病との関連が調査されています。

調査対象となった加工食品に保存料として用いられている化合物には、58種類!もありました。そのうち調査対象者の10%以上の食事に共通して含まれていた17種類に限定して、糖尿病との関連が調査されています。

17種類の保存料のうち、次の12種類が2型糖尿病の発症率の上昇に関連していることが明らかにされました。

  1. ソルビン酸カリウム
  2. メタ重亜硫酸カリウム/ピロ亜硫酸カリウム
  3. 亜硝酸ナトリウム
  4. 酢酸
  5. 酢酸ナトリウム
  6. プロピオン酸カルシウム
  1. アスコルビン酸ナトリウム(ビタミンC)
  2. エリソルビン酸ナトリウム(ビタミンC)
  3. α-トコフェロール/トコフェロール含有抽出物(ビタミンE)
  4. クエン酸
  5. リン酸
  6. ローズマリー抽出物

これらの食品保存料が使用されている加工食品を食べる量が多い人ほど、2型糖尿病のリスクが高くなる可能性が示されています。

フランスのニュリネット・サンテに2009年~2023年に参加していた成人のうち、調査開始時点でがんを発症していなかった105,260人(平均年齢42.0歳、女性78.7%)の食事記録データを用いた大規模な前向きコホート研究は、平均追跡期間7.57年における、保存料とがんの発症との関連を調査しています。

今回の調査でがんとの関連性が示されたのは次の保存料でした。

  1. ソルビン酸塩
  2. 亜硫酸塩
  3. メタ重亜硫酸カリウム
  4. 亜硝酸ナトリウム
  5. 硝酸カリウム
  6. 総酢酸
  7. 酢酸
  8. エリソルビン酸ナトリウム(ビタミンC)

これらの保存料が使用されている加工食品を食べる量が多いほど、特定のがんの発生率が上昇するという相関関係が確認されました。

抗酸化物質以外の保存料の総量と全てのがんの発症リスクは、保存料をまったく摂取していないまたは摂取量が少なかったグループと比較して、摂取量が多かったグループでは、1.16倍、60歳時点での乳がんの発症リスクは1.22倍でした。

ここからは、詳しいデータの開示があった保存料について、ひとつひとつ説明をふします。

亜硝酸塩は、ほとんどのハム、ソーセージ、ベーコンなどの食肉加工品や、たらこや明太子などの魚卵製品に用いられています。

食品添加物に関する細胞試験(肝細胞)では、亜硝酸塩が細胞毒性を示すことが明らかになっています。

亜硝酸塩が添加された肉類が魚由来のアミンと結びつくことで、国際がん研究機関(IARC)によって、グループ2A(おそらく発がん性がある)に分類される、強力な肝毒性および発がん性を持つ有機化合物のニトロソアミンが発生することは周知の事実です。

亜硝酸ナトリウムの摂取によるがん発症リスクは次のとおりでした。

  • 前立腺がん・・・1.32倍

そのニトロソアミンは、インスリンとインスリン様成長因子の経路を阻害し、すい臓のβ細胞を機能不全にすることで、インスリン抵抗性を発生させるという機序も明らかにされています。

添加物由来の亜硝酸塩の摂取量が多いほど、2型糖尿病と1型糖尿病の発症率が上昇することが示され、2年以上の長い追跡期間にもかかわらず、結果は一貫していました。

研究者によれば、いくつかの公衆衛生当局が亜硝酸塩を食品添加物として禁止することを検討しているとのことです。

硝酸カリウムは、ハム、ソーセージ、ベーコンなどの食肉加工品や、サラミ、鯨肉ベーコン、イクラ、筋子、チーズなどに用いられています。

硝酸カリウムの摂取によるがん発症リスクは次のとおりでした。

  • 全がん・・・1.13倍
  • 乳がん・・・1.22倍

亜硫酸塩は、主にワイン、ドライフルーツ、かんぴょう、甘納豆、冷凍エビ、レトルト食品などに用いられています。

亜硫酸塩の摂取によるがん発症リスクは次のとおりでした。

  • 全がん・・・1.12倍

メタ重亜硫酸カリウムは、主にワイン、ドライフルーツ、かんぴょう、甘納豆、果実のシロップ漬け、冷凍海老・カニなどに用いられています。

メタ重亜硫酸カリウムの摂取によるがん発症リスクは次のとおりでした。

  • 全がん・・・1.11倍
  • 乳がん・・・1.20倍

ソルビン酸カリウムは、主に野菜や果物を用いた加工食品(漬物、ジャム、総菜など)、ハム・ソーセージ、明太子・たらこ、魚肉の練り物、乳製品、ソフトドリンクなどに使用されています。

食品添加物に関する細胞試験(肝細胞)においても、ソルビン酸カリウムに細胞毒性があることが明らかにされています。

また、マウスを用いた研究では、ソルビン酸とフルクトース(果糖:多くの食品や飲料に含まれる単糖類の甘味料)を同時に飲食すると、脂質代謝に関与する遺伝子の発現が変化し、肝機能の変化(脂肪肝、炎症、線維症)につながることが示されています。

血液中のソルビン酸の濃度と2型糖尿病の発症リスクの増加には関連があることが観察されています。

更に、ソルビン酸カリウムは、ブドウ糖の有無にかかわらずAGEの活性化剤として特異的に作用することが確認されています。AGEは、「終末糖化産物」と呼ばれる、体内の余分な糖とタンパク質が結びついて発生する老化物質です。AGEの過剰は、2型糖尿病と関係しています。

更に、これらの観察結果は、腸内細菌の乱れと関連しており、他の研究ではソルビン酸が肝臓および微生物叢レベルで膵炎誘発作用を示す可能性があることが確認されています。

ソルビン酸カリウムなどのソルビン酸塩の摂取によるがんの発症リスクは次のとおりでした。

  • 全がん・・・1.14倍
  • 乳がん・・・1.26倍

プロピオン酸は、主にパン、焼き菓子(ケーキ、クッキー)などの洋菓子、乳製品、ハム・ソーセージなどに使用されています。

マウスとヒトを用いた両方の研究で、インスリン作用を阻害することが報告されています。

ビタミンC」と表記され、アスコルビン酸ナトリウムやエリソルビン酸エステルは、主に、緑茶飲料や清涼飲料水、果実加工品、漬物、惣菜パン、ハム・ソーセージに用いられています。

食品添加物に関する細胞試験(肝細胞)において、アスコルビン酸ナトリウムとエリソルビン酸エステルに細胞毒性があることが明らかになりました。

マウスを用いた研究では、ビタミンCの薬理学的用量(1日100mg超)を慢性的に補給すると、空腹時血糖値、インスリン値、そしてインスリン抵抗性の恒常性モデル評価指数(HOMA、インスリン抵抗性とβ細胞機能を定量化する手法)が上昇することが示されています。

ビタミンCに変換されるアスコルビン酸ナトリウムと、エリソルビン酸エステルなどのビタミンC異性体は、代謝の過程でインスリン受容体のシグナル伝達経路に作用し、例えば、グルコーストランスポーター2の発現を低下させる役割を果たしている可能性が指摘されています。

グルコーストランスポーター2は、肝臓、膵臓のβ細胞、腸、腎臓の細胞膜に存在し、インスリンに依存せずに効率よくブドウ糖を輸送するタンパク質です。

そして、食品添加物としてのビタミンCは肝臓でのインスリン作用を阻害し、耐糖能を低下させることが示されています。

総合すると、ビタミンCとして添加されているアスコルビン酸やエリソルビン酸は、2型糖尿病の発症を促す可能性があることを意味します。

エリソルビン酸ナトリウムの摂取によるがん発症リスクは次のとおりでした。

  • 全がん・・・1.12倍
  • 乳がん・・・1.21倍

飲料や加工食品の原材料表には「ビタミンC」としか記載のないものが圧倒的に多いため、それが体に良いものだと勘違いしてしまっている人もいるかもしれませんね。

健康のために飲んでいるその緑茶飲料で、糖尿病やがんになる可能性があることに、どれくらいの人が気づいているでしょうか。短期的には体重が減るかもしれませんが、長期的にみて糖尿病やがんを育ててしまっているかもしれないというのは、怖いことです。

「ビタミンC」のサプリメントとして用いられている成分の多くは、アスコルビン酸です。

食品添加物として微量に食品に加えられていても上記した疾患と関連がある物質ですから、サプリメントとして日々摂取することは、避けた方が良いと考えます。

ビタミンCの詳しい働きと食事から摂る方法については『ビタミンC』をご確認ください。

ビタミンE」という表記で、主に、植物油、マーガリン、スナック菓子、調理パン、ヨーグルト、健康食品(カプセル・飲料)などに使用されています。

マウスを用いた研究では、ビタミンEの薬理学的用量(1日6.5mg超)を慢性的に補給すると、空腹時血糖値、インスリン値、そしてインスリン抵抗性の恒常性モデル評価指数(HOMA、インスリン抵抗性とβ細胞機能を定量化する手法)が上昇することが示されました。

食品添加物としてのビタミンEは、インスリン受容体のシグナル伝達経路に作用し、グルコーストランスポーター2の発現を低下させました。グルコーストランスポーター2は、肝臓、膵臓のβ細胞、腸、腎臓の細胞膜に存在し、インスリンに依存せずに効率よくブドウ糖を輸送するタンパク質です。

つまり、食品添加物としてのビタミンE(dl-α-トコフェロール)によって、糖尿病が誘発される可能性があると考えられます。

「ビタミンE」のサプリメントの99%は、dl-α-トコフェロールです。

食品添加物として微量に食品に加えられていても上記した疾患と関連がある物質ですから、サプリメントとして日々摂取することは、避けた方が良いと考えます。

ビタミンEの詳しい働きと食事から摂る方法については『ビタミンE』をご確認ください。

酢酸(および酢酸ナトリウム)は、主にコンビニ弁当、おにぎり、惣菜(ポテトサラダ、ハンバーグ等)、漬物、水産練り製品(かまぼこ等)、マヨネーズ類、ソース類、パンなどに使用されています。

総酢酸とは、食酢や食品中の総酸度を酢酸換算で表した指標です。

添加物としての酢酸の摂取によるがん発症リスクは次のとおりでした。

  • 全がん・・・1.15倍
  • 乳がん・・・1.25倍

お酢は体に良いものだというイメージがあるため、食品添加物として用いられる純粋な酢酸に発がん性があるということに驚きます。

酢酸はお酢の成分のひとつですが、お酢ではありません。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

花畑に隠れているうさぎ

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参考文献

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング

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Sophiawoods 公認統合食養ヘルスコーチ/国際ヘルスコーチ
森智世(もりちせ) | ソフィアウッズ・インスティテュート代表 米国代替医療協会(AADP)公認ホリスティック・ヘルスコーチ、女子栄養大学 食生活指導士、経営学修士(MBA)、ジョンズホプキンス大学「健康と化学物質」修了、コロラド大学「共生細菌学」修了、カンタベリー大学「精神栄養学」修了 ひとりひとりのバイオ個性に着目する統合食養学に沿って、主に働く女性のウェルビーイングを支援するヘルスコーチとして活動中 長期に渡り過ごした米国やヨーロッパの情報を一早く取入れ、最新食物科学・疫学・臨床研究に基づく情報発信、資格取得講座企画運営、法人向けセミナーなど提供