バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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スピルリナから発見された有毒成分
青緑色の藻類(スピルリナ)と神経性疾患(ALS、パーキンソン病、アルツハイマー病など)に関する研究が進められています。
(裏付けとなる研究論文は最後に参考文献として一覧にしています)
統合医療の大家アンドリュー・ワイル医師は、スピルリナは決して安全ではないと、ご自身のブログでおっしゃっています。その大きな理由は、BMAA(βメチルアミノ-L-アラニン)と呼ばれる神経毒がスピルリナから発見されたためです。
BMAA (βメチルアミノ-L-アラニン)
BMAAは、もともとグアム島のチャモロ村に住むチャモロ人がトルティーヤの粉として使っていたソテツの種から発見された神経毒です。
アルツハイマー病で亡くなったチャモロ人の脳細胞では、神経原線維変化とアミロイドの蓄積が見られました。こうした脳内の変化は、チャモロ村に住んでいない(BMAAを含むトルティーヤを食べていない)グアム島の住人には見られません。
これと同様の変化が、BMAAを含むフルーツを与えた猿の脳内で見られたことから、BMAAを含むスピルリナも神経性疾患(ALS、パーキンソン病、アルツハイマー病など)と関係する可能性が浮上したのです。
既に、南フロリダ等、スピルリナが生息する地域の魚や貝にBMAAが蓄積していることが報告されています。
マイクロシスチン
BMAAだけでなく、マイクロシスチンと呼ばれる別の毒が、スピルリナに大量に含まれていることも長く知られています。
マイクロシスチンは、肝臓に蓄積され、特に子供には回復不能なダメージを与えます。
一般的に販売されている13の藻類の商品を分析した2011年に行われたドイツの調査では、全ての商品で有毒物質が発見されたとワイル医師は述べています。
また、2018年に米国オレゴン州で行われた製品分析では、14製品中全ての商品からマイクロシスチンが検出され、そのうち基準を超えていた商品が4つありました。
水銀
更に、スピルリナは、水銀が高濃度に蓄積されている地域に生息しています。
そのため、水銀を吸収・蓄積していることが想像でき、肝臓へのダメージ、吐き気、嘔吐、虚弱、動悸、発作、そして死を招く可能性を含んでいます。
スピルリナの栄養価
スピルリナは、その名前の由来でもある「ねじれた螺旋形」をした濃緑色の単細胞微細藻類で、約35億年前に出現した微生物です。現在でも熱帯地域の湖に自生していて、亜熱帯から熱帯地域の各国で培養・生産されています。
厚生労働省の食品成分表に掲載がなく、また、米国農務省の食品データベースにも掲載がないため、2015年に行われた研究報告の記載に基づけば、次の様に説明されています。
「機能性食品としてのスピルリナの利用は、タンパク質が豊富なだけでなく、そのアミノ酸プロファイルは生物学的価値の高いタンパク質であると考えらます。 スピルリナは、低含有量の核酸に付随する必須脂肪(例:γリノレン酸、オレイン酸)の供給源となります。ビタミンB12の含有量が非常に高く、βカロテン、鉄分、カルシウム、リンの優れた供給源です。」
また、他の文献によれば、スピルリナの60%はタンパク質との記載もあります。
しかし、ワイル医師は、
「スピルリナには、栄養学的なメリットはあまりない」
と述べています。
その理由は、スピルリナには、他の藻類と比較して多くのタンパク質が含まれているものの、そこから十分な量を得るには、大量に食べなければならず、一般的なスピルリナの価格は、ナッツや豆類と比較して約30倍もするため、タンパク源として考えるなら、ナッツや豆類を食べる方が経済的で量も少なく済むとのことです。
抗ウィルス作用・抗がん作用について
いくつかの試験管試験や動物試験は、スピルリナに抗ウィルス作用や抗がん作用があることや、免疫力を高めアレルギー改善作用があることを示していますが、ヒトでもこうした作用があるかは、まだ裏付けられていないとワイル医師は述べています。
確かに、Pubmedで検索すると、1989年頃にスピルリナに多く含まれているスルホリピドという成分に抗HIV特性があることを発見した研究報告が多いです。
しかし近年に至るまで、約30年以上もヒトへの応用に関する研究は見当たらず、唯一見つけたものは、スピルリナがスルホリピドを産生する過程において、通常、スピルリナを含む藍藻が発生する、人体に有害となる物質が発生されるかどうかを検証した研究でした。
ちなみに、アルスロスピラを含め、藍藻のスピルリナは、スルホリピドを産生する過程で毒性は生じないと報告されています。
ちなみに、一般的に着色料として用いられているスピルリナは、アルスロスピラ属です。
スピルリナのご利用には細心の注意を
タンパク質の高い含有率とビタミンB12の供給源として、ヴィーガンなど動物性食品をいっさい摂らない方達にとっては有難い存在のスピルリナです。
また、特に毒性が強いとされる青色の食品着色料の代わりとして、天然で安全な青色色素としても人気があるスピルリナです。
しかし、スピルリナの粉末をお料理に利用されている方やサプリメントを摂取されている方は、次のような有毒性分が含まれていないことを証明している製品、純度の高い製品であることを確認した上で購入することをお勧めします。
- BMAA
- マイクロシスチン
- 水銀
この意味においては、天然スピルリナよりも、安全な環境で培養された養殖スピルリナの方が安全かもしれません。しかし、スピルリナは強アルカリ塩水でしか育たないため特殊な海域でしか養殖できず、人工培養が難しいのも事実です。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
スピルリナに代わる植物性のビタミンB12の供給源として、クロレラはいかがでしょうか。クロレラについては『クロレラ』をご参照ください。
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参考文献:
- “Is Spirulina Safe?”, Andrew Weil, August 4, 2019
- “Dietary exposure to an environmental toxin triggers neurofibrillary tangles and amyloid deposits in the brain” Paul Alan Cox et al, Proceedings of the Royal Society B, January 20, 2016
- “NUTRITIONAL AND TOXICOLOGICAL ASPECTS OF SPIRULINA (ARTHROSPIRA)”, Gutiérrez-Salmeán G, Fabila-Castillo L, Chamorro-Cevallos G, Nutr Hosp. 2015 Jul 1;32(1):34-40. doi: 10.3305/nh.2015.32.1.9001
- “Evaluation of microcystin contamination in blue-green algal dietary supplements using a protein phosphatase inhibition-based test kit”, David W. Marsan, Stephen M. Conrad, Whitney L. Stutts, Christine H. Parker, Jonathan R. Deeds, Journal home page for Heliyon, volume 4, Issue 3, March 2018, e00573
- “Molecular classification of commercial Spirulina strains and identification of their sulfolipid biosynthesis genes”, Kwei CK, Lewis D, King K, Donohue W, Neilan B, J Microbiol Biotechnol. 2011 Apr;21(4):359-65
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング