ポジティブ心理学の産みの親マーチン・セグリマン博士から主観的ウェルビーイング(幸せ)の講義を受講

2022/09/29/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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マーチン・セグリマン博士はポジティブ心理学の産みの親

なにかと今年のバズワードになっている「ウェルビーイング」

ポジティブ心理学の産みの親であるマーチン・セグリマン博士から主観的なウェルビーイング(幸せ)についての講義を受講しました。

ポジティブ心理学は、ハーバード大学とペンシルベニア大学で始まった新しい心理学のアプローチです。ペンシルべニア大学でポジティブ心理学を率いてきたのがマーチン・セグリマン博士です。

ソフィアウッズ・インスティテュートとポジティブ心理学との関係は、ホームページでもご紹介していますが、また、ソフィアウッズ・インスティテュートのブログやニュースレターにもたびたび登場していますが、ポジティブ心理学は、統合食養学のプライマリーフードの考え方のベースとなっている心理学の研究分野なのです。

私が統合食養学を学ぼうと思ったきっかけも、ポジティブ心理学について書かれた本を読んだからです。(セグリマン博士のご著書ではなくハーバード大学の先生が書かれた本でしたが・・)

そのセグリマン博士が講演をされるということを、たまたまフェイスブックを観た時に表示された広告で知りました。

私が公認ヘルスコーチの資格を取得したニューヨークの学校の授業でしか聴いたことのない博士の授業/ご講義を改めて聴くことができる機会なので、即座に申し込みをしました。

なお、セグリマン博士のご研究については、『心の免疫力を示す24の性格要素』をご確認ください。統合食養学との関りの深いご研究について紹介しています。

ポジティブ心理学による日本への示唆

ポジティブ心理学の目標は幸せになること

セグリマン博士は、まず、従来の心理学とポジティブ心理学のアプローチの大きな違いについてお話になりました。

従来の心理学の目標は、マイナスを埋めること、不幸な状態を無くすことです。

一方、ポジティブ心理学の目標は、ゼロにするだけでなく更にプラスにすること、幸せな状態を築くことだと説明してくださいました。

過去220年で人類は幸せになったはず

1800年から2020年までの次の様な様々な統計を示されながら、いかに、人類全体として今現在の私達が幸せな環境におかれているかについて説明されました。

  • 貧困(1日2ドル以下の暮らし)・・・日本では人口の1%未満
  • 識字率・・・日本の識字率は99%
  • オゾン層の破壊率・・・最悪だった1970年代の1600トン以上が2016年で22トンに減少
  • 女性参政権・・・1893年に1か国(ニュージーランド)でしか認められていなかった女性の参政権が、2020年では女性に参政権を認めていない国が2か国(サウジアラビアとバチカン市国)のみとなった
  • 自由・・・2015年には世界の56%の国が民主主義国家
  • 栄養不良・・・50年前に世界の約3分の1が栄養不良だったものが2015年11%に減少
  • 幼児死亡率・・・日本では0.25%
  • 戦争による死亡・・・今年2月のウクライナ紛争まで大きな戦争は50年間なかった
  • 天然痘・・・1979年に撲滅
  • 環境保護・・・自然保護区は1900年には0.03%だけだったものが2016年には14.7%に増加
  • 音楽・・・1860年には1件の著作権登録しかなかったものが2016年には621万件が登録

にも関わらす、世界が良い方向へ向かっていると思うと答えた人の割合が、欧米諸国では5%未満であったこと、最も高い結果だった中国も41%と半数を超えていないことも示されました。ちなみに、日本人の約21%(5人にひとり)だけが世の中が良い方向へ向かっていると答えたそうです。

日本人の精神疾患率は欧米よりもずっと良好

日本のうつ病患者は人口の2.3%、不安症では4.9%、全ての精神疾患を併せても7.6%と、欧米と比較して非常に低いことを指摘されていました。

にも関わらす、人生の満足度調査(10点満点)では、欧米の平均7.1に対して、日本は6.1という低い結果が示されています。

幸せについての観方を変える

幸せは世界からもたらされる”結果”ではありません

ウェルビーイング(幸せ)は”原因””原動力”です

と、セグリマン博士はおっしゃいました。

ソフィアウッズ・インスティテュートのニュースレターを読まれている人やマインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースを受講した人は、何度も聴いたことのある言葉ですね。

ウェルビーイングとは何か

数年前に『心の免疫力を示す24の性格要素』の中でご紹介した「PERMA」というウェルビーイングの状態を測る指標についてご説明がありました。

セグリマン博士のサイト「Authentic Happiness」では、あなたの現在のPERMAスコアがどれくらいかを無料で測れるそうです。日本語が選択できます。

高い主観的ウェルビーイングがもたらすもの

1,000を超える研究によって、主観的なウェルビーイングが高い人には次の特徴があることが判明しているとのことです。

  • 健康と長寿|不幸な人よりも幸せな人は6~9年長生きする
  • 良好な社会的な関係
  • 仕事の生産性が高い
  • 善良な行為
  • 創造的
  • 立ち直りが早い/耐性が強い

更に、運動によって寿命は平均3年延び、禁煙することでも寿命は平均6.8年延びますが、主観的なウェルビーイングが高いと寿命は平均して7.6年延びるとのことでした。

健康に関する特徴

健康に関する特徴では次の傾向がみられるとのことです。

  • 長寿/テロメアが長い
  • 免疫力が高い
  • 炎症性疾患が低い
  • 心疾患率が低い・・・楽観的な人ほど罹患率が低い
  • 感染症罹患率が低い・・・楽観性とは無関係
  • 傷の治りが早い
  • 健康的な行動をする

主観的なウェルビーイングは現在の幸福感を意味しますが、「楽観的」であることは将来に対する漠然とした明るい展望をもっていることを意味します。

現在幸福感が高く将来について楽観的な人は心臓病にかかりにくいというのは面白いです。一方で、ウイルスなどの感染症については、幸福感が高いことは感染率を下げるものの、楽観的なことは関係ないというのは面白いですね。

社交性に関する特徴

  • 結婚している
  • 幸せな婚姻関係を維持している
  • 就職している
  • セックスが多い
  • 子供が多い

PERMAを高める方法は学ぶことができる

詳しい方法については、ペンシルベニア大学の心理学部がCOURSERA経由でポジティブ心理学の基礎を学べるコースを提供しているので、そちらで学んで欲しいとのことでした。

楽観性を学ぶ方法については、破滅的な考えに対して現実的な反論を行う方法があるとおっしゃっていました。以前ソフィアウッズ・インスティテュートが執筆した『恐怖心と共存して夢に一歩踏み出すホリスティックな8つの方法』あるいは『あなたの闇は抹消するのではなく統合するのがベスト』が参考になるかもしれません。

まずは測ることそして導入

まずは、現在のPERMAを測ることが重要であること、そして、それぞれの企業や組織や学校に合った導入の仕方を検討することが重要であると述べられました。

また、ポジティブ心理学の教育は、中学生や高校生などの人生の早い段階から始めることが重要との見解を述べられました。

ソフィアウッズ・インスティテュートの感想

あらためて、セグリマン博士のご講義を受けて、理解がリフレッシュされると共に、今まで、クライアントさん達や生徒さん達にポジティブ心理学について正しく伝えてきたことの確認もとれ、充実した時間でした。

人的資本経営時代に求められるウエルビーイング

第一日目は、伊藤邦雄先生のお話を拝聴させていただきました。

実は證券会社の研究員時代、私は経済産業省支援の知的資産の権利投資に関する研究会の委員のひとりとして、知的資産の価値評価に携わっていました。同じ頃、伊藤先生は別の経済産業省の研究会のリーダーとして、企業価値の評価方法の確立に取り組まれていらっしゃいました。私と同じ部の同僚が伊藤先生の研究会に参加していたため、伊藤先生とは直接的な面識はないものの、取り組まれていらっしゃった研究については詳細に存じ上げていましたので、勝手に懐かしく感じならが、お話を伺っていました。

人は、資源ではなく資本
(消費するものではなく投資の対象である)

効率ではなく、効果
(削減の対象ではなく拡張する対象である)

「幸せ」をどう測るかという問題と、多様な「幸せ」をどのように企業経営の中に組み入れていくかという問題解決に向けて取り組むことの大切さと必要性についてお話くださいました。

また、これからも企業間の競争は無くならないという前提の下、企業が社員の「幸せ」のために競争する社会を目指すことが求められるとおっしゃられていました。

ソフィアウッズ・インスティテュートの感想

最後の「競争」について、心に少しひっかかりました。「競争」は「戦争」を呼ぶと私は感じてしまうからです。食糧のため、土地のため、資源のために人類は戦争をしてきました。そして戦争の大義名分はいつだって「国(民の幸せ)」のためでした。

そもそも、幸せは主観的なウェルビーイングですから、比較することはできないし、比較すべきものでもありません。ポジティブ心理学でも「他者と比較することは不幸の種をまくだけ」と考えますし・・。

だから、たぶん、先生は客観的なウェルビーイングのことをおっしゃっていたのだと思います。社員のウェルビーイングがやがて企業価値の向上(株価)に結び付くというお話をされていらっしゃったので、そういうことなのだと思います。

でも、せっかく、「幸せ」という新しい企業価値のピースが生まれたのですから、ここは幸せのための「競争」ではなく幸せを「協創」する社会の枠組み作りができればと思ったのでした。

なお、主観的vs客観的ウェルビーイングについては、『神戸大学のウェルビーイング研究会のキックオフ・シンポジウムに参加しました』をご参照ください。

ソフィアウッズ・インスティテュートとは

ソフィアウッズ・インスティテュートは、米国政府が認める統合食養学に則ってヘルスコーチングを提供する組織です。個人へのプライベート・ヘルスコーチング・プログラム、資格取得や自己啓発を目指す人へのマインド・ボディ・メディシン講座の実施、企業や組織へのウェルネス・セミナーなどの実施を行っています。

統合食養学は、米国ニューヨークで始まった新しい栄養学のアプローチです。

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

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