バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
BMI の問題点
BMI、ボディ・マス・インデックス(体格指数)という言葉が市民権を得てから長くなりました。今では、メタボの判定基準や生活習慣病の未病の判定基準として、正式な指標として広く用いられています。
しかし、近年では、健康を測る指標としてのBMIの適切性に疑問を投げかける研究も相次いでいます。
BMIの計算式を用いると、体重における脂肪と筋肉の比率を考慮できないため、筋肉量の多い人が肥満判定されてしまうとか、BMIで肥満判定された高齢者の方が寿命が長いなど、BMI を用いた基準の適切性に関する問題が多く指摘されています。
BMI に代わる新しい指標
そのため、BMIに代わる新しい指標として、既に複数の指標が考案され、その適切性についての検証研究も進んでいます。
今回は次の2つをご紹介します。
- BRI・・・ボディ・ラウンドネス・インデックス(Body Roundness Index、体の丸み指数)
- RFM・・・リラティブ・ファット・マス(Relative Fat Mass、相対的脂肪量)
なお、裏付けとなる研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています。
1. 体の丸み指数(BRI)
BRIは、次の2つの数値を用いて、体の丸み度合いを1から16で評価するものです。
- 身長(m)
- ウエストサイズ(胴囲)(cm)
BRI が小さいほど体型は縦に細い体型、数値が大きくなるほど横に丸い体型になっていくことを表しています。
BRIは優れた肥満指数
BRIは、ウエストサイズを考慮していることから、身長と体重しか考慮していないBMIよりも肥満度を測るのに適した指標だと、考えられています。
BRIの計算式
BMIの計算式がとてもシンプルだったことに比べて、BRIの計算式は複雑です。
ルートなんて出てくると、一気に自分で計算する気がなくなりますね(笑)
そこで、自動計算してくれるサイトがいくつか出現しています。最後にリンクをつけておきますので、やってみてくださいね。
今回は、BRIがどれくらい正確に病気を予測できるのかを検証した2つの研究をご紹介します。両方とも中国で行われた研究だというのが興味深いです。
BRI で死亡リスク予測
中国の北京中医学大学(Beijing University of Chinese Medicine)は、アメリカの国民健康・栄養調査(NHANES)に1999年~2018年の間に参加した成人3万人超のデータ(平均年齢46.74歳、女性50.10%)を用いてBRIと全死亡との関連を分析しています。
その結果、BRIの分布を5段階に分けたところ、BRIが最も低いグループと最も高いグループで全死亡リスクが上昇するU字型の関係があることを明らかにしました。
研究者は、その理由を次のように説明しています。
- 低すぎるBRI値・・・栄養不良、疲労、運動耐容能の低下、筋萎縮を伴っている可能性
- 高すぎるBRI値・・・内臓脂肪の蓄積によって、インスリン抵抗性が亢進し心代謝性疾患のリスクが上昇する
ちなみに、北京中医学大学の「中医学」というのは、日本の「漢方」の元となった中国伝統医療(東洋医学)のことです。
BRI で心疾患リスク判定
中国の南京医科大学武錫疾病対策予防センター(Nanjing Medical University Wuxi Center for Disease Control and Prevention)は、45歳以上の中国人約1万人を対象とした縦断的コホート研究を実施しています。
その結果、BRI値が低い人に比べて、長い間BRI値が高いままだった人は、心疾患リスクが高いことが確認されました。
そのため、研究者は、BRIは、心疾患の予測マーカーとして使用できる可能性があると述べています。
2. 相対的脂肪量(RFM)
相対的脂肪量(RFM) は、体脂肪率を推定するために次の3つの情報を用いて算出する、新たに開発された指標です。
- 身長(m)
- ウエストサイズ(胴囲)(m)
- 性別(女性=1、男性=0)
RFMの計算式
BRIに比べたら、普通の算数で計算できるので助かります(笑)
しかし、簡単に計算できてしまうためか、BRIのように自動計算してくれるサイトはまだ少ないようです(笑)
RFM で糖尿病リスク判定
中国の南方科技大学塩田病院(Southern University of Science and Technology Yantian Hospital)は、日本の朝日大学村上記念病院で実施された総合健診受診者1万5,462人の成人データを用いて、RFMと糖尿リスクとの関係を明らかにする後ろ向き研究を実施しています。
その結果、女性では、RFMと糖尿病リスクとの間に有意な正の相関がみられたものの、男性では有意な差はみられなかったことを報告しています。
糖尿病発症リスクが変化する変曲値は、女性でRFM 39.23、男性でRFM 23.08でした。
女性では、この値よりも低くても高くても糖尿病発症リスクが有意に上昇し、男性では、この値よりも高い場合にのみリスクが有意に上昇する(低い場合にはリスクに変化なし)ことが明らかにされました。
わたしも計算してみました
BRIの計算式は複雑ですが、ネット上には、簡単にBRIを計算してくれるサイトが存在しているので、それを使ってBRIを計算してみました。RFMは電卓で計算しました。
なななんと
BRI 1.4、RFM 35.19
上でお伝えした研究に従えば、わたしは、心疾患などで早く死ぬ確率が高く、糖尿病になる可能性も高いってことですね(怖)
死亡率を高める4つの要因
でも、高い死亡率と関係している理由として挙げられていた、低いBRIの次の4つの要因のどれにもわたしは当てはまりません。
- 栄養不良
- 疲労
- 運動耐容能の低下
- 筋萎縮
ここ数年間、健康診断で指摘される項目は特にありませんし、血糖値に関する指標も全て正常の範囲ですし、体の栄養状態を測るアルブミン値も正常範囲です。
糖尿病については微妙
実は、現在の身長と体重は、高校1年生の時とほぼ同じなんです。未熟児で生まれた時からずーーっと低体重のちびっこなので、これがわたしの「普通」なんです。そのことで大きな病気をしたことは今のところありません。
ただし、未熟児で生まれた子供は、成人期に生活習慣病を発症するリスクが高いことも別の研究によって明らかにされていることですから、今のところ、血糖値を指摘されたことはありませんが、糖尿病については引き続き注意していった方が良さそうですね。
標準BMIになった時が最悪
生まれた時から痩せすぎだったわたしですが、BMIが標準値20になった時期がありました。40代の時です。
中年太りでやっとで普通の人になれたと思ったのですが、その頃は、ストレス満載の仕事を抱えたサラリーマン時代で、食生活も乱れ、体調も悪く、慢性的な疲労や便秘があり、冷えも貧血もあり、アレルギーもありで、決して健康な状態ではありませんでした。
若い時より主観的健康は良好
それが、50代に入り統合食養学を学び、実践するようになると、食事制限など一切していないのに次第に体重が30代の頃(高校生の時と同じ)に戻っていきました。疲労感もなく、体調も良く、冷えも貧血も便秘もアレルギーもなくなりました。
風邪もひきませんし、コロナ禍の東京オリンピックでメディアのボランティアなんてしましたが、現在までコロナには一度もかかっていませんし、インフルにもかかりません。自覚する更年期症状もなく過ごしています。『還暦の健康診断は異常なし』をご参照ください。
体力や筋力についても、40代のサラリーマン時代には一気には登り切れなかった、地上と地下鉄を結ぶ目黒駅の階段も、今では、一気に楽々と登れます。また、怖くて下れないと避けていた目黒駅から恵比寿ガーデンプレイス裏へと向かう途中の坂道も今では普通に下れますし登れます(笑)。どうしてこの坂が怖かったのか不思議なくらいです。
ただ、加齢と共に筋肉が脂肪に代わっていっている(特に、お腹周り)という実感はあります(笑)それがBRIやRFMに反映されていないのは残念?ですが(笑)
BRIやRFMが標準を大きく下回っていたとしても、わたし的にはそれが通常運転ですし、快適なので、とりあえず問題なしと思うことにします(笑)
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
適正な体重と体脂肪率は、ひとそれぞれです。
標準値は、あくまでも目安(平均値)でしかありませんし、統計的な傾向はあくまでも傾向であって因果関係ではありません。
わたしは標準よりもかなり少なくて快適です。一方で、標準よりも多くて快適・健康という人もいるはずです。
標準値は意識しつつも、体の声に従う。健康診断の結果を見て判断する。
健康に何の問題もないのに、無理に痩せようとしたり、無理に太ろうとする必要はないと、わたしは思っています。
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
もしおひとりで取り組むことに不安や難しさを感じるのでしたら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?
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食事制限せずに体重を適正に保つ方法など学べますよ。
次回新学期は、3月です。講座でお会いしましょう。
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参考文献
- “Body Roundness Index and All-Cause Mortality Among US Adults.”, Zhang X, Ma N, Lin Q, Chen K, Zheng F, Wu J, Dong X, Niu W., JAMA Netw Open. 2024 Jun 3;7(6):e2415051. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2024.15051. Erratum in: JAMA Netw Open. 2024 Jul 1;7(7):e2426540. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2024.26540. PMID: 38837158; PMCID: PMC11154161.
- “Body Roundness Index Trajectories and the Incidence of Cardiovascular Disease: Evidence From the China Health and Retirement Longitudinal Study.”, Yang M, Liu J, Shen Q, Chen H, Liu Y, Wang N, Yang Z, Zhu X, Zhang S, Li X, Qian Y., J Am Heart Assoc. 2024 Oct;13(19):e034768. doi: 10.1161/JAHA.124.034768. Epub 2024 Sep 25. PMID: 39319466.
- “Non-linear relationship between relative fat mass and diabetes risk in Japanese adults: a retrospective cohort study.”, Xiao B, Cao C, Han Y, Hu H, He Y., Sci Rep. 2024 Oct 8;14(1):23496. doi: 10.1038/s41598-024-74635-7. PMID: 39379450; PMCID: PMC11461832.
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング