バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
ヨモギの学術分類と様々なヨモギ
2015年4月28日に『よもぎの成分が癌細胞を死滅』として、ワシントン大学等によるヨモギの成分であるアルテミシニンを使った研究をご紹介しました。
今回、フェイスブック経由で、Itoh Hiroki様より、とても貴重な情報提供がありましたので、ご紹介したいと思います。
ヨモギには多くの種類があり、ワシントン大学等が使用したヨモギは、日本で一般的なヨモギとは異なる種だということでした。
そこで、少し調べてみたのですが、ヨモギの学術上の分類は、下表の通りですが、確かに、ヨモギ属(アルテミシア属)に含まれるヨモギはたくさんありました。
日本に生息しているものだけでもこんなにありました。
日本に一番多く生息しているのは、表の一番上のヨモギ(アルテミシア・インディカ)です。
ワシントン大学が使用したヨモギは、オウカコウ(黄花蒿)と呼ばれ、この表中では、クソニンジン(糞人参、アルテミシア・アニュア・L)と、何とも不名誉な名前が付けられているヨモギです。
このヨモギは、漢方にも用いられるヨモギで、生薬になると青蒿(せいこう)という名称となります。
アルテミシニンはどのヨモギから抽出してもアルテミシン
重要なのは、ヨモギの種類ではなく、がん細胞を死滅させるアルテミシニンと呼ばれるヨモギ属に共通の成分ですから、この成分が入っていれば、どのヨモギでも構わないのではないでしょうか。
例えば、ビタミンCは、イチゴなら「あまおう」から摂っても「べにほっぺ」から摂ってもビタミンCです。更に、メロンから摂っても、サツマイモから摂っても、ブロッコリーから摂ってもビタミンCです。お野菜や果物の種類によって、ビタミンCの含有量は異なりますが、ビタミンCという成分は共通です。
そこで、ヨモギの種類の違いによるアルテミシニンの含有量の違いを調べた研究についても、情報の提供がありました。
ヨモギの種類別アルテミシニン含有量比較
註:表中英文のLSDというのは最小有意差法と呼ばれる統計手法のことですからご心配なくね(笑)。
これは、マレーシアの研究者がパキスタンで行った研究ですが、研究の目的として「オウカコウ以外のヨモギ属において、医薬品に加工する上で、十分なアルテミシニンの抽出が期待できるものを探すこと」が挙げられています。
オウカコウ(クソヨモギ)は漢方にも用いられるくらいですから、上のグラフ中、Aランクがつけられているくらい薬効成分のアルテミシニンが大量に含まれていることが分かります。日本の一般的なヨモギはF~Gランクですね。
でも、これはあくまでも効率的にアルテミシニンを工業的に抽出するためのランキングです。
がん治療に必要なアルテミシンの量は?
ワシントン大学のライ教授は、アルテミシニンの薬効は非常に強いので、動物実験では2mMolで約50%の白血病細胞を死滅させており、
「米国で市販されているアルテミシニンの
1錠分(100mg=0.1g)以上あるものを摂取すれば、
薬効が期待できる」
とのべています。(レクチャーの動画はこちら。およそ22:58頃に話されています)
上の表に照らすと、100gの日本の一般的な乾燥ヨモギには、約0.05gのアルテミシニンが含まれていることが判りますので、がん細胞の死滅には、オウカコウ(クソニンジン)だったら40gで済むところ、日本の一般的なヨモギだと200g食べなくてはならないことになります。
毎日、200gのヨモギを食べるのは簡単ではありませんし、調理中に失われる量など考慮して200gよりも少し多めだと安心かもしれません。
おひたし等にしてしまえばそれほどの量にはなりませんが、毎日となるとそれなりの努力が必要ですね。乾燥粉末などをスムージーに混ぜる等、様々なところに工夫して使う必要がありますね。
あるいは、漢方薬局で青蒿(せいこう)を処方していただく方が楽かもしれません。
がん予防とがん治療は違う
とはいえ、ライ博士がおっしゃっている量は、既にがんを発症している人に対して薬効が期待できる量です。
まだがんを発症していない人のがん予防には、これほどの量を毎日摂る必要はありませんよね?だから、「日本のヨモギは食べても無駄」と、いうことにはなりません。
日常的に私達が健康維持のために食事の中に無理なく執りいれるには、日本のヨモギで十分ではないかと感じます。
それに、がんでもないのに、むやみに大量に摂取することによる副作用も心配ですから、予防のためには、多ければ多い方が良いと考えるのは拙速です。(薬草や漢方薬に副作用がないと考えるのは誤りです。)
アルテミシニンは花に一番多い
この研究者は、花、葉、茎、根、それぞれの部位別の含有量も調べています。
結論としては、どのヨモギ属においても、アルテミシニンは花に一番多く、次に葉。茎と根にはほとんど無かったと述べています。
日本のヨモギを見てみると、乾燥した花100g中には約0.1g、乾燥した葉100g中には約0.05gとグラフ上見えますから、花は葉の2倍の量のアルテミシニンを含んでいることになりますね。
つまり、1日100gの花を食べれば、日本のヨモギでもアルテミシニン0.1gが達成できるわけです。
日本ではヨモギの花を食べる習慣がありませんが、花ごと食べる方がいいのかもしれませんね。
お店では葉の部分しか購入できないので、もしご自宅で栽培されている方は、是非、お花も天ぷらなどにして召し上がってみてください。
今回、とても貴重な情報提供をいただきました。感謝しています。
原因と結果は1対1ではない
私はホリスティック・ヘルスコーチですから、ヒトはホリスティクな存在だと認識しています。そのため、皆さんに気を付けていただきたいことがあります。
症状を解消することを目的としている西洋医学は、同じ症状には同じ治療を施します。その症状が起きた原因の多様性や個別性が考慮されることはあまりありません。
例えば、頭痛という症状に対して、西洋医学はその頭痛がなぜ起こっているかに関係なく、頭痛薬を処方します。
でも、ホリスティックなアプローチは、症状の原因にも着目します。人によって、その病気になった原因もそれぞれです。同じ病気・症状であっても、解決策が同じとは限りません。病気と原因は、1対1の関係にはありません。ですから解決策も1対1の関係にはないんです。
例えば、頭痛なら、頭痛がなぜ起こったのかに着目します。そしてその原因ごとに、どのような食事やライフスタイルの改善が適切かを考えます。
つまり、
誰でも
これだけしていれば、これだけ食べていれば
病気が治る/病気にならない
というようなものは存在しない
と、考えます。
個々人のバイオ個性を見ることが大切であると同時に、バイオ個性を形成する全体を見ることが大切です。
ある人にとっての薬も、ある人にとっては毒になることがある
と、考えます。
様々な方法の中から、ご自分に合う方法の組み合わせを見つけていただければ、そして、ソフィアウッズ・インスティテュートが提供する情報がそれを見つけるキッカケになれば、嬉しい限りです。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのご提案
がんと診断された後の手術までの期間や通院で抗がん剤治療を受けている方、あるいは、退院後の再発防止に取り組んでいるサバイバーの方で、毎日の食事に不安を感じている方は、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?
食事でがんを治すだなんて、ソフィアウッズ・インスティテュートは、そんな安請け合いはしません。しかし、どうせ三食は食べるのです。その食事が、がん治療や再発予防を後押しするものであるべきだと考えます。
私達は食べたものでできています。
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
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新学期は、毎年3月と9月です。講座でお会いしましょう。
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参考文献:
- “Survey of artemisinin production by diverse Artemisia species in northern Pakistan”, Mannan et al., Malaria Journal 2010 9:310
- “Scientists develop new cancer-killing compound from salad plant”, Rachel Tompa, October 13, 2008, University of Washington
- “Artemisinin Training Video Dr. Henry Lai“, April 28 2005, Bioegineering Department Seminar
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング