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バイオ個性で食べて健康と幸せを手に入れるホリスティック栄養学ヘルスコーチ

【クロム】クロムで痩せられるは嘘|糖尿病でない人が痩せる目的でサプリメントを摂るのは危険

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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クロムの食品摂取基準

1日成人 目安量10μg、限界量500μg

数値は、三価クロムの摂取基準です。

クロムの性質

クロムは、あまり馴染みのないミネラルかもしれませんね。

クロムには三価クロムと六価クロムがあります。

  • 食事から得られる自然界に存在するのは三価クロムです。
  • 六価クロムは三価クロムをアルカリ化することで工業用に造られるもので、強い刺激性がある毒物です。

三価クロムの正確な吸収率は判っていませんが、食事で摂取した大部分が尿中に排出されてしまうことが分かっていて、吸収率はあまり高くありません。一方で六価クロムの吸収率は三価クロムよりも高いことが分かっています。

ルビーとサファイア

クロムは私達にとっては必須ミネラルですが、宝石にとっても重要な役割を果たしています。

例えば、ルビーとサファイアはほとんど同じ成分でできていますが、クロムを含むとルビーに、鉄やチタンを含むとサファイアになります。

ルビーは、クロムの量が多いほど、赤くなるそうです。

クロムの機能

三価クロムの体内での詳細な機能については、まだ正確にわかっていません

最近では、クロムを必須栄養素とする根拠は乏しいとする考えが有力なようです。

でも、分かっているだけでもクロムはとても重要な役割を担ってくれています。

インスリンのサポート

クロムは、インスリンの働き助けブドウ糖の代謝に関与しています

インスリンは、すい臓のランゲルハンス島のβ細胞から分泌されるホルモンです。インスリンは細胞の受容体を活性化して、血液中のブドウ糖を細胞内に取り込ませます。そのことで細胞はブドウ糖をエネルギーとして活用できるようになり、血液中の糖が減り(血糖値が下がり)ます。

インスリンは、ブドウ糖(炭水化物)の代謝だけでなく、タンパク質や脂質の代謝にも関与しています。

そのため、クロムは生活習慣病予防に欠かせないミネラルということは判っているものの、具体的にどのような仕組みによってインスリンの働きを促進させているのかは、まだ判っていません。

他の栄養素との相互作用

クロムは、トランスフェリンと結合することが分かっています。

トランスフェリンは鉄を運搬するタンパク質です。クロムは体内に微量にしか存在せず吸収率も低いため、少なくとも2か月~3か月間の大量摂取では、鉄がトランスフェリンと結合することを妨げるまでに至らないことが確認されています。

一方で、鉄の過剰摂取においては、クロム不足を起こす可能性が示唆されています。

詳しい鉄の性質と機能については『鉄分はほとんど排出されないのになぜ不足しやすいのでしょうか』をご参照ください。

ビタミンC

ビタミンCがクロムの吸収率を高めることが確認されています。

クロムとビタミンCを同時に摂取した場合に、ビタミンCを取らなかった場合と比較し、血中のクロム濃度が高くなったことが報告されています。

ビタミンCの多い食品については『ビタミンCは多く摂れば摂るほど美容と免疫力がアップするの嘘と本当』をご参照ください。

炭水化物

複雑な炭水化物(玄米・全粒粉などの未精製穀類)の多い食事と比較し、単純な炭水化物(白米・白砂糖・白小麦など精白された穀類)の多い食事は、尿へのクロムの排出を増加させることが報告されています。

複雑な炭水化物の代謝よりも単純な炭水化物の代謝に多くのインスリンが分泌される必要があることと関係しているのではないかと考えられています。

クロムの欠乏

クロムはほぼ全ての食品に微量に含まれているため、また、私達の体も微量にしか必要としないため、普通に食事をしていて欠乏することは稀です。

欠乏する可能性のある人

持久系運動(マラソンなど)

持久系の運動をする人の、尿中へのクロムの排出量が多いことが報告されています。

持久系の運動には、より多くのクロムが必要であると考えられています。

無酸素運動(筋トレ/ウエイトトレーニング)

ウエイトトレーニングも尿中のクロムの排出量を増やすことが報告されています。

しかし、運動後はクロムの吸収率が増加することが判明し、運動後にバランスよく食事をすれば、体内のクロムの量は、ほとんど影響を受けないと考えられています。

クロムと病気との関係

インスリン抵抗性と心疾患

インスリン抵抗性を示している患者にクロムを補給させた研究の多くが、ブドウ糖の代謝を向上させ、中性脂肪などの脂質の状態を改善したことを報告しています。また脂質異常症の患者にクロムを補給させた研究においても、同様に血中のコレステロールなどの脂質の状態が改善したことが報告されています。

II型糖尿病

健常者と比較し、II型糖尿病の患者では、尿中へのクロムの排出率が高いこと、糖尿病になって2年以上経過している場合には、特にクロムの排出量が増えることが判っています。

また、大用量のクロムのサプリメント(ピコリン酸クロム)を数か月摂取した糖尿病患者で血糖値が改善したことが報告されています。

健常者のクロムの追加補給に効果なし

糖尿病や脂質異常症ではない人が、追加的にクロムを摂取しても、次の指標に何も変化が起きないことが報告されています。

  • ブドウ糖の代謝
  • インスリンの濃度
  • 血中コレステロールの値

また、健康な人が、追加的にクロムを摂取しても次の様な健康効果は表れないことも判っています。

  • 体脂肪率の減少
  • 筋肉量の増加
  • 体重の減少

クロムを補給することでメリットが得られるのは糖尿病か脂質異常症の人だけです。クロムで痩せられるという情報は嘘です。嘘だけでなく副作用も伴いますからお勧めできません。

クロムを多く含む食品

食品に含まれているクロムの量は変動が大きく、正確に測定されている食品はあまり多くないとのことですが、厚生労働省の食品成分表に基づいて上のランキングを作成しています。

この他にも、野菜では、ホウレン草やトマトに多く含まれています

また、ショ糖や果糖などの単糖だけでできている白い砂糖を多く含む食品は、クロムが少ないだけでなく、クロムの損失を促進することが判っています。

サプリメント

三価クロムは、次の様な形態で、サプリメントとして購入できます。

  • 塩化クロム
  • ニコチン酸クロム
  • ピコリン酸クロム
  • 高クロム酵母

ニコチン酸クロムとピコリン酸クロムは、体内での生物学的利用性が高いことが判っています。つまり吸収されやすいということです。

過剰摂取による副作用

三価クロムが人体に有害だというエビデンスはほとんどありません。特に、食品から三価クロムを過剰に摂取した場合においては、副作用の報告はありません

腎不全/肝機能障害

しかし、サプリメントの中でもピコリン酸クロムを過剰摂取した場合にはいくつかの薬害報告があります。

  • 1日600μgを6週間摂取した5ヶ月後に、腎不全
  • 1日1,200μg~2,400μgを 4~5ヶ月間服用した後に、腎不全と肝機能障害
  • 2週間の摂取で可逆性の急性腎不全

などです。

以前、クロムで体重が減るという噂が流れましたが、上記した通り、クロムは病気でない人の体重を減らすことはありませんし、クロム不足でない人がサプリメントでクロムを摂取すると、腎臓や肝臓を傷める危険性がありますので、むやみにダイエット目的で服用することはお勧めできません。

また、試験管試験による細胞培養の研究では、ピコリン酸クロムがDNAの損傷を増大させる可能性が示唆されています。

六価クロムは毒

六価クロムは、過剰に摂取すると、腎臓、脾臓、肝臓、肺、骨に蓄積し、毒性を発する、発がん性物質です。例えば、六価クロムを含むホコリを吸い込むと肺がんの発生リスクが上昇し、皮膚炎が起こります。

医薬品との相互作用

ヒトを対象とした研究が行われていないため、ヒトでも同様のことが起こるとは断定できませんが、マウスを使った研究では次のことが観察されています。

  • 制酸剤(炭酸カルシウム、水酸化マグネシウムなど)は、クロムの吸収を阻害する
  • NSAIDs/非ステロイド系抗炎症薬(アスピリン、インドメタシンなど)は、クロムの吸収を促進する

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

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公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

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ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング

Author: Chise

森智世(もりちせ) | 公認 統合食養ヘルスコーチ(Certified Integrative Nutrition Health Coach) / ソフィアウッズ・インスティテュート代表 / 米国代替医療協会(AADP) 公認ホリスティック・ヘルスコーチ / 女子栄養大学 食生活指導士 / 国際ヘルスコーチ協会 公認国際ヘルスコーチ/ 経営学修士(MBA)| ひとりひとりのバイオ個性に着目したポストモダンでホリスティックな食事法を推奨し、マインド・ボディ・コネクション(心と体のつながり)を食を通して実現します。また、私達を取り巻くすべての環境 - 人間関係、仕事などの社会環境、自然環境、体内環境(マイクロバイオーム) - を考慮するボディ・エコロジストです。長期に渡り過ごした米国やヨーロッパの情報も、判りやすく解説を入れて配信していきます。厚生労働省「健康寿命をのばそう」プロジェクトメンバー / 目黒区男女平等共同参画審議会委員 / 日経ウーマンオンライン連載コラム『ホリスティック美女講座』執筆。食事法や健康などご相談のある方やヘルスコーチングを受けてみたい方は初回コンサルテーション(無料)にお申し込みくださいね!

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