
バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
ギーって何?
ここ数年の間に、新しい健康食品としてギーが日本のヘルシー市場に登場しました。
更にココナッツオイルブームにのって、ココナッツオイルから造られた植物性ギーなるものまで登場しています。
そんな折、チョプラセンターのアーユルヴェーダ(インド伝統医療)専門医のシーラ・パテル医師(現代医療の医師でもある)がギーについて質問に答えていらっしゃいました。
ちなみに、チョプラセンターとは、世界で最も有名なアーユルヴェーダ専門医のディパック・チョプラ先生が運営されている施設です。そして、チョプラ先生は、わたしが資格を取得した統合食養学の学校の講師でもあります。
パテル先生は、ギーは、あまり気安く使ってはいけない食品であることを説明されています。今回はパテル先生のお話を基に、ギーについてお伝えすることにします。

ギー(浄化バター)は、ミルクを低温で煮詰めて作ります。
インド周辺の西アジア地域では牛の乳を使うことが多いですが、中東やアフリカでは、伝統的に山羊や羊のミルクが使われます。
作り方は同じです。
- ミルクを低温で加熱し水分を蒸発させる
- 乳脂肪が液状部分と固形部分(タンパク質と糖質)に分離
- 固形部分を取り除き、残った透明な液状の油(室温で固まる)がギー
水分がほとんど抜けていますので、常温での保存が可能です。
ミルク(乳)を発酵させてから加熱することもあるそうです。成分の異なるギーになります。
ギーの栄養価と成分

厚生労働省の食品データベースにも、米国農務省(USDA)のデータベースにも、ギーの登録がありません。そのため、ギーの栄養価や成分に関する公的な数値は不明です。
米国農務省(USDA)のデータベースには複数のギー製品は、登録がありました。しかし、メーカーによって含有成分の種類と量に大きなばらつきがあり驚きました。
ただ、独立した生化学の研究によって、ギーには次の脂肪酸が含まれていることが判っています。
- コレステロール
- 飽和脂肪酸
- 不飽和脂肪酸
パテル先生もギーには、次の不飽和脂肪酸が含まれているとおっしゃっていますが、その含有率や量は製品ごとに大きく異なります。
- オメガ3
- オメガ9
- 共益リノール酸(オメガ3と類似した挙動をもつオメガ6)
また、パテル先生は、次の脂溶性ビタミンとカルシウムが含まれているとおっしゃっていますが、これについても、USDAに登録されている製品データを見ると、ビタミン・ネラルを全く含んでいない製品の方が圧倒的に多く、製品選びが難しい食品であることが判ります。
- ビタミンA
- ビタミンD
- ビタミンE
- ビタミンK
少なくとも米国で一般的に販売されているギーにはビタミンやミネラルは含まれていないと考えた方が良いでしょう。
伝統製法で造られているかどうかが、栄養価や成分の有無に、重要な違いを生む食品だと言えます。
ギーの健康効果

ギーの健康効果については、医学的にも栄養学的にも議論が多く、もっと多くの科学的な裏付けが必要だとパテル先生は述べています。確かに、Pub Med で検索してもあまり多くの信頼に足る論文は出てきません。
ギーは心臓に良いのか悪いのか
1. 適切な製造方法で造られたギー
適切な製法で造られたギーを適量食べることで、高脂血症が改善したと報告している研究があります。
これは、ギーに含まれている脂肪酸が肝臓での胆汁酸の分泌を促し、悪玉コレステロールの排出に寄与しているからではないかとパテル先生は述べています。
また、肝臓の酸化コレステロールを減少させたと報告している研究もあるとのことです。
実際に、インドでは、日々の家庭料理にギーが伝統的に何百年も用いられていますが、「心疾患リスクが上昇し始めたのは近年になってから」だとパテル先生は説明します。
2. 高温で素早く大量生産されたギー
近年、インドで心疾患リスクが上昇している理由のひとつには、高温で大量生産されたギーによる影響があると考えているようです。
高温で造られたギーには酸化コレステロールが多く含まれています。それが心疾患リスクを上昇させる原因になっていると考えられているようです。
3. 植物原料で造られたギー
また、大量に高温製造されたギーの酸化コレステロールだけが心疾患リスク上昇の原因ではなく、植物性のギーの出現も大きいとパテル先生は述べています。
動物性のミルクを用いず、ココナッツオイルやパーム油などの植物油脂から造られるギーは、乳製品を避ける(デイリーフリーの)動きやヴィーガンの増加、あるいは、ココナッツオイル人気から、ヘルシーなイメージでとらえられることが多く、近年人気の製品です。
しかし、実際のところは、非常に多くのトランス脂肪酸を含んでいることが報告されているとパテル先生は述べています。
この植物性ギー(ココナッツオイルのギーなど)を日常的に食べている人の心疾患リスクが上昇傾向にあると考えられています。
常識的に考えても植物油を長時間加熱して良いわけがありませんね・・。
ココナッツオイルについては『キッチンの主役にすべきオイルはどっち?:オリーブオイル?ココナッツオイル?』もご参照ください。
ギーで痩せられるのか
体重への影響について、適量のギーを用いた研究が存在しません。
そのため、ギーの体重への影響については、何とも言えないとパテル先生はおっしゃっています。
どんなにヘルシーなものも、食べ過ぎれば健康に良くないことは当然ですから、何事においてもほどほどが大切ではないでしょうか。
ギーの選び方

今までの話を総合すると、次の基準で商品選びをすることが重要です。
- オーガニック&グラスフェッドのミルク(牛・羊・山羊)を原料としている
- 植物性原料(ココナッツオイルやパーム油)ではない
- 低温加熱している
そして、裏の成分表を読んで、ビタミンやミネラルが残っていることを確かめてから購入することが賢明であろうと思います。
アーユルヴェーダ(インド伝統医療)からの見解

アーユルヴェーダでは、そして統合食養学も、次のようなアプローチをもっています。
1. 意図と適量
特定の意図をもって、適切な量を用いれば、どんな食品にも健康効果があると考えます。
何事も摂り過ぎたり、特に体質に合わなければ、体のバランスを壊すのは仕方のないことです。
日本には「過ぎたるは及ばざるがごとし」という素晴らしい諺がありますね。
2. 食品の機能/性質
食品の機能/性質に着目することで、いつ、どのくらいの量を食事で摂るべきかがわかると考えます。
パテル先生は、ギーはまさしくその典型のような食品だとおっしゃっています。
「意図をもって適切に用いることでギーは薬となりえますが
誤った使い方をすれば毒にしかなりません。」
アーユルヴェーダにおけるギーの性質
アーユルヴェーダでは、ギーは次の性質をもつ食品だと考えられています
1. 生殖と免疫機能
ギーを食べることで、次の性質を肉体に取り込むことができると考えられています。
- 甘味
- 地と水の性質
- 重く、厚く、油っぽく、柔らかくてなめらか
- 体を冷やす作用がある
具体的には、ギーは体を柔らかく保湿し滑らかにし、また、生殖器と免疫機能を強くすると考えられています。
2. ドーシャ
ドーシャ(体質)ごとの、ギーの適切な食べ方は次の通りです。
- ヴァータ体質とピッタ体質|適量食べることで、体をバランスする
- カッパ体質|避けるか、微量に留める
なお、アーユルヴェーダのドーシャについては専門の書籍などをご参照ください。
ソフィアウッズ・インスティテュートではヘルスコーチ養成コースでアーユルヴェーダの基本的なアプローチについてカバーしています。
ギーの使い方

1. 薬として
アーユルヴェーダでは、ギーは、食品としてだけでなく、次の薬としても使用します。
- 特殊なハーブ(ghritam)を混ぜる飲み薬
- 目・耳・鼻の塗り薬
2. ギーの適量
食事として食べるのであれば、次の量が原則基準となります。
1日に小さじ1杯~3杯まで
しかし、量はひとりひとりの体質(ドーシャ)、家族の既往歴や遺伝子構成によって変更すべきものです。
統合食養学的に言えば、バイオ個性に沿って決めることが大切です。
3. 短期間のデトックス
ギーに多く含まれている飽和脂肪酸は、脂溶性の有害物質と結びつきやすく、また、肝臓での胆汁酸の分泌を促します。
そのことで体内の排毒作用が促進されるため、短期間のデトックスを目的とするのであれば、ギーを積極的に摂る方法は効果的と考えられています。
ただし、デトックス以外の目的で多量に食べることは推奨できません。しかも短期間に限られます。
4. 毒になる食べ方
アーユルヴェーダのアートレーヤ学派の医学書『チャラカ・サンヒター』には、次のように記載されています。
「ギーとハチミツを同量の配分で混ぜ合わせたものは
健康にとって有害となる」
それを検証しようとしたマウスを使った研究がありました。
マウスを次の4つのグループに分け、60日後の変化を観察しています。
- ギーとハチミツのどちらも与えないグループ
- ギー(100g)だけ与えるグループ
- ハチミツ(100g)だけ与えるグループ
- ギーとハチミツを同量(100gずつ)与えるグループ
結果、ギーとハチミツを一緒に食べたグループでのみ次の指標の悪化が観察されました。
- インクレチン、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)と胃酸分泌抑制ホルモン(GIP)の減少
- AGEs(終末糖化産物)とジペプチジルペプチダーゼ-4 (DPP-4)の増加
- インクレチン|血糖改善作用のある消化管ホルモン
- GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)|インスリン分泌を介した血糖降下作用のある消化管ホルモン
- GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)|インスリン分泌を介した血糖降下作用のある消化管ホルモン
- DPP-4(ジペプチジルペプチダーゼ-4)|インクレチン、GLP-1、GIPの分解酵素
つまり、2か月で、糖尿病になりかけたということです。
実験用マウスの寿命は約4年ですから、それを寿命80年の人間に当てはめてみると、あくまでも単純計算ですが、マウスの60日間は、人間の約3年間に相当します。あくまでも算数上ですが、3年間食べ続けると糖尿病になりかけてもおかしくないということでしょうか。もしかしたらもっと早いかもしれませんが・・。
余談:この論文は英語で書かれているのですが、専門用語の誤りが多くあり、本当に信頼できる研究なのか、単に英語を外国語とする研究者の語学力の問題なのか、疑問が残る研究論文でした。
どちらにしても、どーしてもギーとハチミツを混ぜなければいけない理由や目的が無い限り、止めておいた方が良さそうです。。
さて、ギーについて正しく理解し、適切に活用するために、この情報がお役に立てていれば嬉しいです。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
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参考文献:
- “Ask Dr. Sheila: Is Ghee Really Beneficial?”, Sheila Patel, MD, March 05, 2021, Chopra Center
- “Toxicity profile of honey and ghee, when taken together in equal ratio”, Prerana Aditi, Shivani Srivastava, Harsh Pandey, Yamini Bhusan Tripathi, Toxicol Rep, 2020 Apr 22;7:624-636. doi: 10.1016/j.toxrep.2020.04.002. eCollection 2020, PMID: 32455119 PMCID: PMC7235625
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング


