
バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
心と体をつなぐホリスティックな食事法について、
ニュースレター登録者限定のキャンペーン情報等も配信しています。
ご登録は、こちらから
もれなく統合食養学(ホリスティック栄養学)冊子が無料ダウンロードできます
目次
アメリカで始まった施術
アメリカで始まった、IV(アイヴィ)ドリップと呼ばれる治療法?美容法?が日本でも数年前から美容や健康意識の高い人たちの間で人気になっています。
ハリウッド・セレブや有名歌手などが美容や健康のために行っていると報じられたことで、瞬く間に広まり、今やニューヨークやロスアンジェルスなどには、ドリップ・バーなるサロンまであります。
米国では、既に、150億ドル(1ドル152円換算で約2兆2800億円)規模の市場に成長していると米国医療スパ協会が報告しています。
アイヴィドリップとは
IV(アイヴィ)ドリップの「ドリップ」とは、点滴のことです。
そして、「アイヴィ」とは、静脈のことです。つまり、IVドリップは、静脈への点滴を意味します。
「IVハイドレーション」と呼ばれることもあるようです。「ハイドレーション」は水分補給という意味です。アイヴィ・ハイドレーションは、静脈から直接水分や栄養などを補給する行為を指します。
何の目的で行われるの?
水分やビタミンやミネラルなどを、静脈への直接点滴することから、次の効果があると謳われています。
- 栄養補給
- 美容(肌質・髪質)向上
- デトックス
- 二日酔い改善
- 免疫力向上
- など
目的に応じてさまざまな栄養素や電解質(ミネラル成分)をブレンドした液体が点滴されます。
点滴によって補給されるため、サプリメントを飲むよりも、ものすごく効いているような気分になることも人気の理由のようです。
でも、こうした方法には、実際に効果があるのでしょうか?
本当に効果はあるのか?

結論から言えば、あなたの期待は裏切られる可能性は高いです。
健康的な食品、栄養、公衆衛生に関する政策を推進する非営利組織である米国の「公益科学センター(Center for Science in the Public Interest)」は、米国でIVハイドレーションを提供している255施設のウェブサイト分析と87施設への覆面調査を行った結果を「JAMA Internal Medicine(アメリカ医師会学術誌 – 臨床内科)」に2025年10月、次のように発表しています。
「IVハイドレーションは、
その効果を裏付ける医学的エビデンスが
ほとんどないままに提供されている」
ビタミンCのIVドリップ

例えば、IVドリップの中でも人気のビタミンCの点滴について解説します。
血液中のビタミンCの濃度は、一定になるように保たれています。飽和状態(0.1ミリモル)になると、追加のビタミンCは腸で吸収されなくなり、尿へ排出されます。
しかし、静脈注射(IVドリップ)を用いれば、腸内吸収をスキップできるので、高用量のビタミンCを血液中に投与することができ、血液中の濃度を0.3~20ミリモルまで上昇させることができます。
1. ビタミンCの効果は数時間
しかし、この方法を用いても、血液中のビタミンC濃度は一定になるように保たれているので、ビタミンCは数時間以内に腎臓によって排出され、正常範囲に戻されます。
つまり、高濃度のビタミンCの効果は、ほんの数時間だけです。継続的な美容効果にも免疫力向上にもなりません。
単に、腎臓に余分な負担をかけるだけです。
2. 過剰なビタミンCの影響

そして、過剰摂取による副作用がないわけではありません。
確かにビタミンCは水溶性ビタミンですから、上述したように過剰になれば尿と一緒に排出されます。
しかし、その過程で次のような不調を起こすことが知られています。
- 吐き気
- 下痢
- 腹痛
- など
詳しいビタミンCの機能については「ビタミンC」をご確認ください。
ビタミンとミネラル補給の原則
ビタミンCだけでなく、その他のビタミンやミネラルを補給する際の基本原則は、「不足させないこと」です。
ビタミンとミネラルは、不足するとさまざまな疾患の原因となりますが、追加的に多く摂ったからといって追加的な効果が得られるものではありません。
しかも、多くのビタミンとミネラルには、限界容量が定められています。多量摂取によって重篤な副作用を起こすことが明らかにされているものも多いのです。
また、ビタミンやミネラル以外の成分、例えば、さまざまなポリフェノールやフラボノイドなどのように、健康効果があると考えられている物質や成分の多くは、まだ限界容量が検証されていません。
多く摂れば摂るほど効果があるのかが不明なだけでなく、安全かどうかも不明なんです。
食品表示法の抜け穴

日本の法律上、サプリメントを含む「健康食品」の効果や機能は、誰からも何からも検証される必要もなく、その効果を謳って販売できます。
唯一、国が審査をしているのは、「医薬品」と「特定保健用食品」だけです。
1. 食品表示法第七条
消費者の多くは、確かな根拠があるから効果を表示したり宣伝したりしているのだと、国がしっかりと管理してくれているのだと思っています。
でも、国は、食品表示法の第七条を規定しているだけです。
食品表示法第七条は、全ての健康食品や製品に次の一文を記載することを定めています。
「消費者庁長官の個別の審査を受けたものではない」
つまり、「国に責任がないことを明記するなら、お好きにやっていただいて構いませんよ。」ということです。
あなたは、サプリメントや健康食品のパッケージの裏側に小さく印字されているこの文字に気づいていましたか?
気づいていない人がほとんどではないでしょうか。
気づかずに、宣伝広告を信じて購入した消費者が悪いという法律です。

2. 機能性表示食品
「機能性表示食品」は、消費者庁に届け出さえすれば、特定の機能があることを表示できます。
届け出るだけでOKです。
消費者庁は、内容の確認も検証も審査もしません。本当にそんな機能がその食品や製品にあるかどうかは、製造者と神のみぞ知るところです。
だって、「消費者庁長官の個別の審査を受けたものではない」と記載しておけばいいんですから。
3. 栄養機能食品
「栄養機能食品」についても同じです。自己認証のみによって、栄養機能があることを表示できます。第三者からの検証を必要としません。
「自社の研究によって効果があることが判明しました」
という宣伝を聞いたことがありませんか?
つまり、外部の誰も、消費者庁も、それが本当かどうかなんて調査や検証はしていませんし、する義務も必要もないというのが現行の法律です。
「言ったもの勝ち」です。
だって、「消費者庁長官の個別の審査を受けたものではない」と記載しておけばいいんですから。
本当に効果があることはスローで面倒なこと

スーパーフードを含むすべての食品とサプリメントについて同じことが言えます。
過ぎたるは及ばざるがごとし
どんなに良いものも多ければ多いほど良いわけではありません。
美容と健康にとって本当に効果のあるものは、点滴でも、サプリメントでも、特定の食品でもなく、食事です。
1. 体はホリスティック

あなたの体は、ホリスティックにできています。
蜘蛛の巣と同じです。
蜘蛛の巣の糸を一本ひっぱったら、蜘蛛の巣はどうなると思いますか?その一本だけがスルスルと抜けると思いますか?いいえ、そんなことは起こりません。
蜘蛛の巣の糸を一本ひっぱったら、蜘蛛の巣全体が動きます。
あなたの体も同じです。
体は複雑に繊細に蜘蛛の巣のネットワークのように関連し合っています。そのネットワークは、現在の科学をもってしても全てが解き明かされていないくらいに複雑です。
何かひとつだけの栄養成分を過剰に大量に体に入れたら、あなたが考えている以上に、あなたの体全体に想定外の影響を起こします。それは必ずしも良いものではありません。
国からも何からも検証も承認もされていない「メーカー発表」だけの、「1日〇〇錠が効果的」とか「1日〇〇mgの服用を推奨」に安心や信頼を置いてはいけないのです。
だって、「消費者庁長官の個別の審査を受けたものではない」と記載しておけばいいんですから。
2. スローで丁寧な生活以上の薬はない

結論から言えば、あなたのバイオ個性に沿ってバランスのとれた食事をすることが最も効果的です。
きっと耳にタコができるくらい聞いたことのあることです。
- バランスの良い食事
- 定期的な運動
- 禁煙
- ほどほどの飲酒
- 十分な睡眠
- 適度な日光浴
- ストレスマネジメント
自然食品をバランスよく食べてあげれば、あなたの体は必要なものと必要でないものを自ら選択して必要な分だけ吸収し、それを必要としている個所へ届け活用します。
あなたがわざわざ特定の栄養素を厳選して、それだけを大量に与えなくても、体は自分にとって必要なものと必要な量を知っています。
体は、ある意味、あなたよりも自分のことをよく知っています。
アイヴィドリップもサプリメントも、てっとりばやくて効果がありそうな雰囲気ですが、長い目でみて、申し訳ありませんが、上に記載したスローで面倒な規則正しい生活以上の効果はありません。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

もしおひとりで取り組むことに不安や難しさを感じるのでしたら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
プライベート・ヘルスコーチング・プログラムについて
お気軽にご相談ください。
初回相談を無料でお受けしています。
あるいは、ソフィアウッズ・インスティテュートのマインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースで学びませんか?セルフドクターコースでは、あなたが食を通してご自身の主治医(セルフドクター)になるために、必要な知識とスキルを学びます。
新学期は、毎年3月と9月です。講座でお会いしましょう。

心と体をつないで健康と幸せを手に入れる
ニュースレターのご登録は、こちらから
統合食養学(ホリスティック栄養学)冊子が無料ダウンロードできます
参考文献
- “Drip bar: Should you get an IV on demand?”, Robert H. Shmerling, November 3, 2020, Harvard Health Publishing
- “Immune boosts or busts? From IV drips and detoxes to superfoods”, Robert H. Shmerling, September 11, 2023, Harvard Health Publishing
- “State Policies and Facility Practices of IV Hydration Spas in the US.”, Sivakumar A, Forman HP, Wang I, Lurie P, Ross JS., JAMA Intern Med. Published online October 06, 2025. doi:10.1001/jamainternmed.2025.5028
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング


