アイヴィドリップは免疫機能を高めるのか?免疫力を高めるためにすべきこと

2023/10/24/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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感染症に終わりはない

パンデミックの頃から比べたら、コロナウイルスもかなり落ち着き、普通の生活が戻ってきました。

でも、寒くなればインフルエンザが繰り返すことは予測の範囲ですし、アデノウィルス感染症やパルボウイルス(りんご病)やエンテロウイルス(手足口病)など、次から次へと流行が繰り返されることも想定内です。

そんな状況の中、免疫力をアップさせると謳った製品に魅力を感じる人は少なくないのはないでしょうか。「自然免疫を高める」とか、「免疫力を高める成分を配合して免疫力の向上を促し免疫機能を助ける」などと宣伝してる製品です。こうしたメッセージは、特に、パンデミックを経験した後の私たちにとって、非常に魅力的です。

免疫力を高めると謳うアイヴィドリップ

免疫力を高めると謳っている製品や方法には、さまざまなものがあります。サプリメントやスーパーフードだけでなく、ファスティング/クレンス。

最近のアメリカでは、IV(アイヴィ)ドリップと呼ばれる方法が流行っているようです。

IVドリップとは、点滴のことです。アイヴィとは、静脈注射という意味の英語の頭文字で、ドリップは、ドリップコーヒーと同じ意味のドリップ、つまり、点滴です。

次のような不調の改善や状態の向上を目的に人気が集まっています。

  • 二日酔いの解消
  • 脱水症状の改善
  • 食中毒改善
  • 時差ぼけ解消
  • 美容(肌・髪の状態)向上
  • 免疫力向上

目的に応じてさまざまな栄養素や電解質(ミネラル成分)をブレンドした液体を点滴します。ハリウッド・セレブや有名歌手などが美容のために行っていることが報じられると、瞬く間に広まり、今やニューヨークやロスアンジェルスなどには、ドリップ・バーなるサロンまであるそうです。

でも、こうした製品や方法は、実際に免疫機能を向上できるのでしょうか?

本当に効果はあるのか?

結論から言えば、さまざまな口調で免疫力向上を謳っている製品の多くは、あなたの期待を裏切る可能性が高いです。その理由は次の通りです。

ビタミンCのサプリメント

例えば、免疫力を向上させるというビタミンCのサプリメント

血液中のビタミンCの濃度は、一定になるように保たれています。飽和状態(0.1ミリモル)になると、追加のビタミンCは腸で吸収されなくなり、尿へ排出されます。そのため、ビタミンCを口から大量に摂取しても、血液中のビタミンCの濃度が0.22ミリモルを超えることはありません

ビタミンCが不足している人にとっては、サプリメントを服用することで、免疫力を回復できるかもしれませんが、健康な人がいくら多く摂っても免疫力は、それ以上に高まることは無いのです。多くの研究によってこのことは裏付けられています。

その他の免疫力向上を謳った成分の多くが、せいぜいマウスの実験しか行われておらず、ヒトを対象とした研究が行われていません。ヒトを対象とした研究が行われているものでも、多くが胃酸で分解されてしまったり、腸内で吸収されなかったりするものばかりです。

ビタミンCのIVドリップ

また、静脈注射(IVドリップ)を用いれば、腸内吸収をスキップできるので、高用量のビタミンCを血液中に投与することができます。そのため血液中の濃度を0.3~20ミリモルまで上昇させることができます。

でもこの方法を用いても、ビタミンCは数時間以内に腎臓によって排出されてしまうので、血液中のビタミンC濃度は正常範囲に戻されてしまいます。高濃度のビタミンCの効果は、ほんの数時間だけですから、継続的な免疫力向上にはなりません。

それだけでなく、体に溜まった過剰なビタミンCには、次のような不調を起こします。

  • 吐き気
  • 下痢
  • 腹痛

サプリメントやIVドリップで、ビタミンCを多く摂っても、免疫力がアップするわけではないのです。詳しいビタミンCの機能については「ビタミンC」をご確認ください。

その他のビタミンやミネラルにも、限界容量があり多量摂取による重篤な副作用が報告されているものもあります。

基本的にビタミンとミネラルは、必要量以上に摂ったからといって、追加的な効果が得れると考えるのではなく、不足させないことの方が大切なのです。

また、ビタミン・ミネラル以外の成分については、限界容量が検証されていないものが圧倒的に多いため、いつ過剰摂取になるかも分らないものばかりです。どんなに良いものも多ければ良いわけではないことを知りましょう。

食品表示法の抜け穴

日本の法律上、サプリメントを含む「健康食品」の効果や機能は、誰の何の検証を受けなくても、その効果を謳って販売できます。唯一、国が審査をしているのは、「医薬品」と「特定保健用食品」だけです。

機能性表示食品

「機能性表示食品」は、消費者庁に届け出さえすれば、特定の機能があることを表示できます。消費者庁は、確認も検証も審査もしません。本当にそんな機能がその食品や製品にあるかどうかは、製造者と神のみぞ知るところです。

栄養機能食品

「栄養機能食品」についても同じです。自己認証のみによって、栄養機能があることを表示できます。第三者からの検証を必要としないのです。

「自社の研究によって効果があることが判明しました」

という宣伝を聞いたことがありませんか?外部の誰もそれが本当かどうかなんて調査はしないし、法律上も、しなくても良いんです。

食品表示法第七条

消費者の多くは、ちゃんと根拠があるから効果を表示したり宣伝したりしているのだと、ちゃんと国が管理してくれているのだと思っていますが、国は、食品表示法の第七条を規定しているだけです。

食品表示法第七条は、全ての健康食品や製品に次の一文を記載することを定めています。

消費者庁長官の個別の審査を受けたものではない

ね?「安全性や効果について、国は知らないからね」と言っています。

でも、サプリメントや健康食品のパッケージの裏側やボトルの反対側に小さく記載されているこの文字に気づいたことがある人がいったいどれくらいいらっしゃるでしょうか。

気づかず、宣伝広告を信じた消費者が悪いということなのでしょうか。

だから、美辞麗句で免疫力向上を謳っている製品の多くは、「機能性食品」とか「栄養機能性食品」とか書かれていても、あなたの期待を裏切る可能性は、非常に高いのです。だって、国は「知らんし」と言っているのですから(笑)

結局何をしたら良いのか

スーパーフードを含むすべての食品についても同じことが言えます。

このブログでも、今まで、免疫力向上に役に立つ多くの食品についてお伝えしてきましたが、じゃぁ、その食品だけを毎日毎食食べていれば、免疫力が高くなるかと言えば、それはNOです。

重要なのは、食品ではなく、食事です。

免疫力を向上させる一つの食品はない

今までに免疫力を高めることが報告されている食品あるいは栄養成分を含む食品は、次のようなものです。

  • ナッツ類&シーズ類
  • 柑橘類
  • アブラナ科の野菜
  • 濃い緑色の野菜
  • ニンニクなどのネギ類
  • 豆類
  • 全粒穀類
  • 魚介類
  • 海藻類
  • キノコ類
  • ハーブ類

つまり、結局は、満遍なく多様な自然食品をバランスよく食べること、です。

難しいことでも、新しい製品でも、スーパーフードでもありません。

スローで丁寧な生活以上の薬はない

あなたのバイオ個性に沿ってバランスのとれた食事をすることが最も重要です。

その食事の中に、あなたのバイオ個性が求める機能を高くもっている食品を加えたり、あなたの健康を損なう可能性のある食品を減らしたりすることが重要なんです。

あなたの健康にとって良い食事は、あなたの免疫機能にとっても当然良いものです。

今までも耳にタコができるくらい聞いたことのあることです。

  • バランスの良い食事
  • 定期的な運動
  • 禁煙
  • 飲酒はほどほどに
  • 十分な睡眠
  • 適度な日光浴
  • ストレスマネジメント
  • 帰宅したら手洗いとうがい

口にポンっと放り込めばすべてを解決してくれるような魔法のサプリメントや食品はありません。

あったらどんなに便利で簡単だろうかと考える人が多いから、怪しい製品や食品に人気が集まるのでしょうね。

でも、残念なことに、健康は

「急がば回れ」

です。

スローなライフスタイル、丁寧に暮らすこと、それが、心と体の両方の免疫力を高めてくれる一番の近道なんです。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

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