
バイオ個性で食べる、心と体をつなぎ、ホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
あなたの知らないジュースとスムージー
ジュースもスムージーもヘルシーな飲み物として認知度を獲得してきましたね。
野菜や果物のジュースやスムージーのレシピがいたるところで見られるようになりましたし、朝食をスムージーやジュースだけにしているという人の話も多く聞かれるようになりました。
でも、食事をジュースやスムージーに置き換えてしまうことは、とても危険な行為なんですよ。
このブログ記事は、2013年8月20日に初めて執筆したものです。その後、最新の研究が発表されるたびに、その最新情報を反映して更新しています。
今回も、10年以上も前から科学的/医学的に明らかにされている、ジュースに関する怖~いお話とスムージーには正しい飲み方があるというお話を最新情報を交えてお伝えします。
なお、裏付けとなっている研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています。
ジュースの真実

使用機器: ジューサー
ジューサーは、野菜や果物から食物繊維や固形物を取り除き、栄養素と果汁だけを搾り出す調理器具です。
比較的高価な調理器具で、しかも、毎回、隅から隅まできっちりと洗浄しないと直ぐにサビてしまうメンテナンスが大変な器械です。
1. 消化を必要としない
食物繊維を取り除くため、大量の野菜や果物の栄養素をたった一杯のコップに詰め込むことができます。
食物繊維も固形物も取り除かれているので、胃による消化をほとんど必要せず、抽出された栄養素がそのまま小腸で吸収されます。
そのため、病気などで胃腸による消化吸収が衰えている時や、歯や口腔内の病気で咀嚼が困難な時などの栄養補給に適しています。
2. 満腹感がない
一方で、胃による消化をほとんど必要としないため、満腹感が得られません。あったとしても長続きしません。
そのため、朝食にジュースだけを飲んだ場合、昼食までの間に空腹になり、低血糖を招きやすく、それを避けるための間食を誘発したり、ランチを多く食べてしまったりと、普通の朝食を食べる時よりも、1日を通してみると、結局、多く食べている人が大半であることが報告されています。

3. 糖尿病リスクの上昇
食物繊維を取り除くことで、食物中の炭水化物(糖分)が直接、小腸から吸収されてしまうため、ジュースは、血糖値の急上昇を招きます。
ハーバード大学の研究では、ジュースを飲まない人と比較して、ジュースを飲む人は、41% も糖尿病発症リスクが高いことが報告されています。
ジュースは糖尿病などの生活習慣病予防にならないだけでなく、発症リスクを高めます。
4. 抗酸化物質とビタミンCの喪失
ジュースには、ポリフェノールなど抗酸化物質となるファイトケミカルが多いと宣伝されてきましたが、ポリフェノールの多くは食物繊維と共に存在しています。
そのため、食物繊維を取り除いてしまうジュースには、残念ながら、ポリフェノールなどのファイトケミカルは、あなたが期待するほど含まれていません。
また、食物繊維を取り除く際には、摩擦熱が起こります。その熱によって、熱に弱い栄養素、例えばビタミンCや一部のポリフェノール類が喪失します。

そのため、摩擦熱を抑えた低温圧搾を可能にするコールドプレス機が人気になりましたが、器械によって食物繊維を取り除くことには、摩擦熱以前に次の問題があります。
- 食物繊維から、はがせない抗酸化物質がある
- 食物繊維から、はがしてしまうと機能を失う抗酸化物質がある
食物繊維を取り除くという行為自体がダメなのです。
実際、スムージーや果物を丸のまま食べる場合と比較し、ジュースに含まれているファイトケミカルは、約21.5% も少ないことが明らかにされています。
5. リーキーガットと認知症リスク上昇
ジュースを日常的に飲む習慣のある人の唾液に含まれる常在菌と腸内の常在菌は、果物や野菜を食事として食べる習慣のある人とは、異なることが示唆されています。
米国ノースウェスタン大学フェインバーグ医学部による研究は、野菜や果物のジュースのみの食事(ジュースクレンスなど)を3日間続けると、腸内と口腔内の常在菌のバランスに変化が起こることを明らかにしています。
特に、次の機能に関連する細菌分類群の相対的存在量が増加することが観察されています。
- 腸管透過性(リーキーガット)
- 炎症
- 認知機能低下
リーキーガットは、アレルギーを始め、多くの疾患の原因となる腸の状態です。
ヘルシーだと信じてやっていたジュースクレンスや、ジュースを毎日飲む食生活によって、さまざまな病気リスクを高めてしまう可能性があるのです。
研究者は、ジュースが高糖質&低食物繊維であることが影響しているのではないかと述べています。
市販のジュースの注意点

市販されている「100%果汁」や「100%野菜」と書かれているジュースにも注意が必要です。
1. 甘味料の添加
果糖などの単糖や人工甘味料などの甘味料が添加されているものがあります。ただでさえ、食物繊維が取り除かれ、血糖値への影響が大きい飲料なのに、更に、甘味料が添加されていたら血管への影響は計り知れません。
人工甘味料ならカロリーゼロだから安心だと考えている人もいるようですが、それも大きな誤りです。人工甘味料こそ、あなたを糖尿病へ導く原因物質のひとつです。人工甘味料に関する詳しい体内のホルモンの仕組みを知りたいのでしたら、セルフドクターコースで学べますよ。
人工甘味料による影響については『人工甘味料』をご参照ください。
2. 食物繊維のみの添加
市販のジュースには、食物繊維を添加しているものがあります。食物繊維の添加によって血糖値の上昇を多少は抑えることができるかもしれませんが、抗酸化物質などのファイトケミカルの摂取にはなりません。
添加されているのは、工場生産された食物繊維のみの物質ですから、元の果物や野菜に含まれているファイトケミカルは含まれていません。
スムージーの真実

使用機器: ブレンダー/ミキサー
ブレンダーは、食品を細かく粉砕するための調理器具です。ジューサーに比べ、比較的安価に購入でき、また、お手入れも簡単です。
1. 食物繊維がある
スムージーは、果物や野菜の食物繊維・果肉・果汁の全てを細かく粉砕してスムーズな液体にしたものです。
そのため、食物繊維がそのまま残っているので、ジュースに比べて胃による消化を若干必要とします。しかしその分、ジュースよりも腹持ちも若干良いものです。
食物繊維があり胃による多少の消化の必要はあるものの、液体状に粉砕されているため、やはり、病気などで胃腸での消化吸収が衰えている時や、歯や口腔内の病気で咀嚼が困難な時などの栄養補給に適しています。
2. 血糖値に影響なし

食物繊維を取り除かないので、血糖値の急上昇は起こりません。
そのため、糖尿病リスクの上昇もありませんし、糖尿病の人も安心して飲める飲料です。
3. ファイトケミカルの減少なし
食物繊維が残っているため、ポリフェノールなどの抗酸化物質/ファイトケミカルも摂ることができます。
食物繊維に絡みついている抗酸化物質は、腸内細菌が上手にはがして利用可能な状態に変換していることが確認されています。
腸内細菌にしかはがせないファイトケミカルの存在を示した研究はいくつもあります。

例えば、科学専門誌『セル(細胞)』に2022年に掲載された論文は、ヒトの腸内細菌だけがオレンジの繊維に閉じ込められているN-メチルセロトニンという栄養素を遊離させることができることを報告しています。
N-メチルセロトニンは、体脂肪の蓄積を減らし、肝臓での糖代謝を高める作用がある物質です。
ジューサーなどで無理にはがすと壊れてしまうファイトケミカルですが、腸内細菌に任せておけば確実です。
4. 満腹感が持続しない
ジュースよりも若干腹持ちは良いものの、やはり、通常の食事に比べて消化が良いため、腹持ちは長くは続きません。
間食を必要としたり、次の食事を多く食べてしまう傾向があることが報告されています。
スムージーの正しい飲み方
ジュースに比べたら、比較的健康的であることが判明したスムージーですが、弱点である「満腹感が続かないこと」を克服する正しい飲み方はあるのでしょうか?
>>『スムージーの欠点を克服 – スムージーの正しい飲み方とは?』へ続きます。
ジュースとスムージー簡単レシピ
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

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参考文献:
- “Liquid Calories Do Smoothies Lead to Weight Gain?“, Nutrition Facts Org
- “Juicing Removes More Than Just Fiber“, Nutrtion Facts Org
- “Polyphenols as Dietary Fiber Associated Compounds. Comparative Study on in Vivo and in Vitro Properties“, L Bravo, R Abia, F Saura-Calixto, J. Agric. Food Chem., 1994, 42 (7), pp 1481–1487.
- “Nonextractable polyphenols, usually ignored, are the major part of dietary polyphenols: A study on the Spanish diet“, S Arranz, J M Silván, F Saura-Calixto, Mol Nutr Food Res. 2010 Nov;54(11):1646-58.
- “Skip the juice, go for whole fruit“, Amy Roeder, Harvard School of Public Health Communication, August 29, 2013, Harvard Gazette
- 『ゆっくり食べると食後のエネルギー消費量が増えることを発見』東京工業大学、2014年5月9日
- “Microbial liberation of N-methylserotonin from orange fiber in gnotobiotic mice and humans”, Nathan D. Han, Jiye Cheng, Omar Delannoy-Bruno, Michael J. Barratt, Andrew C. Heath, Jeffrey I. Gordon, Cell, VOLUME 185, ISSUE 14, P2495-2509.E11, JULY 07, 2022, DOI:https://doi.org/10.1016/j.cell.2022.06.004
- “Effects of Vegetable and Fruit Juicing on Gut and Oral Microbiome Composition“, Sardaro, Maria Luisa Savo, Veronika Grote, Jennifer Baik, Marco Atallah, Katherine Ryan Amato, and Melinda Ring, 2025. Nutrients 17, no. 3: 458. https://doi.org/10.3390/nu17030458
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング