正解はカロリーを気にするよりケンペロールを食事に加えること

2021/03/02/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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ケンペロール(kaempferol)とは?

植物性食品に含まれている抗酸化物質の話になると必ず出てくるのが、ポリフェノールフラボノイド。その他にも、アントシアニンとかカテキンとか、いろいろとさまざまな言葉を今までに耳に目にしていると思います。

ソフィアウッズ・インスティテュートの記事を読んでくださっている皆さんは、特に、ご存知の言葉が多いのではないでしょうか。

でも、「ケンペロール」という言葉は、あまり聞いたことがないのではないかと思います。

ケンペロールは、植物に含まれているファイトケミカル(植物性化学物質)のひとつ、抗酸化物質であり、天然のフラボノールです。

ケンペロールは、1938年にハンガリーの化学者によって発見され、当初は、ビタミンだと考えられ、ビタミンPと呼ばれていたものです。

なぜ唐突にケンペロール?

わたしが唐突にケンペロールの話を始めたのが不思議ですか?

理由は、

世の中の健康的な食事についての議論に飽きてしまったから

  • タンパク質が多すぎるとか、少なすぎるとか
  • 炭水化物は抜いた方が良いとか
  • 脂肪は抜いた方が良いとか、なのにオメガ3オイルは良いとか
  • カロリーは減らした方が良いとか

こうした極論が正しかったことは一度もありません。

でも未だに多くの人がこうしたデマを信じています。

それに、食事の量を気にしながら、カロリーを気にしながらする食事が楽しいわけがありません。

それにカロリーを計算するのは、非常に面倒です。

わたしは嫌です。

食生活指導士の資格を取得するためにカロリー計算を正しく学ばなければなりませんでしたが、あんな面倒なことをしながら献立を考えたりお料理をするのはちっとも楽しくありません。

だから、誰も長続きしないんです。

カロリーや食事の量を気にするのを止めて、ただケンペロール豊富な食品をたくさん食べるようにすれば、大抵の問題は解決します。

体内のケンペロールが不足すると、ペルオキシ亜硝酸/過酸化亜硝酸が体内に蓄積していきます。

過酸化亜硝酸は、亜硝酸塩と過酸化水素が反応することで発生する物質ですが、過酸化亜硝酸の過剰蓄積は、次の疾患と関連していることが知られています。

  • 糖尿病
  • 心疾患(動脈硬化など)
  • アルツハイマー病
  • 腎臓疾患
  • 喘息
  • 関節炎
  • 自閉症

体内で過酸化亜硝酸が過剰になる原因

ケンペロール不足以外で、体内で過酸化亜硝酸の蓄積が過剰になる原因は次のとおりです。

  1. アルギニンの不足
  2. 亜硝酸塩を含む肉食中心の食事

アルギニンは、アミノ酸の一種です。つまりタンパク質の成分です。

アルギニンは、一酸化窒素合成酵素によって体内で酸化され、一酸化窒素(NO)とシトルリンになります。これらの物質は、血行を促進し、心疾患予防や生活習慣病予防、性ホルモンに関係する不調の改善に役立ちます。

そして、アルギニンが不足すると、過酸化亜硝酸が発生します。

アルギニンの詳しい免疫作用は『あなたの細胞が、がん細胞の協力者となってしまう仕組みと、そうさせない方法』をご覧ください。

アルギニンを不足させないためには、タンパク質豊富な食品(肉類や豆類)を不足なく食事に加えていることが重要です。

亜硝酸塩は、食品の変色を防ぐために使用される食品添加物です。主に、加工肉(ハム、ソーセージなど)に用いられています。

亜硝酸塩は発色剤であって着色料ではありませんから、例えば、赤くないハムやソーセージ、無着色たらこ、ボイルのカニなどにも添加されています。

過酸化亜硝酸の素となる不要な亜硝酸塩を体に入れないためには、食品裏の原材料表を確認し、亜硝酸塩(亜硝酸Na)という記載のないものを選びましょう。

肉類と亜硝酸塩との関係については『WHOがお肉を発がん性物質だという意味』も併せてご確認ください。

ケンペロールの機能

ケンペロールには、非常に強い抗酸化力があり、過酸化亜硝酸を無力化(中和)することが知られています。

そのため、ケンペロール豊富な食事をすることで、上記した疾患を予防すると考えられています。

2019年に発表された、ケンペロールの作用や機能に関するさまざまな研究のレビュー論文は、ケンペロールには実際に次の作用が期待できると報告しています。

2. 予防効果

ケンペロールには次の疾患を予防する効果が期待できることが報告されています。

  • 血管内皮の炎症
  • 神経変性疾患(脳神経の保護作用)
  • 心疾患(心機能の保護作用)

3. 改善効果

ケンペロールには次の疾患を改善する効果が期待できることが報告されています。

  • がん(大腸がん、乳がん、前立腺がん)
  • 肝臓疾患
  • 肥満症
  • 糖尿病

4. 治癒効果

更に、ケンペロールには次の疾患を治癒する効果が期待できることが報告されています。

  • 急性・慢性の炎症性疾患
  • 椎間板変性症
  • 大腸炎(赤痢)
  • 閉経後の骨粗鬆症
  • 急性肺損傷
  • 肥厚性瘢痕などの繊維増殖性の疾患

ケンペロールを多く含む食品とは

では、そんな素晴らしい機能をもつケンペロールを豊富に含む食品にはどのようなものがあるのでしょうか。

あなたが良く知っている食べものばかりです。例えば次のような食品です。

  • 赤紫ベリー類:ラズベリー、ブラックベリー、クランベリー、ぶどうなど
  • リンゴ
  • トマト
  • ほうれん草
  • アブラナ科の野菜:ケール、ブロッコリー、芽キャベツなど
  • レタス
  • きゅうり
  • じゃがいも
  • 玉ねぎ
  • 枝豆
  • チアシード
  • 緑茶

最も多くケンペロールを含んでいる食品は、ケイパーです。

ケンペロールのもともとの色は黄色ですが、カラフルな野菜や果物の色には、ケンペロールの黄色も混ざっていますから、黄色に限定しなくても、カラフルな野菜やフルーツを食事に増やすだけで、自然とケンペロールをたくさん摂ることができます。

カロリーを気にしなくても、食事の量を減らさなくても、食事に野菜と果物を増やす、それだけで多くの問題が解決されます。

一周まわって基本に戻る

えっ!?

結局いつも言われている
「野菜をたくさん食べろ」ってこと?

と、思った人、正解です。

実際に、2025年10月に発表された、日本多施設共同コホート研究で、男性34,523人と女性46,888人の死亡率を平均10.7年間追跡調査では、野菜と果物を食べる量に基づいて5つのグループに分けたところ、最も少なく食べていたグループと比較して、最も多く食べていたグループでは、次のリスク低下が明らかにされています。

  • 全死亡率・・・0.83倍(17%低下)
  • 心血管疾患死亡率・・・0.63倍(37%低下)

特に、60歳未満の男性では果物摂取量と心血管疾患による死亡率に逆相関が認められた(つまり、フルーツを多く食べているほど死亡リスクが低くなる)ことが示されています。

なんだかんだ難しい理屈や新しい情報も、1周まわって、結局、ここに落ち着くってことです。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

もしおひとりで取り組むことに不安や難しさを感じるのでしたら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

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参考文献:

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング