
バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
同じ野菜が1年中手に入るのは便利
栽培技術や品種改良や運搬方法の進化、農薬や化学肥料の進化によって、一年中、手に入る野菜や果物が多くなりました。
それには国の指定野菜制度というものが一役かっています。
指定野菜という制度
指定野菜とは、多くの人が頻繁に、かつ、たくさん食べる傾向にある野菜を、安定した値段でいつでも多くの人が食べることができるよう農林水産省が指定している野菜のことです。
2024年現在の指定野菜には次の14種類(+1)があります。
- キャベツ
- レタス
- にんじん
- きゅうり
- トマト
- ピーマン
- なす
- さといも
- だいこん
- ねぎ
- はくさい
- たまねぎ
- ジャガイモ
- ほうれんそう
- ブロッコリー(令和6~7年度に追加予定)
確かに、上に記載したお野菜は、季節を問わずいつでもスーパーで見かけます。同じお野菜や果物がいつでもスーパーで購入できることはとても便利です。
でも、一年中同じ野菜が手に入るようになると、どのお野菜が本来ならどの季節に生育するのかを分からない人も多くなっているのではないでしょうか。
各季節に合ったお野菜や果物を意識して多く食べることには、大きな意味と価値があるんですよ。
季節ごとに食べる意義
夏のお野菜や果物には、あなたが暑い夏を過ごしやすくなる成分が含まれています。夏野菜や果物たちが自らの体を熱や紫外線から守ろうとして造る成分が、あなたの体の熱もとり、紫外線から守ってくれるのです。
同様に、冬のお野菜や果物には、あなたが寒い冬を過ごしやすくなる成分が含まれています。冬野菜や果物たちが、寒さやウイルスから自らを守ろうとして造る成分が、あなたの体を温め冷えから守り、免疫力を高めてくれるのです。
だから、その季節のお野菜と果物を食べるだけで、あなたは多くの不調や病気を避けられるようになるんです。
季節と調和した体と心を作るためには、季節に沿った食材を食卓に並べることが大切になります。
野菜の栄養価は季節で大きく変動する

女子栄養大学の生物有機化学ご担当の 辻村 卓 教授が、5つの地域から25種類の野菜をサンプリングし、ビタミンCとカロテンの含有量を調査されました。
その結果を次の通り報告されています。
栄養価の季節変動が少なかったのは
セロリとピーマンだけ
25種類中2種類だけ!です。
文部科学省の食品成分表には、1食品につき1つの標準成分値が掲載されています(最近では、夏と冬に分けているものもありますが・・)
でも、辻村先生による調査によって、旬とそうでない時期に含まれている栄養価があまりに違うことが判明したため、旬とそうでない時期の栄養価と、2つを各野菜ごとに掲載すべきではないかと、辻村先生はおっしゃっています。
更に、生産地によっても成分量に違いがあることも明らかになりました。そのため、産地別にも成分表を作成することが望ましいと、辻村先生は考えていらっしゃいます。
確かにそうしていただけると、消費者としては非常に助かりますね。
季節変動が特に大きい野菜5種
辻村先生のご報告書の中から、特に、ビタミンCとカロテンの季節変動の大きかった野菜5種類についてご紹介します。
全てのお野菜で、文部科学省の食品成分表に掲載されている数値を超えるのは旬の時期だけでした。
旬を過ぎた季節では、大きく下回っています。たくさんの化学肥料を与えても、ハウスで温度管理されていても、そのお野菜の季節でなければ、自然の季節に育つ野菜ほどの栄養をもったお野菜には育たないということがはっきりとわかります。
ビタミンC量は過大評価されている
特に、ビタミンCの量が、成分表値を超える時期は旬の時でも非常に短く、超えない時期の方がほとんどです。
食品成分表のビタミンC含有量を真に受けて食品を食べていたら、ビタミンC不足になりかねませんね。
ビタミンCの詳しい機能については『ビタミンC』をご確認ください。カロテンについては『カロテノイド』をご参照ください。
以下に5つのお野菜の栄養価の推移のグラフを掲載しています。グラフ中のオレンジ色の横線は、文部科学省の食品成分表に掲載されている標準とされる栄養素の量です。
ほうれん草

ほうれん草は、本来は冬野菜です。
辻村先生のデータからも、旬を迎える冬場のほうれん草に多くのカロテンとビタミンC が含まれていることが判ります。
ほうれん草のビタミンCが成分表値を超えるのは12月のほんの1か月間だけです。残りの期間は成分表値の3分の1くらいしか含まれていなかったのはショックです。

とはいえ、ほうれん草は、茹でて水にさらしてシュウ酸を抜いてから食べた方が良いお野菜ですから、茹でた時点でビタミンCを摂ることはあきらめなければなりません(笑)
つまり、ほうれん草からビタミンCを摂ることを、そもそも期待してはいけないということかもしれませんね。
ブロッコリー

ブロッコリーが冬野菜だということが明確にグラフから判ります。
12月頃~4月頃までのブロッコリーには、カロテンが豊富に含まれていますが、5月を過ぎた頃から急激に減少しています。

ブロッコリーは、ビタミンCの多い野菜として知られていますが、ビタミンCの推移をみると、食品成分表の数値を超えるのはわずかに12月~2月のみです。それ以外の月では、成分表値の半分ほどしか含まれていないことに驚愕します。
冷凍ブロッコリーは、旬の冬に収穫したものを用いているため、夏には冷凍ブロッコリーを食べる方が、生のブロッコリーを購入しくるよりもずっと栄養価が高いと言えますね。
トマト

トマトは夏のお野菜です。
トマトは4月だとおっしゃった人がいらっしゃいましたが、辻村先生のデータを見る限りでは、やはりトマトは真夏のお野菜です。

カロテンの含有量がもっとも高くなるのは、7月と8月です。ビタミンCも成分表値と同等に含んでいるのも6月~10月の間とはいえ、わずかに上回るだけですね。
冬のトマトには、カロテンもビタミンCも成分表ほどの量は含まれていないようです。
単なる個人的な感想ですが、近年のβカロテンやリコピン信仰による品種改良された甘いトマトの誕生の裏で、ビタミンCの含有量が犠牲になったのではないかと思ったりします。
にんじん

にんじんのカロテンは、6月~10月に最も多く含まれていることが判ります。にんじんのカロテンは1月を除き、1年中、成分表の値を上回って含まれているというのは嬉しいですね。

ただし、ビタミンCは、ほぼ通年で成分表の値を下回っているのは残念です。わずかに9月と10月に成分表通りの量にはなるようですが。
じゃがいも

じゃがいもには、カロテンが含まれていませんので、ビタミンCだけのグラフです。
じゃがいもは、6月~9月頃の夏のじゃがいもが良さそうですね。

お芋は冬場が美味しいイメージですが、冬に収穫されるものよりも夏に収穫されるものを保存しておくと良いかもしれませんね。
季節の野菜は地球とヒトを健康にする
本来の季節ではない時期に人工的な環境で育てられた野菜の栄養価は、やはり自然に育つ野菜と比べると劣ることがわかります。
本来の季節ではない時期に収穫するためには、さまざまな工夫(冷暖房や加湿や除湿)がなされ、多くの化学肥料が与えられて育ちます。
でも、化学肥料は、自然の土ほどの栄養バランスをもっていません。窒素・リン・カリウムなど限られた成分のみを多量に含んでいるため、野菜の見かけは大きくなっても、栄養価が伴なわない野菜になるのです。
栄養価が低いということは、健康的ではないということです。虫や病気にやられやすいということです。だから、化学肥料だけでなく多くの農薬も必要になります。
季節外れの野菜は、季節の野菜と比べて栄養価が低いだけでなく、化学肥料と農薬の使用量が多いことにも注意が必要です。
それだけではありません。環境への負荷も大きくなります。
- 環境管理にかかる電気やガスや灯油(に使用される資源)
- 農薬や化学肥料による土壌汚染と水質汚染
- 化学肥料を造る際に生じる温室効果ガス
各季節に育つ野菜や果物を多くの人が選んで食べるようになれば、こうした多くの問題が一気に解決します。
1年中同じ野菜がいつでも手に入る世の中は便利ですが、便利は必ずしも健康的とは限らないということではないでしょうか。
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参考文献:
「出回り期の長い野菜とビタミンC」、4訂食品成分表の1食品、1標準成分値を考える、女子栄養大学栄養学部、生物有機化学、教授、辻村卓、2000年1月No.97
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング