バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
同じ野菜が1年中手に入るのは便利だけど
夏のお野菜や果物には、暑い夏を過ごしやすくしてくれる成分が含まれています。体の熱をとり、紫外線から守ってくれる成分です。
冬のお野菜や果物には、寒い冬を過ごしやすくしてくれる成分が含まれています。体に熱を生み、冷えから守り、免疫力を高めてくれる成分です。
だから、季節ごとのお野菜と果物を食べるだけで、私達は多くの不調や病気を避けることができます。
栽培技術や品種改良や運搬方法の進化、農薬や化学肥料の進化によって、一年中、手に入る野菜や果物が多くなりました。
同じ野菜や果物が1年中手に入ることで、便利なこともあります。
でも、体を季節に調和させることが難しくすることも事実です。
いくら技術が進んでも、夏のお野菜に体を温める効果はありません。冬のお野菜に熱をとる効果はありません。
それだけでなく、季節外れに育てた野菜や果物には、季節の野菜や果物ほどの栄養価が含まれていないことが判明しているからです。
野菜の栄養価は季節によって大きく変動する
女子栄養大学の生物有機化学ご担当の 辻村 卓 教授が、5つの地域から25種類の野菜をサンプリングし、ビタミンCとカロテンの含有量を毎月1回調査されています。
その結果、
栄養価の変動が少なかったのは
セロリとピーマンだけ
だったと、報告しています。25種類中2種類だけです。
厚生労働省が発表している食品成分表には、1食品につき1つの標準成分値が掲載されています。
しかし、旬とそうでない時の栄養価があまりに違うため、せめて、旬とそうでない時の2つの成分値を掲載すべきではないかと、辻村先生はおっしゃっています。
更に、生産地によっても成分値に差があったことから、産地別にも成分値を掲載することが望ましいと考えていらっしゃいます。
確かにそうしていただけると、消費者としては非常に助かりますね。
特に季節変動の大きかった5種類の野菜
辻村先生のご報告書の中から、特に、ビタミンCとカロテンの季節変動の大きかった野菜5種類について、ブラフに作成しました。
グラフ中の「成分表値」とは、厚生労働省の食品成分表に掲載されている栄養素の含有量です。
全てのお野菜で、その水準を超えるのは旬の時期だけです。旬を過ぎた季節では、大きく下回っています。たくさんの化学肥料を与えても、ハウスで温度管理されていても、そのお野菜の季節でなければ、自然の季節に育つ野菜ほどの栄養をもったお野菜には育たないということがはっきりとわかります。
特に、ビタミンCにいたっては、成分表値を超えている時期は本当に短く、ほとんど超えないということに驚きました。
食品成分表のビタミンC含有量に沿って食べたのでは足りないことが多いってことです。
果物や野菜をビタミンC摂取のために食べる時には、かなり多めに食べなければいけませんね。旬ではない場合は特に。
ビタミンCについては『ビタミンC』をご確認ください。カロテンについては『ビタミンA』をご参照ください。
ホウレン草
ホウレン草も本来は冬野菜です。このデータからも、やはり旬を迎える冬場のホウレン草に多くのカロテンとビタミンC が含まれていることが判ります。
でも、ビタミンCに限って言えば、12月のほんの1か月間だけ成分表示を超えるビタミンCが期待できるだけで、残りの期間は成分表示の3分の1くらいのビタミンCしか含まれていないのはショックです。
とはいえ、ホウレン草は茹でて水にさらしてシュウ酸を抜いてから食べた方が良いお野菜なので、茹でた時点でビタミンCは壊れてしまいます。つまり、ホウレン草にはそもそもビタミンCを期待してはいけないということかもしれませんね。
ブロッコリー
ブロッコリーは冬野菜だということが明確に判りますね。
12月頃から3月頃までのブロッコリーにはカロテンが豊富に含まれていますが、夏場のブロッコリーは残念な感じです。
しかもビタミンCの多い野菜として挙げられることの多いブロッコリーなのに、実際のところは、成分表に記載されているよりも半分くらいの量のビタミンCしか通年で含まれていないことも示されていて、かなりがっかりです。
12月~2月の冬場、旬のブロッコリーには、成分表示通りのビタミンCが含まれていることが判ります。
トマト
トマトは、4月だとおっしゃった人がいらっしゃいましたが、このデータを見る限りでは、やはりトマトは7月~8月の真夏が一番カロテン含有量が多いようです。
一方で、ビタミンCが基準値を超えている時期が8月と10月だけだったというのも驚きです。冬場のトマトにはあまりビタミンCは期待できませんね。
単なる個人的な感想ですが、近年のβカロテンやリコピン信仰によって品種改良された甘いトマトの誕生の裏で、ビタミンCの含有量が犠牲になったのではないかと思ったりします。
にんじんとじゃがいも
ニンジンのβカロテンとジャガイモのビタミンCは、夏場に最も多く含まれていることが判ります。
それでも、ニンジンは、真冬を除き通年で成分表示を上回るカロテンが含まれていて頼もしいです。
じゃがいもは、春に出回る新じゃがよりも、夏から秋までに収穫されるものが良さそうですね。
季節の野菜は地球とヒトを健康にする
本当の季節ではない時期に、人工的な環境で育てられた野菜達が、いかに栄養バランスを崩した野菜であるかが判ります。
本来の栄養素が十分でないだけでなく、季節外れに大きくするめには、不要な栄養(化学肥料)もたくさん与えられてメタボ状態になっているはずです。
私達人間がメタボになったり、栄養バランスを崩せば病気になるように、メタボで栄養バランスを崩した野菜達は、きっと病気に弱いはずです。だから、病気や虫から守るために、殺虫剤や細菌剤などの農薬が更に必要になるわけです。
季節外れの野菜について、季節の野菜と比べて次のことが言えます。
- 栄養価が低い
- 化学肥料たっぷり
- 農薬たっぷり
それだけではありません。環境に与えている不可も大きいはずです。
- 季節外れの温度管理にかかる電気やガスや灯油(に使用される資源)
- 農薬や化学肥料による土壌汚染と水質汚染
- 化学肥料を造る際に生じる温暖化ガス
その季節に育つ野菜や果物を多くの人が選んで食べるようになれば、こうした多くの問題が一気に解決します。
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参考文献:
「出回り期の長い野菜とビタミンC」、4訂食品成分表の1食品、1標準成分値を考える、女子栄養大学栄養学部、生物有機化学、教授、辻村卓、2000年1月No.97
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング