バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
過ぎたるは及ばざるがごとし
適度な運動が、体だけでなく心にも良い効果をもつことは、世界的な常識になりました。年齢と共に、健やかな人生を生きる、サクセスフル・エイジングにとっても、運動は欠かせないものです。
でも、運動との関係を誤ると、返って健康を害してしまうこともあります。
運動があなたを蝕んでいるかもしれないいくつかのサインがあります。
もしこうしたサインが表れているのなら、そのサインを無視しないでくださいね。あなたの心と体からの重要なメッセージなのですから。
運動による影響を正しく理解した上で、運動を生活に取入れるヒントになれば嬉しいです。
1. 虫歯が増えた
持久系のアスリート達は、全てにおいて引き締まって健康に見えます。
でも、トライアスロンの競技者を調べたところ、運動をしない人と比較して、虫歯や口腔内の病気をもっている確率が有意に高かったことが、権威ある『Scandinavian Journal of Medicine in Science and Sports(スカンジナビア・ジャーナル・オブ・サイエンス&スポーツ)』で2014年に報告されています。
その中で、コーネリア・フレッセ(Cornelia Frese)歯科医学博士等は、次のように述べています。
極端な持久力トレーニングによって起こる生理学的変化が、
唾液の性質を変容させ、
結果として、歯と歯茎に有害な変化を起こす
もし持久系の運動、例えば、マラソンやトライアスロンなどを始めてから、虫歯や歯周病や口内炎が増えたという自覚があるのなら、その運動によって唾液の質が変わったことによる影響かもしれません。
水分補給を忘れない
もし上記したことに心当たりがあるのなら、適切な水分補給で改善できるかもしれません。
一流アスリートと同じ様なトレーニングをしていなくても、運動の途中で適切に水分補給をすることは脱水予防だけでなく、口の中を健康に保つと、上記した報告書は述べています。
2. 運動を言い訳にしている
不健康なライフスタイルを続けるための言い訳として、運動をしていませんか?
定期的な運動習慣がある人の多くは、
アルコールを大量に飲む習慣がある
と、いう逆説的な事実がかなり前から報告されています。そして、この現象について多くの心理学的な研究がなされています。
非常にヘビーな運動をする人達は、次のように考えている傾向が高いことが明らかにされています。
- ハードな運動をしているのだから、大量に飲んだり食べたりしても良い
- ハードな運動をしているのだから、大量に食べた方がいい
- 大量に飲んだり食べたりしたいので、負荷の高い運動をする必要がある
悪の悪は正にならない
運動のし過ぎも、飲み過ぎ・食べ過ぎも、両方とも健康的な行為ではありません。
英語の諺に
『Two wrongs don’t make a right
悪の悪は正にならない』
というものがあります。まさしくその通りです。
暴飲暴食という悪は、運動のし過ぎという悪で、帳消しにはできませんし、運動のし過ぎという悪も暴飲暴食という悪で帳消しにすることはできません。
間違った行為を重ねても、健康にはなりません。
3. 同じ動作を繰り返している
特定の運動で繰り返し行われる動作が重大なケガの原因となることがあります。その運動を続けることが難しくなるだけでなく、日常的な動作が困難になることもあります。
繰り返される同じ動作は、特に、関節へ大きな負荷をかけることになります。
体から発せられる痛みなどのメッセージに意識を向けないまま運動を続けていると、関節が過労状態となり、重大なケガや故障を起こす可能性を高めます。
例えば、テニス・プレーヤーのテニス肘(外側上顆炎|腕の下側の筋肉の酷使から生じる肘の外側の腱の炎症)や、ランナーのランナー膝(足底筋膜炎や膝蓋大腿部痛症候群)は、よく知られている症状です。
体の声に従い休息する
繰り返しの動作によるケガや障害を予防するためには、次のことに留意して運動をしてください。
- 痛みが慢性的になる前に、その痛みに注意を向ける
- 適切な休息をとる
- 経験豊富なスポーツ専門ドクターで定期的な診断を受ける
- 動作に偏りが起こらないトレーニングを取入れる
4. 運動に執着している
運動しなければならない、運動すべきと、運動に執着している人がいます。運動をしない日やできなかった日は自己嫌悪に陥ったり、自分を責めてしまいます。それは、運動への強迫性神経症です。
強迫性神経症と言えば、摂食障害もそのひとつです。実は、運動に執着していない人と比べて、運動に執着している人は、摂食障害を起こす可能性が高いことが、2013年、オランダの研究者 Elzbieta Kostrzwea 博士によって報告されています。
その報告書によれば、運動をしない女性と比べて、週に5時間以上運動をする女性は、2.5倍も摂食障害を起こしやすいとのことです。
ヘルスコーチか医師に相談する
もしあなたが、週に5時間以上運動をしなければいけないと感じ、休むことに罪悪感を覚えるようなら、最近の食事について客観的に振り返ってみてください。
次の傾向があるなら、摂食障害の入り口、あるいは、既に摂食障害を起こしているかもしれません。
- 食事をスムージーだけで過ごすことがある
- タンパク質の補給は、食事ではなく、プロテイン・シェイクで済ませている
スムージーと摂食障害との関係については『スムージーの黒い秘密』をご確認ください。
5. 不整脈になった
運動は、心疾患を予防できる、生活習慣病予防になると様々なところで耳にします。確かにそれは嘘ではありません。
しかし、長期間に渡って持久系の運動を続けているアスリートを対象とした研究によって、正常な心拍リズムで血液を送り出す心筋の、異常につながる変化が持久系のプロアスリートにあることが報告されています。突然死に関係するリスクですから、重要な懸念事項と言えます。
ただ、この研究対象となったアスリートは、週末だけジョギングを楽しむような趣味のランナーではありません。高度に訓練された競技マラソンの選手です。
専門機関で検査を受ける
持久系の運動は、その他の運動と同様に、一般的には、健康効果があると言えます。
なので、週末ジョギングする程度の趣味のランナーは過度に心配する必要はありません。
しかし、もしあなたが、フルマラソンやハーフマラソン、トライアスロンなどに定期的に参加しているとしたら、循環器系に詳しい専門医の検査を定期的に受けることをお勧めします。
6. 睡眠の質が低下した
運動を始めてから睡眠の質が低下した、あるいは、運動をした日の夜はよく眠れないということはありませんか?
運動はいつするのが良い?
睡眠の専門家は、就寝前の運動はしない方が良いと言います。
運動によってアドレナリンが分泌されるため、目がさえてしまい眠れなくなってしまうからです。
一方で、昼間の運動は、良い睡眠をもたらすと今まで考えられてきましたが、若者を対象とした新しい研究は、昼間に運動をした日の夜はよく眠れないと報告しています。
まったく運動をしていない人と比較し、ランニングマシーンで激しい運動をした参加者は、その夜、REM睡眠(深い睡眠)時間が少なく、睡眠が浅くなったことが報告されています。
研究者は次のように述べています。
運動は、睡眠欲求を高めることはなく、
ただ睡眠の質を低下させる
長い時間眠る
運動をした日の夜は、熟睡することは希で、睡眠が浅くなる傾向にあるため、睡眠の質が低下します。その質の低下を補うために、いつもよりも睡眠時間を長く確保することが必要です。
体の筋肉組織は睡眠中に修復・再生されますから、睡眠の質の低下を補うに十分な睡眠の長さを確保するようにしてくださいね。
7. 運動しない罪悪感
運動への執着でも触れましたが、執着の裏側には、運動をしないことへの罪悪感があります。
運動習慣をもっていた人が運動を止めると、そのことに罪悪感を抱き、セルフエスティーム(自己肯定感、自尊感情)が低くなることが多いと、カナダの心理学者パーミンダー・フローラ博士は、述べています。
フローラ博士の若い女性を対象とした「運動アイデンティティ(自己認識)」に関する調査は、次のように報告しています。
「自分は何者か」という自意識として
「活発に運動している私に価値がある」と認識している女性は、
運動を止めると自己に対するネガティブな感情に晒されやすい
もちろん、自分自身をアクティブでエネルギッシュな存在に感じることは悪いことではありません。でも、それがあなたの価値とイコールになってしまうのは好ましいとは言えません。
あなたは何もしなくても価値がある
あなたには、存在しているだけで価値があります。「運動」はあくまでもあなたの価値を高めるだけのものです。
「運動をしている私は素敵だけれども
運動だけが私の価値ではない」
と、思えることが大切です。
運動は、あなたの価値そのものではありません。あなたは運動しなくても価値がある存在です。
運動に関するその他の記事
運動に関する心と体への影響についての記事です。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
運動は心と体の健康にとって、良い効果をもたらしてくれますが、万能ではありません。「馬〇とハサミは使いよう」です。
運動も食事も誤った摂り方をすれば心と体を壊します。運動のし過ぎは、食べ過ぎと同じくらい不健康です。また、どんなに良い食べ物でも、同じものばかりを食べていたら栄養バランスを崩し栄養失調になるのと同じで、同じ運動・動作ばかりを繰り返していたら体のバランスが崩れます。
食品の中にも睡眠の質を悪化させるものがあります。
ある食事のルールや食事法に執着するのは『オーソレキシア』という摂食障害です。運動に執着するのと同じ、強迫性神経症です。
食事と適切な関係を築くために体の声に耳を傾けることが重要なのと同じ様に、運動と健全な関係を築くためには、体の声に耳を傾けなくてはなりません。
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
もしおひとりで取り組むことに難しさや不安を感じるのなら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?
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新学期は、毎年3月と9月です。講座でお会いしましょう。
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参考文献:
- “Effect of endurance training on dental erosion, caries, and saliva”, C. Frese, F. Frese, S. Kuhlmann, D. Saure, D. Reljic, H. J. Staehle andD. Wolff, 11 JUN 2014, Scandinavian Journal of Medicine and Science in Sports, DOI: 10.1111/sms.12266
- “The expression of excessive exercise co-segregates with the risk of developing an eating disorder in women”, Kostrzewa, E., Eijkemans, M. C., & Kas, M. J, 2013, Psychiatry Research, 210(3), 1123-1128, doi:10.1016/j.psychres.2013.08.050
- “Cardiovascular damage resulting from chronic excessive endurance exercise”, Patil HR, O’Keefe JH, Lavie CJ, Magalski A, Vogel RA, McCullough PA, 2012, Molecular Medicine, Jul-Aug;109, 312-21
- “The effects of moderate to vigorous aerobic exercise on the sleep need of sedentary young adults”, Wong, S. N., Halaki, M., & Chow, C, 2013, Journal of Sports Sciences, 31(4), 381-386. doi:10.1080/02640414.2012.733823
- “Exercise identity and attribution properties predict negative self-conscious emotions for exercise relapse”, Flora, P. K., Strachan, S. M., Brawley, L. R., & Spink, K. S, 2012, Journal of Sport & Exercise Psychology, 34(5), 647-660.
- “7 Ways Exercise Can Go Wrong for Your Mind and Body … and how to overcome each problem”, Susan Krauss Whitbourne, Ph.D., September 27, 2014
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング