バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
大人気のチーズが頭痛を起こす?
チーズが大好きな人、多いですよね。
最近、チーズブームもありました。
わたしもチーズは嫌いではありません。でも、私にとってチーズは特に毎日食べたいと思うものではありませんし、必ずトッピングしたいというものでもありません。どちらかと言うと無くてもいいものです(笑)
もちろん、時々、ブルーチーズやカマンベールやブリーやモツァレラチーズを使ったお料理を楽しみますし、エメンターレと白ワインで作るチーズフォンデュも大好きです。本物のマスカルポーネチーズを使った美味しいティラミズのレシピももっています。
日本では、本物のマスカルポーネチーズの味に出会ったことがないので、本物のマスカルポーネのためだけにヨーロッパに戻っても良いかもとさえ思う私です。でも・・
今回は、そんな大人気のチーズが頭痛を起こすことについてお伝えしたいと思います。
チーズが大好きな人は、まさか、頭痛がチーズによって起こされていたかもしれないなんて思いもよらないのではないでしょうか。
チーズによって起こる頭痛は食べた直ぐ後ではなく、1日くらい経ってから起こることもあるので尚更、チーズが犯人だと思うことは少ないかもしれません。
頭痛を起こすのはチーズに含まれるチラミン
チーズで起こる頭痛の犯人は、チラミンと呼ばれる成分です。
チラミンは、アミノ酸チロシンから造られる神経伝達物質のひとつで、「アミン」が1つしかないので「モノ(1つ)アミン」と呼ばれるグループに属しています。
チラミンが、頭痛を起こす正確なメカニズムはまだ判っていません。
しかし、チラミンがノルアドレナリンなどのカテコールアミンと呼ばれる神経伝達物質を増加させ血管収縮を起こすからではないかと考えられています。カテコールアミンもモノアミンです。
チラミンがなぜ頭痛を起こすのかはどうであれ、チーズが大好きな頭痛もちの人は、チーズに限らず、チラミンを多く含む食品を食事から減らしてみてはいかがでしょうか。それで解決するのであれば、頭痛薬にさよならです。
(余談ですが、チラミンと名前が似ている「チアミン」は、ビタミンB1のことです。似ている名前ですが、全く別物なので混同しないでくださいね。とはいえ、ビタミンB1の過剰摂取でも頭痛は起きます。ビタミンB1については『アルツハイマー病の改善にも期待されるビタミンB1』をご覧ください。笑)
チラミンを多く含む食品
チラミンを多く含む食品の特徴は、固められたもの、発酵・熟成したもの、凝結したもの、酸っぱいものです。
代表的なものは次の通りです。
- 全てのチーズ(特に熟成したもの:ブリー、ブルー、パルメザン、ゴルゴンゾーラ、スイス等)
- ザワークラウト
- サワードウで作ったパン
- 酵母エキスを含むパン
- 醸造酒(赤ワイン、日本酒、生ビール、ベルモット)
- 味噌
- 豆腐
- テンペ
- 納豆
- 大豆
- 熟成肉
- 酢漬けの魚
- 魚の燻製
- 魚卵
- 48時間を超える冷蔵庫の残り物
などです。
普通ならMAO酵素がチラミンを分解してくれる
チラミン等のモノアミン系の物質は、モノアミンオキシダーゼと呼ばれる酵素(MAO酵素)によって分解されます。
MAO酵素がちゃんと分泌され、適切に働いていれば、チラミンの多い食品を普通に食べたくらいで頭痛などの不調は起きません。
大抵の人が上記した食品を食べても頭痛が起きないのは、MAO酵素のお陰です。
チラミンが分解されないと起こる症状
体内でチラミンが上手く分解されないと、チラミン過剰となり、頭痛や血圧の上昇が起きます。
体内でチラミンが適切に分解されず、過剰になると起こる不調は次の通りです。
- 片頭痛
- 激しい頭痛
- ぼやけた視界
- パニック
- 思考の混濁
- 吐き気または嘔吐
- 胸痛
- 高血圧
- 脳卒中の兆候
などです。
チラミンが適切に分解されないのには、いくつかの原因が考えられます。
- MAO酵素が分泌できないMAO酵素欠乏症
- MAO酵素の分泌が少なくなる傾向要因がある
- MAO酵素の能力を超えたチラミンを多く含む食品の摂取
1. MAO酵素欠乏症
MAO酵素が完全に欠乏している「モノアミンオキシダーゼA欠乏症」は、ほぼ男性にしか発生しない稀な疾患です。
この欠乏症の特徴は、幼児期に既に軽度の知的障害と行動上の問題が見られることで、次の様な障害となって表れます。
- 行動障害
- 注意欠陥障害
- 多動性障害
- 不眠症
- 明晰な悪夢
- 自閉症スペクトラム障害
- 衝動的攻撃性
2. MAO酵素が少なくなる傾向要因
MAO酵素の量は常に一定ではなく、ライフスタイルや食事などからの影響で、適度に分泌されることもあれば、多くなり過ぎたり、少くなり過ぎたりすることもあり、それが時々、不調を起こします。
現代ではMAO酵素が常に不足している、あるいは十分に造れていない人が意外と多くいると考えられています。
MAO酵素の正常な分泌に影響を与える要因は次の通りです。
(1)高ストレスの妊婦
妊娠中のストレスが、MOA酵素を減少させることが報告されています。
高ストレスを感じている妊婦さんで、チーズを食べた後に頭痛が起こる傾向があるようなら、MAO酵素が減ってしまっている可能性があると考えられます。
チーズを減らすことよりも、ストレスを軽減する工夫が重要ですね。
(2)エストロゲン過剰
女性ホルモンのエストロゲンが多すぎると、MAO酵素の働きが鈍くなり、チラミンによる不調が起こりやすくなります。
エストロゲン過剰は、次のような要因が原因として考えられます。
- エストロゲンを含むホルモン剤(PMS、更年期、避妊等のため)を服用している
- ライフスタイルや食事やサプリメントによる影響
- 肝機能に問題がある
- 遺伝的な要因
- BPA(ビスフェノールA:プラスチック容器の成分)への曝露(詳しくは『かなり怖いパーソナルケア製品の成分』をご参照ください)
現代の働く女性の多くがエストロゲン過剰になっていると考えられています。生理周期と頭痛の発生に関連性があると思われる人は、エストロゲンによる影響で、チラミンが分解できなくなっている可能性があります。
特に、生理痛やPMSがひどい人、子宮内膜症や子宮筋腫や多嚢胞性卵巣症候群の人はエストロゲン過剰であることが一般的です。
なお、食事とライフスタイルで女性ホルモンを手懐ける方法についてお知りになりたい方は、マインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースのご受講をご検討ください。原因を含めご相談がある方は、プライベート・ヘルスコーチング・プログラムにお申し込みください。
(3)抗うつ薬(MAO阻害剤)の服用
うつ病の患者で不足するセロトニン(別名:幸福ホルモン)と呼ばれる神経伝達物質は、モノアミンです。そのため、MAO酵素によって分解されてしまいます。
そのことから、MAO酵素の働きを阻害して、セロトニンが減らないようにするMAO酵素阻害剤が1950年代に抗うつ薬として開発されました。
そのため、抗うつ薬としてMAO酵素阻害剤を服用していると、当然、体内のMAO酵素が分解されてしまうので、チラミンが分解されにくくなります。
その状態で、チラミンを多く含む食品を食べれば、頭痛をはじめ、上記したチラミン過剰の症状が現れます。
もし現在、抗うつ薬を服用していて、チーズを食べると頭痛が起こる人は、処方されているお薬がMAO酵素阻害剤かどうかを確認してみてはいかがでしょうか。そのうえで、主治医とお薬について相談してみることをお勧めします。
(4)MAO遺伝子のSNP(変異)
MAO酵素に関係している遺伝子は母系で受け継がれます。
そのMAO遺伝子経路に変異(二重ホモ接合SNP)があると、チラミンをうまく処理できない体質をもっていることになります。
3. チラミンを多く含む食品の食べ過ぎ
上記したような原因にも要因にも当てはまらないけれども、頭痛が起こる人は、もしかしたら、大好きなチーズをただ単に食べ過ぎているのではないでしょうか??
チーズに限らず、上記したチラミンを多く含む食品の何かを食べ過ぎていたりしませんか?
「多すぎる量」は、ひとによって異なります。誰かにとって調度良い量が、あなたにとって多すぎることもあれば、その逆もあります。
上記した食品の中で、特に好んで毎日たくさん食べているものがあれば、しばらくの間、その食品を我慢してみてはいかがでしょうか。それで頭痛の発生が少なくなったのなら、ビンゴ!
これから、その食品を徐々に増やしていき、どれくらい食べた時に頭痛が起こるのかが突き止められれば、大好きな食べ物を諦めることなく、頭痛薬を手放すことができます。
チラミンの分解を助けてくれる食べ物
あなたの頭痛が、MAO酵素の分泌が不足していたり、チラミンを含む食品の食べ過ぎで起きているのなら、次の食品を一緒に食べることで、チラミンの分解を助け、頭痛やその他の不調の改善に役に立ちますよ!
レバー、海藻類、キノコ類
これらの食品には、ビタミンB2が多く含まれています。
ビタミンB2は、MAO酵素の働きをサポートする補酵素として働くことが報告されています。
ビタミンB2の詳しい機能については『ビタミンB2が不足するとビタミンB群全体が機能しなくなる』をご参照ください。
コーヒーは場合による
脳血管の収縮と拡張の差を少なくすると頭痛発作の症状を軽くすることができると期待されています。
血管の収縮にはカルシウムイオンが重要な役割を担っていて、カルシウムイオンが細胞内に入ると血管が収縮します。カフェインは、細胞内のカルシウムの量を増加させるため、コーヒーには、脳血管を収縮させる作用があります。
そのため、爆発しそうな頭痛の時はコーヒーを飲み、キリキリと締め付けられるような頭痛の時はコーヒーを控える方が良いと言えます。
また、コーヒーはモノアミン系のホルモンの分泌を促します。
モノアミン系のホルモンには、喜びを高めるドーパミンや緊張を高めるノルアドレナリンなども含まれます。そのため、コーヒーによって、ドーパミンが増えれば頭痛が軽減され、ノルアドレナリンが増えれば頭痛が悪化します。
残念なことに、コーヒーがどの様な場合にどちらを増やすのかのメカニズムはまだ判っていません。
「頭痛にはコーヒーが良い」と勧めているネットの記事もありますが、必ずしもコーヒーが頭痛を軽減してくれる場合ばかりではありません。「コーヒーはあなたの頭痛の症状による」というのが正しいですね。
なお、コーヒーの体への影響については『結局、コーヒーは体に良いの?悪いの?』をご参照ください。
ちなみにMAO酵素が多くなり過ぎると・・
MAO酵素は非常に強力な酵素です。
長時間体内に残り、多くなり過ぎても様々な不快な症状を起こします。
例えば、MAO酵素は、モノアミン系のホルモン(神経伝達物質)ドーパミン(別名:快楽ホルモン)の分解もするため、MAO酵素の働きが超高速化すると、ドーパミンが急速に分解されてしまい、パーキンソン病やADHD等の症状が悪化します。(ADHDとドーパミンの関係については『コーヒーがADHD治療薬の代わりになるかもしれない理由』をご参照ください。)
この様にMAO酵素は、神経伝達物質の機能に関わっていることから、多ければ多いほど良いわけでも、むやみに増やせば良いものでもないことを理解しておいてくださいね。
チーズ(チラミン)以外で起こる頭痛とその解決法
頭痛の原因は、チラミンだけではありません。
頭痛が起こる仕組みと原因、そして解決法については『頭痛は脳を守るために起きている!|繰り返し起こる頭痛を撃退する統合食養学が勧める最初の一歩』をご確認ください。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
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