バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
コラーゲンはただ摂っても効果はない
美容のため、特に、お肌のハリなどのためにコラーゲンのドリンク剤やサプリメントを飲んでいる女性は案外少なくないのではないでしょうか。
でもコラーゲンにはたくさんの種類があります。
お肌にはお肌に良い種類を摂る方が効果的ですし、摂っただけでは確実に体内で吸収され美肌になってくれるわけではないって知っていましたか?そのためには必要なことがあります。
それにコラーゲンは、実は単なる美容液なのではなく、もっともっとすごいことを私達の体の中でしてくれているんです。だから不足すると、しわが増える以上に怖いことが起こります。
今回は、そんなコラーゲンについて、コラーゲンの種類とそれぞれの役割やコラーゲンを増やす/減らすライフスタイルのこと、摂っても効果のないサプリメント/効果のあるサプリメントの種類などについて、まとめました。
そもそもコラーゲンって何者?
コラーゲンは、タンパク質です。
私達の体の全タンパク質の3分の1を占める、体の中で一番豊富にあるタンパク質です。お肌だけでなく、骨、髪、臓器、筋肉、腸壁、目にも含まれています。
コラーゲンが無ければ私達は生きていられません。
コラーゲン分子が集まって、原線維と呼ばれる密な糸を形成し、更に、この原線維が集まって結合組織を造ります。コラーゲンが私達の体を一つに結合させてくれているんです。
細胞レベルでは、コラーゲンは臓器を結合させたり、お肌にハリを与えたりしています。また、くっつけてくれているだけでなく、体の骨組みや強度、柔軟性の基礎を築いています。
例えば、骨。
鉄筋コンクリートの建物で考えると、鉄筋がコラーゲンで、コンクリート部分がカルシウムです。コンクリートだけの建物が壊れやすいのと同じように、カルシウムだけ摂っていてもコラーゲン(鉄筋)が少なければ、骨折しやすくなります。
コラーゲンがあるから、私達は立つこともできるし、手を伸ばしてストレッチしたり、体を動かすことができるのです。
テレビCMや雑誌などでも取り上げられているように、年齢を重ねても健康的なお肌や髪を維持していくために、コラーゲンは重要な役割を担っています。
コラーゲンの種類
コラーゲンには、十種類以上あります。
中でも最も私達の体に多く含まれているのが、タイプI(1型)、タイプII(2型)、タイプIII(3型)です。
タイプIコラーゲン(1型コラーゲン)
タイプIは、ヒトを含めた哺乳類に一番多く含まれているコラーゲンの種類です。
健康的なお肌、髪、爪、内臓、骨を造るための基礎材料で、主要な臓器全ての構造と結合組織を造っています。
タイプIは、タイプIIIと共に消化器官に大量に存在し、腸内の連結を修復し治す役割を担っています。IBSや憩室炎(けいしつえん、大腸炎症のひとつ)や食品に対する過敏症をもっている人にとっては、症状を改善するために欠かせない成分です。
タイプIコラーゲンに腸粘膜を修復し、胃液をバランスさせる作用があることは、既に、1980年の初頭に発見されています。その後、タイプIコラーゲンを造っているアミノ酸の内の2種類、グリシンとプロリンが、腸と脳に良い効果をもたらしていることが発見されています。
2010年のメディシナル・フード(薬となる食品)ジャーナル(the Journal of Medicinal Food)には、ホエイプロテイン(乳由来のタンパク質)とコラーゲンを食べた被験者の消化器官の潰瘍性炎症が改善されたことが報告されています。
タイプIIコラーゲン(2型コラーゲン)
タイプIIコラーゲンは、骨と骨をつなぐ関節でクッションの役割をしている丈夫で柔軟な軟骨を造るのに不可欠なタンパク質です。柔軟な構造を造ることで、腱と靭帯、骨と皮膚を守ります。軟骨成分として特化しているので、タイプIIは、「軟骨コラーゲン」とも呼ばれます。
タイプIIは、タイプIと同様にグリシンとプロリンという非常に有益なアミノ酸を含んでいるだけでなく、免疫機能を助け炎症を抑えるアミノ酸、アルギニンとアラニンも含んでいます。
タイプIとの大きな違いは、アミノ酸の構造と、軟骨細胞で造られるというところです。
タイプIIは、関節をサポートし、関節炎による痛みやこわばりを改善してくれます。タイプIIの中には、次のコラーゲン型や抗酸化物質と一緒に働くものがあります。
- タイプXI(11型)コラーゲン
- タイプIX(9型)コラーゲン
- コンドロイチン(関節周りの軟骨の成分)
- ケラチン(髪と皮膚の繊維状タンパク質)
ペンシルベニア州立大学(Penn State University)によるアスリートを対象とした2年間に渡る調査では、2型コラーゲンのサプリメントを与えた被験者全員の関節痛が改善したことが報告されており、研究者は、コラーゲンによって、全てのヒトの関節の劣化は軽減できるのではないかという仮説を立てています。
タイプIIIコラーゲン(3型コラーゲン)
タイプIIIコラーゲンは、筋肉、骨髄、生殖器、血管の結合組織を形成している網状線維の成分で、循環器(心臓血管系)の健康にとって不可欠な成分で、タイプIIIコラーゲンの不足は、血管損傷などの危険性を高めます。
また、タイプIコラーゲンのヘルパーとしての役割を担っているため、タイプIと同じ場所で見つかります。
その他のコラーゲン
体内で重要な働きをするコラーゲンは他にも複数あります。例えば、
- タイプIV(4型)コラーゲン|臓器を守る組織を形成する内皮細胞の成分
- タイプV(5型)コラーゲンは|細胞表面を造る
- タイプVII(7型)コラーゲン|肌を均一に保つ
- タイプX(10型)コラーゲン|骨の形成を助ける
- タイプXVII(17型)コラーゲン|健康な歯の形成を助ける、皮膚老化を予防する
詳しい17型コラーゲンについては『お肌に必要な特殊なコラーゲン』をご覧ください。
コラーゲンの働き
心臓|動脈硬化を予防
心臓の健康にとって重要な役割を担っているのは、タイプIII(3型)コラーゲンです。
コラーゲンはあなたの全身をひとつにまとめる「接着剤」ですから、動脈においても同じです。
2017年に発表された金沢医科大学による研究は、毎日16gのコラーゲン・トリペプチドを24週間摂り続けた成人の動脈硬化が改善されたことを報告しています。
また、循環器の健康にとって善玉コレステロールは有益だと考えられていますが、コラーゲンを摂取することで被験者の善玉コレステロール値が約6%上昇したと報告している研究もあります。
3型コラーゲンに含まれているアミノ酸プロリン
コラーゲンが心臓に良い理由のひとつは、3型コラーゲンに含まれているアミノ酸のプロリンです。
プロリンは、血流そして動脈内に脂肪が蓄積するのを抑制する作用があり、血圧を下げるだけでなく、動脈硬化の予防に役立つことが報告されています。
もし心臓のためにコラーゲンのサプリメントを飲むことを考えているのでしたら、タイプIII(3型)コラーゲンを含んでいるものを飲んでください。
腸|リーキーガット修復とIBS改善
前述した通り、コラーゲンは消化器官にとって、とても有益です。腸内には60%以上の免疫細胞がありますから、腸が健康なら免疫力も向上します。
ギリシャのヘラクリオン大学病院(the University Hospital Heraklion)は、IBS(炎症性大腸症候群)の患者は、腸内のコラーゲンが少ないことを報告しています。
最近、「リーキーガット(腸漏れ)」という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
多くの専門家が様々な深刻な病気の根本原因ではないかと考えている症状です。リーキーガットとは、腸管を形成している細胞と細胞との連結が弱くなり極微細な穴が開いてしまい、身体にとって、有害となる異物がその穴から血液の中に入り込み、健康問題を起こしている状態を指します。
リーキーガットの改善には、コラーゲンが有効であることが、報告されています。コラーゲンが腸内壁をスムーズに修復することによって、リーキーガットによる問題が解消され、その結果、腸内の共生細菌のバランスが回復するとのことです。
肝臓|アルコールによるダメージを修復
コラーゲンのアミノ酸成分のひとつグリシンが、アルコールやその他の有毒な物質を吸収することで肝臓を助けています。
『医療と薬学サイエンスのためのヨーロピアンレビュー(the European Review for Medical and Pharmacological Sciences)』の2012年に掲載された研究論文によれば、アルコールによって起こった肝臓へのダメージや、その他の急性並びに慢性の肝臓疾患をグリシンが軽減したことが報告されています。
その他の肝臓に良い食品については『肝臓機能をサポートする食品』もご覧ください。
関節|グルコサミン/コンドロイチンよりも効く
軟骨成分のタイプII(2型)コラーゲンは、関節、関節痛、そして関節炎にとって有益な働きをします。
オーストラリアのシドニー大学がコラーゲンが関節にとって不可欠であることを検証した結果、2型コラーゲンのサプリメントが、変形性関節症の中期的な痛みの軽減に、非常に重要な医療効果を示したと、2018年に報告しています。
メチルスルホニルメタン(MSM)やグルコサミン/コンドロイチンのサプリメントよりも、コラーゲンのサプリメント方が、膝の痛みの軽減には効くことも報告されています。
皮膚/お肌|しわ・たるみ予防と改善
皮膚は、私達の体の中で一番大きな臓器です。
細胞外マトリックスは、細胞と細胞をつなぐ足場のような役割の物質で、結合組織にたくさんある線維芽細胞の助けによって合成されるのですが、コラーゲンは、その合成を促す役割をもっています。
コラーゲンが不足するとお肌にハリがなくなり、しわが増えるのです。
コラーゲンは、その強さと耐久性を確約するだけでなく、皮膚の弾力性の維持も担っています。
正直に言って、食べるコラーゲンの量を増やしたからと言って、60代の女性が20代のように見えることはありません。でも、食べるコラーゲンの量を増やすことによって、しわを減らし、お肌に輝きを与えることが多くの研究によって支持されています。
また、コラーゲンはお肌に水分を保持する力(保湿力)を与え、乾燥による小じわなどを予防してくれます。
お肌を健康に保つ2つのコラーゲン
(1)7型コラーゲン
『米国国立がん研究所ジャーナル(the Journal of the National Cancer Institute)』に発表された論文によると、皮膚に十分な量のタイプVII(7型)コラーゲンがあると、異常な細胞増殖(皮膚がん)を防ぐことができることが報告されています。
(2)17型コラーゲン
お肌を若々しく保つ働きをしているのが、タイプXVII(17型)コラーゲンです。詳しくは『サプリメントからは得られないお肌を老化させずに若々しく保つ成分と最強食品』をご確認ください。
髪|艶と増毛
髪の主成分は、ケラチンと呼ばれる繊維状構造タンパク質ですが、健康な髪にとってコラーゲンも重要な役割を担っています。
コラーゲンは、髪の細胞再生を助け、内側と外側からのストレスから髪を守る抗酸化物質の産生を促し、髪の艶を向上させる働きがあります。
UCLA(カリフォルニア大学LA校)は、一時的に薄毛が起きた女性にコラーゲンのサプリメントを処方したところ、髪の成長が有意に促進され薄毛が改善したことを報告しています。
爪|爪の強化と成長
「アルファ・ケラチン」と呼ばれる非常に強力なケラチンと共に、コラーゲンは、爪を造る主成分です。
コラーゲンに含まれているアミノ酸のアルギニンが、健康的な爪を造るために必要な成分です。アルギニンは、一酸化窒素を産生します。一酸化窒素は、血行を促し、栄養が体の隅々まで行き渡ることを助けます。栄養が体の末端にまで行き渡れば、もちろん爪の状態も改善します。
研究では、コラーゲンのサプリメントを服用したグループで、爪の伸びが12%早くなり、割れ爪が42%も減少したことが報告されています。
コラーゲンの不足と関係があるとされる全身性硬化症、ルーパス、リューマチ関節炎などの発症は、爪の状態に表れることが判っています。
目|白内障予防
コラーゲンは、眼球の成分です。健康な目にコラーゲンが必要なことは明白です。
また、白内障が起こる原因のひとつにコラーゲンの不足が示唆されています。
歯|虫歯・歯肉炎・歯周病予防
タイプXVII(17型)コラーゲンは、歯のエナメル質の主要成分ですから虫歯に強い歯にもコラーゲンが必要です。
また、コラーゲンと歯周病、歯肉炎との関係についても複数の研究報告があります。
なぜコラーゲン不足に陥ってしまうのでしょうか
加齢で毎年1%減少
私達は、自分でコラーゲンを造り出すことができる素晴らしい能力を備えた動物です。でも、コラーゲンを造る能力は、加齢に伴い自然と減少していくことが判っています。
私達は、好むと好まざるとに依らず、毎年、歳をとります。ミシガン大学の皮膚科によって行われた研究によれば、20歳を過ぎると、コラーゲンが造られる量は毎年1%ずつ減少していくとのことです。
もし私達が何もしなければ、50歳になるまでに体内のコラーゲンは、40%も減ってしまうということです。
加齢以外にも体内のコラーゲン量を減らしてしまう要因があります。
コラーゲンを減らすライフスタイル
次の要因は、不必要に体内のコラーゲンを奪ってしまいます。
- 不適切な食事
- 喫煙
- ストレス
- 睡眠不足
- 有害物質(食品添加物、残留農薬、重金など)
- 運動不足
でも、良いお知らせがあります。
私達は、体内のコラーゲンの量を、増やすこともできます。
コラーゲンを自前で造る能力は年々低下していくかもしれませんが、体内のコラーゲン量を増やすことはできるんですよ。
体内のコラーゲンを増やす7つの方法
1. コラーゲンを多く含む食事をする
自前でコラーゲンを造る以外に、食事やサプリメントなどから、コラーゲンを体内に取り込むことができます。
私は統合食養学(ホリスティック栄養学)のヘルスコーチですから、サプリメントからではなく、食事によって体内のコラーゲンを増やす工夫をすることをお勧めします。
食事から効率良くコラーゲンを体内に取り込むためには、異なるタイプのコラーゲンを含む、様々な食品を食べることが大切です。
コラーゲンを豊富に含む食品の代表選手は、動物性タンパク質です。サーモン、鶏卵、鶏肉、豚肉などには多くのコラーゲンが含まれています。例えば、鶏軟骨は、コラーゲンそのものですね。
ボーンブロスからもコラーゲンを十分に摂ることができます。
ボーンブロスは、ホルモン剤や抗生物質などを与えられずに育ったオーガニックの動物の骨などから造ることが重要です。鶏や魚、牛や羊などの骨を茹で、骨からコラーゲンだけでなく貴重な栄養素を抽出します。
ボーンブロスは、スープのように温かい状態で、そのまま飲むこともできれば、他のスープのベースとして使用できます。冷ますと煮凝り(にこごり)と呼ばれるゼラチンのような物質になります。それがコラーゲンです。温めれば溶けてまた液体に戻ります。
小籠包の包みの中のスープは、コラーゲンです。煮凝りの状態の時に皮で包み、蒸すとスープになるのです。
ボーンブロスは、自己免疫疾患の症状の改善を助けると考えられています。
2. コラーゲンの体内合成を促す食品を食べる
食べたコラーゲンが体内で吸収されるために、あるいは、コラーゲンを自前で合成するためには、特定の栄養素が必要です。そうした栄養素を含んでいる食品をコラーゲンと一緒に食べることが大切です。
私達は自前でコラーゲンを造り出すことができますから、あなたがベジタリアンあるいはヴィーガンだったり、ボーンブロスが好みでなかったとしても大丈夫です。
自前でコラーゲンの産生を促す栄養素を豊富に含む野菜や果物やナッツ&シーズを食べれば良いのです。
ビタミンC
その主な働きをしてくれるのが、ビタミンCです。ビタミンCは、次の様な重要な働きをしています。
- 体内のコラーゲン合成
- コラーゲンの貯蔵
- 細胞を結合するヒドロキシル化と呼ばれるプロセス
サプリメントからではなく、ビタミンCを多く含むお野菜や果物をたくさん食べましょう。ビタミンCの詳しい機能や多く含む食品については『ビタミンCの多い食品』をご確認ください。
その他の成分
ビタミンCの他にもコラーゲンの合成に必要な成分には次の様なものがあります。
- 亜鉛
- ビタミンB6
- ケイ素/シリカ/シリコン
- フルボ酸
フルボ酸は土壌に微量に含まれている成分です。そのため、これを豊富に含む食品というものはありません。畑のお野菜などを食べることで自然と摂取できていると考えられます。
これらを多く含む食品については、『お肌を老化させずに若々しく保つ最強食品』をご参照ください。
3. 日光浴しすぎない
適度な日光浴はビタミンDを体内で造るために必要です。でも長時間に渡る日光浴はお勧めできません。
例えば、ビタミンCを多く含む食事をしているほど、紫外線による皮膚ダメージが少ないことがマウスを使った動物実験で報告されていますが、その保護効果にも限界があります。
紫外線を浴び過ぎると、日光弾性線維症と呼ばれる、お肌のコラーゲン組織と弾性組織の両方が壊される光老化が起こります。紫外線によるダメージは、しわやたるみだけでなく、皮膚を薄くして、あざができやすくなったり、がんの発症リスクを高めてしまいます。
どのくらいの日光浴であれば私達ヒトにとって薬となり、それくらいになると毒になるのかについて、マインド・ボディ・メディシン講座セルフドクター・コースの中で教えています。
詳しいビタミンDの機能については『ビタミンD』をご参照ください。
4. 禁煙する
喫煙が、一般的な健康にも、コロナウイルス感染予防的にも、よくないことは皆さんも良くご存知だと思います。
それだけでなく、健康なコラーゲンの合成と産生にとっても、最悪な影響を与える要因のひとつです。
喫煙によって、タイプIとタイプIIIコラーゲンの体内合成率が低下し、細胞外マトリックスのバランスが変わってしまうことが報告されています。
更に、喫煙者では、がんの発症率を高めることが以前から示唆されている、細胞外マトリックスの分解や細胞表面のコラーゲンを含むタンパク質の分解などを行うタンパク質分解酵素のひとつ、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)が100%増加していることが報告されています。
5. ストレスを軽減する
ストレスは、コラーゲン原繊維の形成に影響を与えることが判っており、単に骨を弱くするだけでなく、様々な病気の原因となる可能性が懸念されています。
また、慢性的なストレスは、ホモシステインと呼ばれるアミノ酸の有毒な前駆体を増加させてしまいます。ホモシステインは、心疾患や脳卒中、アルツハイマー病との関係も示されている物質です。
なお、ストレスと仲良くなる方法について、マインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースで学べますよ。
6. 適度な運動
運動はコラーゲンの合成に影響をもつ成長ホルモンの分泌を促します。
また、運動によって血行が改善されることによって、コラーゲンの合成に必要となる酸素や栄養素が細胞に滞りなく届けられ、コラーゲンの産生が促されます。
7. サプリメントを活用する
繰り返しますが、コラーゲンは食事から摂ることも、体内で自前で造ることもできます。ですから、まず、食事やライフスタイルを見直すところから始めることをお勧めします。
でも、既に心疾患が心配、炎症性大腸症候群(IBS)があるという場合は、できるだけ素早く症状を改善するために、食事からは摂取しきれない分のコラーゲンをサプリメントから摂ることは否定しません。
コラーゲンは、サプリメントから摂っても体内で有効に働くことが様々な研究によって報告されています。
コラーゲンのサプリメントの選び方
しかし、コラーゲンのサプリメントには I 型コラーゲンしか含んでいないものがほとんどです。たまにIII型コラーゲンを混ぜているものや、II型コラーゲンのサプリメントもありますが、その他の型のコラーゲンを含んでいるものや、全ての型を含んでいるサプリメントは存在しません。
そのため、バランスよく多様なコラーゲンの型を摂れるのは、食品だけです。
また、サプリメントは、あくまでも補助食品です。食事の代わりにはなりません。
購入に適しているサプリメント
次の状態になっているサプリメントであることを確認して購入してくださいね。
- 100%の純粋なコラーゲン(添加物がないこと)
- コラーゲンペプチド(加水分解コラーゲン)
コラーゲンペプチドとは、コラーゲンを酵素などで分解し、比較的低分子化したものです。加水分解コラーゲンとも呼ばれます。体内への吸収率が高いことが多く報告されています。
ペプチドは更に体内で分解され、皮膚・髪・爪の成分のケラチンのようなタンパク質を造るために活用されます。また、骨・筋肉・軟骨などに活用されます。しかしどの臓器に活用されるかを私達が限定することはできません。
とは言え、ペプチドの中でもプロリルヒドロキシプロリン(prolylhydroxyproline)と ヒドロキシプロリルグリシン(hydroxyprolylglycine)が、お肌の状態(保湿、弾力性、シワ、なめらかさ)を改善する効果があることが報告されています。
しかし、お肌以外の体の部位、例えば、ヒトの爪や髪へのサプリメントによる効果はまだ確定していません。
効果のないサプリメント
一方、次の形態のサプリメントの効果は確認されていません。
- キャンディーやグミ状のもの
- ドリンク剤
また、せっかく健康のために摂取するのであれば、安全でクリーンな原料で造られていることが大切ですね。ですから、次の原料で製造されているものは避けることをお勧めします。
- 非遺伝子組換え原料であることが確認できないもの
- グラスフェッドやオーガニック原料ではないもの
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
様々な理由で体内のコラーゲンを増やしたいと考えている人は少なくないと思います。
サプリメントに頼る前に、是非、今回ご紹介した食品とライフスタイルを生活の中に取り込んでみてくださいね。
もしおひとりで取り組むことに不安や難しさを感じるのでしたら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
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ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング