バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
逆境に耐える力がリラックス効果に
カモミールといえば、多くの人が、そのリラックス効果によるストレス解消や安眠作用を思い浮かべるのではないでしょうか。
カモミールの花言葉は、「逆境に耐える」「逆境で生まれる力」です。
カモミールに含まれているアピゲニンという抗酸化物質には、様々な健康作用があることが既に明らかにされていることから、私たちに逆境に耐える力をくれることは確かなようです。
カモミールという名前は、香りがリンゴに似ていることから、「大地のリンゴ」という意味のギリシャ語に由来していると言われます。
和名は、カミツレ。こちらはオランダ名のカミーレに由来していると言われます。
カモミールには2種類ある
カモミールには、次の2種があり、両方とも成分はほぼ同じです。両方ともハーブティとして同じ様に使用されます。
- ジャーマンカモミール
- ローマンカモミール
お花の旬は、4月~7月です。
今頃は、ちょうど今年のカモミールが、乾燥ハーブとして出回る頃です。
もう5年ほど前になりますが、友人と一緒に日本で初めてビオホテル認定を取得したカミツレの宿「八寿恵荘」へ行ってきました。その時のことは『日本初ビオホテル®八寿恵荘』をご覧ください。
今回は、リラックス効果を超えて発見された、カモミールの予想を超える機能についてお伝えします。
なお、裏付けとなる研究論文は最後に参考文献として一覧にしています。
抗血小板凝固作用
ドロドロ血液が健康によくないことは、もうよくご存知だと思います。
健康診断で血液の成分がドロドロだと診断されると、お医者様から血栓や脳卒中、心筋梗塞を予防するための抗血液凝固剤が処方されます。ワーファリンは、血栓予防のために最もよく処方される抗血液凝固剤です。
でも、血液が固まることは決して悪いことではありません。
傷を作ってしまった時など、素早く血液が固まるから、止血され、私たちは死なずに済みます。
止血には2段階ある
ここから先の説明を分かりやすくするために、ここで少し、血液が固まる過程についてお話したいと思います。血液が固まる過程には、次の2段階があります。
一次止血/白色血栓
傷ができると、血液中の「血小板」が血管の傷ついた部分に貼りつき、止血が始まります。血小板同士がくっつきあうことで塊となり、傷口がふさがれます。
二次止血/赤色血栓
血小板が作った膜の表面や、血小板がちぎれてしまったところで、血小板の塊を強固にするために、血液中の「凝固因子」という成分がお互いに作用し合い、「フィブリン」という接着剤のようなものを作り、血小板の塊を更に強固にして止血します。
つまり、血栓には2種類あるのです。
血液をサラサラにするお薬も2種類
だから、血栓を予防するお薬も2種類あるのです。
- 一次止血(白色血栓)を予防・・・抗血小板剤(動脈硬化の素を絶つ)
- 二次止血(赤色血栓)を予防・・・抗凝固剤(フィブリンの作用を絶つ)
抗血小板作用が医薬品同等の食品
2020年6月に『英国薬学ジャーナル(the British Journal of Pharmacology)』に掲載された研究は、2019年12月31日までに発表された、抗血小板作用やワーファリンのような作用を起こすハーブ、サプリメント、食品に関する149件の研究論文を精査した結果を公表しています。
そして、次の食品と成分には、医薬品と同等の抗血小板作用があると報告しています。
- カモミール・ティ
- キトサン
- 銀杏
- クコの実
- クランベリー
- 生姜
- セントジョーンズワート
- ホウレン草
- 緑茶
カモミール、ネトル、アルファルファに抗血小板作用があることは、2005年に発表された別の研究論文によって既に結論づけられていましたので、今回の報告によって、それが更に裏付けられたことになります。
ドロドロ血液を指摘された人は、夜1杯のカモミール・ティを楽しむことを習慣にすることをお勧めします。カモミールには副作用などありませんし、しかも、薬と同等の効果が得れるのなら、良い睡眠も得られて一石三鳥です。
既に抗血小板凝固剤を服用している人はNG
抗血液凝固剤を処方されている人は、カモミール・ティを飲んではいけません。
カモミールだけでなく上に記載した食品は、避けた方が良いでしょう。
薬の作用が効きすぎて血が止まらなくなってしまう可能性があります。歯茎からの出血やあざができやすくなったら、血液が薄くなりすぎているサインです。
抗血液凝固剤が効かなくなる食品
抗血液凝固剤を処方されている人は、海藻類(海苔やわかめ)やハーブ類(紫蘇やバジル)などビタミンKを多く含む食品を避ける様に説明を受けているはずです。なぜなら、ビタミンKには、血液凝固作用/止血作用があるからです。ビタミンKの機能と多く含む食品については『ビタミンK』をご確認ください。
抗血液凝固剤が処方されてしまうと、食べられない食品が増えて生活がとても窮屈になってしまいますから、そうなる前のカモミール・ティですね!
コレステロール減少
糖尿病のうさぎを使った動物実験ですが、ジャーマンカモミール・オイルに、総コレステロール値を有意に減少させる効果があったことが報告されています。
口腔粘膜炎の鎮痛作用
口腔内膜炎とは、がんの化学療法を受けている時や高度な放射線の照射によって起こる口内炎のような症状です。口内炎よりも非常に強い痛みを伴います。
化学療法を受けて1週間後くらいから発症し、数週間に渡って続きます。口腔粘膜炎の治療には、口内炎と同じ治療が行われます。
こうした口の中で発生する痛みの改善のために、様々な成分をマウスウォッシュにした場合の効果を検証した論文が『口腔腫瘍学(Oral Oncology)』誌の2020年5月号に掲載されていました。
2,594人の被験者に、36回もの異なる無作為化比較試験が行われ、次の成分の効果を検証しています。
- ハチミツ
- カモミール
- クルクミン
- ベンジダミン(局所的に作用する非ステロイド性抗炎症薬)
- クロルヘキシジン経口洗浄液(医薬用殺菌薬)
- スクラルファート(粘膜保護薬)
- ポビドンヨード(うがい薬「イソジン」の主成分)
この中で、口腔内膜炎に最も高い効果を示したのは、次の食品と成分で、作ったマウスウォッシュだったと報告しています。
- カモミール
- ハチミツ
- クルクミン
- ベンジダミン
ドイツコミッションEからのお墨付き
実際、昔からドイツ・コミッションE(日本の厚生労働省のような役所)は、口内粘膜の炎症や、イガイガや、口腔内の痛みの解消のために、カモミールで口腔内の洗浄やうがいをすることを勧めています。
いずれかの方法を試してくださいね。お口の中だけでなく、体の中からリラックスできます。
- お好みの口腔洗浄液に、カモミールの精油(エッセンシャル・オイル)を10滴落として使う
- カモミールを水でインフューズしたものをマウスウォッシュとして使う
- 乾燥カモミールをハーブティにして冷ましたものをマウスウォッシュとして使う
- 冷ました、あるいは、冷やしたカモミール・ティを飲む。
カモミール・ティに、ラベンダーのエッセンシャルオイルを1滴落として飲むと、よりリラックス効果が高まります。でも、眠くなってしまう人もいますので、昼間は要注意。
関節痛・膝痛の緩和
関節痛や膝の痛みにフランキンセンスのエッセンシャルオイルが効くことは様々な研究によって証明されていますが(詳しくは『フランキンセンス』をご確認ください。)、新たにカモミールのエッセンシャルオイルが膝の痛みに効くことが発見されています。
カモミールティではなく、カモミールのエッセンシャルオイルを膝に塗って実験が行われています。
イブプロフェンなどのNSAID系鎮痛剤を使用している被験者への、次の3つ成分の効果を比較しています。
- ジクロフェナク(TVのCMでご存知、バンテリンの主成分)
- カモミールのエッセンシャルオイル(精油)
- 偽薬
3週間使い続けた結果、カモミールの精油を膝に塗った被験者で、イブプロフェンを必要とする回数が減ったことが報告されています。
研究者は、次のように述べています。
「カモミール精油は、ジクロフェナクや偽薬と比較して、
有意に鎮痛剤を使用する頻度を抑えることができた。
しかし、WOMACアンケートの結果では大きな差は生じなかった。カモミール精油を使用したことによる副作用を報告した患者はなく、
身体機能の向上や関節のこわばりの緩和など、
いくつかの効用が見られた。」
WOMACアンケートとは、Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Indexの頭文字で、変形性股関節症の患者が自身の健康関連QOL(生活の質)を自己評価するための指標です。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
イブプロフェンを使用する回数を減らせるのであれば、頭痛や生理痛の時にも効果が期待できるのではないでしょうか。また、塗ることでも効果があるのならば、こめかみに塗ったり、お腹のマッサージにも活用できますね。
さて、カモミールの意外な効能に驚きましたか?
あの優しい可愛らしいお花と香りからは想像もできないくらい、頼もしい「逆境に耐える力」を私たちに与えてくれるハーブですね。
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参考文献:
- “Warfarin and Food, Herbal or Dietary Supplement Interactions: A Systematic Review”, Christina San San Tan, Shaun Wen Huey Lee, Br J Clin Pharmacol, 2020 Jun 1. doi: 10.1111/bcp.14404, PMID: 32478963
- “Inhibitory Effect of Aqueous Extracts of Some Herbs on Human Platelet Aggregation in Vitro”, Saulnier Pierre, Lynn Crosbie, Asim K Duttaroy, 2005 Dec;16(8):469-73. doi: 10.1080/09537100500129540, PMID: 16287614
- “Therapeutic Effects of in vivo- Differentiated Stem Cell and Matricaria Chamomilla L. Oil in Diabetic Rabbit”, Afsaneh Fazili, Soghra Gholami, Mojgan Sheikhpour, Pegah Pousti, J Diabetes Metab Disord, 2020 May 11;19(1):453-460. doi: 10.1007/s40200-020-00530-3
- “Comparative Prevention Potential of 10 Mouthwashes on Intolerable Oral Mucositis in Cancer Patients: A Bayesian Network Analysis”, Xu Zhang, Di Sun, Nan Qin, Meishuo Liu, Jing Zhang, Xiaohan Li, Oral Oncol, 2020 May 6;107:104751. doi: 10.1016/j.oraloncology.2020.104751, PMID: 32388411
- “Chamomile: A herbal medicine of the past with bright future”, Srivastava, Janmejai K et al, Molecular medicine reports vol. 3,6 (2010): 895-901, doi:10.3892/mmr.2010.377
- “Effects of 9 Oral Care Solutions on the Prevention of Oral Mucositis: A Network Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials”, Ya-Ying Yu, Jia-Lin Deng, Xian-Rong Jin, Zhong-Zu Zhang, Xiao-Hua Zhang, Xin Zhou, Medicine (Baltimore), 2020 Apr;99(16):e19661. doi: 10.1097/MD.0000000000019661
- “Efficacy and Safety of Topical Matricaria Chamomilla L. (Chamomile) Oil for Knee Osteoarthritis: A Randomized Controlled Clinical Trial”, Ruhollah Shoara, Mohammad Hashem Hashempur, Alireza Ashraf, Alireza Salehi, Shadab Dehshahri, Zahra Habibagahi, Complement Ther Clin Pract, 2015 Aug;21(3):181-7. doi: 10.1016/j.ctcp.2015.06.003, PMID: 26256137
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング