バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
大きな声で言えない話
女性の体の不調や変化について、大声で話しにくい風潮がありますよね。
女友達にもなかなか言えず、かと言って婦人科の先生にも訊きにくかったりして、結局、よほどの大事(おおごと)ではない限り、そのままにしてしまうケースが多いのではないかと感じます。
女性が成長する過程で、初潮について多少学ぶ機会はあっても、その後のことを家族で話題にすることも、学校で学ぶ機会も特にありません。
だから今回、女性ならではのおトイレの悩みについて、敢えてお伝えすることにしました。
(女性ホルモンの変化・生理周期に応じた食事や過ごし方、職場や家庭での更年期の上手な対処法などについて学びたい方は、マインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースでじっくり2時間かけて学べます)
おトイレが近いですか?
おトイレが近い女性は案外多いです。
- くしゃみをしたら、ちょこっと尿漏れしたことはありますか?
- 買い物中に突然の尿意に襲われたことはありませんか?
- 痛みでセックスが楽しめなくなっていませんか?
加齢によってその傾向は高くなります。また、妊娠中や出産後に軽い尿漏れを経験する女性も少なくありません。
尿漏れは、命に係わるような不調ではありませんが、生活の質を著しく損う現象です。おトイレが近いために尿漏れが心配で、旅行や運動、お友達や家族とのお出かけを楽しめなくなり、次第に外出することも他人と会うことも避けるようになってしまいます。
でも、ご心配なく!
習慣を変えるだけで70%改善
習慣を変えるだけで、近いおトイレも、尿漏れも、約70%も改善させることができます。
『米国内科学会学術誌(Annals of Internal Medicine)』に掲載された最近の研究は、尿漏れの治療には、薬ではなく、行動療法に効果があることを報告しています。
しかも、尿漏れの行動療法の専門家のプログラムを受けなくても、多くの人は、自宅で自分で改善させることができるんです。
なお、裏付けとなる研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています。
尿漏れ(尿失禁)には2つのタイプがある
尿漏れは、非常に微量で数滴の漏れであることもあれば、ズボンを濡らしてしまうほど大量になるほど重症化することもあります。
最も代表的な尿漏れのタイプは、ストレス性尿失禁と急性尿失禁の2つです。
1.ストレス性尿失禁
- 咳やくしゃみをした時、重いものを持ち上げた時、運動をした時などに起こります。
- 人体の仕組みに関係する解剖学的な問題だと考えられています。
2.急性尿失禁
- あまりに突発的に尿意が起こってしまうことで、洗面所まで間に合わないものです。
- 身体の機能に関係する生理学的な問題だと考えられています。
どちらのタイプも習慣で改善できる
1. 水分摂取を減らす
もちろん、おトイレが近いという自覚が既にある人は、なるべく水分を摂らないようにして過ごしていると思います。
しかし、たくさんお水を飲むことが美容に良いといった誤った情報によって、むやみに水分補給をしている女性は少なくありません。そうした不要で過剰な水分摂取が、過活動膀胱になる可能性を高めていることに気がついていないのです。
過活動膀胱になると、頻繁な排尿衝動と強い尿意を伴い、夜中もトイレに起きなくてはならなくなります。そして、急性尿失禁を起こす可能性を高めます。
もちろん、ストレス性尿失禁の可能性も高まります。
膀胱は、輪ゴム(尿道括約筋)で口を留められた水の入った風船のようなものです。もし風船が大量の水分摂取によって水で一杯になっていれば、ちょっとした刺激によっても、漏れ出てしまうでしょう。
健康に良いという思い込みで行うそうした誤った行為が、不要で不快な症状を生むのです。
2. カフェインを制限する
カフェインは、尿漏れを起こす原因物質のひとつです。
カフェインは、通常のスピードよりも速く尿を作るように腎臓を刺激します。一方で、膀胱は、急激に満たされることを好みません。結果、膀胱は過活動になり、あるいは、排出すべきでないタイミングで、収縮して尿を排出しようとしてしまいます。つまり、急性尿失禁を起こす可能性が高まってしまうのです。
おトイレが近い、突然おトイレに行きたくなるような急性尿失禁傾向がある人は、カフェイン摂取を少なくするか、止めることをお勧めします。
3. 膀胱を訓練する
おトイレが近い人は、排尿訓練をすることで改善できる可能性があります。
排尿訓練は、おトイレとおトイレの間隔を開けることから始まります。例えば、1時間おきにおトイレに行っている人は、1時間半まで、あと30分がまんしてみるのです。がまんできるようになったら、今度は2時間待つようにします。こうして、次第におトイレとおトイレの間隔を広げていくのです。
目標は、3時間から4時間おきにおトイレに行くことです。3時間以上おトイレをがまんできるようになるまでには、約5-6か月ほどかかりますが、ゆっくりとご自分のペースで無理をせずに訓練を続けてくださいね。
4. 骨盤底筋を鍛える
骨盤底筋の健康は、女性にとってとても大切なことです。特に歳をとるほど大切になってきます。なのに骨盤底筋という言葉すら耳にしたことのない女性の方が一般的です。
些細なことでの尿漏れも、骨盤の痛みも、性の喜びの減少も、骨盤底筋が関係しています。
骨盤底筋が弱ると、おトイレが近くなり、尿漏れが起こります。そして、性交痛が起こることがあります。骨盤底筋は、出産、加齢、がん治療、座っている時間が長いなどの原因によって弱まります。
でも、こうした不調は、自宅で回復させることができます。
骨盤底筋の運動は、ケーゲル運動と呼ばれます。骨盤底筋を鍛えることで、腹部に圧力がかかった時にも尿道を閉じたまま維持することができるようになります。
簡単に骨盤底筋を鍛える方法
ケーゲル運動には様々な方法があります。ここでは一番簡単な方法をご紹介します。
おならを我慢するようにお尻の穴を締めて収縮させるのです。
- 1日に30回くらいお尻の穴を締める運動するのが良いと言われています。
- 10回ワンセットで、1日に3セット(朝昼晩)
- 締めている時間は1回5秒から10秒を目安にしてください。
お尻の穴を締めるタイミング
ケーゲル運動は、ストレス性と急性の両方の尿漏れに効果があります。
ただ、尿漏れのタイプによって、お尻の穴を締めるタイミングが異なります。
急性尿失禁の場合
尿意が起きた、その瞬間にお尻の穴を締めてください。そして尿意が納まるまで締めたまま待ちます。強い尿意が治まったら、おトイレまで慌てずに行ってください。
尿意が起こる度にこれを繰り返しいくと、症状は改善していきます。
効果を感じられるようになるまでには、約3か月くらいかかるので、気長に尿意が起こる度にやり続けてください。
ストレス性尿失禁の場合
膀胱に圧力がかかる前にお尻の穴を締めてください。
例えば、くしゃみをしそうになったら、くしゃみをする前の息を吸い込んだ時に一緒にお尻の穴を締める必要があります。練習が必要ですね。
効果が表れるまでには、約2~4か月かかりますので、咳やくしゃみや重いものを持ち上げる前などには、忘れずにお尻の穴を締める習慣を気長につけてくださいね。
もしこうした行動療法を続けても改善しない場合には、泌尿器科あるいは産婦人科を受診してくださいね。
尿道にも共生細菌(マイクロバイオータ)がいる
従来の医学では、尿道に共生細菌がいるとは考えられてきませんでした。
尿道は無菌だと医学部では教えます。
しかし、多くの人が私達の腸内には微生物が住んでいることを今では知っています。そして、腸内だけでなく、皮膚の上や様々な体の場所に微生物が住んでいることも知られてきています。
最新の高度な検出技術とDNAの解析技術によって、従来では検出できない程の極めて小さな微生物も発見することができるようになり、尿道が無菌だという認識が間違いであることが示めされました。
尿道に棲んでいるマイクロバイオータ(共生細菌)の種類、その顔ぶれの変化と、特定の病気との関係を調査する科学的調査が多く行われることとなりました。
女性の尿道に多い共生細菌
女性の尿道では、乳酸菌が最も多くみられる細菌です。その他にも次のような菌が存在しています。
- ビフィズス菌
- 連鎖状球菌
- ブドウ球菌
- アエロコッカス菌
- ガードネレラ菌
年齢と共にこれらの尿道細菌の顔ぶれが変わるというデビデンス(証拠)もあります。
尿失禁のある女性の尿道細菌は異なる
『産婦人科学アメリカンジャーナル(the American Journal of Obstetrics and Gynecology)』誌に掲載された最新の研究では、尿漏れ(尿失禁)のない女性と比較して、尿漏れのある女性の尿道には、異なる種類の菌が住んでいることが報告されています。
具体的には次のことが明らかにされています。
- 種類だけでなく、多様性においても異なる
- ストレス性尿失禁と急性尿失禁の女性の尿道細菌は同じではない
尿失禁の種類によって尿道に住む菌が異なるというのは、2つの尿失禁が異なる原因(解剖学的vs生理学的)で起こることを考えれば当然のことかもしれません。
ただ、次の因果関係は不明のままです。
- 尿道細菌が、尿失禁の原因の一部なのか
- 尿失禁の結果、違いが生じたのか
この因果関係を明確にするためには、更なる研究が必要です。
尿漏れにプロビオティクスは役に立つのか?
こうした共生細菌に関する研究を目にすると、統合食養学のヘルスコーチとしては、尿漏れの改善に、発酵食品などのプロビオティクス(食べられる善玉菌)が役に立つのか知りたいという好奇心が生じます。
しかし、残念なことに、現在までの尿道細菌に関する研究は、観察による発見が多くを占めていて、尿漏れの改善に、食事、特にプロビオティクスが効果があるかを調べたものはありません。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
おトイレが近いという人は、今回ご紹介した2つのタイプのどちらにご自身の状態が近いか考えてみて、それぞれに適した改善方法を試してみてくださいね。
もしお一人で取り組むことに不安や難しさを感じのでしたら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?
ソフィアウッズ・インスティテュートではプライベート・ヘルスコーチング・プログラムで、必要と判断したクライアントさんには、もっと骨盤底筋を鍛えるエクササイズの方法を説明した写真付きの資料をお渡ししています。
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
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参考文献:
- “Bladder bacterial diversity differs in continent and incontinent women: a cross-sectional study”, Travis K Price, Huaiying Lin, Xiang Gao, Krystal J Thomas-White, Evann E Hilt, Elizabeth R Mueller, Alan J Wolfe, Qunfeng Dong Linda Brubaker, Am J Obstet Gynecol, 2020 Nov;223(5):729.e1-729.e10. doi: 10.1016/j.ajog.2020.04.033. Epub 2020 May 5
- “4 behavioral changes to tame urinary incontinence”, May Wakamatsu, MD, JULY 10, 2019, Women’s Health, Harvard University
- “An emerging link between the urinary microbiome and urinary incontinence”, Jeannine Miranne, MD, MS, AUGUST 12, 2020, Harvard Health Blog
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