バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
心と体をつなぐホリスティックな食事法について、
ニュースレター登録者限定のキャンペーン情報等も配信しています。
ご登録は、こちらから
もれなく統合食養学(ホリスティック栄養学)冊子が無料ダウンロードできます
目次
二日酔いの正体
忘年会や新年会だけでなく、歓送迎会や何かのお祝いパーティなど、季節に関係なく、週に何晩もお酒を飲む機会が続くことってありますよね。
それに、お酒の席では、ついつい食べ過ぎてしまうこともしばしばです。
今回はお酒が体に及ぼす影響をお伝えした後、そうした影響を予防・緩和するために、飲み会前、飲み会中、飲み会後、それぞれにどのように過ごしたら良いかお伝えします。
ところで、二日酔いの正体ってなんでしょうか。お酒は二日酔いがなければ楽しい飲み物です。
二日酔いの主な原因は以下の4つです。
1.脱水症状
アルコールには利尿作用があります。ビールを飲むと大量におしっこが出るなんて経験ありませんか?
お酒は液体なのに、体内の水分を減少させる働きがあります。酔って楽しくしている、気がつかない間に体は脱水していっています。
アルコールによる脱水症状が二日酔いの原因のひとつです。
2.アセトアルデヒドの蓄積
アセトアルデヒドは、アルコールが肝臓で消化分解される時に発生する発がん性物質です。
この毒物が、肝臓に蓄積、あるいはそのまま血流にのって体中にめぐることで、二日酔いの症状が起こります。
また、赤ワインで起こる二日酔い頭痛は、アセトアルデヒドを分解する酵素の働きを赤ワインに含まれているケルセチンが阻害してしまうことが一つの原因だと考えられています。
3.コンジナーによる作用
コンジナーとは、穀類や果物がアルコール発酵する時に生じる副産物です。お酒の味や風味を決める物質の総称で、ワインやウィスキーなど色の濃いアルコールに多く含まれています。
体内のミネラルやビタミン吸収を妨げる作用があり、ミネラル欠乏・ビタミン欠乏の症状を起こすことがあります。
アルコールの分解にはビタミン・ミネラルが使われますから、体が一時的にビタミン/ミネラル不足になることも二日酔いの原因のひとつです。
4.免疫反応
上記3つが引き金となって、私達の体は自らを守ろうとして、自然免疫を起動させてしまうことがあります。こうした免疫反応、アレルギー反応が二日酔いの症状となって現れます。
上記した4つのアルコールによる体内の生理現象が、慢性的に日常的に続けば病気になるだろうということは、簡単に想像できます。
アルコールが引き起こす病気
図『アルコール消費と生活習慣病等のリスク』出所:厚生労働省「飲酒量と健康リスク」
WHO(世界保健機構)は、アルコールはどんなものでも、平均して、60以上の病気を引き起こすと警告しています。
アルコールの摂取量と病気の発症リスクとの関係は、病気の種類によって異なります。
心筋梗塞/脳梗塞/糖尿病
適度な量のお酒なら発症リスクが低下する病気があることが判ります(図(c))。日本人の死因の上位が心臓発作や脳梗塞だった時代では、確かに、お酒は百薬の長だったのかもしれませんね。
高血圧/脂質異常症/がん
アルコールを飲んだ量だけ発症リスクが高くなる病気です(図(a))。
乳がんは、女性に最も多いがんです。その原因は、女性ホルモンの影響や運動不足、肥満など様々ですが、アルコールは主なリスク要因のひとつです。
図の通り、飲酒量に比例して乳がんのリスクは、直線的に上がります。女性に多い骨粗鬆症も、多量の飲酒によって骨密度が減少することが判っています。赤ワインだからと言って、そのリスクが低くなるという報告は、いまのところどこからもありません。
赤ワインと病気や乳がんとの詳しい関係については『「赤ワインは体に良い」は本当?~フレンチ・パラドックスに異議あり!』や『あなたの期待を裏切る赤ワインと乳がんの関係』をご参照ください。
ただ、野菜を多く食べている50歳以上の女性は、適度なお酒であれば、乳がんリスクが高くならないことが最近のハーバード大学の研究で報告されています。お酒は“ベジ系アラフィフ”の女性になってからのお楽しみということですね。
肝硬変
ある程度の酒量までは、発症リスクが高くないものの、一定量を超えた途端にリスクが跳ね上がる、油断した頃にやってくる病気だということが判ります。(図(b))
肝臓には痛みを知覚する神経がありませんので、かなり悪くなってから発見されるため、グラフにするとこういうことになるのでしょうね。
健康を守りながらアルコールと付き合う方法
原則、お酒はあまり飲まない方が賢明だと、いうことは分かっていただけたと思います。でも、そんなことを言ったところで、人生の楽しみとして、そして様々な人生のステージを飾る場面には、お酒は必須だと考える人は少なくありません。
そんな時、会を白けさせることなく、そしてあなた自身も楽しみつつ、体を守る方法があります。
ロック・ミュージシャンは、何時間にも及ぶエネルギッシュなステージの後、明け方まで打ち上げパーティをやるという生活を繰り返し繰り返し続けています。それが彼等のライフスタイルです。
でも、プロのミュージシャン達は、そのイメージとは裏腹に、乱れた生活で自分の人生を破滅させるようなことはしません。ロックなイメージのバックステージで彼等はちゃんと、ミュージシャンとしての活動と、自分の体と心のバランスをとっています。驚くほどストイックです。
著名なロック・ミュージシャン達が実際にやっている方法をご紹介しながら、二日酔いを予防する方法と二日酔いを解消する方法をお伝えします。
ミック・ジャガー(72歳現在)がまだ元気にロックを続けていられるなら、私達にも可能なはずです。
飲み会の前に計画的に準備する
幹事をかってでる
会の幹事をかって出ましょう。
幹事になれば、あなたは自分の好きな場所を会場に選べます。会場をベジ系レストランやベジ系メニューが充実したところを選ぶようにしましょう。そしてベジメニューを豊富に選択してしまいましょう。
また、オーガニック認証のワインなどを置いているお店を選びましょう。
会場やメニューを選べる立場でない場合
アルコールによって不足しがちになる重要な栄養成分を、事前に食事でおぎなっておくことが大切です。
当日、会の前に次のことをしておきましょう。
1. 濃い緑色の野菜サラダ
濃い緑色の野菜たっぷりのサラダをオリーブオイルと酢またはレモン果汁で食べておきましょう。
- 濃い緑の野菜には、肝臓のデトックス作用を助けるクロロフィルが豊富です。
- 濃い緑色の野菜には、アルコールによる発がんリスクを軽減する葉酸も豊富です。
- オリーブ油のオメガ3とビタミンEが副腎を守り、ホルモンバランスが乱れることを予防してくれます。
- アルコールによって体内で不足しやすくなるビタミンCをレモンや柑橘類が補います。
2. 水を飲んでおく
脱水症状を予防するために水分補給をしっかりとしておきましょう。お茶やジュースやコーヒーではなく、水を飲んでおくことが重要です。
3. おやつはナッツ・シーズ・柑橘類
アルコールによって不足がちになるマグネシウムやセレンなどのミネラルが、ナッツとシーズには豊富に含まれています。
また、エネルギー代謝を高めるビタミンB群も豊富です。
4.サプリメントは逆効果
サプリメントは、上記した栄養素を摂る上でとても便利なもののように思われるかもしれません。でも、サプリメントに含まれているのは、栄養素だけではありません。様々な添加物が含まれています。そうした化学物質が肝臓の負担となります。そのため、肝機能にとっては返って逆効果になってしまいます。
また、空の胃にアルコールを直接入れると胃粘膜への負担になります。その意味においてもサプリメントではなく、食事をしておく、食品を食べておくことが、飲み会が続いても肝臓と胃腸を守ることになります。
ボン・ジョヴィ
専属の栄養士、料理人、カイロプラクティック、 フィジカルトレイナーといっしょにツアーを回ります。 好んで食べるものは、焼き魚、ヨーグルト、アーモンド、フルーツと 大豆プロテインのスナック
マドンナ
マドンナの食事はツアーがあってもなくてもマクロビオティック
日本人のマクロビオティックス・アドバイザーの西邨マユミさんを専属料理人にしていたことは有名です。参考:『マドンナのパーソナルシェフ西邨マユミさんのスペシャル・プライベート・ディナーに行ってきました』
5. ウコンについて
飲み会の前にウコン入りの飲料を飲むことを、私はお勧めしません。
お酒といっしょにウコンを摂ることで、肝臓でのアセトアルデヒドなどの発がん性物質の発生が低下したという研究報告があり、ウコンに二日酔い予防の効果があることは確かです。
でも、そうした飲料を飲むことで、今日は大酒しても大丈夫だという心理的な油断が生まれます。結果、飲み過ぎてしまうのがオチです。
ウコン入り飲料は、二日酔い予防のためではなく、大酒する言い訳のために使われているだけ、だから私は、敢えてウコン入り飲料をお勧めしません。
飲み会では健康的な選択をする
1. アルコール・フリー(ノンアル)
もし手にグラスを持っていないことが許されない空気の集まりの場合は、アルコール・フリー(ノンアル)のドリンクやカクテルを作ってもらいましょう。
以前の職場の法人営業マンは、銀座のお姉さんと親しくなり、こっそり自分のドリンクだけ、ウイスキーの水割り風のウーロン茶にしてもらっていました。
2. チェイサー
ノンアルでは楽しくない、やっぱりアルコールが飲みたい。あるいは、アルコールを飲まないことが許されない雰囲気の会の時には、アルコールと同量の水を一緒に飲むことを意識しましょう。
例えば、ビールを一本飲んだ後に、同量のビール瓶一本分のお水を飲むのは無理です。飲めません。だから、必ず、お酒と一緒に同時進行的に飲んでください。
3. ヘルシーに割る
お酒を割るために使うコーラやジンジャーエールのような炭酸飲料を、次の様なものに代えてもらいましょう。
- ココナッツ・ウォーター
- アイスティー
- フルーツジュース
特に、グレープフルーツには、アルコールの“酔い”を倍増させる成分が含まれています。そのためグレープフルーツジュースと半々に割って飲むと、いつもより半分の量のアルコールで、同じ“酔い”が起こります。アルコールの量は半分ですから、体への負担も少なくてすみます。
4. オーガニックを選ぶ
ワイン等の醸造酒もできるだけ残留農薬や二酸化硫黄の含有量が少ないものを選びたいですね。できるたけオーガニック認証されているものを選ぶようにしましょう。
参考まで『8割以上のワインから危険成分を検出』を併せてご確認ください。
5. 食事は野菜と魚介とナッツ
ベジ系メニューを多く選ぶようにしましょう。
また、貝類には、肝臓機能を助けるタウリンやホルムアルデヒドの解毒を促すオルニチンが豊富ですから、二日酔い予防になります。
おつまみもナッツ&シーズ類が最適です。
クリス・シフレット(フーファイターズ)
ステージの後の打ち上げで、ファストフード、 特に、ピッザやフライドチキンには近寄らないようにしている
ケイティ・ペリー
ステージの後の打ち上げや楽屋での食事においても、野菜だけを用意させる 特に、ブロッコリー、セロリ、ニンジン、ビーツ、フルーツの盛り合わせ、グアカモーレ(アボカド、シアントロ、ライム、玉ねぎ等で作るディップ)は、必須
飲み会の後と日々の調整
1. 緑の日を作る
緑色の食べ物は、東洋医学では「肝」に良いと考えらえており、肝臓を助け、血を浄化する作用があります。
アルコールで弱った肝臓を元気にしてくれるだけでなく、パーティで出される、あまり健康的とは言えない、でも美味しいお料理のデトックスにもなります。
緑色のスムージーの簡単レシピは『緑色のスムージー|肝臓とデトックスの色』をご覧ください。
ピンク
1か月に少なくとも1日を、緑の日にしている 緑の日とは、水以外は、緑色の物だけしか飲食しない日
パーティをする機会の多い彼だからこそ、定期的にこうしたリセット日を作ることはとても重要です。
私たちも飲み会をする機会が多い人や、毎日独り飲みをする習慣のある人は、務めて、緑の日を作ってみると良いのではないでしょうか。
2. 豆類、豚肉、魚、キノコ、柑橘類、アボカド
アルコールは、体内のビタミンB群、C、Eを減少させてしまいます。
そのため、お酒を飲んだ後は意識して、こうしたビタミンの多い食品を食事に、摂り入れることが大切です。
特に、ビタミンB群のナイアシンは、ホルムアルデヒドの肝臓での分解を助けてくれます。飲み会の後はナイアシンが多く含まれている舞茸などのキノコ類や魚(たら、まぐろ、かつお)、豆&ナッツ類、豚肉を食べるようにしてみましょう。
繰り返しになりますが、サプリメントは肝臓への負担となりますから、アルコールによって弱った肝臓にとっては最良の選択肢とは言えません。必ず、食事から摂るようにしてください。
3. ナッツ&シーズ、貝類
飲んだ後に良いとよく言われているのは、あさりやしじみのお味噌汁です。
上でも述べた通り、あさりにはタウリンが、しじみにはオルニチンが含まれているので、二日酔い予防に効果があります。
また、アルコールによって減少した体内のマグネシウムとセレンは、私たちの情緒と生理機能にとって重要なミネラルです。ナッツやシーズなども食べましょう。
ティナ・ターナー
今だに美しい脚を維持している彼女ですが、
朝食にたくさんのフルーツを食べ、地中海式食事法を続けている
地中海式食事法(メディトレーニアン食事法)には、ビタミンB群、C、Eだけでなく、オメガ3不飽和脂肪酸も豊富な食品が多く使われており、貝類やナッツとシーズも豊富な食事です。
4. 歩く
食べ過ぎたり飲み過ぎた次の日、ジムで体を痛めつけるようにエクササイズするのもいいですが、そこまでしなくても、日々、エスカレーターではなく、階段を歩いて登る習慣をもつだけで効果があります。
コンビニに行く時、車で出かけるのではなく、徒歩10分15分の距離なら歩くことを選択してみましょう。公共の交通機関があまり便利でない地域にお住いの方は、ついついどこに行くのでも、車ででかけることが普通だと思いますが、敢えて、歩いてみましょう。
そういう意味では、東京のような都会の人は、駅と目的地の間を歩くことが普通なので、一日に歩く距離は長いかもしれませんね。
マドンナ、シェリル・クロウ
パーティの次の日、長い散歩をする 特にマドンナは公園の階段を上り下りする
ブルックシールズ、スザンヌ・サマー、ジュリア・ロバーツ
ジムで運動するよりも、車移動よりも、 公園や街を自分で歩くことを選択
彼女たちのような有名人が歩いていたら大騒ぎになりそうですが、普段着の彼女たちは、上手に周囲に溶け込み、不必要な注意を向けられることなく、街を自由に歩く楽しみを満喫しているようです。
彼女たちが歩けるのであれば、あなたが歩けないわけがありません。
それでも二日酔いになってしまったら
1. 水をたくさん飲んで汗をかく
もう体内のアルコールを水で薄めるしかありません。そして、できるだけ早く体内から追い出すことが大切です。そのためには、たくさんのお水を飲むようにしてください。
足湯や半身浴で発汗をよくして、汗といっしょに出してしまうのも効果的です。
2. 吐き気がある場合
生姜湯
白湯にすった生姜を入れて飲んでみましょう。
生姜は、二日酔いによる吐き気や気分の悪さの解消に効果があります。
大根のおろし汁に生姜
大根をおろすと出る汁に、すった生姜を加えて飲むのも効果があります。
大根おろしとおろし生姜を混ぜてそのまま食べてもOKです。
3. 吐いてしまったら
塩水やレモン水で口をすすぐ
殺菌にもなり、すっきりします。
バナナを食べる
嘔吐で失うミネラルを補うためにバナナなどカリウムの多い果物を食べるようにしましょう。
バナナの詳しい機能については『バナナ』をご確認ください。
カリウムの機能については『カリウム』を、その他のカリウム豊富なフルーツについては『カリウム豊富なフルーツ・ランキング』をご参照ください。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス
いかがですか?できそうですか?
楽しい時間を楽しみながら、でも、そのことで健康を害することがないためには、事前の準備と日々の調整が大切です。
ロック・ミュージシャンができるなら、彼等よりも、もっと穏やかな生活をしているあなたができないわけはありません。だからといって、頻繁な深酒は、くれぐれもしないでくださいね。
もしおひとりで取り組むことに不安や難しさを感じるのでしたら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
プライベート・ヘルスコーチング・プログラムについて
お気軽にご相談ください。
初回相談を無料でお受けしています。
あるいは、ソフィアウッズ・インスティテュートのマインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースで学びませんか?セルフドクターコースでは、あなたが食を通してご自身の主治医(セルフドクター)になるために、必要な知識とスキルを教えています。
新学期は、毎年3月と9月です。講座でお会いしましょう。
心と体をつないで健康と幸せを手に入れる
ニュースレターのご登録は、こちらから
統合食養学(ホリスティック栄養学)冊子が無料ダウンロードできます
参考文献:
- “7 Tips To Stay Healthy While You Party“, LAURA MCDONALD, DEC 17, 2014
- “This A-list doctor can show you how to party like a (healthy) rock star“, Dec 7 2014
- “Celebrities Who Walk for Fitness“, Callie Jones, September 26, 2011
- 「赤ワインで頭痛が生じる人がいるのはなぜ?」、メディカルトリビューン、2023年12月4日
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング