遺伝子の番人キウイフルーツは3月が狙い時|食べてはいけない人もいる

2018/06/12/

キウイフルーツ

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

心と体をつなぐホリスティックな食事法について、
ニュースレター登録者限定のキャンペーン情報等も配信しています。
ご登録は、こちらから
もれなく統合食養学ホリスティック栄養学冊子が無料ダウンロードできます

新しい研究成果が続々と・・

2015年2月にキウイフルーツについて初めてブログにしましたが、それからも様々な研究成果の報告がありましたので、今回、改めて加筆修正することにしました。

それに、最近、キウイフルーツの宣伝をよくテレビで観るようになりましたね~。

CMのように、キウイフルーツは、ニュージーランド産が有名です。でも、実は、原産地は中国中部なんですよ。

元々は、チャイニーズ・グズベリー(中国スグリの実)と呼ばれていたところ、ニュージーランドの国策で(笑)、ニュージーランド固有種のダチョウの仲間、キウイに姿が似ていることから、キウイフルーツと命名され、その名前が広まったんです。

キウイフルーツは3月がお手頃

4月に外資系の企業で「日本人の長寿の秘訣」について講演をさせていただいた時に、

日本では季節ごとに市場に出回っている食品が変わるので、
1年を通してみると、意識しなくても、季節ごとのとても多様な食品、
つまりとても多様な栄養素を体に摂りいれている。

と、お話したところ、「1年を通して、同じ食品が購入できないのは不便だろう。それなら、季節が反対のオーストラリアから食品を輸入したら良いのではないか」と、言うコメントがありました(笑)

そういう意味で、キウイは、ほぼ1年中あるフルーツですね。

  • 国産のキウイフルーツの旬は、11月頃から2月・3月(冬から春)です。
  • に出回っているものは大抵、輸入ものですが、
  • 輸入ものの旬は、春から初夏(3月~5月・6月・7月)です。

3月は、国産と輸入ものの旬が重なるので、キウイフルーツがお手頃価格になります。

私も旬の時には、国産の無農薬・無化学肥料・無成長ホルモン剤のキウイフルーツを4つ¥248という驚異の安値で購入しましたよ。

キウイフルーツは、医療としても効果が期待されている多くの素晴らしい成分を含んでいることが近年報告されています。キウイフルーツの機能と、お料理に使う際の注意点、また、キウイフルーツを食べると危険かもしれない人についてお伝えします。

キウイフルーツの健康機能

なお、裏付けとなっている研究論文を参考文献として最後に一覧にしています。

遺伝子をダメージから保護

フィトニュートリエントの研究分野では、キウイフルーツが細胞酸化からDNAを保護する効能があることに注目が集まっています。

キウイフルーツのどの成分がこの効果を生んでいるのかについては、まだ研究途上ですが、キウイフルーツに豊富に含まれているビタミンCやβカロテンだけの効能ではなさそうだと、どの研究も結論づけています。

キウイフルーツには、バラエティ豊富なフラボノイドカロテノイドが含まれているので、それらがDNA保護に関与していると考えられています。

遺伝子のダメージ修復

一日1個のキウイフルーツが、遺伝子に起こったダメージを修復してくれることが報告されています。

グラフは、キウイフルーツを食べた時(薄い棒)の細胞修復の度合いと、同じ人が食べるのを止めた時(濃い棒)の修復の度合いを、キウイフルーツの個数を1個、2個、3個と増やしていった時の様子をまとめたものです。(値が低い方が良い)

キウイ

食べない時との比較では確実に修復の度合いは改善していますが、だからと言って個数を増やしても修復される度合いにあまり変化がないことが判ります。

1日1個でも効果があるというのは嬉しいですね。

過敏性大腸症候群 (IBS)

細胞免疫学の研究によって、キウイフルーツには医療的にも腸の抗炎症機能として働く作用があることに期待が集まっています。

マウスを使った実験ですがインターロイキン10と呼ばれる遺伝子(炎症性サイトカインの産生を始めとする免疫機能を抑制する方向で制御する)を不能にした、IBSのマウスに、

  • ゴールデン・キウイ
  • グリーン・キウイ

それぞれの抽出液を投与すると、どちらも同じくらい

  • 炎症性のサイトカインの産生を抑制し
  • 一酸化窒素の発生を減少させた

と、報告されています。遺伝子を不能にさせていても効果があったというのは、ものすごく説得力のある結果ですね。

ヒトに対しても、キウイには、腸を痛めるような腸壁(細胞)の炎症活動を鎮める成分があると期待されています。

 血糖値の安定化(糖尿病予防)

キウイフルーツは、食物繊維のペクチンが豊富です。特にキウイフルーツに含まれている種類の食物繊維に、様々な効能があることが判っています。

食物繊維は、体内の糖の吸収を調節してくれるので、血糖値を正常化・安定化させる役割があります。

心疾患予防、脳卒中予防(循環器の健康維持)

1日に2個から3個のキウイフルーツを28日間、ボランティア被験者に食べてもらう調査研究では、

キウイフルーツをまったく食べない人と比較し、

  • 血栓形成の働きを18%低減
  • 中性脂肪が15%減少

と報告されています。

キウイフルーツに含まれている

  • 食物繊維が、悪玉コレステロールを低減させ、心疾患の予防に
  • 黒い小さな種オメガ3不飽和脂肪酸が含まれており、中性脂肪を低減
  • ビタミンK血栓を予防

すると考えられています。キウイフルーツは、副作用もなく血栓を予防してくれます。

高血圧予防

キウイフルーツにはミネラルも多く含まれており、特に、カリウムが豊富です。

そのため、高血圧の原因と言われている不要なナトリウムを体外に排出する体内の生理機能を助けます。

カリウムの詳しい機能については『欠乏すると心停止の危険があるカリウムの機能とカリウム豊富な食べ物』をご参照ください。

喘息予防、気管支の健康強化

キウイフルーツに含まれるビタミンCが、喘息などに関係する気管支の健康維持に重要な役割をもっていると言われています。

なぜなら、ビタミンCは、コラーゲンの産生に不可欠なビタミンだからです。コラーゲンと言うと関節痛やお肌のハリなどと関連付けて考えられることが多いですが、実は、肺の機能を構築している健康的な細胞の結合にとってコラーゲンは必要なのです。

中央と北イタリアの6歳から7歳の18,000人の子供を対象に行われた調査では、

キウイフルーツを毎日数個以上食べている子供ほど、食べない子供と比較し、

  • 気管支に関係した疾患にかかる確率が44%低く、
  • 息切れでは32%、
  • 夜の喘息では27%、
  • 慢性咳は25%、
  • 鼻水は28%、

少ないことが報告されています。

特に、既に喘息を発症していた子供において、キウイフルーツの効果が顕著に表れています。

1週間に1個か2個しか食べない子供においても、まったく食べなかった時と比較し改善がみられたとのことです。

また、別の研究では、喉の上気道の炎症を有意に減少させたという報告もなされています。

美肌効果

豊富なビタミンCが肌の美容に効果的です。

シミ、ソバカスなどの予防となります。

また、食物繊維による腸内環境の改善も美肌効果を生みます。

ビタミンCの詳しい機能については『ビタミンCは摂れば摂るほど美容と免疫力がアップするの嘘と本当』をご確認ください。

睡眠の質の向上

被験者24名(男性2名、女性22名、年齢20歳~55歳)に、就寝の1時間前にキウイを2個毎日4週間食べてもらったという実験があります。

4週間後、平均して、

  • 睡眠の質が、42.4%向上し
  • 睡眠導入から目覚めまでの時間が、28.9%短くなり
  • 就寝から睡眠導入までの時間が、35.4%短くなり
  • 実際に眠っている時間は、13.4%長くなり
  • 睡眠効率は、5.41%向上した

と、報告されています。

被験者数が少ないですが、睡眠の質や睡眠導入に問題意識をもっている人は、試してみると面白いかもしれませんね。

疲労回復、風邪予防

ビタミンCは、疲労回復や、風邪予防など、免疫力の向上にも効果があります。

白内障予防

一日に3個以上キウイフルーツを食べている人は、1個半未満しか食べない人と比べて、加齢による白内障になるリスクを36%低減すると報告されています。

この調査には、11万人の男女が参加し、女性は18年間、男性は12年間の追跡調査が行われました。

  • βカロテンやビタミンAをサプリメント錠で摂取した場合と
  • 野菜で摂取した場合には、

加齢による白内障予防への効果はあまり強くはありませんでした

しかし、

フルーツで摂取した場合にのみ、白内障予防として有意な効果が認められたとのことです。

面白いですね。やっぱり栄養素は単体で考えるのではなく、ホールフードで考えることに意味があるのだと確信する結果です。

キウイをお料理に使う際の注意点

キウイフルーツには、タンパク質分解酵素アクチニジンが含まれています。

そのため、肉類の消化を助ける効果があると言われています。しかし

タンパク質解酵素アクチニジン

  • アクチニジンは食物酵素です。胃の消化酵素によって消化分解されてしまうため、体内で働くことはありません。
  • 特に、アクチニジンは酸にとても弱い酵素です。胃液(塩酸よりも強い酸)によってで死んでしまいます。
  • アクチニジンは熱にも弱いです。

そのため、キウイフルーツをお肉と一緒に食べたとしても、胃の中でお肉の消化を助けることはありません。

キウイフルーツをお料理に活用する方法

お肉などを柔らかくしたいのであれば、

1.調理する前に

  • 生のキウイフルーツのスライスをお肉の上に載せてしばらく置いておく
  • キウイフルーツの搾り汁にお肉を2~3時間浸けておく

ことが効果的です。

2.熱を加えない

キウイフルーツのジャムを作るのであれば、熱を加えて煮るのではなく、生のままフードプロセッサーでペースト状にするだけの方が良いです。

3.寒天を使う

キウイフルーツをゼリーの具として使用することはできません。ゼリーの素となるゼラチンは、タンパク質なので、キウイフルーツのアクチニジン(タンパク質分解酵素)によって、分解されてしまいます。そのため、固まらないのです。

代わりに、寒天を使うと良いでしょう。

キウイフルーツを食べてはいけない人

結石

キウイフルーツは、シュウ酸塩を含む数少ないフルーツのひとつです。シュウ酸は体内で蓄積され過ぎると、結石することが判っています。

健康な人は、あまり気にする必要はありませんが、既に結石をもっている人や結石を治療したことがある人、腎臓が弱い人や腎臓病をもっている方は、キウイフルーツを避けることが大切です。

カルシウム吸収の阻害

シュウ酸はカルシウムの体内吸収を妨げる効果があることも報告されています。

ただ、この効果はあまり強くないので、胃腸が健康でちゃんと噛んで食べる習慣がある人は、あまり気にする必要はありません。

ラテックス(化成ゴム)アレルギー

アボカドバナナと同様にキウイフルーツにも化成ゴムアレルギーを引き起こす成分が含まれています。既に化成ゴムにアレルギーのある方は、キウイフルーツを避けることが大切です。

ピーナッツ・アレルギー

ピーナッツ・アレルギーがある人は、キウイフルーツに対してもアレルギー反応を示す確率が高いことも報告されていますので、ピーナッツ・アレルギーがある人は、注意してくださいね。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

こんな話、もっと聴いてみたいと思いませんか?

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?

プライベート・ヘルスコーチング・プログラムについて
お気軽にご相談ください。
初回相談を無料でお受けしています。

あるいは、ソフィアウッズ・インスティテュートのマインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースで学びませんか?セルフドクターコースでは、あなたが食を通してご自身の主治医(セルフドクター)になるために、必要な知識とスキルを教えています。

新学期は、毎年3月と9月です。講座でお会いしましょう。

心と体をつないで健康と幸せを手に入れる
ニュースレターのご登録は、こちらから
統合食養学(ホリスティック栄養学)冊子が無料ダウンロードできます

参考文献:

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング