あなたが気づかないうちに食道で進む静かな脅威

2025/09/09/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

心と体をつなぐホリスティックな食事法について、
ニュースレター登録者限定のキャンペーン情報等も配信しています。
ご登録は、こちらから
もれなく統合食養学ホリスティック栄養学冊子が無料ダウンロードできます

咳払いが多くて時々胸に鋭い痛みがあるけど、
胸やけはないし健康診断で心電図にも異常はない

これって心配するほどの病気なんでしょうか?

かもしれません・・

1950年にイギリスの外科医ノーマン・バレット博士によって発見された病気である可能性があります。

その病気は、発見者である彼の名前からとって、「バレット食道」と呼ばれます。

なお、裏付けとなる研究論文は最後に参考文献として一覧にしています。

バレット食道は、ただそれだけで死に至る病気ではありません。

でも、放置するとがん化するリスクがある病態です。

次のようにして起こります。

胃酸の逆流が長期間に渡って起きていると(慢性化すると)、食道にまで胃酸を分泌する細胞が増殖するようになります。

すると、食道は、もともとの状態よりも日常的に酸にさらされるようになるため、食道の扁平上皮細胞は自己防衛のために「強靭化」して「円柱細胞」になります。

「円柱細胞」になった食道は、酸には強くなるものの、がん化しやすい特徴があります。

統計的に次のプロファイルに当てはまる人は、バレット食道リスクが高いと考えられています。

  • 慢性的な逆流性食道炎がある(10年以上)
  • 50歳以上の男性(特に、白人)
  • 喫煙(電子タバコを含む)
  • 飲酒
  • 肥満(特に、メタボ)
  • 食事(特に、酸性食品、揚げ物、加工食品が多い)
  • 食道がんの家族歴
  • 日常的に高温の飲料を飲む習慣がある

逆流性食道炎や胃食道逆流症がある人の全員がバレット食道になるわけではありませんが、胃酸の逆流が改善されないまま長年放置されると、バレット食道が起こるリスクが高まります。

バレット食道が進行し、食道の粘膜に異形成(異常な細胞/円柱細胞の増殖)が起こると、食道腺がんのリスクが高まります。

食道腺がんを1年以内に発症するリスクについて調査した2023年の研究は、次のように示しています。

  • バレット食道の患者・・・0.12%~0.5%
  • バレット食道ではない人・・・0.03%

0.12%~0.5%はわずかなリスクに見えますが、バレット食道ではない人(0.03%)の約17倍以上であることを考えると、かなりリスクが高いと言えます。

更に、食道腺がんになったことのある家族がいるバレット食道の患者が、食道腺がんを発症するリスクは2.5倍であることが、『薬理学の先駆者たち(Frontiers in Pharmacology)』誌2020年号に掲載されています。

内視鏡検査を受けたことがある人で、バレット食道の所見が発見されると、その症状に沿って医者から次のいずれかのような説明を受けることとなります。

  • 非異形成性バレット食道・・・直ちにがんになるリスクはありませんが、経過観察が必要
  • 低度異形成・・・前がん性の変化が起きています。より頻繁なモニタリングや治療が必要
  • 高度異形成・・・より進行した異形成です。がんへの進行を防ぐために内視鏡を用いたアブレーション(カテーテルで高周波電流を用いた電気的または物理的に細胞を破壊する治療法)や手術による治療が必要

2020年1月の「今月の病気(Diseases of the Month)」誌に掲載された研究は、バレット食道の異常組織を熱で除去する高周波アブレーションが、特に高リスク症例のバレット食道が食道腺がんに進行するリスクを大幅に低減できることを示しています。

バレット食道になっていても胸やけや胸の痛みが必ず起こるわけではありません。特に、初期の段階では、内視鏡検査を受けるまで自分では気がつかないことがほとんどです。

中には、次のような症状が現れる人もいます。

  • 頻繁な咳払い
  • 喉に食べ物が詰まったような感覚(球状感覚)
  • 嚥下困難(嚥下障害)
  • 鋭い胸痛または灼熱感
  • 慢性的な咳
  • しゃがれ声

ただ、これらの症状は、アレルギー症状や後鼻漏などと診断されることも多いことが問題です。そうすると、抗ヒスタミン剤や鼻閉改善薬など誤った薬が処方され、バレット食道は気づかれないまま放置され進行していってしまいます。

バレット食道は、気がつかれにくく、気がついた時にはかなり進行してしまっていることが多いのです。

また、中には、食道に「穴が開いた」ように感じると表現する人もいます。

食道が炎症を起こしているため、痛みを感じやすくなっているのです。特に、酸性の食品(柑橘類やトマトなど)や飲料(コーヒー、アルコールなど)を飲食すると食道がヒリヒリと痛みます。酸による刺激は、食道にけいれんを引き起こしたり、刺すような痛みを引き起こすことがあります。

でも、実際には「穴」は存在しません

もし、穴が空いていたら、吐血や発熱が伴なうはずです。

まずは、胃酸の逆流を改善しなくてはなりません。

胃酸の逆流を改善する方法については、『逆流性食道炎/胃食道逆流症』をご確認ください。

痛みを伴う症状がある場合には、今すぐにでも食生活の改善に取り組んでください。できるだけ早く食道の粘膜を胃酸から保護し、これ以上の炎症を広げないことが、今後の治療の効果を高めます。

制酸薬(胃酸を抑える薬)については『制酸剤』をご確認ください。

逆流性食道炎/胃食道逆流症」で紹介した食品に加えて、次のナチュラル成分が特にバレット食道の症状の改善に効果があると報告されています。

詳しい機能について執筆した記事があるものはリンクしていますので、併せてご確認ください。

  • マスチックガム(1日500~1,000mg)・・・食道の治癒を促進
  • ターメリック(クルクミン500~1,000mg)+黒コショウ・・・炎症と酸化ストレスを軽減
  • メラトニン(就寝前に3~6mg)・・・下部食道括約筋を強化し、逆流を軽減

メラトニンは次の食品を食べることでも増やすことができます

上のリストの中で、詳しい機能について執筆したことのある記事を下にリンクしましたので、併せてご覧ください。

ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス

公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。

もしおひとりで取り組むことに不安や難しさを感じるのでしたら、ヘルスコーチと、一度、話をしてみませんか?

プライベート・ヘルスコーチング・プログラムについて
お気軽にご相談ください。
初回相談を無料でお受けしています。

あるいは、ソフィアウッズ・インスティテュートのマインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースで学びませんか?セルフドクターコースでは、あなたが食を通してご自身の主治医(セルフドクター)になるために、必要な知識とスキルを教えています。

新学期は、毎年3月と9月です。講座でお会いしましょう。

心と体をつないで健康と幸せを手に入れる
ニュースレターのご登録は、こちらから
統合食養学(ホリスティック栄養学)冊子が無料ダウンロードできます

参考文献

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング