アルツハイマー病と認知症(2)予防・改善のための食事法

2015/09/02/

バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。

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脳の炎症を抑える野菜中心の食事

アルツハイマー病そして認知症の予防と改善にとって有効との研究報告のある食材や食品についてお伝えしていきます。

PCRM(米国責任ある医療を目指す医師の会)も、プラントベース、つまり、野菜中心の食事を推奨しています。

特にアルツハイマー病は、脳の炎症が原因であると考えられています。そのため、大きくは、炎症を抑える抗炎症性の食事(野菜多め、良質なオイル、発酵食品など)が良いと言えます。

1. 肉類を減らす

肉類とは、4つ足動物(牛・豚・羊など)の肉を指します。

お肉に豊富に含まれているタンパク質の成分アミノ酸のひとつメチオニンは、体内で正常に代謝されるともうひとつのアミノ酸システインに変換されます。

しかし、その時、葉酸やビタミンB12やビタミンB6が不足していると、メチオニンが正常に代謝されず、ホモシステインと呼ばれる毒性のあるアミノ酸に変換されてしまいます。

ホモシステインは、悪玉コレステロールと結合して動脈硬化の原因となることが既に知られています。

血中ホモシステイン濃度との関係

2002年の『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(New England Journal of Medicine)』に、ホモシステインの血中濃度が高い人ほど、アルツハイマー病にかかる確率が2倍も高いことが報告されています。

野菜不足の肉食の人の血中ホモシステイン濃度が高いことが判っています。

なぜなら、ホモシステインの正常な代謝に必要な葉酸とビタミンB群は、緑の葉物野菜穀類豆類、果物に多く含まれているからです。

ホモシステインとアルツハイマー病との関係は、相関関係であり因果関係ではありません。しかし肉食を減らし、野菜を多めに食べることは、一般的に言っても健康に良いのですから、アルツハイマー病予防にも効果があると考えて問題はないでしょう。

2. 野菜中心の食事

野菜の中でも特に次に挙げる食品を多く食事に取り入れることが大切です。

緑黄色野菜(ほうれん草・ケール)

ほうれん草やケールなどの緑黄色野菜には、カロテノイドの一種ルテイン、葉酸、そして、マグネシウムが豊富に含まれています。

それぞれの栄養素と認知症/アルツハイマー病との関係については次の通りです。

【ルテイン/カロテノイド】

健常者とアルツハイマー病患者の血中カロテノイド濃度を調べたところ、アルツハイマー病患者の血液にはカロテノイドが有意に少なく、特に、ルテインが非常に少なかったということが報告されています。

なぜ、アルツハイマー病患者の血中でカロテノイドが不足するのか等の詳しい機序は、まだ判っていません。しかし、ルテインを多く含む食品を食べることでアルツハイマー病の予防になるのではないかと考えられています。

ルテインを含むカロテノイドは、緑黄色野菜に多く含まれています。特に、ケールほうれん草に多く含まれていますが、他の緑黄色野菜にも含まれています。

ルテインを多く含む食品については『ルテイン』をご参照ください。

【葉酸】

毒性のあるアミノ酸ホモシステインを減らし、メチオニンの正常な代謝には、葉酸が必要です。緑色の葉物野菜には、葉酸も豊富です。

葉酸豊富な食品については『葉酸』をご確認ください。

【マグネシウム】

マグネシウムは、近年、私達の記憶力と集中力に大きな影響をもっていることにも注目が集まっています。骨の形成や循環器系の健康、神経伝達や情緒の安定にとって大切なミネラルです。

ただし、マグネシウムは、脳細胞へはそのままの形では、ほとんど吸収されないことが判っています。

ミネラルは体内でイオン化し、アミノ酸やペプチドと結合してAAC(アミノ酸キレート)ミネラルとなることで腸内で吸収されます。そして、マグネシウムは、L-トレオン酸マグネシウムの形になると、脳で最も吸収されやすいと考えられています。

L-トレオン酸は、ビタミンCの代謝物質です。つまり、マグネシウムを脳に届けたかったら次の食品を一緒に食べれば良いのです。

  • 緑黄色野菜
  • お肉やお魚やお豆類
  • ビタミンC豊富な果物(ベリー類や柑橘類)

そうすることで体内におけるL-トレオン酸マグネシウムの合成を促すことができます。

もちろん、L-トレオン酸マグネシウムはサプリメントとして購入することも可能ですが、ここ2年ほど前に脳との関係が発見された物質ですから、効能は明確であっても、限界容量など(過剰摂取による副作用等)については科学的に不明な点も多いです。なるだけ食事から摂る工夫をすることをお勧めします。

マグネシウムの詳しい機能と豊富に含む食品については『マグネシウム』をご参照ください。

アブラナ科とネギ科の野菜

アブラナ科とネギ科のお野菜には、抗酸化物質グルタチオンになる成分とビタミンC、葉酸、ビタミンB6が豊富に含まれています。

【グルタチオン】

脳細胞が神経伝達物質や神経組織の保守点検をする際、グルタチオンと呼ばれる抗酸化物質が脳の清掃人として働きます。グルタチオンは脳だけでなく、体内のデトックスを促進してくれる成分です。

そのことから、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患の予防によいと言われています。

グルタチオンは、アミノ酸のグルタミン酸、シスチン、グリシンが、この順番で結合したトリペプチドと呼ばれる物質です。これらのアミノ酸を含む食品を生で食べる時、もっとも多くのグルタチオンが生成されると考えられています。

グルタチオンになる成分を多く含む食品の詳細については、『硫黄で肌荒れ予防・改善 – お肌修復に効く10種の野菜と9種の果物』をご参照ください。

なお、グルタチオンは、葉酸ビタミンB6B12の多い食品といっしょに食べると更に増やすことができます。

【ビタミンC】

ビタミンCに、アルツハイマー病予防効果があるとする研究報告があります。

2004年の1月に発行された『アーカイブス・オブ・ニューロロジー(Archives of Neurology)』によれば、毎日、十分なビタミンCとビタミンEを摂っている高齢者にアルツハイマー病の発症が64%も低かったと報告されています。

アブラナ科やネギ科のお野菜には、ビタミンCが豊富です。ビタミンCの豊富な食品については『ビタミンC豊富な食品』をご参照ください。

【葉酸とビタミンB6】

毒性のあるアミノ酸ホモシステインを減らし、メチオニンの正常な代謝とグルタチオンの産生の促進にも、葉酸やビタミンB6が必要です。アブラナ科のお野菜には葉酸、ネギ科のお野菜にはビタミンB6が豊富です。

参考:『菜の花の辛し和えで癌&アルツハイマー病予防

ニンニク

ニンニクにはビタミンB6が豊富に含まれています。

ビタミンB6は、毒性のあるアミノ酸ホモシステインを減らし、メチオニンの正常な代謝とグルタチオンの産生促進に必要なビタミンです。

>>『アルツハイマー病・認知症(3)予防と改善の食事法(つづき)

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参考文献:

ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング