
バイオ個性で食べて、心と体をつなぎ、健康と幸せを手に入れるホリスティックな食事法をコーチングする、ソフィアウッズ・インスティテュート代表 公認統合食養ヘルスコーチ(CINHC)、公認国際ヘルスコーチ(CIHC)の森ちせです。
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目次
前置き
この記事は元々2014年1月に執筆したものです。
2022年12月現在、とうとうサイエンス誌『ネイチャー』に人工甘味料が健常者の腸内細菌バランスを崩し、耐糖能を害することが臨床研究(ヒトを対象とした研究)によって証明されたという論文が発表されました。
耐糖能とは、血糖値が高くなった時に、血糖値を正常値にまで戻す能力のことです。それが害されるということは、血糖値が上がったまま下がらなくなることを意味し、人工甘味料が糖尿病を引き起こす原因となることを意味します。
それを受けて、その他の情報も併せ加筆することにしました。
以下、2014年に執筆した記事と2022年に行った補足です。
裏付けとなる研究論文は、最後に参考文献として一覧にしています。
医師・管理栄養士監修のレストラン
『ドクターズレストラン』という言葉聞いたことがありますか?
医師や管理栄養士がメニュー開発に携わりヘルシーなお料理を提供すると、謳っているレストランのことです。
または、特定の病気の患者さんでも安心して食べられるように、医師や管理栄養士がメニューを開発したお料理が食べられるレストランのことです。
入院施設を持った大きな病院に併設されていることが多いようです。
糖尿病患者に人工甘味料を使用

先日、そうしたレストランのひとつ”糖尿病レストラン”「知食旬菜ETSU」を紹介する記事を読んでいて、凍ってしまいました。
「すし飯にお砂糖を使わず、カロリーゼロの甘味料を使用している」
そのお店は糖尿病の患者さん向けにカロリーを抑えたお料理を提供しているレストランのため、お砂糖ではなく、カロリーゼロの甘味料を使用してお料理を作っているとのことでした。
カロリーゼロの甘味料と言ったら、人工甘味料です。
カロリー神話の問題
もちろん、人工甘味料は食品衛生法で使用が認められている合法的な甘味料です。当然、このレストランに関わった医師も管理栄養士も、何の疑いもなく当然のことのように使用したことでしょう。
しかし、カロリーゼロ、低カロリー食品や調味料の中には、健康への悪影響が報告されているものが多数あります。マーガリンや人工甘味料などもそのひとつです。
人工甘味料の中には既にその有毒性が指摘されているものが複数あります。
そんなものをただ単にカロリーが無いから、あるいは低いからというだけの理由で、病気をもっている方々に食べさせて良いものなのでしょうか。
ヘルスコーチとしては、はなはだ疑問です。
2022年補足
トランス脂肪酸の危険性については、2019年に執筆した『マーガリンや植物油脂ってそんなに体に悪いの?』をご参照ください。
なお、2022年3月、消費者庁が新しいガイドラインを発表し、食品添加物を表現する際に「人工」という言葉が使えなくなりました。つまり、人工甘味料を「人工甘味料」と表記してはいけないことになりました。そのため、こうしたレストランは、「人工甘味料使用」と言わず、「カロリーゼロの甘味料使用」と宣伝することになります。耳障りの良いその言葉が何を意味するのか、消費者が賢くなって、自己の健康を守らなくてはならない世の中になりました。詳しくは『食品添加物に関する「無添加」表示が禁止に』をご確認ください。
人工甘味料の内分泌組織への影響

「糖尿病の患者がカロリーゼロの甘味料を摂ると糖尿病が悪化する」という報告や、「リンパ腫や白血病を誘発する」といったリサーチ結果が報告されています。
そのため、ハーバード大学医学部や公衆衛生学部の情報サイトでは、その危険性について警告を発表しています。
2022年補足
2014年では「懸念」だったものが、2022年に「確証」されたことが今回の『ネイチャー』による報告です。
人工甘味料の糖尿病改善効果に確証はない
米国糖尿病学会は、通常の甘味料と比較して、カロリーゼロの甘味料が糖尿病治療に科学的に有効であるという確証は得られないと、結論づけています。
有効とも無効ともする両方の研究報告が存在し、その両方のリサーチに欠陥があるため確証とならないことが結論に至った理由として説明されています。
2022年補足
2014年では「不確定」だったものが、2022年に「改善効果がないことが確定」しただけでなく、「糖尿病になることが確定」しました。
人工甘味料の認知機能への影響(2022年追記)

2017年4月20日に発表された米国フラミンガム研究所とボストン大学医学部による研究は、人工甘味料が添加されたダイエット系炭酸飲料等を全く飲まない人と比べ、毎日のように飲む人の脳卒中と認知症のリスクが2倍~3倍に高まることを示しています。
人工甘味料ではない、加糖飲料の摂取頻度と脳卒中や認知症の間に関係性は認められませんでした。
人工甘味料が大腸病原菌を増殖させる(2022年追記)
2018年1月、人工甘味料のひとつトレハロースが、C.ディフィシル感染症(難治性大腸炎)の原因菌を腸内で増殖させることが発見されたことがサイエンス誌『ネイチャー』で報告されました。
C.ディフィシル菌は、抗生物質が効かない(現在4種の抗生物質が効くと言われているが、効く人と効かない人がいる)難治性の大腸炎です。
食物機能を無視したドクターズレストランの危険性
管理栄養士がこうした情報を知らなかったとしても驚きません。
なぜなら彼等の教育のほとんどが、カロリー計算によって献立を立てることですから、言い過ぎかもしれませんが、カロリーと塩分、そして従来のビタミンとミネラル以外の事柄、例えば、内分泌系への影響などの食物機能をメニュー開発に考慮することはほぼ無いと言って良いでしょう。
公認ヘルスコーチの教育と訓練とはまったく異なるのです。
しかし、医師監修のレストランなら、せめて糖尿病に関わる医師くらいは、最新の研究報告に敏感であって欲しかったと思います。
カロリーばかりに気をとられて、食品や食品添加物のもつ機能や影響に意識が及ばない医師や管理栄養士が作るお料理のどこがヘルシーだと言うのでしょうか?
健康を促進すべき、信頼すべき立場の人間が、それほど無頓着であることに怒りすら覚えます。
ドクターズレストランの罪は重い
『ドクターズレストラン』がこれから更に大きなトレンドになるという人もいます。確かにタニタ食堂のように管理栄養士がメニュー開発をしたというメッセージは、健康志向・ヘルシー志向の高い人達に響くでしょう。
それだからこそ、人工甘味料や食品添加物を無頓着に使う「ドクターズレストラン」の罪は重いのです。
ソフィアウッズ・インスティテュートからのアドバイス(2022年)

改善と謝罪をすべき
まず、現在までに、人工甘味料を用いたり、トランス脂肪酸(マーガリン)を用いたお料理を提供してきた「医師/管理栄養士監修」のレストランは、原材料の見直しをすることをお勧めします。
そして、今まで、健康になると信じて食べていた、しかし症状を悪化させてしまっていたかもしれない、そのレストランで食事をした多くの人に謝罪することもお勧めします。
この結果は、この記事を最初に執筆した8年前に既にほぼ判っていたことです。
食品はカロリーではなく機能
マインド・ボディ・メディシン講座セルフドクターコースの中で、プライベート・ヘルスコーチング・プログラムの中で、繰り返しお伝えし続けていること、それは
食品をカロリーではなく機能で選ぶこと
その理由はソフィアウッズ・インスティテュートのこのブログの中でもしばしば出てきます。
これから望むこと
これからのドクターズレストランには、次のことを開示し、食品の機能に着目した、真に病気治療となるメニューを提供して欲しいと願います。
- 調理に使用している調味料の製造法
- 使用している食品の栽培方法
- 使用している添加物の具体的な名称
- 使用している油脂の種類・製造法
- 使用している加工食品の原材料
- など
公認ヘルスコーチのソフィアウッズ・インスティテュートも積極的に関わらせていただければ嬉しい限りです。
公認ホリスティック・ヘルスコーチは、食事だけでなく、あなたを取り巻く様々なこと(環境、仕事、家族、人間関係など)を考慮して、プログラムに反映させ、あなたが、なりたいあなたになれるようコーチングを提供します。
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参考文献(2014年)
- “Consumption of artificial sweetener- and sugar-containing soda and risk of lymphoma and leukemia in men and women.” 2013 Aug, Channing Division of Network Medicine, Department of Medicine, Brigham and Women’s Hospital and Harvard Medical School, Boston, MA, USA
- “Healthy Beverage Guidelines” Harvard School of Public Health
- “Nonnutritive Sweeteners: Current Use and Health Perspectives” April 19, 2012, A Scientific Statement From the American Heart Association and the American Diabetes Association
参考文献(2022年)
- “Bittersweet: artificial sweeteners and the gut microbiome“, Le Roy, T., Clément, K, Nat Med 28, 2259–2260 (2022). https://doi.org/10.1038/s41591-022-02063-z
- “Sugar- and Artificially Sweetened Beverages and the Risks of Incident Stroke and Dementia: A Prospective Cohort Study“, Matthew P Pase, Jayandra J Himali, Alexa S Beiser, Hugo J Aparicio, Claudia L Satizabal, Ramachandran S Vasan, Sudha Seshadri, Paul F Jacques, Stroke, 2017 May;48(5):1139-1146. doi: 10.1161/STROKEAHA.116.016027,PMID: 28428346 PMCID: PMC5405737
- “Dietary trehalose enhances virulence of epidemic Clostridium difficile“, Nature, 2018 Jan, 18;553(7688):291-294, doi: 10.1038/nature25178. Epub 2018 Jan 3.
ソフィアウッズ・インスティテュート – ホリスティックヘルスコーチング